エプソンダイレクト「Endeavor Pro4700」
~Windows 7/Core i7搭載の最新デスクトップ



Endeavor Pro4700の外観。ミニタワーケースとしてはごく一般的な外観だ

発売中



 エプソンダイレクトの「Endeavor Pro4700」は、CPUとしてIntel Core i7およびCore i5を搭載する、同社デスクトップPCシリーズの上位モデル。同時発売となるミニタワーモデル「Endeavor MR6500E」シリーズに対して、より拡張性の高いミドルタワーケースを採用することで、プロユースまでもカバーし、幅広いニーズに対応する。

 OSはもちろんWindows 7をプリインストール。10月19日より同社サイトでの受注を開始しており、Windows 7日本語版の発売開始日である10月22日より出荷開始された。

●幅広いカスタマイズに対応

 Endeavor Pro4700の特徴は、Intelの最新CPUであるIntel Core i7またはCore i5を搭載、チップセットも最新のIntel P55 Express、そしてプリインストールは前出の通りWindows 7という、まさに「最新づくし」の構成を持つモデルだ。

OSはWindows 7 Professional Editionをプリインストール。Home PremiumやUltimate、64bit版も選択可能。またWindows XPプリインストールも選択できるメーカー製PCらしく、独自の初期設定ツールも用意されている。その他の付属アプリはCD/DVDライティングソフト「nero 9」やDVD再生ソフト「WinDVD」など

 同社のデスクトップPCのラインナップを見ると、最上位にはIntel X58 Expressチップセットを搭載し、Bloomfield系のCore i7-9xxをCPUを搭載するフラッグシップモデル「Pro7000」があるが、Lynnfield、すなわち、新Core i7およびCore i5に対応する機種の中では、今回紹介するPro4700がハイエンドモデルという位置づけだ。

 下位機種に目を向けると、同じくLynnfieldに対応するシリーズとして、MR6500Eシリーズがある。Pro4700と同じくBTOによりハードウェア構成を選択できるため、CPUやメモリこそPro4700と同等レベルにすることが可能だが、ミニタワーケースにmicroATXマザーという組み合わせのため、拡張スロットやドライブ搭載可能数に制限がある。また、SLIやCrossfireXへの対応が行なえないといった制約もあるため、チップセットの機能をフルに利用した場合はPro4700を選択した方がいい。

 ハードウェア構成はかなり自由に選択できる。CPUは、Core i7-870/i7-860/i5-750と、発表済みのLynnfield全3モデルはいずれも選択可能。メモリはPC3-10600(DDR3-1333)対応モジュールで、2GB、4GB、8GBの容量から選択できる。ただ、8GBはプリインストールOSとして64bit版のOSを選択した場合にのみ選択できる。

 ビデオカードは、NVIDIA GeForce GTX295/GTX275、ATI Radeon HD4850/HD4350、NVIDIA Quadro FX1700、ATI FirePro V3750の中から選択できる。Pro4700のスペック上ではビデオカードの2枚刺しも可能ではあるが、今のところBTOでビデオカード2枚装着のオプションは用意されていない。

 HDDは、250GB~1.5TB容量のものを1台~4台の間で選択できる。複数台のHDDを選択した場合、RAID 0/1/10のいずれかを指定することも可能だ。なお、チップセットの仕様から言えばRAID 5にも対応可能であるはずだが、BTOのオプションとしては選択できない。個人使用の場合はそれほど必要性が高いものではないが、利用したい場合には購入後に自分で設定する必要があるだろう。

 光学ドライブはDVD-ROMドライブまたはDVDスーパーマルチドライブを最大2台まで選択、搭載できる。このほか、FDDやマルチ対応のカードリーダーなどの小物オプションも選択できる。今後は、2TB HDDやBlu-ray Discドライブ、Windows 7 Media Centerに対応する地上デジタルチューナなどが対応予定だ。

 プリインストールOSはWindows 7 Home Premium/Professional/Ultimateの各エディションの中から選択できる。64bit版も選択可能であるが、市販パッケージと違い、32/64bit版は購入時に二者択一となる。手持ちのハードウェアやアプリケーションの対応状況を見て、慎重に決める必要があるだろう。

 なおProfessional以上の場合、Windows 7のダウングレードライセンス権により、Windows XPのProfessional Editionを選択することもできる。この場合、本体にはWindows XPがプリインストールされるが、リカバリCD(DVD)として、Windows XPとWindows 7双方のメディアが付属するため、必要に応じてどちらか一方を再インストール可能だ。

 なお、64bit版を選択する場合は、Windows XP、Windows 7ともに64bit版のメディアとなる。また、Windows 7のダウングレード権では、Windows Vistaを使用することもできるが、Windows Vistaのメディアは付属しない。

 これらの構成は任意に組み合わせ可能であるため、ほとんどのユーザーにとって満足のゆく構成が選択できるだろう。あえて言うなら、ビデオカードとしてRadeon HD5xxxシリーズなどへの対応などが望まれるところ。こちらも製品が潤沢に出回るようになれば対応されるのではないだろうか。

●メンテナンス性に優れるミドルタワーケース

 Endeavor Pro4700を語る上で、特徴あるケースの構造について触れないわけにはいかないだろう。先代にあたるEndeavor Pro4500から採用されているケースデザインであるが、外見的には右側面に印刷された「Endeavor」ロゴが目立つくらいで、なんの変哲もない普通のミドルケースに見える。

 側面や天面はホワイトで、フロントパネルのドライブベイ部は、メーカーが「ロイヤルブルー」と呼ぶややメタリックがかった濃い目のブルー(Pro4500のブラックから変更)になっており、上方の5インチベイと下方のHDDケージの中間を区切るような格好で側面のホワイトが回りこむ。電源スイッチやパイロットランプ類、3.5インチベイ、前面USBコネクタなどは、このホワイト部分に配置されている。

 試用機には取り付けられていなかったが、ケース天面上にはケースを持ち上げるためのキャリングハンドルが標準で取り付けられる(ハンドルレスも選択可能)。さらにケース底面には、オプションによりキャスターが取り付けできる。総計20kg近い重量を考えると、そうそう移動するものでもないだろうが、床面に直接設置する場合などには便利そうだ。

 このケースの特長は2つある。1つ目が「ツールフリー」機能で、側面パネル、拡張カードの取り付け/取り外しや、ドライブベイへの機器取り付けなど、ユーザーが通常アクセスする箇所に関しては、ドライバー等、一切の工具を必要としない。

 これを実現しているのがケース各所に配置された青いプラスチック製のパーツだ。各パーツの取り付け部分に配置されたこれらのパーツを、押したりスライドさせたりすることで、パーツの固定および解放を行なう。DellやHP製のPCではよく見かける機構ではあるが、ハードウェア構成を変更することの多い人にとってはかなり便利な機能だ。

 ケースの材質はスチール製であるが、構成するパーツの端面はいずれも、折り曲げやバリ取り処理が施されており、不用意に手や腕が当たっても怪我をしづらいようになっている。強度もかなりあるようで、ケース各所の「チリ」の合い具合や歪み等も見られず、上質なつくりのケースだ。

 5インチベイは3段で、上側2段には光学ドライブ用に可動式のふたが取り付けられている。このふたは、光学ドライブのトレイを排出すると自動的に開くタイプで、トレイ収納時にはドライブは完全に隠された状態となるため、光学ドライブのベゼル色を気にする必要はない。3段目のベイのふたは通常タイプの取り外し可能なふたとなっている。

左側面パネルには、ビデオカードとCPU部分に換気穴があけられている側面パネルを固定するプラスチック製のつまみ。これをスライドさせれば側面パネルはツールレスで取り外すことができる側面パネルを開いたところ。PCI Express x16スロット用の拡張カード押さえのステーが見える。HDDが縦置き配置のため張り出しが少なく、すべてのPCIスロットにフルサイズの拡張カードが装着可能だ
拡張カード押さえのステーもツールレスで取り外し可能。青色のプラスチック部分はすべて手だけで取り外しができる試用機のビデオカードはSapphire HD4850 512M GDDR3 PCI-Eであった。2スロット占有タイプなので、PCI Express x1のうち1スロットが使用できなくなるメモリはSanMax Technologies製PC3-10600 2GBタイプ。4スロットフルに使用すれば8GBまでメモリが搭載できる

 第2の特長が、フロントパネル下部のHDDケージだ。このケージは、下部を支点として手前に回転して引き出せるようになっており、ケース側面を空けることなくHDDの取り付け/取り外しができる。SATA信号線や電源ラインもHDDをケージに差し込むだけで接続されるようになっており、面倒な配線も必要ない。

 このケージ内には最大で4台のHDDが搭載可能だ。各HDDは特別なインターフェイスではなく、チップセットのSATAポート0~3に直結される。そのため、このケージ内のドライブを入れ替えるだけでそのまま起動OSを変更することも可能だ。またAHCIモードであればHDDのホットプラグも行なえる。

 このケージにHDDを取り付けるには、やはり青色のプラスチックでできた専用レールをあらかじめHDDに取り付けておく必要がある。レールさえ取り付ければあとはHDDの交換もツールレスなのだが、なぜかこのレールの取り付けだけはネジ止めが必要で、このケース自慢の「ツールフリー」が実現されていない。

 他社の製品には、こうした「HDDを抱え込むタイプ」のレールをツールレスで実現している例もある。この製品でもそうした仕組みを取り入れてくれれば、より完全なツールフリーが達成できるのだが。

 電源ユニットはDELTA製の670Wタイプを採用。サイズ自体はごく一般的なATX電源なのだが、前出のHDDケージには別途電源供給がなされているため、SATA機器用の電源コネクタが2つのみと、極端に少ない。さらにケースの構造上、電源ユニット設置時には、電源下面は完全にふさがれる。670Wとかなり余裕のある電源であるため、交換の必要性はそれほど高くは無いはずだが、仮に電源ユニットを交換する場合には、背面のみにファンが設置するタイプを選ぶ必要がある。

 ケース全体の換気は、電源ユニットの60mmファンと、ケース背面の120mm排気ファンの2つによって行なわれる。通常のケースであれば前面にも吸気ファンを設ける場合が多いが、前出のHDDケージのため、このケースの場合、前面吸気ファンは存在しない。メーカー製PCであるためエアフローについては十分に考慮されているとは思うが、HDDケージにも冷却ファンが取り付けられるような構造であれば、発熱の多いHDDをフルに装着した場合でもより安心できるだろう。

 CPUクーラーは、リテールクーラーに良く似た構成だ。中央に銅を埋め込んだ円筒形のアルミフィンの上に、DELTA製のファンが取り付けられている。薄型化された純正のリテールファンと比べると、フィンの厚みはあるしファンも強力なようだ。

 実際に使ってみた感じでも静粛性はまずまず良いようだ。HDDがフロントパネルに近い位置あり、前面も大きく開いているため、強いて言えばHDDのシーク音が聞こえやすいが、一般の家庭で使う場合でも問題となるレベルではないだろう。

電源ユニットはDELTA Electronics社製670Wタイプが使用されていた。サイズはATX電源サイズだが、SATA用の電源コネクタが2つしかない専用タイプミネベアモータ製の背面排気ファン。120mmサイズで、電源部のファンとあわせ、ケース内の換気のほとんどを担う前面下部のHDDケージを開けたところ。HDDは最大4台まで装着できる
HDDはこの方向に抜き差しできる。AHCIモードではHDDのホットプラグも可能だケージに取り付けるHDDにはあらかじめ専用のレールを装着しておく必要がある。このレールの取り付けだけはドライバーが必要となるのがやや残念な点だHDDケージの内部を正面から見たところ。内部のSATAコネクタは、マザーボード上のSATAポート0~3にそれぞれ接続されている
試用機の光学ドライブはソニーオプティアーク製。SATA接続のDVDスーパーマルチドライブAD-7230Sであったトレイを閉じた状態では、本体カバーに隠されて光学ドライブは見えなくなる。ドライブベゼルの色を気にする必要は無い背面I/Oパネル。PS/2やパラレルポート、シリアルポートといったレガシーインターフェイスが省略されておらず、幅広い用途に対応できる


●Intel P55 Express搭載の、オリジナルATXマザー

 マザーボードは、ATX仕様のオリジナルマザーボードとなる。チップセットはすでに述べたようにIntel P55 Expressだ。

 メインメモリ用のDIMMスロットは4本で、すべてのスロットに2GBのDIMMを装着した場合には8GBのメモリが搭載できる。4GBのDIMMを使えば16GBメモリも利用できるのだろうが、現在のBTOオプションでは4GB DIMMは用意されていない。また前述の通り、8GBメモリを使用する場合、プリインストールOSとして64bit版のWindowsを選択しておく必要がある。

 拡張スロットは、PCI Express x16×2、PCI Express x1×2、PCI×3であるが、仕様通り、2つのPCI Express x16スロットの両方にビデオカードを装着した場合、x8×2動作となる。またx16スロットとx1スロットが隣接する配置のため、2スロット専用タイプのビデオカードを使用した場合にはPCI Express x1が1つ使用不可能となる。

 SATAについては、チップセットの仕様通り6ポート+eSATA 1ポートがすべて使用できる。このうちPORT 0~3が前面HDDケージに配線済み。さらにPORT 4がDVDスーパーマルチドライブ用として使用済みであった。PORT 5は試用機では空き状態であるが、BTOで光学ドライブを2台選択した場合にはこのポートが使われるものと思われる。eSATAポートについては背面パネルに出力されており、市販の外付けHDDなどが使用可能だ。

 なお本マザーボードはPATA(IDE)ポートも1つ搭載されている。手持ちのIDE接続の光学ドライブやHDDを接続する場合に利用できるだろう。

 USB 2.0は、背面側に6ポート、フロントパネルに2ポートの合計8ポートが利用可能だ。Intel P55 Expressチップセットでは計14ポートが使用できるが、本機の場合、残り6ポート分についてはマザーボード上にピンヘッダとして用意されているのみで、外部には出力されていない。

 他のペリフェラルインターフェイスとしては、Gigabit Ethernet×1、キーボード/マウス用のPS/2ポートが各1、パラレルポート×1、シリアルポート×1、HDオーディオがいずれも背面パネルに出ている。またマザーボード上にはFDDポートがある。BTOでFDDを選択した場合、このポートが使われる。

 このほか、Windows 7やVistaのBitlockerドライブ暗号化などで使われる、TPM v1.2準拠のセキュリティチップを標準で搭載している点も、市販マザーボードではあまり見られない構成だ。

 マザーボードの構成としては、あまり余計なチップを搭載しないシンプルなものであるが、パラレルポートやパラレルポート、PS/2ポートなどもしっかりと搭載している点は、最近のマザーボードとしては珍しい。この種のレガシィインターフェイスは企業内などではいまだ需要が高い。TPM v1.2チップの搭載ともあわせ、この製品がそうした企業ユースでの利用もターゲットとしていることが伺われる。

 BIOSはAMI製。Windows 7の「XPモード」の使用を考慮してのことか、出荷時設定ではオフにされていることが多い「Intel VT technology」の設定がオンになっている点が珍しい。

マザーボードは同社独自仕様。ATXマザーボードとしては比較的シンプルな構成だ中央に見える長方形のチップが、Infinion Technologies社製のTPM v1.2チップ「SLB9635 TT1.2」。個人向けでは珍しいが、ビジネス用途では必須ともいえるセキュリティチップだ

●Windows 7採用機としての基準となるか

 BTOにより自由な構成が選択できる本機であるが、今回試用したマシンのスペックは表に示す通りである。

CPU: Core i7-860
メモリ: PC3-10600 DDR3 SDRAM 2GB×2
HDD: 1TB(Seagate Barracuda 7200.12 ST31000528AS)×1
光学ドライブ: DVDスーパーマルチドライブ(ソニーオプティアーク AD-7230S)
ビデオカード: Radeon HD 4850(Sapphire HD4850 512M GDDR3 PCI-E)
OS: Windows 7 Professional (32bit版)

 以下にベンチマークテストの結果を紹介する。今回利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark Vantage Build 1.0.0」、「PCMark05 Build 1.2.0」、「3DMark Vantage Bulld 1.0.1」、「3DMark06 Build 1.1.0」、および、「Windows 7のエクスペリエンスインデックス」の5種類だ。

 OSがWindows 7となっているため、過去の他機種のベンチマークと同列に比較できない点には注意してほしい。

【ベンチマーク結果】
Endeavor Pro4700
CPUCore i7 860(2.80GHz)
チップセットIntel P55 Express
ビデオチップRadeon HD 4850 (8.632.1.2000)
メモリPC3-10600 DDR3 SDRAM 2GB×2
OSWindows 7 Professional
PCMark Vantage Build 1.0.0
(注:互換性機能でWindows Vista SP2を指定して実行)
PCMark Suite7304
Memories Suite6078
TV and Movies Suite5624
Gaming Suite6877
Music Suite6750
Communications Suite5076
Productivity Suite4769
HDD Test Suite5220
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark Score10362
CPU Score9621
Memory Score10017
Graphics Score12867
HDD Score7626
3DMark Vantage (Bulld 1.0.1) 1,280×1,024ドット
3DMark Score7363
GPU Score6150
CPU Score18034
3DMark06 (Build 1.1.0) 1,024×768ドット
3DMark Score13152
SM2.0 Score5012
HDR/SM3.0 Score5563
CPU Score5115
Windowsエクスペリエンスインデックス
プロセッサ7.4
メモリ7.5
グラフィックス7.3
ゲーム用グラフィックス7.3
プライマリハードディスク5.9
Windows 7 エクスペリエンスインデックス。比較対象が少ないためあまり詳しいことは言えないが、まずまず良好な結果である

 CPUはちょうど中間モデルにあたるCore i7-860であるが、最新CPUだけあって測定結果は良好だ。ビデオ関連もRadeon HD 4850が搭載されているため、測定結果はまずまずといったところ。

 いずれにしろこのクラスになると、一般用途ならばほとんどの場面において不満が出ないレベルだ。また必要に応じてビデオカードやOSを選択すれば、最新ゲーム用途でも十分に対応はできる。

●作りの良いケースと幅広い用途への対応が魅力

 Endeavor Pro 4700の販売価格は基本構成で109,800円から用意される(Core i5-750/Radeon HD4350/2GBメモリ/250GB HDD/DVD-ROMドライブ×1)。ショップブランドで販売されるホワイトボックス系のPCと比較すればどうしても高価になってしまうが、逆に大手メーカーのPCと比較すれば安価という、なかなかに微妙な価格設定だ。

 もちろん、ショップブランドと違い、しっかりしたサポートのあるメーカー製製品ということもあるし、必要に応じてパーツ単位でこまかく選択できるBTOの柔軟性は大手メーカーには無いメリットといえるだろう。

 またこの製品の魅力は、なんといってもツールフリーで細かなメンテナンスが可能なケースの作りにある。特に、ケース側面を開かなくてもワンタッチでHDDを交換できる作りは、いくつものOSを試したりすることの多いユーザーにとってはかなりの魅力であろう。標準的なATXマザーであるため、仮に将来、CPUやチップセットなどが陳腐化しても、いつでも新しいマザーに交換できる点も魅力だ。

 絶対的価格だけで見ると、同性能のPCをより低価格で揃えることも不可能ではないが、作りのよいケースとサポートはほかでは得がたい。この部分にどれだけの価値を見出すかが、製品の選択の鍵となるだろう。

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(2009年 10月 26日)

[Text by 天野 司]