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音声認識可能なパーソナルロボットのPLEN Cube、IntelのJoule撤退でCPU変更も開発は順調
2017年8月21日 12:23
2017年8月17日、中目黒の蔦屋書店で、「ひとり一台ロボットの時代へ ~PLEN Cube Fan Meeting #3」が開催された。
PLEN Cubeは、PLEN Roboticsが開発中の小型パーソナルアシスタントロボットである。PLEN Cubeは、米Kickstarterでのクラウドファンディングに成功したのち、国内クラウドファンディングのMakuakeが8月24日まで実施中で、すでに目標金額の157%に到達しており、こちらも成功となる。
PLEN Cubeを開発しているのは、赤澤夏郎氏が代表取締役CEOを務めるロボットベンチャーのPLEN Roboticsである。じつは、PLEN Cubeは2016年に設立された中国のGoerTekとのジョイントベンチャーであるPLENGoer Roboticsによって開発されていたのだが、2017年8月2日にジョイントベンチャーを解消し、新たに設立されたPLEN Roboticsにそのまま引き継がれることになった。
このイベントは、PLEN Cubeに興味がある人やクラウドファンディングのBacker(支援者)を対象に開催されているもので、今回が3回目となる。会場には30人を超えるPLEN Cubeファンが詰めかけていた。
まず、赤澤夏郎氏が、新たに設立されたPLEN RobiticsにPLEN Cubeの開発が継承されたが、KickstarterやMakuakeでの支援へのリターンなどもすべて引き継がれているので、安心していいと説明した。
続いて、PLEN Cubeの特徴や基本機能を解説した。
PLEN Cubeは、音声認識により、アクションカメラやホームコントロール、音楽再生などが可能なほか、IFTTTなどのWebサービスとの連携、SNSどの連携などが可能である。音声認識は、PLEN Cube単体にも搭載されるが、クラウド経由の音声認識も利用できる。
また、単体では音声合成機能は持たないが、ソフトバンクと提携し、BtoB向けにクラウド経由で4言語対応の音声合成や音声認識を実現できるようにすることも明らかにされた。PLEN Cubeと客との対話が可能になるので、店番や商品説明といったPepper的な使い方もできるようになる。
そして、ファンミーティングで初めて、詳細な開発スケジュールが明らかにされた。
今回デモに利用されたのは、2ndプロトタイプであるが、1stプロトタイプと2ndプロトタイプは、マイコンボードとしてIntelのIoT向け製品「Joule」を採用していた。しかし、IntelがJouleを含むIoT向け組み込み開発製品を製造中止とし、撤退する方針を表明したことで、CPU変更を余儀なくされたという。
すでに、Jouleの代わりのCPUとして3種類のCPUをテスト中で、その新CPUを採用した3rdプロトタイプもほぼ完成しているとのことだ。
量産開始スケジュールは当初の予定から5~6カ月延びてしまい、出荷開始はKickstarterの英語版が2018年4月、Makuakeの日本語版が2018年7月になる。なお、kickstarterでの出資を行なったが、日本語版がほしいという人への対応も考えているとのことだ。
赤澤氏のプレゼンテーション後、スペシャルゲストとして工学部出身で“リケジョ”としても有名なモデルの「梨衣名」さんが登場。梨衣名さんによる、PLEN Cubeの音声認識機能や写真撮影機能、Facebookへのライブビデオ配信機能などのデモが行なわれた。イベント終了後は、参加者も実際にPLEN Cubeにふれ、デモを体験することができた。
今回のイベントでは、音声認識に失敗する場面も見られたが、首振りの動きなどは可愛らしく、サイズ感も含めて、パーソナルアシスタントロボットとして魅力的だった。クラウドファンディングの出資者への量産出荷と同時に、一般販売も計画中とのことであり、期待したい。