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MediaTek、10nmプロセスのスマホ向け10コアSoC「X30」

 MediaTekは27日(スペイン時間)、10nmプロセスで製造されるスマートフォン向けデカ(10)コアSoC「Helio X30」を発表した。2017年第2四半期以降に同SoCを搭載した製品が出荷される模様だ。

 前世代の「X20」同様、コア構成は超低消費電力・低消費電力・高性能の3種類のクラスタからなるいわゆるbig.LITTLEのコアを持つヘテロジニアス(異種混合)構成。主な変更点は、10nmへのプロセス微細化のほか、超低消費電力クラスタには新たに超高効率のCortex-A35が採用され、クラスタ間の特性が明確化。コアの内訳は、Cortex-A35(最大1.9GHz)が4基、Cortex-A53(同2.2GHz)が4基、Cortex-A73(最大2.5GHz)が2基。

 低消費電力なLPDDR4Xメモリを最大8GBまでサポートし、GPUはIMG PowerVR 7XTP-MT4(800MHz)を採用する。

 省電力技術CorePilot 4.0を採用し、熱管理やUX(ユーザー体験)マネジメント機能が追加され、シーンに応じたより細やかな処理能力の制御を提供する("IBMがPower9を、MediaTekが10nm版モバイルSoCをISSCCで発表"アーキテクチャに関しては、こちらも参考にされたい)。

 CorePilot 4.0では、集中化(Centralized)ということが謳われており、超低消費電力クラスタにバックグラウンドタスクなどを任せ、低消費電力クラスタが主な処理を引き受けるという志向を採用した。これらの変更により、X20からそれぞれ最大35%の性能向上を実現し、50%の消費電力低減が可能になるという。

 機能面では、新たに3波キャリアアグリゲーションや最大下り450MbpsをサポートするCat.10のLTEに対応。

 また、1,600万画素デュアル背面カメラに対応した2つの14bit画像信号処理装置を搭載することで、ボケ味のあるポートレートの撮影や光学相当のズームなどが可能。加えて、新しいVision Processing Unit を搭載し、カメラ機能や性能を向上させつつ、それらが担当するタスクではCPUやGPUに比較して消費電力は1/10に抑えられる。

公式トレーラー