石井英男のデジタル探検隊

64,800円の3Dプリンタ「ダヴィンチ1.0」の実力は?

〜コストパフォーマンスと使い勝手の良さが魅力

ダヴィンチ1.0の外観。樹脂製の外装でカバーされており、安定した造形が可能

 昨年(2013年)あたりから、3Dプリンタという言葉を耳にする機会が増えてきた。中でも注目を集めているのが、パーソナル3Dプリンタと呼ばれる、個人やSOHOなどをターゲットにした小型で安価な製品である。パーソナル3Dプリンタの基礎知識については、2014年1月に掲載された1カ月集中講座「パーソナル3Dプリンタ導入の手引き」を見ていただきたいが、パーソナル3Dプリンタの進化のペースは速く、その後も次々と新製品が登場している。

 パーソナル3Dプリンタのほとんどは、糸状の樹脂フィラメントを熱で融かして積層するFDM方式を採用している。パーソナル3Dプリンタブームの立役者ともいえるMakerBotの「Replicator」シリーズの販売価格は20万円後半から30万円強であり、個人が気軽に買うにはまだまだ高価であった。しかし、パーソナル3Dプリンタは、急速に低価格化が進み、今年(2014年)出た製品の多くは、完成品で10万円台、キットでは10万円を切る製品が主流となっている。

 低価格が進むパーソナル3Dプリンタの中でも、特に価格の安さで話題を呼んでいるのが、XYZプリンティングジャパンから登場した「ダヴィンチ1.0」である。ダヴィンチ1.0は、台湾XYZプリンティングが開発・製造しているパーソナル3Dプリンタであり、2014年3月に国内での販売が開始された。当初の販売価格は、69,800円であり、完成品のパーソナル3Dプリンタとしては国内最安クラスであった。さらに2014年9月25日に、価格改訂が行なわれ、64,800円と5,000円安くなった。

 6万円台前半という価格は、キヤノンのパーソナルレーザープリンタ「LASER SHOT」の登場時の価格の数分の1であり、エプソンが1996年に発売したフルカラーインクジェットプリンタ「PM-700C」(59,800円)と同程度である。6万円台前半で購入できるダヴィンチ1.0の実力はどれくらいなのか、しばらくの期間、試用する機会を得たので、レビューしていきたい。

本体はかなり大きいが、その分造形サイズも大きいことが魅力

 ダヴィンチ1.0は、パーソナル3Dプリンタの中では、かなり本体サイズが大きい部類に属する。本体サイズは、468×558×510mm(幅×奥行き×高さ)で、箱の梱包サイズは555×700×558mm(同)にもなる。梱包材を含めた重量は28.5kgと、重量もかなり重い。1人で持てなくはないのだが、あらかじめ設置スペースをしっかり確保しておいた方が良い。本体サイズが大きい分、最大造形サイズも200×200×200mm(同)と大きい。10万円以下のパーソナル3Dプリンタとして、この造形サイズは最大級であり、多少大きな物体も分割せずに出力できるのは嬉しい。

 また、パーソナル3Dプリンタでは、コストダウンのために、本体がカバーで覆われておらず、プラットフォームやヘッド部分が剥き出しになっているものも多いが、ダヴィンチ1.0は樹脂製の外装で本体がカバーされており、前面にはドアも付いているので、出力時に高温になるプラットフォームやヘッド部分に誤って触れてしまう心配がない。小さな子どもがいる家庭でも安心して利用できる。また、プラットフォームの周囲がカバーされているため、内部の温度が安定し、エアコンの風などの影響を受けずに安定した出力が行なえることも利点だ。カバーは透明で中が透けて見えるので、出力が途中で失敗していないか、外から確認もできる。

 PCとダヴィンチ1.0の間は、付属のUSBケーブルで接続する。出力された造形物をプラットフォームから剥がすためのスクレーパーやノズルをクリーニングするための銅ブラシやクリーニングワイヤーが付属していることも評価できる。

ダヴィンチ1.0の前面。右上に操作ボタンと液晶パネルが用意されている
ダヴィンチ1.0の上面。奥行きはかなりある
ダヴィンチ1.0の後面
ダヴィンチ1.0の右側面。USBポートやメイン電源スイッチが用意されている
ダヴィンチ1.0の左側面
ダヴィンチ1.0と小1の息子の大きさ比べ。ダヴィンチ1.0の大きさがよく分かる
側面の持ち手部分をふさぐプラスチックパーツが付属する
プラスチックパーツを側面の持ち手部分にはめたところ。パーツをはめることで外部からの風の影響などを受けにくくなるが、はめなくても通常は問題ない
造形物をプラットフォームから剥がすのに使うスクレーパーが付属する
ノズルをクリーニングするための銅ブラシも付属する
こちらはノズルをクリーニングするためのクリーニングワイヤー

ノズル自動クリーニング機構を搭載し、失敗が少ない

 前面の右上に、操作ボタンと液晶パネルが用意されていることも特徴の1つだ。液晶パネルは4行表示で、日本語(カタカナ表示)と英語表示を切り替えられる。

 プラットフォームはヒートベッドが内蔵されており、材料としてはABSをサポートしているが、汎用フィラメントではなく、専用カートリッジタイプのフィラメントを利用する。サードパーティ製フィラメントは利用できないが、フィラメントの入れ替えが簡単で、品質が安定していることが利点だ。また、フィラメント残量を検出できるのも、専用カートリッジならではだ。

 カートリッジの価格は3,280円と比較的安く、1カートリッジあたりのフィラメント重量は600gなので、専用カートリッジタイプとしては、ランニングコストも安いと言える。フィラメントの色は、当初12色(レッド、ブルー、オレンジ、イエロー、ホワイト、ブルーグリーン、グリーン、オリーブ、ブラック、インディゴ、ピンク、パープル)が用意されていたが、最近、新色のオフホワイトとゴールド、蛍光マゼンタが追加され、全15色となった。カラーバリエーションに関しても、パーソナル3Dプリンタとしてはトップクラスである。

 上面のカバーは、中央から前後に開くようになっており、後ろの部分にフィラメントカートリッジを装着する。フィラメントのロード/アンロードは、操作ボタンでメニューを選択し、画面の指示に従うだけなので簡単だ。

 また、本体の右奥に不要なフィラメントを捨てるためのダストボックスが用意されていることも特筆できる。ダストボックスの上部には、ノズルの先端を清掃するためのゴム板があり、出力を行なう際に自動的に余分なフィラメントがこすり落とされ、ダストボックス内に入るようになっている。FDM方式の3Dプリンタでは、出力後にノズルから余分なフィラメントが垂れていることが多く、そのまま次の出力を行なおうとすると、綺麗な出力ができないことがあるが、ダヴィンチ1.0なら、自動的にノズル先端のクリーニングが行なわれるので、そうしたトラブルが起きる可能性は低い。Stratasysの「uPrint Plus SE」などの200〜300万円クラスの業務用3Dプリンタでは、こうしたノズルクリーニング機構を備えているものが多いが、10万円未満のパーソナル3Dプリンタでは珍しい。

 本体の内部には、白色LEDが9個並んで配置されており、内部を照らす仕組みになっている。一定時間ボタン操作などを行なわないと、白色LEDは消えるが、またボタンを押せば点灯する。内部の様子がよく分かるので便利だ。

6個の操作ボタンと液晶パネルによって、設定や状態の確認などが行なえる
最大造形サイズは200×200×200mm(同)と大きいので、プラットフォームもかなり大きい。プラットフォームにはヒーターが内蔵されている
上面のカバーは中央から前後に開くようになっている。後ろの部分にフィラメントカートリッジの装着スペースが用意されている
右奥にノズルから出た不要なフィラメントを捨てるためのダストボックスが用意されている
ダストボックスの上部にノズルを清掃するためのゴム板があり、余分なフィラメントがこすり落とされる仕組みだ
ダストボックスは簡単に取り外せるようになっているので、定期的に中のゴミを捨てれば良い
筐体の内部には白色LEDが9個並んで配置されており、内部を照らす仕組みになっている
ダヴィンチでは専用のフィラメントカートリッジを利用する。こちらがそのフィラメントカートリッジ
フィラメントカートリッジの底面には端子があり、本体と電気的に接続される
フィラメントカートリッジを本体に装着しているところ。下までしっかりと差し込む
フィラメントをセットする際は、フィラメントカートリッジをセットして、メニューから「ユーティリティー」→「フィラメントヲコウカン」を選択する
次に「ロードフィラメント」を選択する
エクストルーダの加熱が開始される
所定の温度までエクストルーダの加熱が完了すると、フィラメントを差し込むように指示される

プラットフォームのキャリブレーション機能を搭載

 FDM方式のパーソナル3Dプリンタを使う上で、面倒かつ重要なのが、プラットフォームとノズルの隙間調整と、プラットフォームの水平出しだ。プラットフォームとノズルの隙間が適切に調整されていないと、うまく積層できず、造形が失敗してしまう。また、プラットフォームが水平になっていないと、やはり造形精度が低下してしまう。

 パーソナル3Dプリンタの多くは、プラットフォームとノズルの隙間調整やプラットフォームの水平出しを手動でやる必要があるが、この作業は初心者にはなかなか難しく、時間もかかる。通常、プラットフォームとノズルの隙間は0.2mm前後が適当とされており、名刺などを差し込んで、適度にひっかかるくらいがいいなどと言われているが、上手に調整するにはノウハウと経験が必要だ。

 しかし、ダヴィンチ1.0には、プラットフォームとノズルの間隔を計測するセンサーが搭載されており、メニューからキャリブレーションを選ぶことで、プラットフォームとノズルの間隔が適切か、またプラットフォームが水平になっているかを、知ることができる。

 キャリブレーションを実行すると、3つの数値が表示されるので、この数値を適切な範囲内で、バラツキを抑えるようにすれば良いのだ。調整そのものは、手動で調整ネジを回して行なうのだが、数値を見ることで、どのネジをどちらに回せばいいかが分かるので、初心者でも戸惑わず、適切に調整を行なえる。調整ネジを回して、キャリブレーションを実行するといった作業を繰り返し、数値が一定範囲内で揃えば完了だ。

 基本的には出荷時の状態で、適切に調整が行なわれているため、そのまま出力が可能だが、長期間使っていると、ずれてくることがある。造形精度が落ちたと感じたら、キャリブレーションを実行すればよい。このキャリブレーション機能は、初心者には特にありがたい機能であり、ダヴィンチ1.0の使い勝手を大きく高めているといえる。

プラットフォームの調整を行なう際は、メニューから「ユーティリティー」→「キャリブレーション」を選択する
エクストルーダとプラットフォームの加熱が開始される
キャリブレーションが開始され、その結果が表示される。3つの数値のバラツキが小さければOKだが、バラツキが大きい場合は「シッパイ」と表示されるので、それぞれの数値を順番にメモしておく
プラットフォームの下にある3つの調整ネジを回して、3つの数値を近付ける
もう1度、キャリブレーションを実行し、3つの数値のバラツキが一定範囲内に収まれば成功だ
ダヴィンチ1.0には、透明なドアがあり、ドアを閉めても中の様子がよく分かる
フィラメントの残量をいつでも確認できる
フィラメントの色や材質も表示される

スティック糊でプラットフォームからの造形物の剥がれを防ぐ

 ABSは温度が冷えて固まる際の収縮が比較的大きいため、造形物が反ってプラットフォームから剥がれてしまうことがある。特に、平たい造形物だと剥がれやすい。造形物の剥がれを防ぐために、プラットフォームに食いつきのよいテープやシートを貼ることがあるが、ダヴィンチ1.0では、付属のスティック糊をプラットフォームに薄く塗って、剥がれを防ぐようになっている。

 ただし、プラットフォームとノズルの間隔を適切に調整していれば、糊を塗らなくても造形物が途中で剥がれてしまうことはあまりなかった。また、出力時に土台となるラフトを利用する設定にすれば、より剥がれにくくなる。

 ダヴィンチ1.0には、3種類のサンプルデータが内蔵されており、PCを接続しなくても、単体で出力テストが可能である。サンプルデータは「デモ」、「キーチェーン」、「スターベース」の3種類が用意されている。出力中に、液晶パネルに進捗状況や予想残り時間が表示されるのも親切だ。FDM方式のパーソナル3Dプリンタの中には、出力中の騒音がかなり大きいものもあるが、ダヴィンチ1.0の騒音は比較的小さく、前面のドアを閉めてしまえば、深夜に動かしてもあまり気にならないレベルだ。

スティック糊が付属する
造形開始前にプラットフォームにスティック糊を塗ることで、造形物がプラットフォームから剥がれることを防げる
3種類のサンプルデータが内蔵されており、PCを接続しなくても出力テストが可能。サンプルデータを出力するには、メニューから「ユーティリティー」→「ビルドサンプル」を選択する
サンプルデータは「デモ」「キーチェーン」「スターベース」の3種類が用意されている
出力中には液晶パネルに進捗状況や予想残り時間が表示される
サンプルデータの1つ、「デモ」の出力を行なっているところ
出力が終わると、プラットフォームの冷却が開始される。温度が下がってからの方が、造形物を剥がしやすい
本体に内蔵されているサンプルデータ「デモ」の出力が完了したところ
出力中の様子。ドアを閉めれば、騒音もかなり小さくなる

積層跡はやや目立つが、オーバーハングもある程度ならサポートなしで造形できる

 サンプルデータ「デモ」の出力結果は、以下の写真に示した通りだ。このモデルは、土台部分と上の部分が太く、中央が細い形になっており、上半分はオーバーハングしている。FDM方式の3Dプリンタでは、こういうオーバーハング形状は苦手であり、水平面との角度が45度を下回る場合は、サポートをつけないとうまく造形できないことが多い。

 だが、ダヴィンチ1.0では、サポートがなくてもこの程度のオーバーハングなら、問題なく造形できるようだ。積層跡は多少目立つが、XY方向の精度はパーソナル3Dプリンタとしては合格点をつけられる。また、ノズルクリーニング機構もあり、出力が失敗してしまうことが少ないことも高く評価できる。エクストルーダーの設計も良いようで、いろいろなモデルを出力してみたが、途中でフィラメントが詰まってしまい、造形ができなくなる(いわゆるエアプリント)こともなかった。

 Thingiverseで公開されている「Owl Statue」と「Treefrog」も出力してみた。どちらも、印刷品質は「非常に良い」設定、サポートとラフトは無しで出力した。Treefrogの顔の下の部分は、かなり水平に近いオーバーハングになっているので、さすがに造形が乱れているが、それ以外は問題なく出力できている。もちろん、正しく調整を行なえば、より高精度で積層跡が目立たない出力が可能なパーソナル3Dプリンタも存在するが、逆に、なかなか綺麗に出力できないパーソナル3Dプリンタも存在する。

 出荷時の状態で、初心者が使ってもこれだけの出力ができるのなら、6万円台で購入できることも合わせて、パーソナル3Dプリンタとしての完成度はかなり高いと言える。

サンプルデータ「デモ」の出力結果。積層跡は多少目立つが、オーバーハング部分もサポートなしで綺麗に出力されている
Thingiverseで公開されている「Owl statue」の出力結果
Owl statueの背面側
Thingiverseで公開されている「Treefrog」の出力結果
Treefrogの前面。顔の下の部分をサポートなしで綺麗に造形するのが難しいのだが、やはり造形がやや乱れている

専用ソフト「XYZware」も使いやすい

 ダヴィンチシリーズでは、専用ソフト「XYZware」を利用して、STLデータのツールパスデータへの変換(スライス)とプリンタの制御を行なう。オープンソースベースのパーソナル3Dプリンタでは、STLデータを変換するスライサーと、プリンタを制御するコントロールソフトが別々になっていたり、日本語化されていないこともあったりして、初心者にはやや分りにくい(その代わり詳細な設定が可能なので、印刷条件をとことん突き詰めたい人には向いているが)。それに対し、ダヴィンチシリーズは、XYZwareのみでスライスから印刷まで、簡単に行なえることが利点だ。

 XYZwareは、Windows(Windows 7以降)とMac OS X(10.8以降)に対応しており、日本語表示にも対応している。使い方もシンプルで分かりやすく、STLデータを読み込んだら、「印刷」アイコンをクリックし、条件を指定するだけで印刷が開始される。印刷メニューは、基本メニューと詳細メニューがあり、前者は、印刷品質を選び、サポートやラフトの有無を選択するだけなので、初心者でも戸惑うことはない。詳細メニューでは、3D密度、シェル、レイヤの高さ(積層ピッチ)、速度、サポートの密度などを細かく指定できるので、より仕上がりにこだわりたいという人にお勧めだ。

 印刷メニューで「印刷」をクリックすると、スライスが開始され、完了後、印刷予想時間と推定必要材料、残り材料が表示される。汎用フィラメントを使うパーソナル3Dプリンタでは、残り材料が分からないことが多く、途中でフィラメントがなくなってしまい、印刷が失敗してしまうこともあるが、ダヴィンチシリーズでは、残り材料を常に監視しているのでそういう心配はない。

 スライスにかかる時間は、3Dモデルの大きさや印刷品質によっても大きく変わるが、さきほど出力例として挙げた「Owl Statue」を「非常に良い」で印刷したところ、スライスにかかった時間は4分程度であった(Core i3-350M搭載機で実行)。スライスが終わると、ツールパスデータがダヴィンチ1.0本体に転送され、印刷が開始される。筆者が試した範囲では、ツールパスデータの転送が全て終わったら、USBケーブルを抜いたり、PCの電源を落としても問題なく印刷が行なえるようだ(もちろん、保証外の行為ではあるが)。Owl Statueの印刷時間は、2時間58分であった。出力速度についても、パーソナル3Dプリンタとしては標準的と言える。

 XYZwareは、3Dモデルの拡大縮小や回転など、一通りの機能を備えており、ユーザーインターフェイスも分かりやすい。また、比較的頻繁にバージョンアップを繰り返しており、新機能の追加や安定性、速度の向上などの改良が行なわれていることも高く評価できる。本体ファームウェアも何度かバージョンアップが行なわれており、新機能の追加や印刷品質の向上などが実現されている。

ダヴィンチシリーズ専用ソフト「XYZware」の画面。STLデータをツールパスデータに変換するスライサーとしての機能と、3Dプリンタを制御するコントロールソフトとしての機能を持つ
設定では、言語とプリンタのタイプ、単位の設定が可能
情報をクリックすると、読み込んでいるオブジェクトの位置やサイズ、体積などが表示される
「印刷」をクリックすると、印刷メニューが表示される。印刷メニューは基本メニューと詳細メニューの2種類が用意されている。こちらは基本メニューで、品質を選び、ラフトとサポートの有無を選択するだけだ
こちらは印刷の詳細メニュー。「品質」、「サポート&ラフト」、「プロファイル」のタブがあり、サポートやラフトの有無、3D密度、シェル、レイヤの高さ(積層ピッチ)、速度などを指定できる
サポート&ラフトのタブでは、サポートの密度を3段階で指定できる
印刷設定をプロファイルとして保存・呼び出すことが可能
3D密度は、最低0%から最高90%まで9段階で指定できる
レイヤの高さ(積層ピッチ)は0.1〜0.4mmまで4段階で指定できる
「印刷」ボタンをクリックすると、3Dモデルのスライスが行なわれる。スライスが完了すると、印刷予想時間と推定必要材料、残り材料が表示される
左の「情報」をクリックすると、印刷するオブジェクトの情報が表示される
オブジェクトの移動や回転、拡大縮小なども可能

初めて3Dプリンタを買うという人にもお勧め

 ダヴィンチ1.0は、64,800円という低価格ながら、樹脂製カバーで覆われたしっかりした筐体と造形サイズの大きさが魅力のパーソナル3Dプリンタである。ノズル自動クリーニング機能やプラットフォームのキャリブレーション機能を備えるなど、使い勝手も10万円以下のパーソナル3Dプリンタとしてはトップクラスである。

 印刷品質は、パーソナル3Dプリンタの最高レベルというわけではないが、出荷時の状態でも十分合格点を付けられるレベルだ。ここでは、デフォルトの「非常に良い」で出力を行なったが、詳細メニューで印刷条件をもっと細かく設定すれば、さらに高い精度での出力も可能だ。造形が安定しており、失敗が少ないことは、初心者には何よりも嬉しいポイントであろう。

 本体サイズが大きいので設置場所は多少選ぶが、この価格でこれだけの出力が得られるのなら、コストパフォーマンスは非常に高いといえる。3Dプリンタがどんなものか興味があるが、15万円を超える製品を買うのは躊躇してしまうという人にも、ダヴィンチ1.0はお勧めだ。専用ソフトウェアも頻繁にバージョンアップしているだけでなく、日本法人によるサポート体制もしっかりしているので、安心して購入できる。

(石井 英男)