Hothotレビュー

クラムシェル型ノートPC志向の2in1「Surface Book」

~着脱式キーボードにバッテリとGPUを搭載

Surface Book

 日本マイクロソフトから発売された「Surface Book」は、その名の通り、同社のタブレットPC「Surface Pro」シリーズのノートPC版とも言える製品だが、薄さと性能を追求したプレミアムなモデルとなっている。価格も、エントリーモデルで税込221,184円とかなり高めだが、同社がこれまでSurface Proシリーズで培ってきた技術を注ぎ込んだ、魅力的な製品に仕上がっている。今回は、Surface Bookを試用する機会を得たので、早速レビューしていきたい。なお、試用した製品は試作機であり、量産品とは細部や性能が異なる可能性がある。

マグネシウム合金製の堅牢で質感の高いボディ

 日本マイクロソフトと言えば、言わずと知れたWindowsやOfficeの開発元であり、長らくソフトベンダーとしての印象が強かったが、最近はハードウェア事業にも注力しており、特にタブレットPC「Surface Pro」シリーズは人気が高い。

 今回レビューするSurface Bookは、2015年10月に米Microsoftが、Surface Proシリーズの最新モデルであるSurface Pro 4と同時に発表した製品だが、日本での発売は翌年初頭と発表されていた。その予告通り、2016年2月4日から日本での発売が開始されたのだ。

 Surface Bookは、CPUやメモリ、SSDなどの構成の違いによって、全部で4モデルが用意されている。ここでは、最上位のCore i7、メモリ16GB、SSD 512GB搭載モデル(販売価格は372,384円)を試用した。

 Surface Bookの筐体は、軽くて強度が高いマグネシウム合金製である。ボディカラーはシルバーのみだが、マットな仕上げで質感は高い。手触りも良く、所有する喜びが感じられる。筐体のデザインもシンプルで洗練されており、プレミアムPCと呼ぶに相応しい。本体のサイズは、約312.3×232.1×22.8mm(幅×奥行き×高さ)で、重量はGPU搭載モデルが約1,579g、GPU非搭載モデルが約1,516gとなる。ディスプレイ部分を取り外して、タブレットとして使うことも可能で、その場合のサイズは約312.3×220.2×7.7mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約726gとなる。

 1kg台後半という重量は、今となってはトップクラスではなく、より軽い製品も多数発表されいるので、実際に持ってみると、あまり軽いとは思えず、ずっしりとした重量感を感じる。もちろん、十分携帯できる重さではあるが、軽さよりも性能を重視した設計なのであろう。

Surface Bookの上面
Surface Bookの底面
試用機の本体重量は実測で1,570gであった
試用機のディスプレイ部分の重量は実測で723gであった

キーボード部にバッテリとGPUを搭載

 Surface Bookは、一見普通のクラムシェル型ノートPCだが、ディスプレイ部分を取り外してタブレットとして使うことが可能な2in1 PCである。こうした1台2役とも言える2in1 PCは他社からも発売されているので、それほど珍しいわけではないが、Surface Bookでは、キーボード部分にバッテリとGPUを搭載していることが特徴だ。

 キーボードとディスプレイ部分の両方にバッテリを搭載した2in1 PCはほかにもあるが、GPUを搭載した製品はおそらくSurface Bookが初めてであろう。GPUをキーボード側に搭載することで、クラムシェル時の高い描画性能とタブレット時の薄さ/軽さを両立させているのだ。なお、一番低価格なCore i5/メモリ8GB/SSD 128GBモデルのみ、GPU非搭載となる。

 ディスプレイ部分とキーボード部分はPCI Expressで接続されている。キーボードとの接続部には電磁ロック機構があり、動作中にはロックがかかる。キーボード右上にある取り外しボタンを長押しすることで、内部のロック機構が外れて、ディスプレイ部分を取り外せるようになる。GPU搭載モデルについては、GPU使用中にディスプレイ部分を取り外すことはできず、取り外しの際にGPUを使っているアプリが起動している場合は、そのアプリの終了を促すダイアログが表示される。

 取り外したディスプレイ部分は、180度回転させて反対向きにキーボードに装着することも可能であり、その状態でディスプレイ部分を閉じると、GPUやキーボード側のバッテリを利用しながら、タブレット的に使うことも可能だ。

ディスプレイ部分を取り外す際は、まず、キーボード右上の取り外しボタンを長押しする。ボタンのLEDが緑色に変わったら、ロックが外れる
ディスプレイ部分をキーボードに合体させる場合は、そのままはめれば良い

 Surface Bookは、ヒンジ部分の形状もユニークだ。蛇腹のようなデザインで、ディスプレイ部分とキーボードとの間に隙間がない。なお、ディスプレイ部分を装着していない状態では、ヒンジは動かないようになっている。ディスプレイ部分を閉じても、キーボードと密着せず、横から見るとクサビ状の空間が空くことも特徴だ。ヒンジの動きも滑らかだが、最大限に開いても、ディスプレイとキーボードの角度が120度程度しか開かないのがやや気になった。

ディスプレイ部分のヒンジを開く様子。角度はこれ以上開かない
ディスプレイはこれ以上開かない

Skylake世代のCPUとNVMe対応超高速SSD、NVIDIA製GPUを搭載

 Surface Bookは、デザインが優れているだけでなく、PCとしての基本性能も高い。CPUとしては、開発コードネームSkylakeと呼ばれている、インテルの最新Coreプロセッサを搭載する。

 日本マイクロソフトのWebサイトなどでは、搭載CPUの詳細については明らかにされておらず、単にCore i5またはCore i7とのみ記載されているが、今回試用した最上位モデルの試用機では、Core i7-6600U(2.6GHz)が搭載されていた。Core i7-6600UはデュアルコアCPUだが、Hyper-Threadingテクノロジーを搭載しているため、最大4スレッドを同時に実行可能だ。

 メモリは16GBと大容量で、増設はできないが16GBあれば十分であろう。GPUを搭載していることも特徴だが、このGPUについても詳細は明らかにされていない。デバイスマネージャーの表示でも「NVIDIA GeForce GPU」としか書かれてないが、GPU-Zで仕様を確認したところ、SPを384基搭載したMaxwell世代のGPUと表示された。GPUクロックは954MHz~993MHzで、ビデオメモリは1GBのGDDR5を搭載、メモリバスは64bitのようだ。これはNVIDIAとMicrosoftが共同で開発したGPUとされており、性能的にはGeForce 840Mに近い。

 SSDはNVMe対応の512GBモデルを搭載。試用機ではSamsung製のSSDが採用されていた。GeForceとCPU内蔵GPUの切替は、Optimusによって自動的に行なわれるが、明示的な選択も可能となっている。

Surface Bookのデバイスマネージャーを開いたところ。CPUは「Core i7-6600U」、SSDは「SAMSUNG MZFLV512」、GPUは「NVIDIA GeForce GPU」となっている
GPU-ZでGPUの仕様をチェックしてみた。SPは384基で、世代としてはMaxwell世代となる

3,000×2,000ドットの13.5型液晶を搭載

 液晶は13.5型で、解像度は3,000×2,000ドットと、ほかに類を見ない解像度だ。最近はアスペクト比16:9のワイド液晶が主流だが、Surface Bookの液晶のアスペクト比は3:2であり、縦方向が長めだ。Webページなどは、縦にレイアウトされていることが多いので、縦方向の解像度が高いことは嬉しい。コントラスト比は1,800:1、色再現性はsRGB 100%対応で、表示は非常に色鮮やかで美しい。輝度も高いため、映り込みもあまり気にならない。また、タッチパネルとデジタイザも搭載。タッチパネルは10点マルチタッチ対応で、1,024段階の筆圧検知対応のSurfaceペンも付属する。液晶の品質についても、トップクラスと言えるだろう。

 また、液晶上部には500万画素のWebカメラが、背面には800万画素のWebカメラが搭載されている。顔認証によるログイン「Windows Hello」に対応するほか、背面カメラはオートフォーカスにも対応している。

Surface Bookの液晶は13.5型3,000×2,000ドットと高精細だ。コントラスト比も1800:1と高く、色域もsRGB 100%をカバーしている
液晶上部には、500万画素のWebカメラが搭載されている
背面の角にも、800万画素のWebカメラが搭載されている。こちらはオートフォーカス対応である

使いやすいキーボードとトラックパッド

 Surface Bookは、クラムシェル型ノートPCを基本としており、キーボードの使い勝手にもこだわっている。キーピッチは約19mm、キーストロークは1.6mmと余裕がある。例えば、VAIO Zの場合、キーピッチは同じ約19mmだが、キーストロークは1.2mmである。VAIO Zのキーボードも打鍵感は良好だが、Surface Bookは、キーストロークが深いデスクトップPCのキーボードに慣れていた人でも違和感なく利用できる。キー配列も標準的で、「\」キー以外は横幅も均等である。また、キーボードにはバックライトが搭載されており、暗い場所でもミスタイプを防げる。剛性も高く、中央を強くタイピングしてもたわんだりグラグラしたりすることはない。

 ポインティングデバイスとしては、トラックパッドを搭載。クリックボタンと一体化したタイプだが、サイズが105×70mm(幅×奥行き)と大きく、ガラス素材を採用しているため、指を滑らす感触が良く使いやすい。トラックパッドも、5点マルチタッチに対応する。

 キーボードとポインティングデバイスの使い勝手は素晴らしく、特に長文を入力する機会が多い人にお勧めだ。

キーピッチは約19mm、キーストロークは1.6mmであり、キー配列も標準的だ
キーボードにはバックライトが搭載されている
ポインティングデバイスとして、ガラス製のトラックパッドを搭載。サイズも105×70mm(幅×奥行き)と大きく、操作性は良好だ

独自ポートのSurfaceConnectやUSB 3.0、Mini DisplayPortを搭載

 インターフェイスも一通り備えている。USB 3.0×2とMini DisplayPort、SDカードスロット、ヘッドセット端子のほか、独自形状のSurfaceConnectと呼ばれる端子が用意されている。SurfaceConnectには、付属のACアダプタのほか、オプションのSurfaceドックの接続も可能だ。Surfaceドックには、USB 3.0×4とGigabit Ethernet、Mini DisplayPort×2、音声出力が用意されており、Surface Bookの拡張性を大きく高められる。USB Type-Cは搭載していないが、その代わりを果たすのがSuerfaceConnectなのであろう。

 ワイヤレス機能としては、IEEE 802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN機能とBluetooth 4.0をサポート。さらにセンサー類も充実しており、光センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、磁気センサーを搭載している。

Surface Bookの右側面。Mini DisplayPortとSurfaceConnect(充電、Surfaceドック用端子)、ヘッドセット端子が用意されている
右側面のポート部分のアップ
Surface Bookの左側面。USB 3.0×2とSDカードスロットが用意されている
左側面のポート部分のアップ
Surface Bookの前面。電源ボタンと音量ボタンが用意されている
前面部分のアップ

ペンの書き心地も快適

 Surface Bookは、デジタイザを搭載しており、付属のSurfaceペンを使うことで、ペン操作が可能になる。Surfaceペンは、1,024段階の筆圧検知に対応しており、書き心地も滑らかだ。ペンの追従速度や精度についても、十分満足できる。ペンのお尻の部分にはボタンがあり、ボタンを押すと指定したアプリを起動させることもできる。ボタンの挙動は自由にカスタマイズが可能だ。例えば、OneNoteを起動するように設定しておけば、ペンを取り出してボタンを押すだけで、すぐにメモを取ることができる。また、ペンは磁力により、ディスプレイ左側面にくっつくようになっているので、ペンを別途持ち歩く煩わしさがない。

付属のSurfaceペン。太さもちょうど良い
Surfaceペンは、ディスプレイ左側面に磁力でくっつく
Surfaceペンのお尻のボタンを押してOneNoteを起動し、メモを取っている様子

実測で12時間を超える長時間駆動を実現

 バッテリ駆動時間は公称12時間とされているが、実際にバッテリベンチマークソフトの「BBench」(海人氏作)を利用し、1分ごとに無線LAN経由でのWebアクセス、10秒ごとにキー入力を行なう設定でバッテリ駆動時間を計測したところ(電源プランは「バランス」、液晶輝度は「中」)、12時間56分という結果になった。無線LANを常時有効にして、公称を上回る駆動時間を記録したことは高く評価できる。

 なお、同条件でディスプレイ部分だけでのバッテリ駆動時間を計測したところ、3時間34分という結果になった。ディスプレイ部分に搭載されているバッテリの容量は、キーボード部分に搭載されているバッテリの1/3程度しかないようだ。この結果からも、クラムシェル型ノートPCとしての利用が、本来の使い方だと考えられる。

 付属のACアダプタは65W仕様で、USB給電用のUSBポートも用意されている。本体との接続用コネクタはSurfaceConnectになっているが、実はこのSurfaceConnectは、USB Type-Cと同じく左右対称な設計になっており、どちらの向きに差し込んでも良い。ACアダプタの場合は、ケーブルがディスプレイの後ろを通るように差し込んだ方が良いだろうが、MicroUSBのように、上下が逆で差し込めずイライラするようなことはない。

付属のACアダプタ。15V/4A(本体用)と5V/1A(USBポート用)の2種類の出力が可能。65W仕様である
ACアダプタのコネクタは、SurfaceConnectになっている
本体にACアダプタを接続したところ
SurfaceConnectは左右対称になっており、180度逆にして挿しても問題ない
ACアダプタの重量は実測で302gであった

SSDも高速で、3D描画性能もクラストップ

 参考のためにSurface Bookのベンチマークテストを行なってみた。利用したベンチマークソフトは、「PCMark 8」、「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.4K」、「ファイナルファンタジー IXV 蒼天のイシュガルドベンチマーク」、「CrystalDiskMark 3.0.3b」、「CrystalDiskMark 5.1.2」である。比較用として、VAIO「VAIO Z(クラムシェルモデル)」、VAIO「VAIO S11」、パナソニック「レッツノートSZ5」の値も掲載した。

 結果は下の表に示した通りで、PCMark 8の結果は、Core i5-6200Uを搭載したレッツノートSZ5よりは高いが、Core i7-6500U搭載のVAIO S11には及ばないスコアとなっている。CPU性能だけならSurface Bookの方が高いのだが、SSDの速度差などが影響しているのであろう。

 単体GPUを活用するドラゴンクエストXベンチマークの結果は、VAIO S11を上回っているが、TDP 28WのCPUを搭載したVAIO Zとも比べても遜色がない。特に1,280×720ドット時は、VAIO Zを上回っている。

 CrystalDiskMarkは、やや古いバージョン3.0.3bでは、VAIO ZやVAIO S11に比べてかなり低い値となっているが、これはベンチマークがNVMeに最適化されていないためのようだ。最新のCrystalDiskMark 5.1.2では、シーケンシャルリード速度で1,632MB/sという結果が出ており、SSD速度についてもトップクラスと言える(ただし、シーケンシャルライトは602.7MB/sで、リードに比べるとかなり遅い)。

 なお、GPU搭載キーボードを外して、ディスプレイ部分単体で、ドラゴンクエストXベンチマークを計測してみたところ、1,280×720ドット最高品質が5,276、1,920×1,080ドット最高品質が2,720となり、キーボード合体時の半分以下のスコアしか出ていない。キーボードと合体した状態なら、最新のMMOPRGも十分快適にプレイできるが、ディスプレイ部分単体ではかなり厳しいだろう。

Surface Book(キーボード装着時)VAIO Z(クラムシェルモデル)VAIO S11レッツノートSZ5
CPUCore i7-6600U(2.6GHz)Core i7-6567U(3.3GHz)Core i7-6500U(2.5GHz)Core i5-6200U(2.3GHz)
GPUGeForceIntel Iris Graphics 550Intel HD Graphics 520Intel HD Graphics 520
PCMark 8
Home conventional2481300227792360
Home accelerated2908360232842775
Creative conventional2666301527252408
Creative accelerated3753448336553473
Work conventional2719300230462783
Work accelerated3793424642703935
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.4K
1,280×720ドット 最高品質114241023370834045
1,280×720ドット 標準品質129131087580004895
1,280×720ドット 低品質150101169393095514
1,920×1,080ドット 最高品質6409750539672180
1,920×1,080ドット 標準品質7777874750942842
1,920×1,080ドット 低品質90531018861293212
ファイナルファンタジーIXV 蒼天のイシュガルドベンチマーク
1,280×720ドット 最高品質3746n/an/an/a
1,280×720ドット 最高品質(Direct X9相当)4727n/an/an/a
1,280×720ドット 高品質(デスクトップPC)4229n/an/an/a
1,280×720ドット 高品質(ノートPC)5407n/an/an/a
1,280×720ドット 標準品質(デスクトップPC)7785n/an/an/a
1,280×720ドット 標準品質(ノートPC)7779n/an/an/a
CrystalDiskMark 3.0.3b
シーケンシャルリード954.8MB/s1,658MB/s1,515MB/s475.0MB/s
シーケンシャルライト598.8MB/s1,587MB/s1,237MB/s157.8MB/s
512Kランダムリード535.5MB/s1,188MB/s1,107MB/s396.2MB/s
512Kランダムライト598.5MB/s1,521MB/s1,206MB/s157.8MB/s
4Kランダムリード42.93MB/s52.35MB/s43.57MB/s30.50MB/s
4Kランダムライト115.8MB/s147.7MB/s108.6MB/s88.76MB/s
4K QD32ランダムリード612.7MB/s646.6MB/s320.0MB/s389.0MB/s
4K QD32ランダムライト511.8MB/s391.5MB/s301.2MB/s155.9MB/s
CrystalDiskMark 5.1.2
シーケンシャルリードQ32T11632MB/sn/an/an/a
シーケンシャルライトQ32T1602.7MB/sn/an/an/a
4KランダムリードQ32T1605.2MB/sn/an/an/a
4KランダムライトQ32T1516.7MB/sn/an/an/a
シーケンシャルリード931.7MB/sn/an/an/a
シーケンシャルライト602.3MB/sn/an/an/a
4Kランダムリード44.85MB/sn/an/an/a
4Kランダムライト166.0MB/sn/an/an/a

モバイルノートが欲しいがキーボードやペンにもこだわりたい人に最適

 Surface Bookは、その名の通り、クラムシェル型ノートPCとしての使い勝手を追求した製品である。Surface Proは、タブレットPCとして使うことが多く、ときどきキーボードを接続するという人に適した製品だが、Surface Bookはその反対に、クラムシェル型ノートPCとしての利用がメインだが、たまにタブレットPCとして使う場合もあるといった人に適している。Surface Bookは、キーボードやポインティンデバイスの使い勝手や、ペンの書き心地にもこだわった製品であり、長文の入力を頻繁に行なう人や、手書きメモを気軽に取りたいという人には特にお勧めしたい。価格が高めなことが残念だが、究極のモバイルノートPCを目指そうという意志が感じられる製品であり、VAIO Zの強力なライバルとなるだろう。

(石井 英男)