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電力事業者と提携して家庭向けサービスのプラットフォームを提供するインテルの構想

エネルギーコレクティブ プラットフォーム概念図

 インテル株式会社は、都内で開催された「インテル エネルギー×IoT フォーラム 2017」にて、IoTプラットフォーム「エネルギーコレクティブ プラットフォーム」の国内構築に向けた取り組みの開始を発表した。

 エネルギーコレクティブ プラットフォームは、「エナジーゲートウェイ」と称する、電力データと各種IoTセンサーデータの収集および分析を行なうデバイスを宅内に設置し、最適化エンジンを実装したクラウドプラットフォームによる収集データの分析(ゲートウェイが収集したデータ)と合わせ、電力消費データに基づいた顧客分析と電力消費予測の分析を行なうというもの。

 具体的には、消費者にとってはインバータを介した家庭用蓄電池、太陽光発電、電気自動車などの情報収集と制御も行なうことで、最適な電力ソースを自動で選択し電気代を抑えるといった機能が挙げられる。

 このエナジーゲートウェイは、単に電力に関するものだけでなく、各種IoTセンサーデータのゲートウェイとしても機能するよう設計されており、電力以外の家庭用サービスの提供プラットフォームとしても動作するという。

 インテル株式会社 執行役員インダストリー事業本部 アジアパシフィック・ジャパン エネルギー事業統括の張磊氏は、エナジーゲートウェイで収集された情報をもとに、エネルギーコレクティブクラウドで家電や電気設備の使用状況、需要予測分析が可能なだけでなく、それらを家庭消費者向けサービスの共通IoT/共通管理プラットフォームとして提供できると説明する。

 同氏は、従来ならサービスごとにゲートウェイが増え、工事などを行なわなければならないが、たとえばホームセキュリティなどを導入する場合にも、このプラットフォームがあれば簡単に導入ができるとした。

 エナジーゲートウェイのリファレンスデザインも披露。プロセッサはFPGAだが、サービスの更新などを考慮し、ロジック部のみの実装ではなくFOTA (Firmware On-The-Air)も可能な仕様になっているという。

 プラットフォームは電力以外のビジネス業界のサービス提供のため、オープン化されAPIが提供されるという。同氏は、さまざまなサービスが同じプラットフォームを通じて提供されることで、“サービスポータル”として消費者は電力だけでなく、自分に合ったサービスを自分の信頼する事業者から受けることが可能となると説明した。

 国内での展開は、エネルギー会社と共同開発で国内仕様に適用し、代表的なサービス事業者によるサービスのインテグレーションを9月から、2018年4月にはサービス開発のためプラットフォームのオープン化を行なっていくという。

リファレンスアーキテクチャ
構成要素
消費者にとっての価値
日本での展開
エナジーゲートウェイ

 記者会見にはインテル株式会社代表取締役社長の江田麻紀子氏、同社 張磊氏、米Intel セールス&マーケティング統括本部副社長兼インダストリーセールスグループ本部長のシャノン・ポーリン氏が登壇。

 江田氏は挨拶のほか、Intelはエッジからクラウドに至るまで、幅広い技術を提供する企業であると述べ、自動運転や製造工場、エネルギー、教育分野、スマートシティといった、広がりつつあるデジタルビジネスも同様であると語った。

インテル株式会社代表取締役社長 江田麻紀子氏
Intelの成長戦略サイクル
幅広い技術
拡大するデジタルビジネス

 シャノン氏は、Intelは25年に渡ってさまざまな企業や政府機関とコラボレーションしており、業界や市場も多岐に渡り、結果としてマーケットに合った最適な方法を見極めてきたとアピール。特定の市場の特定の課題を解決してきたとした。

 また、Intelは技術を売る企業ではなく、技術で何ができるのか、最終的にどういう成果が挙げられるのかを重視しているとした。

 新たな課題はビジネスチャンスにも脅威にもなると述べ、それらの解決に積極的な企業が成功を収めるとして、例えば、顧客管理なら小売業の事例が参考にできるなど、エネルギー業界でもデジタルビジネスを考える上でベストプラクティスを共有したいと語った。

米Intel セールス&マーケティング統括本部副社長兼インダストリーセールスグループ本部長 シャノン・ポーリン氏
Intelのパートナーシップ
成果
ソリューション導入事例
各業界でのベストプラクティスを把握
Intelとの協業による優位性

 張氏は、前述で紹介したプラットフォームの解説のほか、電力会社、サービス事業者にとってのビジネス価値についても説明を行なった。

 電力会社にとっては、家庭向けサービスのプラットフォームを提供することで、サービス事業者を対象とした電力提供以外の新規収益源の確保、新規顧客の獲得と既存顧客の維持、需要分析による最適化でコストの削減につながるとした。

 サービス事業者にとっては、電力会社の膨大な顧客データベースへのアクセス、既存プラットフォームのため容易なサービス導入と管理、インフラ費用がかからず初期投資の抑制といった価値があるとした。

 ゲスト登壇した東京電力パワーグリッド株式会社 取締役副社長の岡本浩氏は、関東圏の送配電を手がける同社では、スマートメーターの設置を進めており、すでに30分毎の消費電力データを事業者に提供するといったビジネスをはじめているが、よりリアルタイムな処理での提供を考えており、宅内IoTプラットフォームを提供したいと述べ、エナジーゲートウェイは家庭内にあっても邪魔にならない大きさかつ、リアルタイム処理を行なえる性能の両方を満たしており、普及を期待していると語った。

エナジーゲートウェイを持つインテル株式会社 執行役員インダストリー事業本部 アジアパシフィック・ジャパン エネルギー事業統括 張磊氏
世界的なエネルギー企業の現状
日本市場の背景
イノベーション
電力会社にとっての価値
サービス事業者にとっての価値
東京電力パワーグリッド株式会社 取締役副社長 岡本浩氏
まとめ