やじうまミニレビュー

完売になっては在庫復活を繰り返す8,180円の20.7型液晶を買ってみた

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
EX-LD2071TB

 先週お伝えした通り、NTT-X Storeでアイ・オー・データ機器のフルHD対応20.7型液晶「EX-LD2071TB」が8,180円で販売されている。通常販売価格は12,626円だが、箱汚れ品の台数限定特価ということで8,980円、さらに決算セールの800円引きクーポンを適用すると8,180円になり、フルHDの液晶としては破格と言っても良い値段になる。

 実は11日にこの特価情報を記事にしてから、夜にいったん完売となってしまった。しかし12日に再度確認してみると在庫が復活、13日の夜にはまた完売。そして14日の夕方にはまた復活し、在庫ありのまま現在(16日19時執筆時点)に至っているのだ。箱汚れ数量限定のものが完売になって在庫が何度も復活するというのはなんとも変な話なのだが、月曜に注文して届いたので、簡単な試用レポートをお届けしよう。

 製品パッケージのまま届いて驚いたのだが、「箱汚れ」という割にはかなり綺麗なパッケージだったこと。確かにうっすら黒い汚れが確認できるが、運搬中に発生したものかも知れないし、いずれにしてもゴミとして捨てるパッケージなので、これが気になるユーザーは少ないだろう。NTT-Xさんの箱汚れの厳密チェックぶりには驚かされる(笑)。

 格安液晶ということもあり、パッケージの中は本体とスタンド、説明書、電源ケーブル、ミニD-Sub15ピンケーブルのみと至ってシンプル。本機にはDVI-D入力とHDMI入力、3.5mmステレオミニジャックによる音声入力も備えているのだが、それらはユーザーが自身で用意する必要がある。今時HDMIケーブルはダイソーなどでも400円程度で入手できるので、困るユーザーは少ないだろう。

 最大の特徴はやはり幅490mmというサイズだ。本製品が採用するパネルは20.7型と、一般的なフルHDの21.5型や23.8型、24型と比較して小さいため、500mmを切る幅を実現している。ちなみに21.5型は5.8mmの超狭額を採用し幅498.3mmを実現した製品も存在するが、本機のベゼルは左右が15mmと、さほど狭額縁でもないのにも関わらず490mmを楽々達成している点は評価したい。

 確かに見たサイズ感としては、21.5型液晶というよりも、大型液晶パネルが本格値下がりする前に結構市場に出回っていた1,440×900ドットの19.5型に近いイメージだ。会社の事務机などに大型液晶を置くと周りの人に威圧感を与えるのだが、20.7型は比較的受け入れやすいサイズだろう。

 なお、スタンドのネックはあらかじめ取り付けられており、ベース部をはめ込むだけですぐに使える仕組みとなっているが、VESAマウンタに装着する際はこのネックを取り外せるようになっているため、ネックが残って不格好になってしまうようなことは避けられる。

 特徴的なのは操作系で、電源やOSDは静電容量式のタッチセンサーで操作する。本体前面にアイコンがあり、底面に小さな突起があるため、さほど迷うことはないだろう。OSD設定項目は表示モード(標準/写真/映画)、アスペクト比(固定拡大/引き伸ばし)、映像設定(ECOモード/輝度/コントラスト/色温度)、およびOSDの表示時間や透過、アスペクト比固定拡大時のボーダー色など。スムージングの調整など。アナログRGB入力時は画像サイズや水平/垂直位置の調整なども行なえる。

 またMENUボタンではなく、左/右ボタンを押すと内蔵スピーカーの音量調節とブルーライトリダクション、明るさに直接アクセスできるメニューが立ち上がる。この辺りはよく考えられていると言えるだろう。ちなみに内蔵スピーカーの音質は決して良くはないがボリュームは十分にあり、篭っているという印象もなく、音楽や映画を鑑賞するといった目的でもなければ実用十分である。

 さて実際の画質だが、非常に優しい映りという印象だ。TNパネルのため視野角や発色は期待できないが、エッジが立ったシャープな映りではなく、非常になめらか印象を受ける。この辺りはフリッカーレスのLEDバックライトも貢献しているのだろう。白に関してはバランスが良いが、中間調は若干黄色かぶりする印象を受ける。当初からブルーライト低減について配慮しているためかもしれない。価格を考えれば十分に満足できる。特価こそ8,000円台だが、通常の実売でも13,000円前後であり、どこで買っても損はしないだろう。

本体正面
本体背面
後20度にチルト可能だ
スタンドはベースはめ込み式
電源を内蔵しており、別途ACアダプタを使う必要はない
入力はミニD-Sub15ピン、DVI-D、HDMIの3系統。音声入出力も備える
付属品はACケーブル、ミニD-Sub15ピンケーブル、説明書のみと最低限
23型ディスプレイと比較すると、そのコンパクトさが分かるだろう
ボタンは静電容量式だ
入力切り替えメニュー
表示モード
アスペクト比
映像設定。ちなみにHDMIとDVI接続では設定可能な項目が異なる(HDMIでは色温度ではなく、画面のように色調節となる)
メニュー設定
その他
左右ボタンを押すとボリュームやブルーリダクション、輝度の設定が可能
ブルーリダクションを最大にしたところ、かなり黄色みがかかった画像となった
Excelを表示させたところ。フルHD解像度で作業スペースは十分だ
シャープネスがきついということはなく、優しい印象を受ける

(劉 尭)