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Microsoft、ARM64上でWindows 10を動作させるデモを公開
2017年5月12日 20:10
Microsoftは12日、Build 2017のセッションの1つとして、かねてより開発されている「ARM64対応Windows 10」のデモ動画を公開した。動画によると、通常のx86(win32)アプリケーションの機能がフルにサポートされる強力なエミュレーションを実現しており、実行速度も申し分ないようだ。
デモ動画では、「ダウンロードしたフリーアーカイバを用い、圧縮ファイルを解凍する」という処理を行なうが、通常のPCと全く同様に実行する様子が見てとれる。加えてこの機能は開発者やユーザーは何ら追加的な操作を行なうことなく利用可能だ(過去記事も参照"【詳報】Win32アプリが動く“ARM版Windows 10”はフル機能搭載の完全なるWindows 10")。
また、ドライバもインボックス化され、市販のWebカメラをプラグ・アンド・プレイで利用する様子も見られた。
限りなくネイティブコードに近いエミュレーションを実現できた背景には、高速なバイナリ変換やARM64ネイティブで実装されたシステムサービス(NTDLL)などがある。
また、すべてのx86DLLをエミュレートするのではなく、ARM64のコードで実装されたx86DLLである「CHPE(Compiled Hybrid PE)」を用いることでCPU内で生じる32bitから64bitのデータ変換を削減しする技術が用いられている。
UWP(Universal Windows Platform)アプリケーションもまたネイティブアプリとして動作する。さらに、UWPアプリをストアで公開する開発者はアプリのコードを書き換える必要は一切なく、ARM版としてビルドしたパッケージを送信するだけでARM版Windows 10への対応が完了するとのことで、正式に登場すれば利用は広がると思われる。