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「Overwatch」も動作するMac向け仮想化ソフト「Parallels Desktop 12 for Mac」
2016年8月23日 17:10
パラレルス株式会社は、Mac上でWindowsなど異種OSを動作させる仮想化ソフト「Parallels Desktop 12 for Mac」の国内発売を開始した。価格は通常版で8,500円。
今回発売されたバージョン12では、macOS Sierraに対応したほか、大容量メモリ搭載の仮想マシンのサスペンドの最大60%高速化、光学ドライブ上の大容量メモリ搭載仮想マシンのスナップショット取得を90%高速化、Mac側の空きメモリが少ない状況での仮想マシンのレスポンス向上、共有フォルダ上のVisual Studioプロジェクトのコンパイルを25%向上といった、パフォーマンスの向上を謳う。
Windowsへの対応では、新たにWindows 10 Anniversary Updateで追加された「Windows Ink」への対応するなど、Windows 10の完全サポートを謳う。
またMicrosoftとの協業で、Parallels Desktop 12の初回起動ウィザードの中でWindows 10のライセンスを購入可能となり、スムーズに仮想環境を構築できるとする。
従来製品で課題となっていた仮想環境のバックアップについては、Acronisのバックアップソフト「Acronis True Image」をバンドルすることで、増分バックアップに対応した。
また、スクリーンショットの取得や画面の録画、YouTubeやVimeo、Facebookなどのビデオダウンロード機能など、20以上のツール/ユーティリティをまとめた「Parallels Toolbox for Mac」が全エディションに付属。Parallels Toolbox for Macは独立したアプリケーションで、Parallels公式サイトにて単体でのダウンロード販売も行なわれる。
各バージョンの価格は以下の通り。
バージョン | 価格 |
---|---|
Parallels Desktop 12 for Mac | |
通常版 | 8,500円 |
乗り換え版 | 6,480円 |
3年期間更新版 | 20,400円 |
5ユーザーライセンス版 | 37,800円 |
大学生協版 | 6,000円 |
USBメディア版 | 9,500円 |
Parallels Desktop for Mac Pro Edition | |
1年期間更新版 | 10,800円 |
Parallels Toolbox for Mac | |
年間ライセンス | 1,000円 |
23日に開かれた製品発表会には、パラレルス株式会社 代表取締役の下村慶一氏、Parallels シニアプロダクトマネージャーのカート・シュマッカー氏が登壇。製品解説やデモンストレーションなどを行なった。
下村氏は、Parallels Desktop for Macの設計思想は「過去製品を超えるパフォーマンスの実現」、「Macの『使いやすさ』でWindwosを操作する」、「『Windowsの使いやすさ』をMacでも実現する」ことであると述べ、バージョン12ではさまざまな機能が強化され、新たに追加されているとした。
また、MacでWindowsを利用しているユーザーは、Macユーザー全体の3割~4割を占めるというIDCの調査結果を挙げ、そういったユーザーの国内シェア50%獲得を目指すと述べた。
次いで行なわれた製品機能のデモには、シュマッカー氏が登壇。
起動ウィザードでのWindows 10ライセンス購入の流れのほか、仮想マシンをサスペンドさせず、常時バックグラウンドで待機させる新オプションを披露。仮想マシン上のアプリケーションを立ち上げた場合などで、ネイティブアプリのように高速で起動が可能となっていた。
また、Windowsアップデートをスケジュールする機能を搭載しており、Windowsアップデートがあれば指定した時間に自動で適用、Windowsを再起動させられる。なお、Windows 10にも時間指定機能があるが、Parallels Desktopの設定はそれらを上書きする形で適用されるという。
Windows 10 Anniversary Updateで追加された、ペンデバイス向けの機能「Windows Ink」の対応については、MacbookとiPadを組み合わせたデモを披露。
iPadを液晶ペンタブレットのように使うことのできるアプリ「AstroPad」を使用し、Apple PencilでInkを利用して見せた。
Parallels Toolboxの機能も一部が紹介された。なお、動画のダウンロード機能でダウンロードした動画は、渡航中の機内などでオフライン視聴のために使うなど、あくまで個人利用の範疇で合法的に利用するためのもので、著作権に違反するような行為のための機能ではないとしていた。
ゲームの動作については、DirectX最新版を利用したタイトルが起動できないなど、全てのゲームが遊べるわけではないとしながらも、マルチプレイヤーシューター「Overwatch」の動作デモを披露した。Overwatchについては、ユーザーからの要望を受け、開発元のBlizzardとも連携し、Parallels Desktopに最適化を施したという。