エプソンダイレクト「Endeavor MR4000」
~Clarkdale採用のスリムデスクトップ



エプソンダイレクト
「Endeavor MR4000」

発売中

価格:64,890円~



 エプソンダイレクトは、高性能スリムデスクトップ「Endeavor MR3500」の後継モデルとして、Intelの最新CPU「Clarkdale」に対応する「Endeavor MR4000」を追加し、1月13日より受注を開始した。Clarkdaleの優れたパフォーマンスに、静音性にも優れる省スペーススリムボディ、最小構成64,890円からという安価な価格など、魅力の多い製品に仕上がっている。

●Clarkdaleに加え、Lynnfieldも選択可能

 Endeavor MR4000の最大の特徴となるのは、Intelの最新CPUである「Clarkdale」が採用されている点だ。マシン構成パーツのほとんどを自由にカスタマイズできるのは、従来のEndeavorシリーズ同様で、Endeavor MR4000では、CPUの選択肢としてとしてClarkdaleのうちCore i5-670(3.46GHz)、Core i5-661(3.33GHz)、Core i3-540(3.06GHz)、Pentium G6950(2.80GHz)の4種類がラインナップされている。また、チップセットとしてClarkdaleをサポートするIntel H57 Expressを採用するマザーボードが採用されており、CPUにClarkdaleを選択した場合には、CPU内蔵グラフィックス機能が利用できるようになっている。

 また、CPUの選択肢としては、Clarkdaleだけでなく、Lynnfieldも用意されており、Core i7-870(2.93GHz)およびCore i7-860(2.80GHz)も選択が可能。Lynnfieldを選択した場合には、CPUにグラフィックス機能が統合されていないため、別途ビデオカードの選択が必須となるが、ClarkdaleだけでなくクアッドコアのLynnfieldも選択肢にラインナップされているのは、パフォーマンスを重視したいユーザーにとって大きな魅力となるだろう。

 もちろん、CPU以外のパーツも、細かくカスタマイズできる。例えば、64bit OSを選択した場合には、メインメモリは最大8GBまで選択できるし、HDDはRAID 0/1構成で最大2台まで搭載することも可能。また、ビデオカードとしては、Radeon HD 4650やGeForce GT 220搭載カードに加え、Quadro FX 370搭載カードも用意されている。搭載拡張カードがLowProfileのものに制約されるため、用意されているビデオカードはミドルレンジ以下のものに限られるが、Endeavor MR4000は省スペース性とパフォーマンスのバランスを追求したミドルレンジモデルであり、このラインナップでも大きな不満はない。

 ちなみに、今回試用した評価機の構成は、下にまとめたとおりで、この構成での販売価格は、106,470円となる。

Endeavor MR4000試用機の構成
OSWindows 7 Home Premium 64bit
CPUCore i5-661(3.33GHz)
メインメモリPC3-10600 DDR3-SDRAM 8GB(2GBx4)
HDD1TB(Seagate Barracuda 7200.12)
光学式ドライブDVDスーパーマルチドライブ(ソニーオプティアーク AD-7230S)

CPUとしてClarkdaleを採用。試用機では、Core i5 661が搭載されていたチップセットとしてIntel H57 Expressを搭載する、microATXマザーボードを採用メインメモリ容量は、64bit OS採用時には8GBまで選択可能となった
HDDも、最大2台を搭載したRAID 0/1構成を選択可能。試用機では容量1TBのドライブが1台搭載されていた光学式ドライブとしては、DVDスーパーマルチドライブだけでなく、リードオンリーのDVD-ROMドライブや、Blu-ray Disc対応コンボドライブも選択可能だ

●Intel H57 Express搭載のオリジナルマザーボードを採用

 先ほど紹介したように、Endeavor MR4000では、チップセットとしてIntel H57 Expressを搭載するオリジナルマザーボードが採用されている。マザーボードの形状はmicroATXで、マザーボード上には「IPMIP-BM/KIKI」という型番が刻印されている。

 Clarkdale対応チップセットということで、I/Oパネル部にはHDMIとアナログRGB(ミニD-Sub15ピン)の2系統の映像出力端子を標準で用意。もちろん、HDMIとアナログRGBの2系統を同時に利用したデュアルディスプレイ表示にも対応している。DVI出力は用意されていないが、HDMI-DVI変換アダプタが付属しており、そちらを利用することでDVI接続にも対応する。

 拡張スロットは、PCI Express x16×1本、PCI Express x4×1本、PCI×2本の4本を用意。このうち、PCI Express x4スロットはエッジフリータイプとなっている。ただし、幅の狭いスリムケースを採用しているため、搭載できる拡張カードはLowProfileのものに限られる。

 オンボード機能は、Gigabit Ethernet対応の有線LANやIEEE 1394、サウンドなどを用意するが、特に豊富というわけではない。また、セキュリティチップ(TPM)やパラレルポートを標準で搭載している点は、ビジネス用途を強く意識した仕様と言える。

採用されているIntel H57 Express搭載のオリジナルマザーボード。オンボード機能はシンプルだが、TMPチップを標準で搭載するなど、ビジネス用途への対応を重視した仕様となっている拡張スロットは、PCI Express x16×1本、PCI Express x4×1本、PCI×2本。PCI Express x4はエッジフリータイプだ
映像出力はHDMIとアナログRGBの2系統が用意され、デュアルディスプレイ表示にも対応。パラレルポートも標準で用意されているHDMI-DVI変換アダプタが付属しているので、DVI接続での利用も問題ない

●省スペース性と静音性に優れるスリムケース

 Endeavor MR4000で採用されているケースは、従来モデルであるEndeavor MR3500と同じ、スリムタワーケースだ。本体サイズは、98×401×357mm(幅×奥行き×高さ)。極端にコンパクトというわけではないが、縦置きであれば、デスク上で占めるスペースも非常に少なく、十分な省スペース性が確保できる。ホワイトがベースのシンプルかつ清潔感のあるデザインも好印象だ。

 また、コンパクトさに加えて、静音性に優れている点もEndeavor MR4000の大きな魅力。ケース内には、CPUクーラーと電源ユニットに空冷ファンが取り付けられているが、CPUクーラーのファンはマザーボードのファンコントロール機能によって回転数が制御されるとともに、ケース側面の吸気口から直接外気を取り入れて冷却を行なう構造によって、高負荷時でもほとんど気にならないほどの静かさが保たれる。また、電源ユニットの空冷ファンも非常に静かで、こちらは電源ユニットに耳を近づけなければ動作音が全くわからないほどだ。

 拡張ベイは、5インチベイ×1個と3.5インチベイ×1個、3.5インチシャドウベイ×2個と、このサイズのケースとして標準的な数を確保。ただし、5インチベイには光学式ドライブが、3.5インチベイには専用のメモリカードリーダが、3.5インチシャドウベイにはHDDが取り付けられるため、HDDを1台のみ取り付けた場合に3.5インチシャドウベイが1個空きとなるだけで、購入後の拡張性にはあまり期待しないほうがいい。

本体正面。幅98mm、高さ357mmの、スリムケースを採用している光学式ドライブ横のカバーを開けると、メモリカードリーダーが現れる正面下部には、USB 2.0×3と、ヘッドフォン・マイク端子を用意
本体左側面。CPUクーラーの吸気口があるだけで、シンプルなデザインとなっている背面。電源ユニットは下部に取り付けられている。電源ユニットの動作音は非常に静かで、音は全く気にならない側面パネルを開けた状態。CPUクーラーはダクトによって側面吸気口から直接外気を取り入れる仕様で、高負荷時でも安定した冷却と低騒音を両立している
拡張スロット上部の補強板を外した状態。利用できる拡張カードは、Low Profileのものに限られる5インチベイには光学式ドライブが、その下の3.5インチベイにはメモリカードリーダーが取り付けられる
3.5インチシャドウベイは2個用意され、最大2個の3.5インチHDDが搭載可能だ本体底面には吸気口を用意。縦置き時には付属のスタンドを利用することで、底面からの吸気も妨げられない

●ビデオカードの搭載で、ビジネス用途だけでなくホビー用途にも柔軟に対応

 では、ベンチマークテストの結果を紹介していこう。今回利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark Vantage Build 1.0.0」、「PCMark05 Build 1.2.0」、「3DMark06 Build 1.1.0」の3種類だ。比較として、マウスコンピューターの「MDV-ADS7110B」の結果も加えてある。

 Endeavor MR4000MDV-ADS7110B
CPUCore i5-661(3.33GHz)Core i5-650(3.20GHz)
チップセットIntel H57 ExpressIntel P55 Express
ビデオチップIntel HD Graphic(CPU内蔵)GeForce GTS 250
メモリPC3-10600 DDR3 SDRAM 2GB×4PC3-10600 DDR3 SDRAM 2GB×2
HDDSeagate ST31000528ASWestern Digital WD10EADS-M2D
OSWindows 7 Home Premium 64bitWindows 7 Home Premium 64bit
PCMark Vantage x64 Build 1.0.1 0906a
PCMark Suite86117416
Memories Suite44635182
TV and Movies Suite47123876
Gaming Suite46646026
Music Suite72235933
Communications Suite1150010755
Productivity Suite72626020
HDD Test Suite52913517
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark ScoreN/AN/A
CPU Score94259024
Memory Score76857605
Graphics Score366410086
HDD Score82875845
3DMark06 Build 1.1.0 0906a 1,024×768ドット
3DMark Score20897701
SM2.0 Score6513134
HDR/SM3.0 Score8202893
CPU Score36663522
Windows エクスペリエンスインデックス
プロセッサ7.07.0
メモリ7.15.9
グラフィックス5.26.2
ゲーム用グラフィックス5.56.2
プライマリハードディスク5.95.9

 結果を見ると、グラフィック関係以外の結果で、MDV-ADS7110Bよりもやや高い結果が得られている。これは、CPUの動作クロック差やHDDの速度差によるものと考えられ、基本的にはスペック差がそのまま現れたものと見ていいだろう。

 それに対し、グラフィック関係の結果は大きく差が開いている。Core i5-661に内蔵されているグラフィックス機能(Intel HD Graphic)は、従来までチップセットに統合されていたものに比べ、動作クロックや実行ユニット数、動画再生支援機能などが強化されているとはいえ、能力自体はそれほど大きく向上しているわけではなく、MDV-ADS7110Bに搭載されているGeForce GTS 250に大きく劣ってしまった。もちろん、2Dアプリケーションの利用が中心のビジネス用途であれば、CPU内蔵グラフィックス機能でも不満を感じることはないはずだが、家庭で利用するマシンとして、3Dゲームも少しは楽しみたいなら、ビデオカードの搭載は必須と考えた方がいいだろう。

 今回の試用機の構成は、どちらかというとビジネス用途に向いたものではあったが、BTOでビデオカードを搭載したり、オプションで用意されている地デジチューナを選択するなどによって、家庭で利用するホビー用途のマシンとしても柔軟に対応できる。そういった点は、豊富なオプションを用意しているエプソンダイレクトの製品ならではの特徴であり、ユーザーにとって大きな魅力となるはずだ。

 しかも、最小構成で64,890円からという安価な価格も見逃せない。コストパフォーマンスに優れるとともに、省スペース性や静音性に優れたデスクトップPCを探している人に、強くおすすめしたい製品だ。

 ちなみに、Endeavor MR4000発売記念として、105,000円以上の構成で購入した場合、10,500円引きとなるキャンペーンが2月8日17時まで行なわれている。スペック面を強化したうえでお得に購入できるため、気になる人は早めの購入がおすすめだ。

バックナンバー

(2010年 1月 18日)

[Text by 平澤 寿康]