■最新液晶ディスプレイ ピックアップ■
MDT243WG-MB | |
液晶サイズ | 24.1型 |
パネル方式 | VA方式 |
表示解像度 | 1,920×1,200ドット |
アスペクト比 | 16:10 |
画素ピッチ | 0.270mm×0.270mm |
表面処理 | ノングレア |
バックライト方式 | 冷陰極管 |
応答速度 | 6ms(中間色) |
コントラスト比 | 2,000:1(CRO非動作時 1,000:1) |
視野角 | 上下178度/左右178度 |
輝度 | 500cd/平方m |
表示色 | 1,677万色(10億6,433万色中) |
走査周波数 | 水平: デジタル31.4~82.3kHz、アナログ24.7~93.8kHz 垂直:解像度1,280×1,024ドット以下56.0~76.0Hz、 解像度1,280×1,024ドット以上56.0~60.0Hz |
チルト角度 | 下10度~上25度 |
高さ調節 | 約60mm |
スイーベル | 90度 |
ピボット機能 | なし |
入力端子 | ミニD-Sub15ピン×1 DVI-D(HDCP対応)×1 HDMI×2 D5×1 Sビデオ/コンポジットビデオ×1 音声入力(RCAピンジャック L/R)×2 音声入力(ステレオミニジャック)×1 |
出力端子 | ステレオミニジャック音声出力×1 光デジタル音声出力×1 ヘッドフォン出力×1 |
スピーカー | 5W+5W |
VESAマウント | 対応 |
電源 | 内蔵 |
消費電力 | 標準110W |
付属品 | ミニD-Sub15ピンケーブル DVIケーブル HDMIケーブル オーディオケーブル 電源コード リモコン 単4形乾電池2本 ユーティリティディスク |
本体サイズ | 558.5×401.4~460.3×270.0mm(幅×奥行き×高さ) |
重量 | 約11.2kg |
「MDT243WG-MB」は、三菱電機の液晶ディスプレイ「VISEO」シリーズ最新モデル。2008年10月に発売された24.1型ワイド液晶「MDT243WG」の新色で、ボディ全体がつや消しブラック仕上げの「マットブラック」モデルとなる。発売は7月17日、実売価格は99,800円前後。
●本体デザイン2008年10月に発売済み製品の新色モデルで、ボディカラー以外に本体デザインの変更点はない。動画再生やゲームプレイに最適化された、一般ユーザー向けのマルチメディアモデルではあるが、特に凝ったデザインは採用されておらず、見た目の印象は非常に落ち着いている。
従来モデルは、液晶ベゼルおよび台座部分に光沢感の強いブラック塗装を施した「クリアピアノブラック」モデルと、液晶ベゼル部分のみつや消しブラック塗装が施された、3,000台限定の「サテンブラック」モデルの2種類が用意されていたが、今回登場したMDT243WG-MBは、液晶ベゼルに加えて台座部分もつや消しブラック塗装が施されている。光沢感の強いクリアピアノブラックモデルは高級感があり人気だが、つや消しブラックボディも根強い人気があり、限定数の出荷が終了したサテンブラックモデルの代替として登場したと考えていい。
本体サイズは、24.1型ワイド液晶を搭載していることもあり、558.5×270×401.4~460.3mm(幅×奥行き×高さ)とかなり大型だ。ただ、ベゼルは十分に狭いため、液晶サイズを考えるとコンパクトにまとめられている。
液晶面のチルトは、下10度から上25度と、比較的幅が広い。それに対し、高さ調節は幅が60mmほどと、それほど広くない。また、台座には左右45度ずつのスイーベル機構も備えている。液晶面のぐらつきはほとんどないが、チルト角調節には比較的強い力を必要とする。
電源やOSD操作、表示モード、入力切り替えなどのボタン、ヘッドフォン端子などは、液晶中央下部に配置されている。OSDの操作用としてジョイスティックタイプのボタンが用意されており、カーソル移動など直感的に操作できる。また、標準添付のリモコンでも、OSDの操作や表示モード、入力の切り替えが行なえるため、本体側のボタンを利用する機会は、他のモデルに比べると少ない。また、本体のボタン類の左右には、5W+5Wのステレオスピーカーが配置されている。
●液晶パネル1,920×1,200ドット表示対応の、24.1型ワイド液晶を搭載。パネルの方式はVA方式。アスペクト比16:10のため、フルHD動画再生時には上下にすき間が発生するものの、PCモニターとしては垂直方向の解像度が広く、フルHD液晶よりも使い勝手がいい。応答速度は、中間色で6ms。視野角は上下/左右とも178度。バックライト輝度は500cd/平方m。パネル表面は非光沢処理が施されている。
●接続端子映像入力端子は、ミニD-Sub15ピン×1系統、DVI-D(HDCP対応)×1系統、HDMI×2系統、D5×1系統、Sビデオ/コンポジットビデオ×1系統(Sビデオとコンポジットビデオは排他利用)の全6系統と豊富。音声入力端子は、PC入力用としてステレオミニジャックが1系統(ミニD-Sub15ピンとDVI-D共用)と、D5入力用とSビデオ/コンポジットビデオ入力用として、それぞれにRCAピンジャック L/Rが用意(計2系統)されている。もちろんHDMI端子からの音声入力も可能で、これも含めれば全部で5系統の音声入力が可能となる。
また、PC用液晶ディスプレイとしては珍しく、ヘッドフォン出力以外に、HDMI入力音声をデジタル出力する光デジタル音声出力が1系統と、アナログ入力が1系統用意されている。このあたりは、マルチメディアモデルらしい配慮と言っていいだろう。
ちなみに、PC系の入力端子(ミニD-Sub15ピンおよびDVI-DとPC用音声入力、アナログ音声出力)は本体底面に、またビデオ系の入力端子(HDMI、D5、Sビデオ/コンポジットビデオ、RCAピンジャック、光デジタル音声出力)は本体左側面にまとめられている。本体底面のPC系入力端子へのケーブル接続がやや面倒な点と、ビデオ系端子に家庭用ゲーム機や映像機器などを接続する場合、本体横からケーブルが伸びることになるため、ケーブルがまとめにくい点は少々気になる。
●OSDOSDは、本体側の操作ボタンがジョイスティックタイプとなっていて、直感的なカーソル移動が行なえるため、かなり扱いやすい印象だ。用意されている設定項目も十分豊富で、プロ用途でもない限り不満を感じることはないだろう。
また、OSDの操作は付属のリモコンでも行なえる。リモコンには、上下左右独立した移動ボタンが用意されており、さらに操作性が高い。加えて、リモコンには6系統の映像入力それぞれに独立した切換ボタンが用意されており、多くの映像機器を接続している場合でも、目的の入力に一発で切り替えられ、非常に便利だ。
●画質MDT243WG-MBは、本体カラーが変わっただけで、液晶パネルの表示品質は、MDT243WGと全く同じと考えていい。Adobe RGB比約107%(カバー率約97%)の広色域パネル採用グラフィックモデルに比較すると発色性能は劣るが、そこまで厳密な発色を求めることのない一般用途としては、十分な発色性能が実現されており、デジカメ画像やフルHD動画も鮮やかに表示できる。VA方式の液晶パネルを採用しているために、パネルを見る角度が少々変わっても発色の変化が少なく、表面の非光沢処理のため外光の映り込みが気にならない点も魅力だ。
パネルの反応速度は中間色で6msと、それほど高速というわけではない。しかし、動画を表示する際、フレーム毎に黒画像を挿入するとともに、その黒画像に合わせてバックライトも消灯させる「黒挿入技術」と、「バックライトスキャニング技術」、輝度低下を防ぐ「ダイナミックドライブコントロール技術」を組み合わせた「MP ENGINE II」を搭載。これにより、全くと言っていいほど残像を感じなくなり、非常に鮮やかな映像が楽しめる。この、MP ENGINE IIの搭載が、MDT243WGの人気の理由だが、実際に試してみると、その効果の高さに驚かされる。ちなみに、MP ENGINE IIの動作モードは、本体のボタンまたはリモコンで簡単に切り替えられる。
また、TVや映画、ゲーム、PC画像など、表示させる映像ソースに合わせた映像設定も「DV MODE」としてプリセットされており、こちらも本体やリモコンのボタンで切り替え可能。もちろん、映像入力端子ごとに異なるDV MODEを設定したり、ユーザーが設定内容をカスタマイズすることも可能だ。
画質とは直接関係ないが、ある入力の映像を表示させている状態で、小画面で別入力の映像を表示させる「Picture In Picture機能」を備えている点も特徴。小画面表示が可能になる入力端子の組み合わせには制限があるが、PC映像を表示しながら、ビデオ入力のテレビ映像を表示させたい場合などに便利に活用できる。
アスペクト比が16:10のため、フルHD動画再生時に液晶パネル上下に黒帯ができる点が気になる人もいるかもしれないが、液晶サイズが大きいため、実際にはそれほど気にならない。また、PC用ディスプレイとして利用することを考えると、アスペクト比16:10のほうが表示領域が広くなり断然有利だ。本体サイズが大きいため、置き場所に苦労する可能性も高いが、PC用ディスプレイとしてはもちろん、PCゲーム、家庭用ゲーム機、地デジなどの映像表示などAV用途にも本格的に活用できる本製品は、一般ユーザー向け液晶ディスプレイとして大いにおすすめしたい。
(2009年 8月 10日)