西川和久の不定期コラム

パワーアップ版ネットトップ「マウスコンピューター LM-M110S」



 以前ご紹介した、マウスコンピューターのネットトップ「LM-M100S」の上位モデル、「LM-M110S」が出荷開始となった。CPUをシングルコアのAtomプロセッサ230からデュアルコアの330へ変更、メモリとHDDを倍増したパワーアップ版で、価格は49,800円と1万円プラスだ。製品版が届いたのでファーストインプレッションをお届けする。



●ご対面!

 ここのところネットブックに加えネットトップも真っ盛り! 前回はタッチパネル付液晶一体型ネットトップ「ASUSTeK Eee Top」を紹介したが、ほかにもいろいろな機種が出ている。ただ多くはAtom 230やN270など、まるで出し惜しみしているかの様にシングルコアのものばかり。また液晶一体型は好みのディスプレイを接続できないなど、欲求不満もあるだろう。それを解決するのが、この「LM-M110S」。デュアルコアの Atomプロセッサ330を搭載したPCだ。スペックは下記を参考にして欲しいが、加えてメモリ2GB、HDDは320GB、Windows XP Home Edition SP3付きでヨンキュッパ。自作でもOS代まで含めるとこの価格で収まるか微妙な線と言える。

 本体はシングルコア搭載機の「LM-M100S」とほぼ同じだ。非常にシンプルで薄型。すっきりとまとまっている。サイズは60mm×200×250mm(幅×奥行き×高さ)。付属の台座を使い縦置きで設置する。メモリはチップセットIntel 945GC Expressの上限2GBを初めから搭載しているので付け替えることは無いと思う。簡単に内部へアクセスできるため、HDDの交換も容易だ。

フロントパネル。「LM-M100S」との違いは、フロントパネルに「4in1カードリーダー」の有無ぐらい リアパネル。ミニD-Sub15ピン、シリアルポート、PS/2×2、USBポート×4、Ethernet、マイク入力、ラインイン、ラインアウト リアにあるネジ2本とフレームを外せば簡単に内部へアクセスできる。容易にHDDを交換可能だ
ACアダプタ。出力は19V/3.42A。電源ケーブルのコネクタはミッキータイプだ 付属のマウスとキーボード。「LM-M100S」と同じくマウスはPS/2、キーボードはUSB接続 他の付属品一式。リカバリ用のOSとドライバなどを収めたCD-ROMが付属する

 ここで興味深いのは付属品の変更だ。「LM-M100S」では、リカバリ用のファイル郡がHDDの別パーティションに入っていたが、この「LM-M110S」ではHDD内にリカバリ用のパーティションが無くなり、代わりにCD-ROMメディアの形で付属するようになった。HDDにリカバリが含まれると、HDDが壊れた時や別の大容量ドライブへ入れ替える時など容易に対応できないため、今回の変更になったのだろう。

 ただセットアップ済みのイメージが ROMで丸ごとあるのではなく、Windows XPをインストールし、その後ドライバやアプリケーションの設定となるため手順は多少面倒になるが、Windows XPのメディアがそのまま付属するのは何かと安心だ。

●LM-M110Sの特徴

 「LM-M110S」の仕様を簡単にまとめると下記のようになる。太字の部分が「LM-M100S」と違う部分だ。CPU、メモリ、HDDが倍増している。加えてフロントパネルに4in1カードリーダーが追加された。デジカメなどで撮ったデータを簡単に取り込めるため、あったほうが便利なのは言うまでもない。

・OS Microsoft Windows XP HomeEdition SP3 正規版
・CPU Intel Atom 330(1.60GHz/ 533MHz FSB)
・チップセット Intel 945GC Express
・内蔵グラフィックス Intel GMA 950
・メモリ DDR2 SO-DIMM 2,048MB PC2-5300 (2048MBx1)
・HDD SATA 320GB 7,200rpm
・CD/DVDドライブ DVD±R 2層書込対応 DVDスーパーマルチ
・PS/2×2、USB 2.0×6、シリアルポート×1、アナログVGA出力
・Ethrenet×1、マイク/ヘッドフォン×1(前面)、ラインイン/ラインアウト/マイク×1(背面)、4in1カードリーダ
・省エネ、静音設計、消費電力最大50W
・サイズ:W60mm×H250mm×D200mm

 デュアルコア、320GB、2GBとWindows XPマシンとしては十分なスペック。一般的なアプリケーションを使うには全く不満は無いだろう。趣味はもちろん、事務処理にも十分耐えられる。

 ただ筆者的に残念なのは、ディスプレイの出力がアナログVGA、ネットワークは100BASEと、「LM-M100S」から変わっていないところだ。ここがDVIそしてGbEになっていればパーフェクトなだけに惜しい。以前はDVIやGbEは、ネットブックそしてネットトップとしては使えないよう、IntelやMicrosoftから制限されているのかと思っていたのだが、他社から搭載しているものが実際出ているので、搭載してほしかった。

●Atomプロセッサ230 vs 330

 シングルコアAtomプロセッサ230搭載の「LM-M100S」と、デュアルコアAtomプロセッサ330搭載の「LM-M110S」と、どの程度違うのかHDBenchを使ってベンチマークテストを行ない比較した。また同じ330を搭載したIntel純正のマザーボード「D945GCLF2」の結果も参考のため掲載したので合わせてご覧頂きたい。

 結果は明らかで、CPUに関しては倍違う。また理由は不明だが、メモリアクセスも330の方が随分速くなっている。これだけ違えば体感速度でも十分その差を感じることができる。実際筆者は去年の年末頃に一時、330を搭載したPCで業務をこなしていたが、何1つ不便も不満も無く使えていた。

LM-100S/1GB LM-110S/2GB インテル D945GCLF2/2GB

 「LM-M100S」と「LM-M110S」との違いをまとめたのがこの表だ。細かい点では、最大消費電力が40Wから50Wになっている。スペック的にはコア数、HDD、メモリ容量が倍違う。

  LM-M100S LM-M110S
プロセッサ Intel Atom 230(Single Core) Intel Atom 330(Dual Core)
メモリ DDR2 SO-DIMM 1,024MB PC2-5300 (1,024MB×1) DDR2 SO-DIMM 2,048MB PC2-5300 (2,048MB×1)
ハードディスク HDD SATA 160GB 7,200rpm HDD SATA 320GB 7,200rpm
カードリーダー N/A 4in1カードリーダ搭載
システムリカバリー HDDから 付属CD-ROMから
最大消費電力 40W 50W
価格(税込) 39,800円 49,800円

 

●LM-M110Sの使い勝手など

 付属のアプリケーションは、「CyberLink DVD Suite」「Nero 7 Essentials」「McAfee SecurityCenter(90日限定版)」。DVD再生&ライティング系とセキュリティ系だ。必要最低限であるが、逆にこれ以上アプリケーションが山盛り入っていても使わないものがあったり、デスクトップにショートカットがいっぱいあったりと、あまり美しくない。趣味ならこのままで十分使え、仕事なら加えて OpenOfficeをインストールすれば事足りる。

 処理速度はデュアルコアだけに、一般的なネットブックと比較しても速く、レスポンスも良い。Atomプロセッサだと言うことを忘れて普通に使ってしまうほどだ。ただし、デジカメのRAW現像や、動画のエンコードは(出来なくはないが)パワー不足のためお勧めしない。

起動直後のデスクトップ。PDFのマニュアルはデスクトップにショートカットがある Hyper-ThreadingはONなのでCPUは4つ相当。HDDはWD3200AAKSが使われれている プリインストールアプリケーション一覧。シンプルだが必要最低限は全て揃っている
CyberLink DVD Suite。DVDビデオの再生や書き込みなどに対応する Nero 7 Essentials。高性能なDVDライティングソフト McAfee SecurityCenter。プリインストールされているアプリケーションは「LM-M100S」と同じだ

 ノイズに関しては、ACアダプタ駆動に加えリアに付いているファンも十分静か。静音性も非常に高く、ほとんど熱も持たない。最大消費電力50Wも含め、低TDP(330は8W)のAtomプロセッサの特徴を生かしている。付属のキーボードとマウスは価格的にクオリティの高いものは期待できないが、それなりに普通に使えるものとなっている。

 少し気になったのは、HDDのパーティションだ。Cドライブに151GB/NTFSで割り当てられ、残り約半分は未使用になっていた。たまたま届いたマシン固有の問題なのか、出荷版の設定がこうなのか不明であるが、もし後者の場合、初心者では多分気が付かない。以前にも書いたが、初心者の場合、D ドライブの存在すら知らないケースもある。HDDを全部Cドライブに割り当ててよいのではないだろうか。

 なお「iiyama製20型ワイド液晶ディスプレイとセット」になった「LM-M110S-T」、「Microsoft Office Personal 2007」がインストールされたモデルが「LM-M110S-A」と、それぞれ69,800円になっている。「LM-M100S」と同様のラインナップだ。


●総論
スリムで机にピッタリ!

 「LM-M100S」と「LM-M110S」の価格差は1万円。どちらにするか悩みそうであるが、Atomプロセッサの場合、CPUは後から交換できない上に、メモリとHDDの容量が倍違えば納得できる範囲。筆者なら間違いなく後者を選ぶ。

 シングルコアのAtomプロセッサ230/N270を搭載したネットブックと比較してもその差は明らか。低コストで趣味に仕事に大いに役立つ1台と言えよう。


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