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NVIDIA、3倍の性能/電力効率を達成したノートPC向け「GeForce GTX 1050 Ti/1050」
~デスクトップ版GPU以上の性能を備える
2017年1月4日 02:00
NVIDIAは、ノートPC向けGeForce GTX 10シリーズの最新製品として、「GeForce GTX 1050 Ti(ノートPC版)」および「GeForce GTX 1050(ノートPC版)」を追加した。
両製品とも、現行世代のGPUアーキテクチャであるPascalに基づいており、製造プロセスルールは14nmで、GeForce GTX 1050 Tiが768CUDAコア、GeForce GTX 1050が640CUDAコアを搭載している。
デスクトップ版GeForce GTX 1050 Ti/1080と同じダイを利用して提供されるノートPC版
今回発表されたGeForce GTX 1050 Tiおよび、GeForce GTX 1050は、ノートPC向けGeForce GTX 10シリーズのローエンド版となる製品。明らかにはされていないものの、NVIDIAはGP107ベースのデスクトップ版GeForce GTX 1050 Ti、GeForce GTX 1050を2016年10月に発表しており、今回のGPUも同じGP107のダイを利用していると見られる。
GeForce GTX 1080 | GeForce GTX 1070 | GeForce GTX 1060 | GeForce GTX 1050 Ti | GeForce GTX 1050 | |
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ダイ(推定) | GP104 | GP104 | GP106 | GP107 | GP107 |
GPクラスター | - | 2 | 2 | ||
SM | - | 6 | 5 | ||
CUDAコア | 2,560 | 2,048 | 1,280 | 768 | 640 |
テクスチャユニット | - | - | - | 48 | 40 |
ROP | - | - | - | 32 | 16 |
ベースクロック | 1,556MHz | 1,442MHz | 1,404MHz | 1,493MHz | 1,354MHz |
ブーストクロック | 1,733MHz | 1,645MHz | 1,670MHz | 1,620MHz | 1,493MHz |
メモリデータレート | 10Gbps | 8Gbps | 7Gbps | ||
L2キャッシュ | - | 1,024KB | |||
ビデオメモリ | - | 最大4,096MB/GDDR5 | |||
メモリバス幅 | 256bit | 192bit | 128bit | ||
メモリ帯域幅 | 320GB/s | 256GB/s | 192GB/s | 112GB/s | |
テクスチャレート | - | 71.7Gテクセル/s | 54.2Gテクセル/s | ||
製造プロセスルール | - | 14nm | |||
トランジスタ数 | - | 33億 | |||
ディスプレイ出力 | DP 1.4/HDMI 2.0b/DL-DVI | DP 1.4/HDMI 2.0b/DL-DVI | DP 1.4/HDMI 2.0b/DL-DVI | DP 1.4/HDMI 2.0b/DL-DVI | DP 1.4/HDMI 2.0b/DL-DVI |
GP107は6つのSM(Streaming Multiprocessor)で768個のCUDAコアを内蔵しており、GeForce GTX 1050 Ti(ノートPC版)はフルスペックを、GeForce GTX 1050(ノートPC版)は1つのSMを無効にしていると考えることができる。
テクスチャフィルレートではGeForce GTX 1050 Ti(ノートPC版)が71.7Gテクセル/s、GeForce GTX 1050(ノートPC版)は54.2Gテクセル/sを実現している。いずれの製品も、メモリはバス幅128bitで最大4GBのGDDR5を搭載できる。データレートは最大7Gbpsに達するので、112GB/sのメモリ帯域幅を実現する。NVIDIAによれば、製造プロセスルールは14nmで、トランジスタ数は33億個となっている。
2017年の第1四半期に30を越えるゲーミングノートPCなどに登場して市場に登場、CESでも多数発表
原稿執筆時点では、ベンチマークデータなどは公開されていないが、仕様的にはデスクトップPC版のGeForce GTX 1050 Ti/1050より高い(同じCUDAコア数で、コアクロックが高い)ため、ノートPC側の熱設計に余裕があれば、上の性能を発揮することが期待される。NVIDIAによれば、従来のMaxwell世代の同クラスのノートPC向けGPUと比較して、3倍の性能と電力効率を実現しているという。
ノート版GeForce GTX 1050 Ti/1050はOEMメーカーへの出荷を開始しており、2017年の第1四半期に30を越えるゲーミングノートPCに搭載されて市場に出荷される予定だという。同じタイミングで、Intelは第7世代CoreプロセッサのHプロセッサを発表しており、その組み合わせで市場に登場する見通しだ。NVIDIAによれば、搭載されているシステムの価格はOEMメーカー次第だが、699ドル前後を想定しているという。
また、CESでは、Acer、AlienwareおよびDell、ASUS、HP、Lenovo、MSIの各社が同GPU搭載製品を展示する予定で、既にLenovoからはGeForce GTX 1050 Ti(ノートPC版)を搭載したLegion Y520が発表されている。