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Avast、AVGの行動分析技術を組み込んだ「Avast 2017」

~パスワード管理ツールやホームネットワーク保護機能なども強化

スキャン時のイメージ

 Avast Softwareは7日(米国時間)、同社セキュリティソフト最新版「Avast 2017」の提供開始を発表した。無料版の「Avast Free Antivirus」、有償版の「Avast Pro Antivirus (年額3,480円)」、「Avast Internet Security (同4,480円)」、「Avast Premier (同5,980円)」の4製品が提供される。

 Avast 2017は、一般消費者向けセキュリティソフトウェアの最新版で、Avastと2016年に買収したAVGの2つの脅威研究ラボ統合の成果として、セキュリティエンジンの強化、クラウドベースの高度な分析、検出時間の高速化を謳う。

 また、ユーザーをサイバー攻撃から保護する保護レイヤー追加などの機能強化が図られており、ゼロデイマルウェア攻撃の阻止、ユーザーのアカウント/金融情報に対するサイバースパイ活動の監視、複数のパスワードのセキュリティ保護、中断のないPCゲームプレイを実現したとする。

 具体的な機能は以下の通りで、無償/有償版ともに搭載される。

 「CyberCapture」は、Avast独自のクラウドベースのスマートファイルスキャナ。未知のファイルを特定・隔離し、有害か無害かをリアルタイムで判断・分析する。未知のファイルを安全なクラウド環境に隔離することで、より綿密に深いレベルでの分析を行なうほか、Avast Threat Labsとの間で双方向の通信チャネルを自動的に確立し、検出の高速化を図るという。CyberCaptureは現在、1日あたり約1万個の新規ファイルを分析しており、その半分以上のファイルは5分以内に判断されているという。

 「行動シールド」は、コンピュータ上で実行中のソフトウェアについて、疑わしい行動を継続的に監視・検出するというもの。従来の検出方法では一般的に対応できないような、ゼロデイ脅威、悪意あるプログラム、パスワードや銀行アカウントの詳細情報に対するサイバースパイ活動からユーザを自動的に保護。特に新たなランサムウェアに対して大きな効果を発揮するとしている。

 「ゲームモード」では、ゲームのプレイ状態を自動的に判断し、プレイを優先させることで、割り込みを排除し、ゲームに必要な速度と性能を最大限に引き出すとしている。ゲームモードに切り替わると、Avastの通知とバックグラウンドプロセスの全てが一時停止されるほか、そのほかの通知やWindows Updateも一時停止されるという。

 「Avast Passwords」はパスワード管理ツールで、今回、WindowsとMac向けに再設計された。パスワードは単一のロケーションに安全に確保され、マスターパスワードによってロックされる。ロック解除状態では、ユーザーがオンラインアカウントにログインするその都度、情報を自動追加する。有料版では、アカウントの認証情報が外部へ漏洩したと判明した場合、ユーザーに自動的に通知されるほか、スマートフォンからデスクトップのパスワードのロックを解除することも可能となっている。

 「Wi-Fiインスペクター」は、ホームネットワークセキュリティとして2014年に初めて導入されたツール。Avast 2017では、機能が強化されて組み込まれ、脆弱なデバイスを対象に、ユーザーのホームネットワークを自動的にスキャン。スキャン後に、ユーザーは段階的な是正指示を受けることで、ボットネット検知など、セキュリティ上のあらゆる問題に対処するとしている。

Wi-Fiインスペクタ

 「パッシブモード」は、2つのセキュリティ製品を同時に実行させることができるというもの。PCの動作を悪化させることなく、さらにプログラムのアンインストールや再インストールをすることなく、それぞれのプログラムから好みの機能を選択でき、Avastとほかのアンチウィルスアプリケーションを並行して実行できるとしている。