三浦優子のIT業界通信

Windows 7まで待つ必要はない!
〜マウスコンピューター 小松社長インタビュー



株式会社マウスコンピューター代表取締役社長 小松 永門氏

 2009年後半は、9月8日にIntelのLynnfield発売、さらに10月22日のWindows 7の発売と、BTO PCメーカーにとって、大きなビジネスチャンスがある時期だ。しかし、Lynnfield発売からWindows 7発売まで1カ月半の時間差が生まれるため、「Windows 7発売までは……」と新製品を買い控えるユーザーも出ると想定されている。

 そのため、Lynnfield発売にあたって、通常のインテル新プラットフォーム発売の時のように盛り上がるのか、見方が分かれるところだが、株式会社マウスコンピューターの小松永門社長は、「Windows 7の登場まで待つ必要はない。本日、ただいまが買い時だ」と言い切る。

 Lynnfieldに最適な仕様を備えた商品ラインナップを揃え、最新パフォーマンスを望むハイエンドユーザーにアピール。さらに、6月26日から実施しているWindows 7優待アップグレードキャンペーンでは、送料、事務手数料、キット費用までを完全無料とした。この施策により、「Windows 7発売を待つことなく、Lynnfield発売後すぐに製品を購入してもらえる」とアピールする。

●今が一番の買い時

 インタビューの冒頭、マウスコンピューターの小松永門社長に、「Lynnfield発売から、Windows 7発売までの買い控えについて…」と質問をすると、小松社長は笑顔を見せながら強い調子でこう言い切った。

 「ウチの製品なら買い控える必要はありません。Windows 7登場まで待たずにすむ条件は揃えてあります」。

 同社が6月26日から実施している「Windows 7優待アップグレードキャンペーン」は、アップグレードキットの送料、アップグレードに関わる事務手数料、キットの実費にいたるまで全てを無料とした。実費や手数料は有償としているメーカーもいるが、マウスコンピューターは完全無料でWindows 7にアップグレードできることになる。国内のメーカーとしては珍しい選択だ。

 「完全無料を実施するにあたっては、実は社内でも色々と議論を重ねました」と小松社長は苦笑する。送料やキットの実費等については有償でもよいのではないかという意見もあった。それを完全無償としたのは、「やはり、お客様の立場に立った上で出した結論」だという。

 「できれば送料や実費費用は頂きたいというのは、あくまでもメーカーの理論です。お客様の立場となると、完全無償の方が有り難い。お客様の気持ちを優先するために、完全無償を実現しようということになりました」

 同社の優待アップグレードキャンペーンは、Windows VistaからダウングレードしたWindows XP Professionalプリインストールモデルも、もちろん対象としている。

 「このタイミングで、該当する当社のPCを購入してくださったお客様は、Windows XP、Windows Vista、さらにWindows 7と3世代のWindowsを手に入れることができます。ビジネス用途でWindows XPを利用されているユーザーの中には、周辺機器やアプリケーションがWindows Vistaに対応していないので、アップグレードができないという方もいらっしゃると思います。Windows 7は対応周辺機器やアプリケーションを移植しやすい環境となっていますので、これまでは移植されていなかったアプリケーションやドライバの移植も進む可能性がある。3世代のWindowsを揃えることで、ご自身の最もよいタイミングでアップグレードすることができる環境を整えたのです。我々のようなBTO PCメーカーの製品を使っていなかったビジネスユーザーの方にとっても、現在のタイミングでPC買い換えするベストタイミングになってくるのではないでしょうか」。

 マイクロソフトが法人向けWindows 7発売の発表会で行なった試算では、3年以上前に購入されたPCは一般ユースで約1,929万台、ビジネスユースで約1,631万台。こうした需要を置き換えることを想定して行なうのが3世代のWindowsを持つことができるアップグレードキャンペーンだ。

 「Windows XP搭載のPCを使われていて、スピードや安定性に不自由を感じている方は多いと思います。そういう方こそ、今が買い換えのタイミングになってくるでしょう」と、小松社長は訴える。

●一歩踏み込んだハイエンドモデルを用意
6万円台の低価格からCore i 5搭載機が用意される。写真は「LUV MACHINES Lm-i470」(ディスプレイ別売)

 昨年発売されたCore i7(Bloomfield)は、「予想以上に好調な売れ行きとなりました」と小松社長は振り返る。

 Core i7発売当初、予想を超えて人気となったのが12GBのメモリを搭載した64bitモデルだ。64bitモデルに本格的に取り組んでいるメーカーが少なかった時期でもあり、人気を呼んだ。

 「メモリの価格が下がった時期でもあり、メモリ容量を大幅に増加させ、高スペック化されたお客様がたくさんいらっしゃいました」。

 Lynnfieldは、同じNehalemマイクロアーキテクチャーをミッドレンジモデルで採用した製品となるだけに、「Bloomfield登場時以上のビジネス拡大が実現すると考えています。より多くのお客様にLynnfieldの強みを実感していただくために、最適な製品ラインナップを揃えました」と小松社長は説明する。

 3万円台から購入可能な低価格デスクトップPC「LUV MACHINES」シリーズは筐体を一新。従来よりもコンパクト化されているものの、冷却性能を向上させたことで、Geforce GTS 250などのミドルレンジグラフィックボード搭載した場合でも、HDDを最大2機搭載可能となり、さらにGeforceのハイエンドモデル搭載も可能とした。

 Quadro FXシリーズを搭載したクリエイター向けモデルについても、従来の筐体に比べ奥行き5.3cm、体積比10%の省スペース化を実現しつつ、HDDを最大2基搭載可能とした。OSとアプリケーション領域にSSDを選択することも可能で、大容量コンテンツデータを2基目のHDDに保存することも可能だ。

 「実は新しい筐体は、Lynnfieldを意識してのことではありませんでした。デザイン性の向上と、熱処理を効率化した筐体を模索した結果、同じタイミングでの発売となったのです。この後、Lynnfieldを意識して回転数をあげたクーラーの発売も予定していますので、まさにプラットフォームに最適な環境が揃うことになります」。

 低価格モデルについてもグラフィックボードの標準搭載を行なう方針で、「価格レンジによって搭載、非搭載を選択していたわけですが、標準搭載を基本として、さらにハイエンドを望まれるお客様はよりハイエンドタイプのグラフィックボードを選んで頂けるようにしました。電源及びグラフィックボードに関しては基本性能を向上させ、さらにハイエンドタイプへのアップグレードがはかれるようなラインナップを充実させることで、さまざまなタイプのお客様に満足していただけるBTOメーカーの中でも一歩踏み込んだハイエンド製品を追求していきたいと考えています」と小松社長は語る。

 Windows 7への完全無料アップグレードと共に、ハイエンドBTO PCメーカーとしての製品ラインナップによって、「誰にでも、すぐに良いPCを届ける」という姿勢を明確にする。

●Windows 7の良さは使ってもらえばわかる
Windows 7では映像関係の機能が充実している

 ハイエンドというキーワードの対極にあるネットブック、さらにネットトップについては、「これまでPCを使うことをためらっていたユーザーの皆さんを取り込むことを成功したという点では功績は大きいと思います。その一方で、エントリーモデルがより低価格なネットブックに流れてしまうという事実はありました。が、それを上回るプラス効果はあったと思っています」と評価する。

 この評価は、「Atomプロセッサを搭載したネットトップおよびネットブックは、コンテンツを作成するための物ではなく、あくまでもコンテンツを見るための製品。コンテンツ作成用にはLynnfieldのようにパワーがあるプラットフォームが必要」と用途に違いがあることから来ている。

 「クリエイティブなことをするのが本来のPCの目的です。例えば、写真のRAWデータ編集、動画編集といった使い方を体験してもらうことで、ネットブックにはないPCの良さを実感してもらえるのではないでしょうか」。

 この「体験してもらう」というのは、Windows 7についても重要なキーワードとなる。

 「使ってもらうことで、良さがわかるのはWindows 7も同様です。私もベータテストユーザーとしてWindows 7搭載マシンを利用していますが、使って初めて実感できる快適さがあります」

 同社ではWindows 7発売後には、ネットブックにWindows 7 Starter Editionを搭載する予定。ネットブックユーザーにもその良さを実感してもらう計画だ。

 また、Windows 7とLynnfieldはセットで利用することでそのパワーを発揮する。そのパワーについても、「マシンを触って、実感してもらいたい」と小松社長は訴える。

 「例えばWindows 7のSMT Parkingは、ハイパースレッディングをサポートしていますが、これはMicrosoftとIntelが協議し、新しいプラットフォーム向けに開発された機能です。こうしたお互いを想定して開発された機能によって、Lynnfield上でWindows 7を動かすことでこれまでにない快適さが実現されているといえます。私は仕事柄、『PCの買い時はいつでしょう』と質問されることが多い。これまでは、『PCは必要な時、欲しい時が買い時です』とお答えしてきたのですが、今回のLynnfield+Windows 7という組み合わせは、まさに買い換えのタイミングが来た、それだけオススメできるテクノロジーだと思います」。

 小松社長はLynnfield+Windows 7という組み合わせが、マウスコンピューターのビジネスが大きく拡大するきっかけになると考えている。

 「Windows 7には、Starterバージョンを除きWindows Media Centerが標準搭載されますので、PCを寝室や子どもの勉強部屋に置くといった2台目、3台目のTVとして活用するといった提案もできるでしょう。Lynnfield+Windows 7によってPC市場は新たな広がりを見せるのではないでしょうか」

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