西川和久の不定期コラム

ユニットコム「Lesance NB P3534-SP」
〜15.6型の2スピンドルノートPCが29,980円



 2011年12月1日に株式会社ユニットコムは、国内PC販売実績が200万台を突破した記念として、15.6型ノートPCの特別モデルを4機種発表。もっとも安価な「P3533-SP」はCeleron B800(1.50GHz)を搭載し3万円を切る価格だった。そして今回ご紹介する「Lesance NB P3534-SP」は、価格はそのままCeleron B815(1.60GHz)へパワーアップ。実力の程をレポートしたい。

●3万円を切る2スピンドルノートPC

 長年ノートPCのレビューを書いているが、15.6型の液晶パネルを搭載して3万円を切る2スピンドルはさすがに試したことが無い。ざっとスペックをながめると、2コア/2スレッドのCeleron B815。クロックは1.6GHzでHyper-ThreadingやTurbo Boostには非対応だ。12月1日に発表された「P3533-SP」はCeleron B800/1.50GHzだったので、+0.1GHzのアップとなる。

 このプロセッサはSandy Bridgeアーキテクチャだが、内蔵のGPUはIntel HD Graphicsに抑えられている。この辺りは上位のCore iプロセッサと差を付けているものの、純粋にGPUとして見た場合、Intel HD Graphics 2000/3000は、Quick Sync Video以外、それほど強力なものでもなく、普段ネットや動画などを楽しむ分には大差無い。

 チップセットは御馴染みIntel HM65 Express。メモリは2スロットあり、2GB×1のみ搭載。最大4GB×2の計8GBまで対応可能だ。そのほか主な仕様は以下の通り。

ユニットコム「Lesance NB P3534-SP」の仕様
CPU Intel Celeron B815(2コア/2スレッド、1.6GHz、キャッシュ2MB、TDP35W)
チップセット Intel HM65 Express
メモリ DDR3-1066 2GB×1/最大8GB(2スロット空き1)
HDD 320GB
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
OS Windows 7 Home Premium(64bit)SP1(32bit版とセレクタブル)
ディスプレイ 15.6型液晶ディスプレイ(光沢)、1,366×768ドット
グラフィックス Intel HD Graphics、HDMI出力、ミニD-Sub15ピン
ネットワーク IEEE 802.11b/g/n、Gigabit Ethernet
その他 USB 2.0×3、メモリカードリーダ、マイク入力/ヘッドフォン出力
サイズ/重量 374×250×14〜34mm(幅×高さ×奥行き)/約2.4kg
バッテリ駆動時間 最大約3.1時間
価格 29,980円

 ストレージはHDDが5,400rpmの320GB。加えて光学ドライブとしてDVDスーパーマルチドライブを搭載。OSはWindows 7 Home Premium SP1。32bitか64bitかのセレクタブルで、今回は64bit版がインストールされていた。

【お詫びと訂正】初出時にOSのBit数を誤って記載しておりました。お詫びして訂正させていただきます。

 液晶パネルは光沢タイプの15.6型。解像度は1,366×768ドットだ。個人的にはこのサイズの液晶パネルならもう一段上の解像度にしたいところだが、価格が価格なので、しょうがないだろう。外部出力はHDMI出力とミニD-Sub15ピンの2つと十分。

 ネットワークは有線LANがGigabit Ethernet、無線LANがIEEE 802.11b/g/n。Bluetoothには対応していない。安価なノートPCでは100BASE-TXまでのものを良く見かけるが、逆にこの価格でGigabit Ethernetは立派。NASなどと併用する時に圧倒的な差が出る。

 その他のインターフェースは、USB 2.0×3、メモリカードリーダ、マイク入力/ヘッドフォン出力。USB 3.0やeSATAなどは搭載していないものの、外部に高速なストレージを必要としない限り、あまり問題にならないだろう。

 サイズは374×250×14〜34mm(幅×高さ×奥行き)、重量約2.4kg。バッテリの最大駆動時間は3.1時間となっている。

 そして価格は驚きの29,980円。この機種を扱っているパソコン工房のホームページを見ると、原稿を書いている時点では在庫切れ。ユニットコムでは予約注文を受け付けて順次出荷している。

 この価格なら半端なデスクトップPCを買うより安く、そのままノートPCとして使うのもよし、USBへキーボードとマウス、そしてHDMIに外部ディスプレイを接続し、デスクトップPC代わりにしても十分割が合う。

トップカバー。色はダークブラウン。波の様な模様が薄く入っている 正面。手前中央に電源とバッテリーのステータスLED 裏面。小さいパネルはHDD、大きいパネルはメモリへアクセスできる。ただし大きいパネルの裏はファンが付いているので注意
左側面。電源入力、ミニD-Sub15ピン、Gigabit Ethernet、HDMI出力、USB2.0×2、カードリーダ キーボードは10キー付のアイソレーションタイプ。上左側にWi-FiなどのステータスLEDがある 右側面。マイク入力、ヘッドフォン出力、USB 2.0、DVDスーパーマルチドライブ
キーピッチは実測で約19mm。特におかしなピッチになっている部分は無い ACアダプタなど付属品。ACアダプタのコネクタはミッキータイプ。バッテリーは11.1v/4,400mAh/48.84Wh 斜め後から。後ろ左にロックポート

 筐体のカラーはダークブラウン。薄い縞模様が入っている関係で指紋は付きにくい構造になっている。当初、安価なモデルなのでルックスはチープではと思っていたが、大きい割にはシャープな印象で5万円クラスのノートPCと比較しても遜色は無い。逆に驚いた。

 メモリとHDDの交換は、写真からも分かるように、パネルを外せば簡単にアクセスできる。ただし、大きいパネルは裏にファンが付いているため、何も知らずに引っ張ると配線が切れる可能性がある。基版へ小さいコネクタで接続されているので、それを外せば大丈夫だ。

 15.6型の液晶パネルは、発色が鮮やかで最大輝度だと明るく、バックライトを最小にしても十分内容が確認できる。視野角は上下左右ともこのクラスとしては平均値だ。特にクオリティが落ちるわけでは無い。

 キーボードは10キー付きのアイソレーションタイプだ。中央を強く押すと全体が若干たわむが、意外としっかりして筆者的には許容範囲。パームレストは十分広く、タッチパッドの感度も良い。ボタンは1本バーの左右に傾くタイプ。硬くも無く柔らかくも無く、ちょうど良い感触だ。

 サウンドに関しては、レンジは狭いものの最大出力はそれなりにあり、普通の音質だ。ノイズや振動、発熱に関しても標準的。

 以上からも分かるように、安いからと言って特に気になる部分も無く、無難にまとめられた2スピンドルノートPCだ。逆にこの値段で販売して大丈夫なのだろうかと、こちらが心配するほどの仕上がり。コストパフォーマンスは抜群に高い。

●全体的にバランスの良い構成

 OSは64bit版のWindows 7 Home Premium SP1。Internet Explorer 9もインストール済みの状態になっている。冒頭に書いたように32bit版とセレクタブルだ。Intel HD Graphicsとメモリ共有している関係で、メモリ2GBはちょっと辛い。できれば最近安くなっているので2GB×2の計4GBで使いたいところだ。

 HDDは320GB/5,400rpm/キャッシュ8MBのSamsung「HM321HI」。C:ドライブ1パーティションで約298GBが割当てられ、初期起動時空きは空き284GBとなっている。光学ドライブは「TSSTcorp CDDVDW SN-208AB」。GbEはあまり見かけないJMicron製のものが使われていた。

起動時のデスクトップ。壁紙はWindowsの標準を使用。プリインストール・アプリケーションへのショートカットが左側に並ぶ デバイスドライバ/主要なデバイス。HDDはSamsung「HM321HI」(320GB/5,400rpm/キャッシュ8MB)、光学ドライブは「TSSTcorp CDDVDW SN-208AB」。GbEはあまり見かけないJMicron製のものが使われていた HDDのパーティション。C:ドライブのみの1パーティション。約298GBが割当てられている

 プリインストールされているソフトウェアは、「KDrive」、「Kingsoft Office 2012(体験版)」、「LoiLoScope 2(体験版)」、「Windows Live Essentials 2011」、「Norton Internet Security(90日間試用版)」、そしてディスプレイやタッチパッドなど各ドライバのコントロールソフトとなっている。

 BBenchで使用した「PowerLife」以外、特にこのモデル固有のソフトウェアやドライバは見当たらなかった。

LoiLo SCOPE2 KDrive Synaptics TouchPad V7.2

 ベンチマークテストはWindows エクスペリエンス インデックスとCrystalMark、BBenchの結果を見たい。

 Windows エクスペリエンス インデックスは、総合 4.4。プロセッサ 5.3、メモリ 5.5、グラフィックス 4.4、ゲーム用グラフィックス 5.5、プライマリハードディスク 5.9。思った以上になかなかバランスの良い結果だ。同じクロック1.6GHzのAMD E-450ではプロセッサが3.9だったのに対してこの差は歴然。実際使った感じも悪くない。メモリを増設すればさらに快適になるだろう。

 CrystalMarkは、ALU 17531、FPU 14841、MEM 20356、HDD 8757、GDI 8857、D2D 1644、OGL 2496。これに関してもOGL以外はAMD E-450より上だ。従って普段使いとは言え、こちらの方がいろいろなシーンで動きは若干軽いものと思われる。これだけのものが3万円を切っているとは信じがたい。

 BBenchは、省電力モード、バックライト最小、キーストローク出力/ON、Web巡回/ON、WiFi/ONでの結果。バッテリの残5%で3.4時間(12,463秒)。何とスペック上の3.1時間を上回ってしまった。サイズがサイズなので、室内の移動が主とすると十分なバッテリ駆動時間だ。

Windows エクスペリエンス インデックス。総合 4.4。プロセッサ 5.3、メモリ 5.5、グラフィックス 4.4、ゲーム用グラフィックス 5.5、プライマリハードディスク 5.9 CrystalMarkは、ALU 17531、FPU 14841、MEM 20356、HDD 8757、GDI 8857、D2D 1644、OGL 2496 BBench。省電力モード、バックライト最小、キーストローク出力/ON、Web巡回/ON、WiFi/ONでの結果だ。バッテリの残5%で12,463秒/3.4時間

 以上のようにユニットコム「Lesance NB P3534-SP」は、29,980円と言う激安ながら、15.6型液晶パネルを搭載した2スピンドルノートPCだ。このクラスでGigabit Ethernetに対応しているのもポイントが高い。

 プロセッサがCeleron、メモリが2GBなのでトータル的なパフォーマンスは気になる点だが、ベンチマークテストからも分かるように、バランスの取れたスコアで普段使いなら問題無い。加えてルックスもチープさは無く、ほどほどに仕上がっている。

 安価で使い物になる2スピンドルノートPCに限らず、Windows XPを搭載した古めのデスクトップPCからのリプレイスも視野に入れたユーザーにお勧めしたい1台だ。