西川和久の不定期コラム

エプソン「PX-K751F」

〜A4モノクロ印刷が約1.8円/枚のA4モノクロ複合機

PX-K751F

 2012年8月21日、エプソンはビジネスインクジェット複合機及びプリンタ製品のラインナップを拡充。9機種を同年9月20日から順次発売した。その中からA4モノクロ複合機が編集部から送られて来たので、その試用レポートをお届けする。

顔料モノクロインクを採用したビジネス向け複合機

 Webによると、同社のビジネス向けインクジェット複合機/プリンタは、A4複合機「PX-B750F」、A3ノビ複合機「PX-1700F」、A4モノクロプリンタ「PX-K701」、A3ノビファクス複合機「PX-1600F」、A4モノクロ複合機「PX-K751F」、A3ノビプリンタ「PX-1200」、A4プリンタ「PX-B700」などがラインナップされている。

 全てPX型番なので顔料系のインクを使用し、普通紙でもにじまずシャープな印刷を得られる。多くはカラーモデルだが、「PX-K701」はモノクロプリンタ、そして今回紹介する「PX-K751F」はモノクロ複合機となる。

 最大の特徴は、印刷コストが約1.8円(A4モノクロ1枚)と、同クラスのモノクロページ複合機の約4.0円(同)と、半分以下になる点だ。消費電力も同社比で約58%も低減できる。主な仕様は以下の通り。

エプソン「PX-K751F」の仕様
プリント方式 インクジェット(MACH)方式、黒1色
印刷解像度 最高:1,200×600dpi
プリンタ部耐久性 10万ページ
連続印刷速度(A4縦) 片面:約16ipm、両面:約9.2ipm、最速:約26ppm
給紙方式/容量 トレイ1/普通紙:最大250枚(75g/m2普通紙使用時)
リアADF/普通紙:最大80枚 (同)、ハガキ:最大30枚
スキャナ読み取り解像度 50〜4,800dpi(1dpi刻み)、7,200dpi、9,600dpi
スキャナ読み取り階調 RGB各色16bit入力、8bit出力
FAX機能 モノクロ/カラー、最大33.6kbps、スーパーG3/G3
インターフェイス USB 2.0、USBホスト、Ethernet
サイズ/重量 460×654×383mm(幅×奥行き×高さ、使用時)/14.1kg
価格 34,980円(1月7日〜3月28日はお祭りモデルで29,980円)

 プリント部は、インクジェット(MACH)方式。モノクロなので黒1色。解像度は最高1,200×600dpi。連続印刷速度はA4縦で約16ipm、両面時約9.2ipmとなる。耐久性は10万ページだ。

 給紙は前面下にある給紙トレイ1と、背面にあるリアADFの2系統。それぞれ最大250枚と80枚。またオプションでトレイ1の下に、同容量のトレイ2を装着できる。したがって最大80+250+250枚で計580枚ものA4普通紙をスタックできる。

 スキャナ部の読み取り解像度は50〜4,800dpi(1dpi刻み)、7,200dpi、9,600dpi。階調はRGB各色16bit入力、8bit出力。こちらはカラー対応であり、PCへのスキャンや、カラーファクス送信時に有効だ。コピー機能の解像度は原稿台からの場合は300×600/600×600dpi、自動原稿送り装置を使った場合は300×400/300×600dpi。ファーストコピー時間はモノクロで10秒、連続で13ipm(A4)。

 FAX機能は、モノクロ/カラー両対応。通信速度は最大33.6kbpsで、スーパーG3/G3に対応する。

 インターフェイスは、USB 2.0と100BASE-TX/10BASE-T。USBホストも備える。Wi-FiやBluetooth、SDカードなどを扱えるカードリーダは搭載していない。

 サイズは460×654×383mm(幅×奥行き×高さ、使用時)、重量は約14.1kg。最近コンパクトなインクジェット複合機が増えているものの、さすがにビジネスモデルで機能が多い分、大きく重い。

 価格は34,980円。1月7日〜3月28日の期間はお祭りモデルとなっており、29,980円で購入可能とお買い得だ。

前面。グレー系にまとめられたオフィスっぽいデザインで、ホコリなども目立たない。右側にあるUSBポートは、スキャンデータを保存する外部記憶メディア用
前面カバーを開けたところ。前面カバーを開けると、左側にインクカートリッジ装着部が見える
リアは垂直ではないため、壁にピッタリと設置できないが、大きく手前に引き出す必要もない
背面ユニットを外したところ。紙詰まりなどの時に、この背面ユニットを外す。電源コネクタは右下にある。左下の濃いグレーの部分はメンテナンスボックス
背面の左側部アップ。モジュラーケーブル接続コネクタ、USBコネクタ、Ethernet
操作パネル1(左側)、液晶パネル向かって左側は「電源」、「コピー」、「スキャン」、「ファクス」、「自動受信」、「リダイヤル/ポーズ」、「短縮ダイヤル」が並ぶ。液晶パネルはタッチ非対応
操作パネル2(右側)。液晶パネル向かって右側は「セットアップ」、「ヘルプ」、「メニュー」、「戻る」、「選択/決定」、「テンキー」、「ストップ/設定クリア」、「スタート(モノクロコピー/スキャン/ファクス)」「スタート(カラースキャン/ファクス)」が並ぶ
用紙カセット。ガイドを使って各サイズに調整できる。A4普通紙で最大250枚
上部のADF。読み込む面を上向きにセットする
原稿カバー/原稿台。原点は写真向かって左上
背面トレイ/。比較的厚い用紙はこちらを使う。A4普通紙で最大80枚
インクカートリッジ。長辺約13cmとかなり大きいカートリッジだ
インクカートリッジは前面カバーを開け、左側に装着する
初回起動時は「初期充てん用」のカートリッジを使用。準備完了まで約7分かかる

 全体的に明るいグレーが使われており、ホコリが目立たず好印象。プリンタなどは同じ場所に置きっ放しと言うこともあり、とにかくホコリが目立ちやすく、できれば黒は避けたいと思う。

 パーソナル向けのインクジェット複合機とは違いサイズが大きく、製品写真も、筆者がいつも撮影に使っている撮影台/バック紙でギリギリ収まる状態だ。操作パネルのボタンも多い。逆にオフィス機器っぽい雰囲気を醸し出している。

 設置自体はあまり難しくなく、固定用のテープを剥がし、前面カバー内にあるヘッド固定用のクッションを除去、電源をオンにして、「初期充てん用」のカートリッジ装着、初期充てんが終わればすぐに使える状態になる(日付の設定は必要)。パッと見た感じ、ボタンも多く、いろいろ面倒そうに思えるものの、この辺りはパーソナル機と大差ない。

 単独使用であれば、この状態でコピー、スキャン、ファクスが使える。スキャンに関しては、本体前面右側にあるUSBポートへUSBメモリなどを挿せば、データが保存可能だ。この時、JPEGかPDFかの選択もできる。ただしメディアから写真などを読み込んで印刷する機能はない。モノクロ機なので写真はいいとしても、PDFを印刷できると便利そうなだけに残念だ。

 コピーに関しては、作動中の動画を掲載した。あっと言う間にコピーされ、かなり速いことが分かる。顔料系のインクなので、普通紙に印刷したにも関わらず、結果はシャープ。モノクロでも階調がよく出ている。騒音に関しても動画を参考にして欲しいが、オフィスで使うなら問題ないレベルだろう。

 なお、FAXに関しては筆者の作業場にテスト用の回線がないため、今回試せていない。ご了承いただきたい

【動画】カラー原稿をコピー
コピー結果

単独使用

 コピーは、「枚数」、「濃度」、「用紙サイズ/種類」、「品質」、「レイアウト」、「倍率」、「片面/両面」、「原稿の向き」、「原稿とじ位置」、「印刷とじ位置」の設定がメニューボタンから行なえる。ADF側に原稿がある場合は、そちらが優先される。

 スキャンは「外部機器に保存」、「スキャンしてパソコンへ」、「スキャンしてパソコンへ(PDF)」、「スキャンしてパソコンへ(E-メール)」から選択。設定で原稿の「両面設定」、「スキャン範囲(指定サイズ/自動切取り/最大範囲)」、「原稿タイプ(文字/写真)」、「解像度(200/300/600dpi)」、「濃度」、「原稿の向き」、「原稿とじ位置」などを指定できる。

 FAXメニューは、「送信設定」、「短縮ダイヤル登録」、「グループダイヤル設定」、「時刻指定送信」、「順次同報送信」、「ポーリング受信」、「レポート印刷」、「プリンタのお手入れ」という項目が並ぶ。

各種動作/設定のメニュー画面
コピー
コピーメニュー
スキャン
ファクス
セットアップ1
セットアップ2

 セットアップは、「インク残量の表示」、「プリンタのお手入れ」、「プリンタの基本設定」、「ネットワーク設定」、「ファイル共有設定」、「ファクス設定」、「本体ステータスシートの印刷」、「設定をパスワードでロック」、「購入時の設定に戻す」の項目が用意される。

 「ファイル共有設定」はUSBに接続したメディアへのアクセスが、USBで接続したPCを優先するか、ネットワークで接続しているPCを優先するかの設定だ。

Windows 8での使い勝手

 対応OSは、Windows XP/Vista/7/8/Server 2003/Server 2008/Server 2008 R2/Server 2012とMac OS X 10.5.8以降。セットアップは同社おなじみの「Epson Install Navi」を使って行なう。今回はWindows 8へインストールした。ご覧のように、雰囲気が変わり、よりWindows 8を意識したデザインになっている。

 インストール自体は、必要なコンポーネントのダウンロードとインストール、接続先(EternetかUSB)の選択、ドライバなどのインストール。そして必要であれば「電子マニュアル」、「E-Web Print」、「EpsonNet Config」などのアプリケーションを追加インストールという流れ。インストール後はPCを再起動しなければならない。

セットアップの流れ
使用許諾
Epson Install Navi/ホーム
Windows 8対応について
必要なソフトウェアのインストールと接続設定
ドライバ/ユーティリティの最新版をダウンロード
ドライバーとユーティリティーをインストール中
EPSON Scan OCR コンポーネント・セットアップ
EPSON Scan OCR コンポーネント・インストール中
EPSON Scan OCR コンポーネント・アップデート完了
接続先選択
エプソンリサーチインフォメーション
USB接続での設定完了
ソフトウェアの追加
ソフトウェアインストール中
インストール完了

 Ethernetで接続した場合は、ネットワークのEPSON PX-K751FをクリックするとWebベースのプリンタ情報確認が表示される。「インフォメーション1」はインク状況、「インフォメーション2」は本体のTCP/IP設定などが表示される。

 「EPSON Scan」は古くから同社のスキャナや複合機で使われてるスキャンユーティリティだ。モードとして「ホームモード」、「オフィスモード」、「プロフェッショナルモード」の3種類が用意され、各モードで設定/調整できる内容が変わる(項目が増える)。デフォルトではオフィスモードになっている。プリンタはモノクロのみだが、スキャンに関してはもちろんカラー対応だ。

 「デバイスとプリンター」からは、「Web Installer」、「サポート情報」、「プリンタの管理」、「Fax Utility」、「マニュアルのダウンロード」、「エプソン製品サポート」、「スキャナーの管理」、「ソフトウェア」の8項目が表示される。主要なパネル2階層目まで画面キャプチャを掲載したので参考にして欲しい。

ネットワークEPSON PX-K751F、プリンタ情報確認・インフォメーション1
ネットワークEPSON PX-K751F、プリンタ情報確認・インフォメーション2
EPSON Scan
デバイスとプリンター、EPSON PX-K751F
デバイスとプリンター、EPSON PX-K751F・プリンタの管理・印刷設定
デバイスとプリンター、EPSON PX-K751F/FAX Utility・ファクス設定
デバイスとプリンター、EPSON PX-K751F・エプソン製品サポート・インクアラーム
デバイスとプリンター、EPSON PX-K751F・Web Installer
EPSON PX-751Fユーザーズガイド

Epson iPrintなど

 PX-K751Fは、単独使用、PCからの使用だけでなく、「Epson iPrint」を使って、iOSやAndroid端末からも使用可能だ。デバイス内や各クラウドサービスにある文章や写真を印刷したり、スキャン結果を保存することもできる。

 今回はiPhone 4Sを使って「Epson iPrint」を試してみた。非常に分かりやすい操作体系なので、特に説明の必要はないと思われるが、対応しているクラウドは「Evernote」、「Googleドライブ」、「Dropbox」、「Box」。個人的にはSkyDriveにも対応して欲しいところ。

Epson iPrint・ホーム
リモートプリント1
リモートプリント2
プリンタの登録
スキャン設定
スキャン中
スキャン完了
写真
オンラインサービス

 以上のようにエプソン「PX-K751F」は、モノクロ顔料インクを採用した、コピー、プリント、スキャナー、ファクスと一通り装備しているビジネス向け複合機だ。印刷も速く、結果はシャープに、そしてランニングコストが安いとなど、ビジネス用途において非常に魅力的に仕上がっている。iOSやAndroidからもEpson iPrintで簡単にアクセスできるのも便利。Wi-Fiやタッチパネル非対応など、惜しい部分もあるにはあるが、オフィス内の使用では特に問題にならないと思われる。

 本体価格は34,980円だが、1/7〜3/28までお祭りモデルとして29,980円で販売中だ。この機会に1台導入してみてはいかがだろうか。

(西川 和久 http://www.iwh12.jp/blog/