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big.LITTLEの先をゆくフレキシビリティを高めた「ARM:DynamIQ」

 ARMは21日、同社のCPUラインナップの1つであるCortex-Aシリーズを対象に、従来よりフレキシブルにbigコアとLITTLEコアを組み合わせる技術「ARM:DynamIQ」を発表した。スマートフォンに留まらず、AIやVR、自動運転といったさまざまな用途でパフォーマンスを発揮するという。

 従来は2つのbigコアを持つbigクラスタと、4つのLITTLEコアを持つLITTLEクラスタのように、異種のCPUが2つのクラスタに別れていた。今回発表のDynamIQでは、最大8つのbig及びLITTLEコアを自由にヘテロジニアス(異種混合)構成として1つのクラスタを形成する。

 例えば、1つのbigコアに7つのLITTLEコアのような自由な構成が可能。特定の用途に対して最適なCPUを構成することができるため、AIやVRなどのスマートフォン以外の用途にも好適とする。

 DynamIQクラスタを持つプロセッサでは、性能によって複数のドメインに分割される1つのクラスタを持つ。それぞれのドメインはCPU 1基単位で設定可能なため、パフォーマンスや電源管理の粒度が向上し、パフォーマンスの向上と省電力化に貢献する。さらに、改善されたメモリサブシステムがクラスタ内のCPUに共有されているため、より高速な応用を実現。また、電源管理システムも高度になり、CPUコアの電源ステート移行も高速となった。

 同社は、AIや機械学習の分野に対し、専用命令セットの実装により、向こう3〜5年で現在のシステムに比べて最大50倍の性能向上を謳っている。また、これらの用途に対し、低レイテンシな専用ポートを通じアクセラレータと接続可能とすることでさらに10倍の高速化が望めるとしている。