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ユニットコム「15X8140-i7-QTRB」

~4K IGZO搭載でゲームから映像編集までこなせる15.6型ノート

ユニットコム「15X8140-i7-QTRB」

 ユニットコムは、iiyama PCブランドの高性能ノートPC「15X8140-i7-QTRB」を発売した。4K(3,840×2,160ドット)表示に対応する15.6型高解像度IGZO液晶を搭載するとともに、GPUにGeForce GTX 970Mを採用し、ゲーミングデスクトップに匹敵する優れた3D描画能力を備える点が特徴だ。今回は、256GBのSSDと1TBのHDDを同時搭載する中位モデル「15X8140-i7-QTRB」を紹介する。パソコン工房などユニットコム傘下のPCショップで販売されており、価格は232,179円から。

このクラスとしてはまずまずの薄型筐体を採用

 「15X8140-i7-QTRB」は、NVIDIAの高性能GPUやクアッドコア仕様のCore i7を採用し、ゲーミング用途にも対応できる、iiyama PCブランドノートPCのハイスペックモデルだ。搭載メモリ容量や内蔵ストレージの仕様が違なるモデルをラインナップし、この15X8140-i7-QTRBは中位に位置付けられるモデルとなる。

 ゲーミングPCでは、派手な装飾や奇抜なデザインを採用する製品が多くなっているが、15X8140-i7-QTRBはどちらかというとオーソドックスなノートPCに近い。ただ、角が斜めに切り取られるなど直線的なデザインを採用しており、高性能PCらしい先鋭的な印象を受ける。筐体は、底面は樹脂製の素材感が直接伝わってくるものの、天板やパームレストはヘアライン加工の施されたアルミ素材(パームレストはアルミ貼り付け)となり、低価格ノートPCのような安っぽさは感じない。

 本体サイズは、約385×271×25mm(幅×奥行き×高さ)。高性能CPUやGPUを内蔵するノートPCでは、十分な放熱機構を内蔵する必要があるため、どちらかというと分厚い筐体を採用する製品が多いが、15X8140-i7-QTRBは高さを25mmに抑えてある。このクラスのノートPCとしては十分に薄い筐体と言える。フットプリントに関しては、15.6型液晶を搭載するノートPCとして標準的だ。

 重量は、公称で約2.6kg、実測で2,586gだった。特別軽いわけではないが、基本的に持ち歩いて利用する製品ではないため、この重量でも特に不満はない。

本体天板部分。4つの角が斜めに切り取られた、直線的なデザインを採用。ヘアライン処理の施されたメタリック塗装の天板は質感に優れる
フットプリントは約385×271mm(幅×奥行き)と、15.6型液晶搭載ノートPCとしてほぼ標準的だ
本体正面。側面付近下部も直線的に斜めに切り取られている
左側面。高さは約25mmと、このクラスのハイスペックノートPCとしてはなかなかの薄さを実現
背面
右側面
底面。底面はメタリック塗装は施されず、樹脂の素材感がそのまま伝わってくる
こちらはキーボード面。パームレスト部も天板同様にヘアライン処理のメタリック塗装となっている
重量は実測で2,586g。軽くはないが、モバイルノートではないため不満はない

3,840×2,160ドット表示対応の15.6型IGZO液晶を搭載

 液晶パネルは、3,840×2,160ドット(4K)表示対応の15.6型IGZO液晶を採用している。画素ピッチは約0.09mmと非常に精細で、画面に近付いて見ても画素はほぼ認識できないレベル。デジタル一眼レフで撮影した写真も高精細に表示できるので、写真のプレビュー用に好適だろう。

 フルHD(1,920×1,080ドット)の4倍の表示領域があるので、非常に多くの情報を一度に表示可能。複数アプリの同時利用でもそれぞれに十分なサイズを確保でき、作業効率を高められる。写真にもあるとおり、Excelをフルスクリーンにすると広大な作業領域を得られる。1つのウインドウを画面サイズの4分の1にしても、フルHDの解像度があるので、4つのウインドウを重ねることなく並べて、情報を参照しながら文書を作成したり、入力を行なっていく際にも生産性が高まる。動画編集ソフトでは、複数のクリップを同時に編集する場合、多数の動画・音声タイムラインを縦に並べても余裕があるし、フルHDのネイティブ解像度でプレビューしながら作業することもできるのは、個人・プロを問わず重宝するだろう。

 ただし、文字サイズを最小(等倍)に設定した場合には、デスクトップアイコンの文字は幅が1mmほどに小さくなり、視認性が低下してしまう。通常利用時には、ある程度文字サイズを拡大するのが基本になると思うが、作業領域の広さと文字などの見やすさをユーザーが自由に調整できる点は、超高解像度液晶の大きな利点だ。

 採用する液晶パネルの方式はIPS。視野角は十分に広く、視点が大きく移動しても発色や色合いの変化はほとんど感じられない。液晶表面は光沢処理となっているため、外光の映り込みがやや激しく、天井の照明などが気になる場面もあった。それでも、発色は非常に鮮やかで、表示品質は十分に満足できる。なお、タッチパネルは搭載しない。

液晶は3,840×2,160ドット表示対応の15.6型IGZO液晶を採用。パネルの方式はIPSで、視野角が広い。タッチパネルは非搭載
4K表示対応でフルHDの4倍の表示領域がある。一般的なホームページもわずかな領域で表示可能
こちらは、文字サイズを最大(250%)に設定した状態。表示情報量と文字の見やすさを自由に調整できるのが超高解像度液晶の利点
等倍表示では、Excelのワークシートもこれだけ広大な領域を一度に表示できる
複数のアプリを同時に利用する場合でも、それぞれに十分な領域を確保可能
等倍表示時にはデスクトップアイコンの文字は1mmほどと小さくなり、視認性が低下する
表面は光沢処理のため、発色は鮮やかでコントラストも高い。ただし外光の映り込みはやや激しい
デジタル一眼レフで撮影した写真も、高精細に表示可能

テンキー付きのフルサイズキーボードを搭載

 キーボードは、キーの間隔が開いたアイソレーションタイプのものを採用している。本体サイズに余裕があるため、キーピッチは約19mmとフルサイズで、テンキーも標準で搭載している。スペースキー右側の一部キーのピッチがやや狭くなっているが、その他はピッチが揃っており、違和感なくタッチタイプできる。ストロークも2mm近くと十分に深い。タッチは適度な堅さがあり、クリック感がしっかりしていることも合わせて、キーボードの使い勝手は十分に優れるので、ビジネスで長文を入力する場合も快適に作業できるだろう。

 一方、キーボードバックライトを搭載し、暗い場所でもキー入力できるのはゲーマーにうれしい配慮だ。個人的には、カーソルキーが1段下がった位置に配置されるのと、Enterキーとテンキーの間にもう少し間隔が取られていると良かったように思うが、全体的には十分満足できる。

 タッチパッドは、独立したクリックボタンが用意され、扱いやすい。タッチパネルを搭載しないため、タッチパッドを利用する機会が多くなるが、パッドの面積は十分に広く、ジェスチャー操作にも対応しており、利便性は申し分ない。ゲームプレイ時などは外付けマウスの利用が基本になると思うが、そういった場合にはタッチパッドの動作をオフにできるため、誤動作の心配もない。

アイソレーションタイプのキーボードを採用。本体サイズに余裕があるため、テンキーも用意。配列は自然でタッチタイプも違和感なく行なえる
キーピッチはスペースキー付近の一部のキーを除いて約19mmとゆったり
キーストロークは約2mmと深い。タッチは適度な硬さがあり、しっかりとしたクリック感もある
キーボードバックライトも搭載しており、暗い場所でも快適なキー入力が可能だ
タッチパッドは面積が広く、独立したクリックボタンも備わっており扱いやすい

3系統の映像出力端子を備える

 15X8140-i7-QTRBはゲーミング用途もターゲットとする高性能モデルということもあって、スペックはかなり充実している。

 CPUは、4コア8スレッド処理に対応するCore i7-4710HQ(2.5GHz、Turbo Boost時最大3.5GHz)。メインメモリはDDR3L-1600を16GBと十分な量を標準搭載。メインメモリ用のSO-DIMMスロットは4スロット備えており、最大32GBまで増設可能。ただし、底面に内部SO-DIMMスロットにアクセスするための蓋などは用意されないため、基本的には購入時にBTOで増設することになる。

 ディスクリートGPUとしては、NVIDIAのGeForce GTX 970Mを標準搭載。ビデオメモリは3GB。第2世代Maxwellアーキテクチャを採用するモバイル向けの最新GPUで、最上位のGeForce GTX 980Mに次ぐ3D描画性能となる。CPU内蔵グラフィックスに比べると圧倒的に優れる3D描画能力を持ち、最新3Dゲームも快適にプレイ可能だ。また、Mini DisplayPortを2ポートとHDMIを1ポートの計3系統の映像出力端子が用意され、外部への4K出力も可能。4Kマルチディスプレイ環境の構築すら可能だ。

 これら高性能CPUとGPUの性能を最大限引き出せるように、15X8140-i7-QTRBにはCPU用に1個、GPU用に2個と計3個の空冷ファンが取り付けられ、左側面および背面から放熱する仕様となっている。高負荷時にはこれらファンが勢いよく回転し、かなり大きな動作音が発生する点は我慢する必要がある。これは速さとのトレードオフだ。

 内蔵ストレージは、256GBのSSDと1TBのHDDを同時に搭載する。SSDは、PCI Express 2.0 x2ネイティブ接続のPLEXTOR製M.2対応SSD「M6e M.2 2280」を採用。シーケンシャルリード最大770MB/Sec、シーケンシャルライト最大625MB/Secと、SATA 6Gbpsを超えるアクセス速度を誇り、OSやアプリの起動も非常に高速。また、上位モデルでは、256GBのSSDを2基搭載する仕様となる。本体の薄型化の影響で光学式ドライブは内蔵しない。起動時にCD-ROMやDVD-ROMによる起動チェックを行なうゲームは少数派となっており、問題となる場面は少ないはずだ。

 無線機能は、IEEE 802.11ac/a/b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 4.0を標準搭載。Gigabit Ethernetポートも標準で備えており、ネットワーク機能も最先端と言える。

 側面のポート類は、左側面にHDMI、USB 3.0×1ポート、Mini DisplayPort×2ポート、背面に電源コネクタとUSB 3.0/eSATA共用ポート、右側面に光音声出力、マイクジャック、ヘッドフォンジャック、SDカードスロット、USB 3.0×2ポート、Gigabit Ethernetポートと豊富だ。

 付属のACアダプタは、高性能CPUやGPUを搭載することもあって、180Wの大出力タイプが付属する。サイズは大きく重量も実測で1kgオーバーとかなり重い。基本的に持ち運んで利用するノートPCではないため、それほど大きな問題にはならないと思うが、LANパーティなどで本体を持ち運ぶ場合は本体+1kgと考慮に入れる必要がある。

左側面には、HDMI出力、USB 3.0×2、Mini DisplayPort×2を配置
背面には、電源コネクタとUSB 3.0/eSATA共用ポートを配置
右側面には光音声出力、マイクジャック、ヘッドフォンジャック、SDカードスロット、USB 3.0×2ポート、Gigabit Ethernetポートを配置。SDカードスロット横にはSIMスロットもあるが利用不可能だ
液晶上部には約200万画素のWebカメラを搭載
左後方の底面にCPU用の空冷ファンが搭載され、本体左側面にCPUの熱を排出
右後方の底面には、GPU用の空冷ファンを2個搭載
GPUの熱は本体後方に排出。高負荷時のファン動作音はやや大きいが、しっかりと放熱され安定して動作する
キーボード後方に大型のステレオスピーカーを搭載
サウンドイコライジングソフトウェア「Sound Blaster X-Fi MB3」をプリインストール。大型ステレオスピーカーと合わせ、動画やゲームなどのサウンドも高音質に再生可能
付属のACアダプタは180Wの高出力だが、3.5インチHDDと同等の大きさとなる
ACアダプタの重量は電源ケーブル込みで実測1,014gとかなりの重さだ

3Dゲームも余裕でプレイできる高い性能を発揮

 では、ベンチマークテストの結果を見ていこう。今回利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 8 v2.0.282」、「PCMark 7 v1.4.0」、「PCMark05 Build 1.2.0 1901」、「3DMark Professional Edition v1.4.826」、「3DMark06 Build 1.1.0 1901」、Maxonの「CINEBENCH R15」、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」の7種類。比較用として、15.6型4K液晶を搭載する東芝の「dynabook T954/89L」の結果を加えてあるが、一部ベンチマークテストではバージョンが異なるものもあるため、参考値として見てもらいたい。

 結果を見ると、比較機であるdynabook T954/89Lの結果を全て上回っていることが分かる。ターゲットとする用途が異なるPCでの比較となるため、大差が付いて当然ではあるが、この2機種での比較でなくとも、結果から15X8140-i7-QTRBの高い性能が容易に確認できる。

 FF XIVベンチマークの結果からも、特に3D描画能力は現役ノートPCの中でトップクラスで、最新3Dゲームも4K解像度で問題なくプレイ可能。フルHD解像度に落とせばなら最高画質設定でも快適に動作する。もちろん、CPUやGPUはさらに上位のモデルが存在するため、最強とまでは言わないが、処理能力に不満を感じる場面はほぼないはずだ。


15X8140-i7-QTRBdynabook T954/89L
CPUCore i7-4710HQCore i7-4700HQ
チップセットIntel HM87 ExpressIntel HM86 Express
ビデオチップIntel HD Graphics 4600+GeForce GTX 970MInte HD Graphics 4600+Radeon R9 M265X
メモリPC3L-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2PC3L-12800 DDR3 SDRAM 4GB×2
ストレージ256GB SSD+1TB HDD1TB SSHD
OSWindows 8.1 Update 64bitWindows 8.1 64bit
PCMark 8 v2.0.282PCMark 8 v2.0.228
Home Accelarated 3.031132417
Creative accelarated 3.044783106
Work accelarated 2.038373199
Storage49982347
PCMark 7 v1.4.0
PCMark score57524899
Lightweight score59412418
Productivity score50832020
Entertainment score42503968
Creativity score103757742
Computation score1862517118
System storage score55513027
Raw system storage score60581149
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark ScoreN/AN/A
CPU Score1291512716
Memory Score105738716
Graphics Score78875823
HDD Score587796378
CINEBENCH R15.0
OpenGL (fps)99.0--
CPU638--
CPU (Single Core)130--
3DMark Professional Edition v1.4.8283DMark Professional Edition v1.1.0
Ice Storm7647052274
Graphics Score9934956344
Physics Score4234241726
Ice Storm Extreme77573--
Graphics Score101385--
Physics Score42576--
Ice Storm Unlimited131268--
Graphics Score288143--
Physics Score45179--
Cloud Gate2033010127
Graphics Score5135612413
Physics Score65286159
Sky Diver18146--
Graphics Score23711--
Physics Score8552--
Combined score16849--
Fire Strike33141866
Graphics Score34241951
Physics Score91988801
Combined score1508--
Fire Strike Ultra1636--
Graphics Score1577--
Physics Score9209--
Combined score840--
3DMark06 Build 1.2.0 1901
3DMark Score2746215116
SM2.0 Score103145638
HDR/SM3.0 Score139036192
CPU Score72006918
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編
1,920×1,080ドット 高品質(ノートPC)12267--
1,920×1,080ドット 最高品質9466--

 本機はモバイルPCではないが、バッテリ駆動時間も一応検証してみた。Windowsの省電力設定を「省電力」、バックライト輝度を40%に設定し、無線LANを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測したところ、約3時間48分だった。おそらく、ゲームなどGeForce GTX 970Mが動作し、高負荷の作業を行なうような状況では、2時間を下回る駆動時間になると思われるが、本製品の用途を考えると特に不満はない。

ゲーミング用途はもちろん動画編集など映像クリエイティブ用途にもお勧め

 15X8140-i7-QTRBは、4コア8スレッド処理対応のCore i7-4710HQやディスクリートGPUとしてGeForce GTX 970Mを採用することで、トップクラスの処理能力を備えるノートPCに仕上がっている。最新3Dゲームはもちろん、動画編集、映像処理などの作業も難なくこなすだろう。表示品質に優れ4K表示に対応するIGZO液晶の採用も、ゲームプレイやクリエイティブ用途にとって付加価値となる。トップクラスのゲーミングPCとしてはもちろん、ハイエンドの映像クリエイティブ用途、一般ビジネス用途など、非常に幅の広い用途に対応可能な製品と言える。

 価格は232,179円からと、さすがにミドルレンジのノートPCと比べてかなり高価ではある。とは言え、スペックを考えるとコストパフォーマンスは十分に優れる。最新3Dゲームを快適にプレイしたり、映像コンテンツの作成に活用するハイスペックのノートPCを探している人にとって、魅力的な選択肢となるだろう。

(平澤 寿康)