~ハリウッドのネイルブランド「OPI」とのコラボ天板 |
デルの「Studio 15」は、CPUにCore iシリーズを採用した15.6型ワイド液晶搭載ノートPCだ。デルのノートPCでは、「Inspiron」や「Studio XPS」など、いくつかのブランドが使われているが、Studioブランドは、ミドルレンジに位置する製品であり、コストパフォーマンスが高く、さまざまな目的に対応できるため、デルのノートPCの中でも特に人気が高い。
Studio 15の初代モデル(2009年3月登場)は、CPUとしてCore 2 Duoを搭載していたが、2009年9月にクアッドコアのCore i7を搭載したモデルが追加された。そして、2010年1月にデュアルコアのCore i7/i5搭載モデルもラインナップに加わった(Core 2 Duoモデルはなくなった)。
デュアルコアのCore i7/i5は、GPUもCPUパッケージ内に統合していることが特徴であり、2チップでPCを構成できるため、実装スペースやコストの削減に貢献する。今回は、このデュアルコアのCore iシリーズを搭載した最新モデル(Core i3も選べる)をベースに、ハリウッドのネイルブランド「OPI」とのコラボレーションによって誕生した「Studio 15 OPIデザイン」をレビューする機会を得たので、早速紹介していきたい。
●OPIコラボによる6色のネイルカラー天板を選べるStudio 15は、天板のカラーやデザインバリエーションが非常に充実していることが魅力の1つであり、17種類ものカラー天板やデザイン天板が用意されている。これまでにも、マイク・ミンやデレック・ウェルチなどの有名デザイナーが手がけたデザイン天板が登場しており、デザインにこだわる人から高い支持を得ていたが、今回、新たにプロネイリスト御用達のネイル製品メーカー「OPI」とのコラボで生まれたOPIネイルカラー天板が追加され、ベース価格+5,250円で選べるようになっている。OPIは、ハリウッドに本社を持つネイル製品メーカーで、その高品質なネイル製品はハリウッドのセレブをはじめ、世界中に愛好者を持つ。
OPIネイルカラー天板の色は、OPIの人気ネイルコレクションから選ばれたもので、「Dear Santa」、「I'm Not Really a Waitress」、「La Paz-itively Hot!」、「Princessed Rule!」、「Happy Anniversary!」、「Kyoto Pearl」の6色が用意されている。名前を見ただけでは、どんな色か想像しにくいが、パールピンク系とパールホワイト系が中心で、すべて単色ではなくマーブル模様のデザインとなっている。今回試用したモデルのカラーは、鮮やかなパールピンク系の「La Paz-itively Hot!」である。もともとStudio 15のボディは、直線と曲線のバランスのとれたスマートなデザインが好評であったが、そのボディにLa Paz-itively Hot!の光沢のあるカラーと模様がよくマッチしている。外観は非常に美しく、気品も感じられる。また、天板の端には色の名前と「OPI」ブランドのロゴが印刷されており、OPIブランドの誇りが感じられる。
Studio 15は、BTOメニューが充実しており、CPUやメモリ、液晶解像度、HDD/SSD、光学ドライブなどの選択が可能だ。今回の試用機では、CPUとしてCore i5-430M(2.26GHz)が搭載されていたが、Core i7-620M(2.66GHz)やCore i5-540M(2.53GHz)などを搭載することもできる。メモリスロットとしてDDR3 SO-DIMMスロットを2基搭載しており、メモリ容量は4GB/6GB/8GBから選択できるが、試用機には4GB(2GB×2)のメモリが実装されていた。チップセットは、Intel HM55 Expressである。デュアルコアのCore i7/i5/i3は、GPUを統合しているのでディスクリートGPUは不要だが、BTOでMobility Radeon HD 4570を選択することも可能だ。今回の試用機には、Moblity Radeon HD 4570が搭載されていた。
ストレージについては、320GB HDD/500GB HDD/128GB SSD/256GB SSDから選択できる(試用機は320GB HDDを搭載)。光学ドライブはスロットインタイプで、DVDスーパーマルチドライブまたはBlu-ray Discドライブを選択できる(試用機はDVDスーパーマルチドライブを搭載)。OSは、Windows 7 Ultimate/Professional/Home Premiumから選べるが、すべて64bit版となっている(試用機はWindows 7 Home Premium 64bit版を搭載)。
なお、Studio 15 OPIデザインの推奨構成は2種類用意されているが、Core i3-330M(2.13GHz)とDVDスーパーマルチドライブなどを搭載した下位モデルの直販価格が99,979円、Core i-5 430M(2.26GHz)とBDドライブを搭載した上位モデルの直販価格が149,980円となっている。
Studio 15 OPIデザインの天板。試用機のカラーは「La Paz-itively Hot!」で、鮮やかなパールピンクのマーブル模様が美しい | 天板の端に色の名前と「OPI」ブランドのロゴが印刷されている | 「DOS/V POWER REPORT」誌とのサイズ比較。15.6型液晶搭載モデルなので、二回り以上大きい |
Studio 15 OPIデザインの底面。中央から右下にかけてのカバーを外すとSO-DIMMスロットやMini PCI Expressスロットが現れる | 底面カバーを外したところ。中央にSO-DIMMスロットが、その下にMini PCI Expressスロットがある。右下にはHDDが装着されている |
●フルHD液晶の選択も可能
液晶のサイズは15.6型ワイドで、解像度は1,366×768ドットまたは1,920×1,080ドットである。試用機は、1,366×768ドット液晶が搭載されていた。LEDバックライトを採用した光沢タイプの液晶であり、視野角は標準的だが、発色やコントラストは良好だ。ただし、外光の映り込みがやや気になることがある。液晶上部には、200万画素Webカメラが搭載されており、ビデオチャットなどに利用できる。
ボディのサイズが比較的大きいため、キーボードもゆったりしていて使いやすい。キーピッチは約19mmで、不等なキーピッチもない。ただし、Enterキーが最右端ではなく、Enterキーの右側にPgUpキーやPgDnキーが配置されているので、慣れるまで違和感を感じる人もいるだろう。最上段のキーは、バックライト輝度や音量の調整などの機能キーとファンクションキーを兼ねているが、単独で押した場合は機能キーになり、Fnキーと同時に押すことで、F1~F12のファンクションキーとなる。ポインティングデバイスとしてはタッチパッドを採用。パッドの指触りもよく、操作性は優秀だ。
●eSATAやHDMI、IEEE 1394など、インターフェイスも充実
Studio 15は、インターフェイスも充実している。USB 2.0×3やミニD-Sub15ピンといった一般的なポートはもちろん、HDMI出力やeSATA、IEEE 1394も備えている。ヘッドフォン出力が2つ用意されているのも面白い。初代ウォークマンにも、カップルなど2人で一緒に同じ音楽を聴くために、2つのヘッドフォン出力が用意されていたのだが、Studio 15でもそうした使い方が可能だ。
カードスロットとしては、ExressCard/34スロットと8in1カードリーダを搭載。ただし、どちらのカードスロットもフタはなく、ダミーカード方式なので、なくしてしまう恐れがある。ワイヤレス機能としては、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN機能を搭載するほか、Bluetooth 2.1+EDRの追加も可能だ。
バッテリは、6セルバッテリと9セルバッテリが用意されており、BTOで選択できるが、試用機には6セルバッテリが装着されていた。また、バッテリには白色LEDによる残量インジケータが付いており、本体の電源が切れていてもバッテリ残量を知ることができる。ACアダプタは平たい薄型タイプで、携帯性は良好だ。
ACアダプタは薄くて平たいタイプで、カバンなどへの収まりはよい | CDケース(左)とACアダプタのサイズ比較 |
●パフォーマンスも優秀
参考のためにベンチマークを計測してみた。利用したベンチマークプログラムは、「PCMark05」「3DMark03」「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」「ストリーム出力テスト for 地デジ」「CrystalDiskMark」で、比較対照用として、日本HP「HP Pavilion Notebook PC dm3iハイパフォーマンスモデル」、レノボ「ThinkPad T400s」、NEC「LaVie M」の値も掲載した。
PCMark05のCPU Scoreの値は6677であり、定格クロックが同じ(Core i5ではターボブースト機能があるので、ベンチマーク実行中のクロックは上がるが)、Core 2 Duo SP9300搭載のHP Pavilion Notebook PC dm3 ハイパフォーマンスモデルの5593に比べて、約2割向上している。
また、今回試用したモデルはディスクリートGPUを搭載しているため、3DMark03やFINAL FANTASY XI Official Benchmarkのスコアは、ディスクリートGPUを搭載していないThinkPad T400sやLaVie Mの数倍となっている。ゲーミングノートPCではないが、ディスクリートGPUを選択すれば、特に重いゲームでなければ、十分遊べそうだ。その他の結果も、Core i5-430M搭載機としては、標準的なパフォーマンスだ。また、BBench(電源プランは「バランス」で計測)の結果は4時間6分であった。Studio 15は、持ち歩いて使うモバイルノートPCではないが、意外とバッテリ駆動時間も長い。
【表】ベンチマーク結果Studio 15 OPIデザイン | HP Pavilion Notebook PC dm3 ハイパフォーマンスモデル | ThinkPad T400s Windows Vistaモデル | LaVie M | |
CPU | Core i5-430M(2.26GHz) | Core 2 Duo SP9300(2.26GHz) | Core 2 Duo SP9400(2.4GHz) | Core 2 Duo SU2300(1.2GHz) |
ビデオチップ | Mobility Radeon HD 4570 | GeForce G105M | Intel GS45内蔵コア | Intel GS45内蔵コア |
PCMark05 | ||||
PCMarks | N/A | 5124 | 4380 | 2826 |
CPU Score | 6677 | 5593 | 6082 | 2966 |
Memory Score | 5738 | 5087 | 5254 | 3066 |
Graphics Score | 5234 | 3460 | 2089 | 1397 |
HDD Score | 4646 | 5360 | 4495 | 4948 |
3DMark03 | ||||
1024×768ドット32ビットカラー(3Dmarks) | 10687 | 8446 | 2457 | 2048 |
CPU Score | 1604 | 1544 | 983 | 495 |
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3 | ||||
HIGH | 5991 | 5678 | 2450 | 1995 |
LOW | 8933 | 8626 | 3754 | 1367 |
ストリーム出力テスト for 地デジ | ||||
DP | 100 | 99.93 | 99.9 | 76.43 |
HP | 100 | 99.93 | 99.97 | 99.97 |
SP/LP | 99.97 | 99.93 | 100 | 99.97 |
LLP | 100 | 99.93 | 99.97 | 99.97 |
DP(CPU負荷) | 19 | 48 | 44 | 68 |
HP(CPU負荷) | 11 | 25 | 19 | 42 |
SP/LP(CPU負荷) | 8 | 17 | 9 | 28 |
LLP(CPU負荷) | 8 | 15 | 6 | 22 |
CrystalDiskMark 2.2 | ||||
シーケンシャルリード | 60.85MB/s | 68.01MB/s | 39.04MB/s | 60.31MB/s |
シーケンシャルライト | 60.53MB/s | 63.80MB/s | 35.35MB/s | 66.25MB/s |
512Kランダムリード | 27.79MB/s | 27.00MB/s | 20.32MB/s | 27.50MB/s |
512Kランダムライト | 40.09MB/s | 24.73MB/s | 21.37MB/s | 31.19MB/s |
4Kランダムリード | 0.424MB/s | 0.345MB/s | 0.304MB/s | 0.369MB/s |
4Kランダムライト | 1.399MB/s | 0.909MB/s | 0.799MB/s | 0.984MB/s |
BBench | ||||
Sバッテリ | なし | なし | なし | なし |
Lバッテリ(標準バッテリ) | 4時間6分 | 4時間40分 | 4時間58分 | 3時間39分 |
Xバッテリ | なし | なし | なし | 7時間26分 |
●コストパフォーマンスがさらに向上しており、幅広い層にお勧め
Studio 15は、初代機からデザインと性能、使い勝手が優れたノートPCとして定評が高かったが、デュアルコアのCore iシリーズを搭載した最新モデルは、価格はほぼ据え置かれているにもかかわらず、パフォーマンスが上がっており、コストパフォーマンス面での魅力も増した。メインマシンとして快適に使える性能を備えたノートPCであり、幅広い層にお勧めできる。
Studio 15は、これまでも男性だけでなく、女性からの支持が高かった製品だが、OPIとのコラボによるOPIデザイン天板が登場したことで、さらに人気が出そうだ。シルバーやブラックのノートPCはデザイン的に好きになれないという女性でも、本製品ならきっと気に入るのではないだろうか。
(2010年 2月 26日)
[Text by 石井 英男]