西川和久の不定期コラム

富士通「LIFEBOOK NH77/CD」
〜Core i7-2630QMやTV機能を搭載したフルHDノート



 今回ご紹介するのは、第2世代Core iプロセッサ、17.3型フルHD(1,920×1,080ドット)液晶パネル、3way5スピーカー、3波対応TVなどを搭載した、富士通のAV機能重視のパワフルなノートPC「LIFEBOOK NH77/CD」だ。1カ月の間に何台ものPCを触る筆者でも、これだけ機能が詰まったものは滅多にお目にかからないため、楽しみながらのレポートをお届けする。


●機能満載のパワフルノートPC

 「LIFEBOOK」は、同社ノートPCのブランド名だ。この原稿を書いている時点では、「AH」シリーズ、「NH」シリーズ、「LH」シリーズ、「SH」シリーズ、「PH」12.1型シリーズ、「PH」11.6型シリーズ、「MH」シリーズと、7シリーズに分かれ、それぞれコンセプトが異なっている。

 その中で今回ご紹介する「LIFEBOOK NH77/CD」は、「フルフラットファインパネルが高級感を演出。AV利用に最適な大画面エレガントデザインノート」のキャッチコピーを持つ。3D機能を持つAHシリーズを除くと、最上位に位置付けられる。とにかく全てがパワフルでハイスペック。いろいろこだわった内容だ。1モデルのみで、主な仕様は以下の通り。

【表】富士通 LIFEBOOK NH77/CDの仕様
CPU Intel Core i7-2630QM(4コア/8スレッド、2GHz/TB 2.9GHz、キャッシュ6MB)
チップセット Intel HM65 Express
メモリ 4GB(2GB×2) DDR3 SDRAM PC3-10600 (最大8GB)/2スロット空0
HDD 750GB(5,400rpm)
OS Windows 7 Home Premium(64bit)
ディスプレイ 17.3型液晶ディスプレイ(光沢)、1,920×1,080ドット
グラフィックス Intel HD Graphics 3000、HDMI出力、ミニD-Sub15ピン
ネットワーク Gigabit Ethernet、IEEE 802.11b/g/n
光学ドライブ Blu-ray Discドライブ(スーパーマルチドライブ機能対応)
その他 USB 3.0×1、USB 2.0×2、eSATAコネクタ/USB 2.0コンボ×1、
2in1メディアスロット、ExpressCardスロット、ハイビジョン・テレビチューナ
(地上デジタル・BSデジタル・110度CSデジタル放送)/AVCREC対応、
マイク入力、ヘッドフォン・光デジタルオーディオ出力、
Webカメラ、リモコン(赤外線方式)
サイズ/重量 410×270×37.2mm(幅×奥行き×高さ)/約3.4kg
バッテリ駆動時間 約5.1時間
店頭予想価格 20万円前後

 プロセッサは第2世代のCore iプロセッサ、Core i7-2630QMを搭載。4コア/8スレッド、クロックは2GHzで、TurboBoost時2.9GHzまで上昇する。L3キャッシュは6MB。モバイル用のCore iプロセッサとしては上位のものだ。

 チップセットはIntel HM65 Express。DDR3 SDRAM PC3-10600のメモリを標準で2GB×2の計4GB搭載。最大8GBとなる。デュアルチャネルで、メモリや共有するグラフィックスの高速な作動が期待できる。

 そのグラフィックスは、第2世代Core iプロセッサに内蔵されたIntel HD Graphics 3000だ。デスクトップ用のCore iプロセッサは一部のみ3000で、多くは2000となっているが、ノートPCの場合、簡単にGPUを変更できないため、全て3000となる。

 この3000と2000の主な違いは、実行ユニットの数で、前者は12基、後者は6基。メインメモリとビデオメモリを共有し、最大1,696MBを使用する。また、ビデオエンコードエンジン(Intel Quick Sync Video)を内蔵。Intel Media SDK 2.0に対応したエンコーダであれば、MPEG-2とMPEG-4 AVCに関してはハードウェアエンコードが可能となる。

 ディスプレイは、ノートPCとしては最大級の17.3型液晶ディスプレイ。解像度は1,920×1,080ドット。フルHDの映像をドットバイドットで表示できる。外部ディスプレイは、HDMI出力、ミニD-Sub15ピンに対応。最大解像度はそれぞれ、1,920×1,080ドットと1,920×1,200ドットだ。

 ストレージはHDDに5,400rpmの750GB、そして光学ドライブにBlu-ray Discドライブを搭載。結構な量のコンテンツを内蔵したHDDへ保存可能だ。

 ネットワークは有線LANはGigabit Ethernet、無線LANはIEEE 802.11b/g/n。Bluetoothは非搭載となっている。

 その他のインターフェイスとしては、USB 3.0×1、USB 2.0×2、eSATAコネクタ/USB 2.0コンボ×1、2in1メディアスロット、ExpressCardスロット、ハイビジョン・テレビチューナ(地上デジタル・BSデジタル・110度CSデジタル放送)/AVCREC対応、マイク入力、ヘッドフォン・光デジタルオーディオ出力、Webカメラ、リモコン(赤外線方式)。USBは「電源オフUSB充電ユーティリティ」を使って電源OFFでもUSB経由での充電ができる。

 またテレビチューナには、FMV独自のLSI「Dixel HDエンジン2」を搭載し、ハイビジョン画質のまま長時間10倍録画が可能となっている。

 USB 3.0やeSATA、ExpressCardスロットなどがあるため後々の拡張性も高く、3波TVチューナで大型液晶パネルを活かすこともできる。欲を言えば、せっかく多くのインターフェイスに対応しているだけに、Bluetoothも欲しかったところか。

 更にスピーカーも凝っており、ツイーターとサブウーファーを含む、3way5スピーカーの構成だ。一般的な2スピーカー構成より、高域の伸びや低域の迫力など、次元の違うサウンドが期待できる。

 サイズは410×270×37.2mm(幅×奥行き×高さ)。重量約3.4kgと、ノートPCとしては大きく重いものの、この1台で高速な処理ができ、更に大迫力の画面やサウンドとなれば、使用しない時、畳んで収納できる分、デスクトップより魅力的に映る人も多いだろう。

 バッテリ駆動時間は、最大約5.1時間。用途的にカバンに入れて持ち運ぶ様なタイプではなく、主に室内の移動程度であれば、あまりバッテリの持ちは気にならない。

 店頭予想価格は20万円前後。一見高価に見えるものの、これだけのスペック、そして後述するプリインストールの豊富なソフトウェアを考慮すると、結構お買い得なノートPCと言えるのではないだろうか。

本体天板。真っ黒では無いのだが、ブラック系の光沢のあるトップカバー。細かくドットが散りばめられている 正面。ステータスLED、ワイヤレススイッチ、ヘッドフォン・ラインアウト/光デジタル出力兼用端子、マイク・ライン入力兼用端子 底面。各ネジを1つ外すと、簡単にメモリとHDDにアクセスできる。右手前のメッシュの部分はサブウーファー
左側面ミニD-Sub15ピン、USB 3.0、eSATA/USB 2.0コンボ、HDMI出力、2in1メモリスロット、ExpressCardスロット キーボードとスピーカー。10キー付のキーボード。スピーカーの小さい方はツイーター(高音用) 右側面。Gigabit Ethernet、Blu-ray Discドライブ、USB 2.0×2、B-CASカードスロットを備える
背面には電源コネクタ、ロックポート、アンテナ入力 仕様上はキーピッチ約19mm/キーストローク約1.8mm。実測で約19mm 付属品はACアダプタ、バッテリ、マウス、リモコン

 ボディのカラーは「エスプレッソブラウン」。トップカバーはブラック系で光沢があり、細かくドットが散りばめられている。スピーカーとキーボード、パームレスト、パネルのフチは光沢無しブラック。そしてそれを囲む部分が「エスプレッソブラウン」となる。好みもあるだろうが、デザインも含め落ち着いた雰囲気のあるカラーリングだ。

 サイズ410×270×37.2mm(幅×奥行き×高さ)、重量約3.4kgはとにかく大きく重い。またパネルの方が重いのか、開いたまま持った時のバランスは後ろ側にあるため、少し持ち難い。後ろ側にアンテナ端子と、電源端子があり、通常両脇からケーブルが見えることもなく、机の上はスッキリする。

 17.3型の液晶パネルは「LEDバックライト付高色純度TFTカラーLCD」と、同社のウェブに書かれている通り、明るく、色鮮やかで低価格のノートPCではまず見られないクオリティだ。視野角は上下左右共広く、正面から少々動いてもほとんど変わらない。色も濃く写真でも動画でも何を観ても見栄えする。

 キーボードはテンキー付の一般的なもの。キーピッチは約19mm。ただ大きい分、若干たわむのと、他の部分のクオリティが高いだけに、キーボードユニットが普通過ぎて少し浮いてしまっている。コストとの兼ね合いもあると思うが、もう少しキーボードにもこだわって欲しかった。

 パームレストとタッチパッドはボディが大きい分、十分確保され、余裕を持って操作できる。ボタンは物理的に2つ。またタッチパッドの位置は、ボディ中央ではなく、テンキー以外の主キーボードの中央少し左側に配置されている。個人的には何となく違和感があるのだが、これだけフットプリントがあると、付属のマウスを使った方が操作しやすいかも知れない。

 さて3way5スピーカーから奏でるサウンドは、ツイーターとサブウーファーがあるため、ドンドン、シャリシャリ鳴るのかなと思っていたが、かなり控えめなセッティングで、フルレンジユニットに目立たないよう、上品に上下をつないだ感じだ。またサブウーファーのカットオフ周波数も低く、実際ユニットが埋め込まれている向かって左側に低音が偏って聴こえることも無かった。もちろん、だからあまり効果が無いのではなく、ハイハットは抜けが良く、ウッドベースの鳴りもいい。ボーカルは高音と低音がでしゃばらない分、前に出る。なかなかうまいチューニングと言える。

 ノイズや熱、振動に関しては、ボディに余裕があり、十分な処理がされているようで、まったく気にならないレベルとなっている。

●豊富なソフトウェアに快適な環境

 OSは64bit版Windows 7 Home Premium。4GBのメモリを全て使い切ることができる。Intel HD Graphics 3000とメモリを共有するため、実質は3.85GBだ。また、デスクトップを見ると多くのショートカットが置かれ、デフォルトでは、同社固有のシングルクリック(名前がリンク)に設定され、シングルクリックでアプリケーションが起動したり、フォルダが開く。

 これに関しては、フォルダオプション/全般で「ポイントして選択し、シングルクリックで開く」から「シングルクリックで選択し、ダブルクリックで開く」へ変更すれば、Windowsで一般的な操作となる。

 HDDはWestern Digitalの「WD7500BPVT」。750GB/5,400rpm/キャッシュ8MBのタイプだ。光学ドライブはHL-DT-ST BD-RE BT10Nを使用。またチップセットのHM65 Expressは、USB 3.0に対応していないため、「Renesas Electronics USB 3.0 Host Controller」を別途搭載している。

 パーテーションはC:ドライブとD:ドライブの2つ。それぞれ同量の約339GB。この振り分けに関しては、初期起動時、割り当てを変更できるツールが起動し、違った割合にすることも可能だ。

起動時のデスクトップ。OSはWindows 7 Home Premium(64bit)。ショートカットが同社固有のシングルクリックに設定されている デバイスドライバ/主要なデバイス。HDDはWestern DigitalのWD7500BPVT(750GB/5,400rpm/キャッシュ8MB)、光学ドライブはHL-DT-ST BD-RE BT10N HDDのパーテーション。C:ドライブとD:ドライブを全容量の約半分ずつ使い約339GB。C:ドライブは309GB空き

 インストール済のソフトウェアは、Microsoft Office Home and Business 2010、テレビNaviガジェット、ノートン インターネットセキュリティ 2011、AzbyClub ツールバー/AzbyClubガジェット、@nifty でブロードバンド、サポートナビ、かんたんバックアップ、PC乗換ガイド、パソコン準備ばっちりガイド、アップデートナビ、マイリカバリ、@メニュー、ゆったり設定2、NetworkPlayer、DTS Surround Sensation | UltraPC、DTS Boost、マイフォト、マイフォトビューアー、Corel Digital Studio for FUJITSU、DigitalTVbox、Roxio Creator LJ、Corel WinDVD、Corel Direct DiscRecorder、筆ぐるめVer.18、電子辞書ガジェット、電子辞書、広辞苑第六版、現代用語の基礎知識2010年版、家庭医学館、学研パーソナル統合辞典(4種)、デジタル全国地図いつもNAVI、らくらく手書き入力、うれしレシピ、脳力トレーナー 脳年齢 脳ストレス計 アタマスキャン for 富士通、e解説 Microsoft Office 2010 教室(Word+Excel+PowerPoint)、GAMEPACK 2011F、ワンタッチボタン設定、ネットワーク診断、Plugfree NETWORK、リモコンマネージャー、画質設定ユーティリティ、ソフトウェアディスク検索、省電力ユーティリティ、Fujitsu Display Manager、テレビ出力ユーティリティ、電源オフUSB充電ユーティリティ、IndicatorUtility、PowerUtility - スケジュール機能、PointGrab ハンドジェスチャー コントロール for FUJITSU、Sense YOU Technology設定など。

 オフィス系からツール、辞書まで非常に幅広く入っている。同社のサイトにはシリーズによるソフトウェアの違い一覧があり、それを見ながらピックアップした。かなりの部分が共通だが、シリーズそれぞれの個性に応じてプリインストールアプリケーションを細かく調整しているのがわかる。購入後、これだけ豊富なソフトウェアを即使えるのは、同社ならではと言えよう。

DigitalTVbox NetworkPlayer/サーバー NetworkPlayer/クライアント
PointGrabハンドジェスチャーコントロールの設定 サポートナビ Fujitsu Display Manager

 この中で面白いのは手を使ってソフトウェアを操作できる「PointGrabハンドジェスチャーコントロール」だ。1mほど離れた位置で、液晶パネル中央あたりで手を開いて静止すると、画面上に大き目の手のアイコンが表示され、その後軽く左右に手を振ると、周囲にコントロールボタンが現れる。操作したいボタンに手を移動させ、その場所で少し停止すると、ボタンが押されたことになる。

 設定パネルを見ると、Windows Media Center、Windows Media Player、WinDVD、DigitalTVbox、Windowsフォトビューアー、PowerPointで、この操作が行なえるようだ。実際動画を掲載したので参考にして欲しい。慣れるまで少しコツが必要だが、ちょっとした音量変更などは離れた場所から行なえ便利な機能と言えよう。

【動画】ハンドジャスチャーコントロール。本来手のある位置にカメラがあるため、少し反応が鈍いが実際はもう少しスムーズに操作できる

 ベンチマークテストはWindows エクスペリエンス インデックスとCrystalMark、BBenchの結果を見たい。

 Windows エクスペリエンス インデックスは、総合 5.9。プロセッサ 7.4、メモリ 5.9、グラフィックス 5.9、ゲーム用グラフィックス 6.1、プライマリハードディスク 5.9。プロセッサはさすがのスコア。他のスコアが見劣りしてしまうが、実際操作した感覚は結構バランスが良く、スコアの差ほどは気にならなかった。

 参考までに以前掲載したデスクトップ用のCore i7-2600(4コア/8スレッド、3.40GHz/TurboBoost 3.80GHz、L3 キャッシュ8MB) では、総合は5.5。プロセッサ 7.6、メモリ 7.6、グラフィックス 5.5、ゲーム用グラフィックス 5.9。グラフィックス関連に関しては、本機の方がスコアは高い。

 CrystalMarkは、ALU 52981、FPU 47601、MEM 38936、HDD 10965、GDI 13289、D2D 1250、OGL 2394。Windows エクスペリエンス インデックスとは逆に、GDI/D2D/OGLに関しては解像度の関係もあるだろうが、今ひとつ伸びていない。

 BBenchは、「省エネルギー」モード、バックライトOFF、キーストローク出力/ON、Web巡回/ON、WiFi/ONでの結果だ。バッテリの残5%で11,161秒(3.1時間)。仕様の最大5.1時間には及ばなかったものの、用途を考えると十分な値だ。

Windows エクスペリエンス インデックスは総合 5.9。プロセッサ 7.4、メモリ 5.9、グラフィックス 5.9、ゲーム用グラフィックス 6.1、プライマリハードディスク 5.9 CrystalMarkは、ALU 52981、FPU 47601、MEM 38936、HDD 10965、GDI 13289、D2D 1250、OGL 2394 BBench。「省エネルギー」モード、バックライトOFF、キーストローク出力/ON、Web巡回/ON、WiFi/ONでのBBenchの結果。バッテリの残5%で11,161秒(3.1時間)

 以上のように富士通「LIFEBOOK NH77/CD」は、17.3型で色が綺麗な液晶パネルを搭載し、高速なCore i7-2630QMプロセッサ、USB 3.0/eSATAや3波TVチューナ、Blu-ray Discドライブ、3way5スピーカーなどを搭載した、かなりパワフルで映像もサウンドも楽しめる内容となっている。

 加えてプリインストールされているアプリケーションも豊富。購入して家に持ち帰り、スイッチポン! ですぐに何にでも対応できるノートPCが欲しい人にお勧めの1台だ。