■西川和久の不定期コラム■
●3系統入力の25型液晶ディスプレイ
スクリーンサイズは25型ワイド。これまで扱った「x2301」が23型、「S2032a」が20型なので、同日発表のあったモデルの中で最大サイズとなる。たった数インチの差であるものの、実際設置すると、普段物撮り用に使っている空間はバック紙も含め結構いっぱいいっぱいになる。もちろん大きくなった分、写真を観るにしても動画を観るにしても、迫力は増す。解像度はフルHDの1,920×1,080ドット。LEDバックライトを採用している。
パネル表面は光沢タイプ(グレア)であるが、同社のBrightView Technologyによって、映り込みを低減。一般的な光沢パネルよりは気にならないレベルとなっている。スペック的には視野角上下160度/左右170度、輝度250cd/平方m、色度域NTSC比72%、コントラスト比1,000:1と、まずまずの性能だ。
写真や動画を表示してみると、正面の写真からも分かるように、コントラストは高めで原色系が良い意味で派手。ヌケの良い映りだ。今回同時に発表された3機種の中では一番筆者的に好みの映り。ただし、正面以外の場所から見た場合、角度が付くと徐々にコントラストは浅く、全体的に黄色くなる傾向がある。
推奨最大解像度 | 1,920×1,080ドット |
スクリーンサイズ | 25型ワイド(グレア/BrightView) |
色度域 | NTSC比72% |
視野角 | 上下160度/左右170度 |
輝度 | 250cd/平方m |
コントラスト比 | 1,000:1(ダイナミックコントラスト比300万:1) |
応答速度 | 5ms |
入力端子 | ミニD-Sub15ピン、DVI-D(HDCP対応)、HDMI |
スピーカー | USB電源式アクティブスピーカー付属 |
最大消費電力 | 40W(LEDバックライト採用) |
サイズ/重量 | 605×184×442mm(幅×奥行き×高さ)/5.13kg |
直販価格 | 32,970円 |
入力はミニD-Sub15ピン、DVI-D(HDCP対応)、HDMIの3系統。普段これだけあれば困ることは無いだろう。ただ、残念ながらHDMIからの音声を出力できるスピーカーやポートは無い。チルト機構は+5度~-25度。回転、上下の位置調整やVESAマウントは非対応だ。
サイズは605×184×442mm(幅×奥行き×高さ)、重量5.13kg。25型なのでそれなりとなる。一方、パネルの厚みは約25mmに抑えられているものの、電源は内蔵せず、ACアダプタ式となっている。ちょっと気になったのは、このACアダプタはやや熱くなる。
付属品は、電源ケーブル、ミニD-Sub15ピンケーブル、DVIケーブル、HDMIケーブル、ACアダプタ、スピーカー。3系統全てのケーブルが付属しているので、パッケージ開封後、即使い始めることが出来る。
パネルのフチや台座などは、全て光沢ブラックで、指紋が気になる。フチの幅は上左右が約25mm下が約40mm。裏側は非光沢の黒となる。なかなかシャープでカッコいいデザインだ。パッケージに収納している状態は写真から分かるように、パネル、台座、アーム部とが分離している。
直販価格は32,970円。25型クラスはパネルの仕様などで価格の幅はあるものの、安価な方だろう。
パネル右下にあるコントロール系のボタンは、左から順に左から[OSD]、[-]、[+]、[OK]と並んでいるが、実際のボタンは下側の面にある。下から上へ押し込むタイプのボタンなので、少し押しづらいのがマイナスポイントか。電源ボタンはPower LEDの下。[-]ボタンを単独で押した場合は、「QuickView」が表示されMovie/Photo/Gaming/Text/Customの選択ができる。[-]ボタン単独は入力ソース切り替えだ。
+5度~-25度に調整できるチルト機構は、左右パネルのフチを両手で持ち軽く前後せさることができ、固定後はピタッと止まる。高さ調整は非対応。設置する机などの高さによっては、見づらい可能性もある。またケーブルマネージメント的なものが無いため、ケーブルを接続すると半端な位置から垂れ下がることになる。一通り配線が終ったら、何かでケーブルをまとめるなどの処理をした方がスッキリする。
付属のスピーカーは、USB接続だが、音源内蔵タイプではなく電源供給のみで、音源はパソコン側のラインアウトに接続する一般的なアクティブスピーカーだ。USBと音源用で2本ケーブルが必要となる。音質に関しては、いろいろ試したところ、あまりクオリティは高くなく、オマケ的な扱いと思ったほうがよい。
OSD/Main Menu | OSD/Color | OSD/Image Control |
OSD/Management | OSD/Information | OSD/Soruce Control |
OSDのメインメニューはBrightness/Contrast/Color/Image Control/OSD Control/Management/Language/Information/Factory Reset/Source Controlの10項目。UIそして機能は以前ご紹介した「HP x2301」とほぼ同じもの。
Colorは、Warm(5000K)/Standard(6500K)/Cool(9300K)/Custom/Quick View。CustomはRGB個別に調整可能だ。Quick Viewは先に説明した通り。通常は[-]ボタン単独操作の方が直ぐに切り替えられるので便利だろう。
Image Controlは、Custom Scaling/Sharpness/Dynamic Contrast Ratio。Dynamic Contrast RatioはOFFで1,000:1。ONで300万:1となる。写真や動画などでON/OFFの違いを比べたところ、筆者の持っている素材ではどれもOFFの方が自然だった。「x2301」にあったVideo OverDriveの項目は無い。
Managementは、Power Saver/Power-On Recall(再開時に電源ON)/Mode Display/Monitor Status/DDC/CI Support/Bezel Power LED/Sleep Timer。
いずれもOSDとして必要な機能を一通り備えているので、運用中に何か不満になる点は無いと思われる。
インストールされるファイル | デバイスマネージャー/ディスプレイ | ColorSyncユーティリティで付属のICMとsRGBを比較 |
日本HPの製品紹介や付属の簡易説明書にはドライバCD-ROM付属とあったが、今回は同社のサポートページから該当するドライバをダウンロードした。
実行するとC:\Swsetup\Monitors\HP_2511_1.0へファイルを展開し、画面キャプチャにあるように、infファイルとicmファイルがインストールされる。Mac OS X付属のColorSyncユーティリティを使ってsRGBとHP_2511.icmの比較を行なったのが右のチャートだ。プロファイル上はsRGBと一致しているのが分かる。
以上のように「HP 2511x」は、LEDバックライトを使用した25型ワイドで解像度は1,980×1,080ドット。つやありブラックのシンプルそして約25mmのスリムなルックスに、ミニD-Sub15ピン、DVI-D、HDMIと入力が3系統あるのも魅力的だ。
付属のスピーカーは若干不満もあるが、32,970円と価格はお手頃。安価なPCメーカー製の液晶ディスプレイ購入を考えているユーザーにとって候補になりえる1台と言えよう。