Windows 8.1ユーザーズ・ワークベンチ

未だ発展途上、Windows 8.1のBluetooth

 あらゆるものがワイヤレスに収束していく中で、Bluetoothの存在はますます重要なものになってきている。Windowsはそのトレンドにどう対処しているのか。今回は、WindowsのBluetooth対応について見ていこう。

HIDのトレンドはBluetoothに

 8型スクリーンのWindowsタブレットが売れればモバイルキーボードが売れる。これは、いかにWindows 8.1のソフトウェアキーボードが使いにくいものなのかを物語っているように思う。なにしろ、予期せぬ場面でIMEがオンになってしまうなど、まるで、人をいらいらさせることを狙っているかのようだ。検索文字を入れるだけのことでも、ハードウェアキーボードが欲しくなるのは、使ってみればすぐに分かる。

 マウスも同様だ。WindowsのGUI、特にレガシーなデスクトップアプリケーションでは、タッチによる操作を想定していないものも多く、すべてをタッチで操作することができなかったり、タッチでの操作がきわめて難しいものがある。

 これら、キーボードやマウスの接続に便利なのがBluetoothだ。ワイヤレスのマウスやキーボードは、これまでUSBによる有線接続、独自のトランシーバーによる無線接続のものが使われることが多かった。だが、Bluetooth搭載PCが増えてきたことや、Android、iOSといったモバイルデバイスが標準的にサポートするようになって、今では、ワイヤレスデバイスと言えばBluetoothといった状況になりつつある。

 Bluetoothでデバイスを接続するには、あらかじめペアリングという作業が必要になる。つまり、2つのデバイスをペアにするわけだ。例えば、PCにキーボードを接続したい場合、キーボード側をペアリング待機状態にし、そのキーボードをPCから検索発見し、ペアリングするという手順になる。

 ペアリング時にはパスコードが一致する必要がある。例えば、キーボードなら、PC側で生成され表示されたパスコードをキーボードから入力してエンターキーを叩いた時点でペアリングが完了するといった具合だ。マウスのように、パスコードを入力する術を持たないデバイスについては、パスコードなしで即座にペアリングされる。

標準BluetoothスタックとWindows

 Windowsでは、多くのPC製品で、東芝製のBluetoothスタックが使われてきた。これはもう圧倒的なシェアだった。それまでのWindowsが、Bluetoothの利用にあまり積極的ではなかったこともあるのだろう。だが、Windows 7以降で、WindowsはBluetoothに急接近、Windows標準のスタックが、世の中に流通しているほとんどのBluetoothモジュールをサポートするようになった。

 また、Windows 8.1搭載機のうち、InstantGoに対応しているPCについては、Microsoft純正のスタックを使うことが要件となっている。つまり、トレンディな8型スクリーンのWindowsタブレットは、InstantGoをサポートしているので、BluetoothについてはMicrosoft純正のものが使われている。東芝スタックでは、コントロールパネルのBluetoothアプレットを使って設定等を行なっていたが、Microsoft純正スタックでは、コントロールパネルにBluetoothがない。そのあたりにちょっとした使い勝手の違いがある。

PC設定の「Bluetoothデバイスの管理」では、Bluetoothのオン/オフや、ペアリング作業、接続済みデバイスの確認ができる

 実際にWindows 8.1でのマウスのペアリングを試してみよう。マウスには必ずペアリング待機を指示するボタンが用意されている。多くの場合は底面に装備されているようだが、製品によっては複数のボタンの組み合わせに割り当てられていることもある。このボタンを長押しすると、LEDが点滅したり、色を変えて光ったりする。これでマウスはペアリングされるのを待ち受けている状態になる。

 マウス側の準備ができたら、Windows 8.1の「設定」から「PC設定の変更」に進み、「PCとデバイス」の中にある「Bluetooth」を開く。ここで「Bluetoothデバイスの管理」ができるようになっている。この画面に遷移すると、PCは即座にペアリングを待機しているBluetoothデバイスの検索を始める。また、発見された準備完了デバイス、過去に接続したが未接続のデバイスが一覧表示される。

マウス側をペアリング待機の状態にして、見つかったデバイスをタップすると「ペアリング」ボタンが表示される。それをタップするだけでペアリングが完了する。キーボードなどではパスコードの入力が必要となる

 ここで、待機状態になっているマウスなどのデバイスを見つけて開くと、「ペアリング」ボタンが表示される仕組みになっている。

 ここで注意したいのは、マウスやキーボードをペアリングする際に、必ずインターネットに接続しておくことだ。ペアリング完了後、Windows Updateが検索され、そのデバイス専用のユーティリティなどがダウンロードされるからだ。もし、インターネットに接続ができないと、汎用のデバイスとして認識され、これらのユーティリティやドライバなどが適用されない。製品にもよるのだが、USBデバイス同様に、最初の接続時にはこの点を留意しておこう。

 Bluetoothについては、この「Bluetoothデバイスの管理」でオン/オフができるほか、「設定」の「ネットワーク」で機内モードに遷移することで、ワイヤレスデバイスがすべてオフになる。また、「PC設定」の「ネットワーク」にも「機内モード」のオン/オフが用意され、ここでは、Wi-FiやBluetoothを個別にオン/オフできるようになっている。

 また、この画面ではペアリングの解除もできる。ただ、解除については、デバイス側で再度ペアリング待機をさせれば解除されるので特に気にすることはないだろう。

Bluetoothでテザリングする

 いったんBluetooth接続が確立されるとタスクバーの通知領域にBluetoothのインジケータアイコンが表示されるようになる。このインジケータをタップすると、ショートカットメニューが表示され、各種の作業を行なうことができる。また、ここで「Bluettoothデバイスの追加」を指示すると、先の「Bluetoothデバイスの管理」画面に遷移する。

通知領域にはBluetoothのインジケータアイコンが表示され、そのタップでショートカットメニューが表示される。本来は、これらの操作もWindows 8.1の新しいUIでできてしかるべきだろう

 このショートカットメニューの中に「パーソナルネットワークへの参加」という項目がある。これを使えば、Bluetooth機器をTCP/IP接続し、ネットワーク共有などが可能になる。

 代表的な使い方として、Bluetoothによるテザリングがある。最近になってようやくAndroidスマートフォンなどでBluetoothテザリングがサポートされるようになってきたが、Wi-Fiテザリングに比べて速度は落ちるものの、丸1日テザリング待機させていても、ほとんどバッテリに負荷を与えないのがうれしい。

 スマートフォンとペアリングし、テザリングを実行した状態で、「パーソナルネットワークへの参加」を開くと、コントロールパネル内の「デバイスとプリンター」が開く。その中に、ペアリング済みのスマートフォンが見つかるはずだ。

 そのアイコンを長タップ、あるいは、右クリックすると、ショートカットメニューの中に「接続方法」という項目がある。その中に「アクセスポイント」があるので、それを実行して接続すれば、スマートフォンがアクセスポイントとなり、PCからインターネットが利用できるようになる。ただ、この接続が、なぜ、「デバイスとプリンター」からしかできないのかが不可解だ。「PC設定」の「Bluetoothデバイスの管理」でできてもよさそうなものだが、この管理画面は、ペアリングとその解除のみを目的にしているようだ。

スマートフォンとペアリングし、「デバイスとプリンター」で、そのアイコンを右クリックして表示されるショートカットメニューから「接続方法」としてアクセスポイントを選ぶと、スマートフォンをアクセスポイントとしてインターネットに接続できる。バッテリ負荷の点でWi-Fiよりもずっと便利で重宝する

 スマートフォンとPCの組み合わせは、さまざまなものを試してみたが、うまくいく場合といかない場合があるようだ。例えば、Surface Pro 2をNexus 5のBluetoothテザリングに接続するとうまくいくのに、同じNexus 5にLaVie ZやArrows Tab QH55/Mを接続してもエラーになってしまう。でも、そのLaVie Zは、Xperia Z1には正常に接続できるのだ。このように、同じように見えて少しずつ挙動が異なる点が厄介だ。

 Bluetoothは、低消費電力でさまざまなデバイスと接続を維持することができる。今後は、ますます接続デバイスの種類も増えていくだろう。健康機器から各種のセンサー、オーディオデバイスなど種々雑多だ。かつてはBluetoothといえば、小さなデータファイルをピア・ツー・ピアで転送するくらいしか使い道がなかったわけだが、これらの役割はクラウドに移行している。今からがBluetoothの本領を発揮する時代だと言えそうだ。

(山田 祥平)