西川和久の不定期コラム

ネットブックと一味違う快適さ!
レノボ「IdeaPad U350」



IdeaPad U350

 ネットブックの台頭は、いまさら筆者が説明するまでもないが、マーケット的に見逃せないのが、そのワンランク上に超低電圧版(ULV)CPUを搭載した7〜10万円程度のノートPCが出てきたことだ。もちろんネットブックではないので、機能的な制限は見られない。今回はその中で最薄部が17mmの13.3型ノートPC、レノボの「IdeaPad U350」をご紹介したい。


●IdeaPad U350の仕様

 このU350は、CPUとHDDの容量の違いで「29633DJ」、「29633EJ」、「29633HJ」の3モデル、そして下位モデルと上位モデルにはプラス2万円でOffice Personal 2007プリインストールモデル(29633FJ/29633GJ)が用意され、ラインナップは計5種類となる。

 主要部分を挙げると、CPUはCeleron 723(1.2GHz/FSB800MHz)、Core 2 Solo SU3500(1.4GHz/FSB 800MHz)、Core 2 Duo SU9400(1.40GHz/キャッシュ1MB/FSB800MHz)のいずれかで、どれも超低電圧版(ULV)CPUだ。クロック数こそAtom N270/280に劣るものの、キャッシュサイズやFSBなど、トータルのパフォーマンスは上となる。また、Core 2モデルではWindows 7のWindows XP Modeで必要なVTにも対応しているのが見逃せないポイントだ。

 チップセットはIntel GS40 ExpressまたはIntel GS45 Express。前者はCeleron、後者はCore 2搭載機に使用される。このチップセットはPC3-8500 DDR3 SDRAMに対応する。U350では全モデル標準で4GB(2GB×2/最大8GBまで)搭載しており、この点ポイントが高い。

 またメインメモリとグラフィックメモリを共有(最大384MB)するビデオ機能として、GMA 4500MHD(Celeronモデルは4500M)を内蔵している。このビデオ機能は、DirectX 10対応、Blu-ray Discの再生支援機能(Celeronモデルは非対応)などの特徴を持つ。HDDはSATAの2.5インチタイプでCPUのランクに合わせて順に250GB、320GB、500GBを搭載する。

 液晶パネルは1,366×768ドット表示対応のLEDバックライト13.3型ワイド光沢液晶だ。解像度こそ最近ではネットブックでも一部同等のものが出てきたが、このサイズのものはなく、画面が広い分、余裕を持って操作できる。また、動画を見ても迫力がある。

 インターフェイスは、4in1カードリーダ、USB 2.0×3、HDMI出力、ミニD-Sub15ピン、IEEE 802.11a/b/g/n対応無線LAN、Gigabit Ethernet、Bluetooth Ver.2.1+EDR、130万画素Webカメラ、音声入出力などだ。

 そしてサイズは328×228×17〜24.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.6kg、バッテリーは4セルで駆動時間は約5時間。この様にU350は、フル機能を備える薄型軽量ノートPCとして仕上がっている。

 ただし、カラーバリエーションは無く「ダークブラウン」のみ。またHDD容量などは、各モデル固定仕様となっている。従ってCPUは「Core 2 Duo SU9400」で「HDDは250GB」といったようななBTOでのコンビネーションはできない。

 表にまとめると以下の通りとなる。


29633DJ 29633EJ 29633HJ
CPU Celeron 723/1.2GHz Core 2 Solo SU3500/1.4GHz Core 2 Duo SU9400/1.40GHz
VT ×
OS Windows Vista Home Premium SP1(32bit)
HDD 250GB 320GB 500GB
Memory 4GB(2GB×2)最大8GB
GPU GMA 4500M GMA 4500MHD
/O 4in1カードリーダ、USB 2.0×3、HDMI出力、IEEE 802.11a/b/g/n対応無線LAN、Gigabit Ethernet、Bluetooth Ver.2.1+EDR、130万画素Webカメラ、音声入出力
サイズ 328×228×17〜24.9mm(幅×奥行き×高さ)
重量 1.6kg
※「29633DJ」と「29633HJ」にOffice Personal 2007プリインストールモデル(29633FJ/29633GJ)がある

本体上面。ブラウン単色ではなくテクスチャーデザイン(模様)が彫られ、見る角度によって少し雰囲気が異なる天板。ツルツルしていない事もあり指紋跡は全く目立たない(付かない)。真上から撮ると解り辛いため、斜めから撮影した 底面。パネルを外すとメモリとHDDなどにアクセスできる。ただ標準でメモリを4GB搭載していることもあり、実際開けるケースは少ないのではないだろうか キーボード。大部分は標準的だが、[Delete][Home][End][PgUp][PgDn]キーが右側に縦一列に並んでいる
左側面。ロックポート、ミニD-Sub15ピン、HDMI、Ethernet、USB 2.0×1、無線LAN ON/FFスイッチ 右側面。電源入力、USB2.0×2、オーディオIN/OUT、メディアリーダ キーピッチ。周囲のキーは若干狭くなるものの、主要部分は19mmある
バッテリとACアダプタ。バッテリは薄い分、結構面積は大きい。ACアダプタの電源コネクタはミッキータイプだ 外周にRが付いているため、ミッキー→メガネ変換アダプタがガッチリ付かない

 加えてU350の特徴としては、振動検知時にHDDのヘッドを待避する「アクティブ・プロテクション・システム」、ヘッドフォンでバーチャル5.1chサウンドを再現する「Dolby Sound Room」技術、システムリカバリーとして「OneKey Rescue System」、顔認識によるパスワード認証「VeriFace」技術などを搭載している。実際の使用に関しては後述する。

●使用感

 手元に届いたのはCore 2 Duo SU9400、HDD500GBの上位モデル「29633HJ」だ。箱から取り出した時はまだバッテリが付いていなかったので軽く感じたが、バッテリを装着するとイメージ通りの重さだった。ノートPCの場合、見た目より重かったり、軽かったりと、見た目と持った感じが合わない機種も多いのだが、このU350はバランスがいいのだろう。とは言え、1.6kgあるため、片手でひょいと持ち上げるのはギリギリに感じた。

 質感は、まず天板がしっかりした作りだ。色はブラウンだが、べた塗りではなく、テクスチャーデザイン(模様)が施され、部分部分微妙に色が違う。液晶パネルのフチはツヤありブラック、パームレストを含むキーボードの周囲はヘアライン仕上げの渋めのゴールドとなっている。流石にこのクラスになると、ネットブックの様にプラスチック感は無く、値段相応の仕上げで満足度は高い。

 液晶パネルはグレア(光沢)タイプだ。LEDバックライトで明るくコントラストが高く発色も良い。特に赤系が自然な感じだ。色温度が若干高めなので、GMA 4500MHDのプロパティで色補正:青-10として丁度いい雰囲気となった。ただし、光沢タイプのパネルなので背景はそれなりに映り込む。

 キーボードは一般的なタイプだ。液晶パネルが13.3型なので、キーボードやパームレストの面積も十分確保され、キーピッチもゆったりしている。クリック感も悪くない。ただ、全体的に少したわむのと、[Delete][Home][End][PgUp][PgDn]キーが右端に縦一列に配置されている。この配置は慣れないとちょっと扱い辛く、特に[Delete]キーは、一番右端の右上にあるため、無意識に操作すると[BS]キーと間違えてしまう。

 タッチパッドは十分広く、表面は割とザラザラしている。ツルツルして滑り易いのと対照的な感じだ。操作性的にどちらが良い悪いというものでもなく、好みの問題だと思われる。ボタンはクリック感があるものの比較的軽いので、指に負担がかかることもなく、スムーズに使えるようになっている。ドライバは「Synaptics TouchPad」だ。

 振動やノイズに関しては皆無に近い。パームレストは微妙な振動があるが、気になるレベルではない。熱に関しては1」時間ほど触ってみたが、ほんのり温かくなる程度だった。

 スピーカーは底の手前に2つ入っている。スリットの形状からかなり小さいスピーカーだと思われるが、音楽を再生したところ、高/低域の量感が不足しているのは仕方ないとして、中域が意外と厚くしっかりした音質で特にボーカルなどは前に出てくる。最大音量は大き過ぎず小さ過ぎずだが、この音質はなかなか良い。

 インターフェイスとしては、ミニD-Sub15ピン、HDMI、Ethernet、USB 2.0×1、無線LAN ON/FFスイッチが左側、電源入力、USB 2.0×2、音声入出力、メディアリーダーが右側に配置さている。気になった点があるとすれば、この中で電源入力は奥に配置しているのだが、その他のポートは手前側になっているのだ。従ってこれらのポートにケーブルを接続した場合、手元で邪魔になることが予想される(実際Ethernetケーブルを接続すると邪魔だった)。また、蓋は何かでカチッと止まるわけではなく、単に閉じているだけの状態のため、少し触れると持ち上がってしまう。どちらも一工夫欲しかったところだ。

起動時のデスクトップ。記事中で紹介したソフトウェア以外に、Lenovo EasyCapture、Lenovo ReadyComm(ネットワーク接続ツール)など、同社のユーティリティなどのアイコンも並んでいる デバイスドライバ/主要なデバイス。HDDはWDC WD5000BEVT(5400rpm/8MB)が使われていた。無線LANはIntel WiFi Link 5100 AGN HDDのパーテーション。パーティションは3つに切られている

 同社オリジナル以外のソフトウェアとしては、ウィルス対策として「Norton Internet Security 2009(90日版)」、フィルタリングとして「i-Filter」がプリインストールされている程度。割とあっさりしている。ある意味玄人好みの仕様と言える。

 HDDのパーティションは、500GBを3つに切っている。一つはシステム及びユーザー領域でCドライブが約420GB、もう一つはドライバとバックアップエリア用などとしてDドライブが約30GB、そしてEISA構成で約14GB。Cドライブの空き領域は約400GBあるのでノートPCとしては十分な容量だろう。

アクティブ・プロテクション・システム。ThinkPadにも搭載している衝撃からHDDを守るシステム OneKey Rescue System。システムのバックアップ/復元、ブートディスク作成などに対応する VeriFace。パスワードの替わりに顔認識する

 「アクティブ・プロテクション・システム」はThinkPadにも搭載しているシステムだ。落下や衝撃を振動センサーが感知しHDDへの読み書きを停止しデータを保護する。タスクトレイにあるアイコンのデザインも当初から変わっていない。「OneKey Rescue System」は、システムパーティションのバックアップリストア、既存のバックアップファイルからブータブルなディスクを作成する機能を持つ。トラブル時にシステムを完全に復元できる便利なツールだ。

 「VeriFace」は指紋認識センサーが無い替わりに、Webカメラで顔認識するシステム。システムログオンのパスワード替わりなどに使うことができる。登録時に「メガネや帽子を外してください」とあるが、試しにメガネをしたまま登録したところ、メガネがある状態では即時、メガネを外した状態では何度かスキャンして、結果どちらでもログインできた。ただ後者のケースでは認識率が低い。メガネを“する”か“しない”かどちらか一方に決めた方が良さそうだ。筆者の場合、基本的に個人使用なのと、パスワードをキーボードで入力した方が手っ取り早いこともあり、この機能自体はテストしたものの、常用しないと思った。

 「VeriFace」は筆者のように好みによって使わないケースもあるだろうが、前者2つに関しては非常に強力なツールであり、ThinkPadの遺伝子を引き継いでいる部分でもある。

Windows エクスペリエンス インデックス。グラフィックスの3.2が気になるが、他は結構高スコアだ CrystalMark。Core 2 Duo SU9400はIntel64及びVT共にONとなっている。従ってWindows 7の「Windows XP Mode」も実行可能だ

 Atom N270+Intel 945GSE Express/GMA 950と言った平均的なネットブックでWindows Vistaを動かしWindows エクスペリエンス インデックスの値を比較するとグラフィックス(4.2)以外は全てのおいてこのU350が上回るため、使用感は上々だ。CPUのアーキテクチャの違いはもちろん、キャッシュやデュアルチャネルのDDR3メモリなど、さまざまな積み重ねがその差となって現れている。今回Blu-ray Discの再生機能は試していないが、支援機構の有無もアドバンテージとなるだろう。いずれにしてもネットブックとの差は歴然だ。

 なお、このU350は「Windows 7 優待アップグレード」対象機種であり、Windows 7 Home Premiumへ1,680円(税込)でアップグレードできるため、欲しい人はWindows 7の出荷を待たず今直ぐ購入しても安心だ。

 IdeaPad U350は、用途を選ばず無難な作りのシンプルな薄型軽量ノートPCであり、Celeron 723搭載モデルは7万円前後、Core 2 Solo SU3500搭載モデルは8.5万円前後、Core 2 Duo SU9400搭載モデルは10万円前後と、ネットブックのワンランク上のカテゴリとして買いやすい価格設定になっている。更にメモリを4GB標準搭載でおトク感も高い。万人にお勧めできるノートPCだ。

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