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AMD、ビデオカード上にSSDを載せた「Radeon Pro SSG」

~1TBのフレームバッファで8KのRAWビデオを余裕でシーク

AMDの公式Twitterより

 米AMDは25日(現地時間)、カリフォルニア州で開かれているコンピュータグラフィックス国際展覧会/展示会「SIGGRAPH」にて、1TBのSSDをフレームバッファとして採用したビデオカード「Radeon Pro SSG」を発表した。

 一般的なビデオカードは数GBのビデオメモリを持っているが、このメモリ上に表示するデータがない場合、CPUにデータをリクエストして、CPUがメインメモリ上を参照する。そこにもなければ、ローカルのHDDやSSDを探すことになる。このため大きなオーバーヘッドが生じ、GPUの性能を引き出すことは難しかった。

 Radeon Pro SSGでは、1TBのSSDをフレームバッファとして使う。GPUとはPCI Expressで接続され、GPUはそこのデータを直接参照できる。GPUはまずこの拡張されたフレームバッファを参照し、そこにもない時にだけCPUにデータをリクエストする。これにより、大幅な速度向上を実現できるという。

Radeon Pro SSGのアーキテクチャ

 AMDによれば、8K RAWビデオのタイムラインをスクラビングした場合、従来では17fpsしか出なかったフレームレートが90fps以上になるとしており、8Kビデオ編集において大きな効果と生産性を発揮するという。

 またビッグデータの解析においても、これまではGPUのメモリに入るようデータを分割し、最後にソフトウェアによってマージする作業が発生したが、SSGではビッグデータを解析する際にもこれらの作業が必要なく、性能と生産性を向上できるとしている。

 そのほかのアーキテクチャについては公開されていない。出荷は2016年末より順次開始され、価格は9,999ドル。2017年には量産を開始するとしている。

 このほか、Polarisと同じく第4世代CGNアーキテクチャを採用したワークステーション向けのビデオカード「Radeon Pro WX 7100」、「Radeon Pro WX 5100」、「Radeon Pro WX 4100」も同時発表された。7100は全てのメディア/エンターテイメントワークフローおよびVR向け、5100はCADおよびCAM向け、4100はスモールファクタ向けの製品となる。

Radeon Pro WXシリーズ
Radeon Pro WX 7100のCUは32基で、メモリは8GB、5TFLOPS以上の演算性能
Radeon Pro WX 5100のCUは28基で、メモリは8GB、4TFLOPS以上の演算性能
Radeon Pro WX 4100のCUは16基で、メモリは4GB、2TFLOPS以上の演算性能