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日本HP、Windows 10 Mobileスマホ「HP Elite x3」を9月5日に発売

~税込みで約84,000円、個人でも購入可能

HP Elite x3

 株式会社日本HPは、Windows 10 Mobileスマートフォン「HP Elite x3」を9月5日に開始する。また、KDDIや日本HPの法人向け販売網に加え、HP Directplusといったルートで個人向けにも販売する。

 税別価格は、単体の「HP Elite x3」が77,800円、ヘッドフォン付きの「プレミアムパッケージ」が79,800円、Continuumに対応し、有線LANやUSBマウス/キーボード、ディスプレイ出力などが使えるようになる「デスクドック」が12,000円、バッテリを内蔵し、無線でContinuumが使えるようになるクラムシェルノートのような「ノートドック」が49,800円。

 モバイル回線はKDDI(au)のLTEに対応し、Windows 10 Mobileとしては国内で初めてVoLTEをサポートする。このほか、耐衝撃ケースおよびASスクリーンプロテクタはそれぞれ4,000円で用意される。

 HP Elite x3はSnapdragon 820を搭載した高性能Windows 10 Mobile搭載スマートフォン。2月22日に発表され、夏の国内投入が予定されていたが、今回発売時期が正式に決定した。

 法人使用に耐える高スペックを有しており、IP67準拠の防水設計や、MIL-STD 810Gスタンダード準拠の耐衝撃性などを備える。また、セキュリティ面も充実しており、虹彩認証と指紋認証をサポートするほか、fTPM 2.0に対応し、内蔵ストレージはBitLockerにより暗号化されている。また、指定したOS以外起動できないSecureBootなども利用されており、ハッキングを防ぐ仕組み。

 主な仕様は、CPUにQualcommのSnapdragon 820(MSM8996)、メモリ4GB、64GB eMMC、2,560×1,440ドット(WQHD)表示対応5.96型有機ELディスプレイ、OSにWindows 10 Mobileを搭載する。

 インターフェイスは、microSDカードスロット、Nano SIMスロット、USB 3.0 Type-C、1,600万画素背面/800万画素前面Webカメラ、IEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 4.0+LE、NFC、指紋センサー、240万画素赤外線カメラ(虹彩認証用)、音声入出力を搭載。センサーは周辺光、近接、加速度、ジャイロ、電子コンパス、圧力、磁気、GPSを備える。

 バッテリは4,150mAhのリチウムポリマーで、1,000回の充電/放電サイクルに対応。本体サイズは83.5×161.8×7.8mm(幅×奥行き×高さ)、重量は194g。

HP Elite x3本体
本体背面。2月時のモックから指紋センサーが追加された
右側面のボタン部
左側面
B&Oブランドのスピーカーもデザインが凝っている
ノートドック接続時。Continuumが使えている
こちらはデスクドック接続時
HP Workspaceにより、x86アプリケーションも動作できる

新規分野に参入するHPの新機軸

日本HP 代表取締役 社長執行役員の岡隆史氏

 31日に都内で開かれた製品発表会では、日本HP 代表取締役 社長執行役員の岡隆史氏が挨拶し、HP Elite x3投入の背景について語った。

 HPはビジネスを“コア事業”、“成長事業”、“将来事業”の3つに分けている。HPのコア事業は言うまでもなくPCとプリンタであり、PCとプリンタは全世界全体で43兆円の規模を持つ市場だが、既に成熟しておりこれ以上の成長は見込めない。一方で、プリンタに関してはA3タイプ出力機、PCに関してはエンタープライズのモビリティと言った新たな成長分野があり、今後18兆円に膨れ上がると予測している。将来的には3Dプリンタや、AR/VRを使った次世代コンピューティングなどがあるが、本当にコア事業のようになるまで成長が見込めるかどうかはまだ分からない。今回投入するHP Elite x3は、18兆円規模の市場に成長すると見込んでいる、エンタープライズモビリティに対応するものである。

 なお、法人向けPCの市場に絞って見ると、HPは全世界でトップシェアを維持しており、トップ3のシェアが寡占化しているのが顕著に見える。国内においても、この直近の4~6月期で日本HPが2位に躍進しており好調である。2014年はWindows XPのサポート終了に伴う買い替え特需で、2015年と2016年上期はその反発を受け振るわなかったが、2017年以降はPC買い替えサイクルの継続で徐々に市場が回復/成長していくだろうとした。

HPが3つに分ける市場
それぞれの市場での展開
全世界の法人向けPCのシェアと、日本における法人向けPCのシェア
国内企業のデバイス需要予測

 その中でHP Elite x3は、法人のPC市場を押し上げる重要な役目を持っている。米HPから来日したバイスプレジデント モビリティ・プロダクト・マネージメント・パーソナルシステムズのキース・ハーツフィールド氏は、「企業は、旧来型のPCのようなキーボード+マウスの操作形態を好む従業員の高齢化が進む一方で、片手で使えるスマートフォンのような操作形態を好むミレニアム世代の雇用も進んでいる。HP Elite x3はミレニアム世代ユーザーにも受け入れられやすいデバイスである」とした。

 過去の記事でも何度か紹介しているが、HP Elite x3は純粋なスマートフォン的な使い方に加え、ドックに接続してContinuumを利用することでデスクトップPCのように使うことも、そして独自のノートドックを使うことで、ノートPCのようにも使えるのが特徴だ。つまり、新たな「3in1」というカテゴリの製品になる。

 企業にとってみれば、HP Elite x3を導入することは、導入コストの低下(PCとスマートフォンを別々に購入しなくても済む)、セキュリティと管理性の向上(既存のWindows環境との親和性および管理性の継続)、そしてどこでもOfficeアプリケーションが使えるという優れた生産性を得ることができるとした。

キース・ハーツフィールド氏
HP Elite x3は新しいカテゴリのデバイスで、従来のPCのような操作性とスマートフォンのような操作性を両立させられる
現在投入済みで市場から好評を得ているというHP Elite x2
HP Elite x3はデスクトップ、ノート、スマートフォンを融合した3in1
1つのデバイスでさまざまな利用形態が可能
ビジネス向けの価値

 米Microsoftでプリンシパル グループ プログラム マネージャー テレコム エコシステムを担当するピート・バーナード氏も招かれ、Elite x3が持つ高いセキュリティ性やContinuumによる生産性についてアピールした。

ピート・バーナード氏
Windows 10 Mobileの特徴
東海林崇氏

 HP Elite x3対応キャリアであるKDDIのソリューション事業部 東海林崇氏は、法人でのスマートフォン普及率が60.5%に達しているのにも関わらず、その利用形態に関しては未だ従来のいわゆるガラケーに近い、音声通話やメールに留まっている問題を指摘。その最大のボトルネックが性能であったとし、HP Elite x3ではその問題を解決でき、生産性向上に繋げることができるとした。

 その上で、KDDIのネットワーク網の仕組みである「KDDI Wide Area Virtual Switcher 2」を使用すれば、煩雑な設定をすることなく社内ネットワークにも外部インターネットにもアクセスできる点や、Microsoftが持つSkype for Businessソリューションを使えば、社内の内線固定電話との間でもシームレスな音声通話を実現できるとした。

ビジネスユーザーの60.5%はスマートフォンを利用している
しかし利用形態はガラケーの時とほぼ変わらない
HP Elite x3はPCと同等のスペックをスマートフォンで実現
Continuum作業中でも通話できる
Wide Area Virtual Switch 2により、社内ネットワークにシームレスに接続可能
Skype for Businessを使用すれば音声環境を統合できる
九嶋俊一氏

 日本HP 執行役員 パーソナルシステムズ事業本部長 兼サービス・ソリューション事業本部長の九嶋俊一氏は、端末の特徴について大きく「安全」、「安心」、「快適」という3つのポイントに分けて解説した。

 安全については、Windowsが提供する強固なセキュリティ基盤のことで、アプリケーション間の通信を防ぐUWPによるサンドボックス構造や、スクリーンショットやコピー&ペースト、ローカル印刷などを禁止することで情報漏えいを防げる機能、セキュアブートによりOSフルアクセス権が取得されることを防げる機能を挙げた。また、パスワードを入力するシーンでも、虹彩や指紋といった生体認証を活用することで、パスワード入力を盗み見される危険性を排除できるとした。

 安心については、大容量バッテリの採用で、近代的なスマートフォンの約1.4倍のバッテリ寿命を持っている点や、スマートフォン単体で14時間、ノートドックに接続してPCとして10時間、つまり24時間連続稼働ができる点、そして長寿命バッテリや耐水機能/耐落下機能、最大3年の拡張保守や偶発事故保証の提供を挙げた。

 最後に快適については、国内初のVoLTE対応Windows 10 Mobileスマートフォンであり、B&Oスピーカーとノイズキャンセリングによりクリアな音声コラボレーションができる点、そしてPCと同様の使い勝手を実現するContinuum、そして既存のx86のアプリケーションをHPが仮想化して提供できる「HP Workspace」を挙げた。

デバイスの統合による生産性向上、リスク低減、TCO削減
HP Elite x3の特徴
Windowsを基盤とした強固なセキュリティ
長時間バッテリやタフネス性も特徴
VoLTEによる快適な音声通話およびContinuumによるPCライクな操作性