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ASUS「TransBook TX300CA-C4021HS」

〜13.3型フルHDの液晶着脱式ノート

ASUS「TransBook TX300CA-C4021HS」
発売中

価格:オープンプライス

 ASUSから、13.3型のフルHDタッチパネル液晶を搭載し、液晶部とキーボード部が着脱式となっているコンバーチブル型ノート「TransBook TX300CA」シリーズが登場した。搭載CPUやプリインストールソフトの異なる2モデルが用意され、今回は上位モデルとなる「TransBook TX300CA-C4021HS」を取り上げる。直販価格は154,800円。

ASUS得意の着脱式コンバーチブルノート

 TransBook TX300CA-C4021HS(以下、TX300CA)は、液晶部分が着脱式となっており、クラムシェル型ノートPCとしてもタブレットとしても利用可能な、コンバーチブル型ノートPCだ。

 液晶部着脱式の機構は、Android端末の「Eee Pad TF」シリーズから続くASUS得意のもので、Windows 8機としては、Atom Z2760搭載の「VivoTab TF801」に続くものとなる。

 液晶部の取り外しは、ヒンジ部に用意されているスライドスイッチをスライドさせることで行なう。片手では行なえないが、軽い力で取り外し可能だ。また、取り付け時もカチッと音がするまで押し込むが、強い力は不要で、着脱はスムーズにできる。

 キーボード部とドッキングさせた状態では、若干前後のぐらつきがあるものの、使用時の違和感はほとんどない。液晶部にPCを構成するほぼ全てのシステムが搭載されているため、一般的なノートPCに比べてどうしても液晶部が重くなってしまう。そのため、後方に倒れないよう、ヒンジは大きく後方まで傾けられないようになっている。とはいえ、125度ほどまでは開くため、ノートPCとして利用する場合でも利便性は全く問題ない。

 本体デザインは、VivoBookなど、同社の他のノートPCシリーズなどとほぼ共通だ。筐体素材は、液晶天板部およびキーボードドックにアルミニウム合金を採用。天板部がやや濃く、キーボードドックが明るめのメタリックカラーで、天板には同心円状、キーボード面および底面には直線上のヘアライン処理が施されており、高級感も感じられる。また、剛性もかなり高く、液晶部をひねってみてもほとんど歪まない。

 本体サイズは、液晶部が340×213×4〜11mm(幅×奥行き×高さ)、キーボードドックが340×219×3〜12.9mm(同)となる。フットプリントに関しては、液晶周囲のベゼル部がやや広く確保されているため、13.3型液晶搭載のノートPCよりも若干大きい。

 重量は、液晶部、キーボードドックともに約950g。実測では、キーボード部が974.5g、キーボードドックが954g、双方合わせて1,929gだった。筐体素材にアルミニウム合金を採用するとともに、着脱機構を備えることもあって、合体状態では一般的な13.3型ノートPCやUltrabookよりも重く、手に持つとずっしり感じる。キーボードドック込みでの携帯性はUltrabookに劣るが、タブレットとして液晶部のみであれば、軽快に持ち出せるだろう。

液晶部とキーボード部をドッキングさせた状態。一般的なクラムシェル型ノートとして利用できる
ヒンジ部のスライドスイッチをスライドさせると、液晶部を取り外せる
液晶部を取り外し、Windows 8タブレットとしても利用できる
本体正面。液晶部とキーボードドック部でカラーが異なっている
左側面。液晶部とキーボードドックを合わせると、高さは24mmほど
後部側面。中央に大型のヒンジがある
右側面。フルサイズの接続ポートは全てキーボードドック側に用意されている
液晶部単体の下部側面。高さは最厚部で11mmと、まずまずの薄さだ
液晶部の左側面。端に行くほど薄くなっていることがわかる
上部側面。上部はかなり薄くなっている
右側面。スリット部分はスピーカーの穴
Surface RT(右)との比較。TX300CAの方がわずかに厚い
天板部分。アルミニウム合金を採用し、同心円状のヘアライン加工が施されている
液晶部のフットプリントは、340×213mm(幅×奥行き)。13.3型液晶搭載としてはやや大きい
Surface RTとの比較。液晶サイズの違いもあるが、TX300CAはかなり大きく感じる
こちらは、キーボードドックの底面部分。素材は天板同様アルミニウム合金で、直線のヘアライン処理が施されている
液晶部のみの重量は、実測で974.5gだった
キーボードドックのみの重量は、実測で954gだった
液晶とキーボードドックの合計重量は、実測で1,929gだった

液晶部に128GB SSD、キーボードドックに500GB HDDを搭載

 TX300CAは、一般的な着脱式コンバーチブルノートにはない面白い特徴がある。それは、OSやアプリケーションなどを保存する液晶内部の128GB SSDに加えて、キーボードドック側に500GBのHDDが搭載されている点だ。これによって、SSDによるOSやアプリケーションの高速起動と、500GB HDDによる大容量データの保存を両立している。

 SSDは、シーケンシャルリードが約466MB/sec、シーケンシャルライトが約325MB/secと、なかなか速い。ランダムアクセス速度は最新のSSDと比較するとやや見劣りするが、このクラスのノートPCに搭載されるSSDとしては十分満足できる。

 一般的なUltrabookでは、多くの機種で高速なSSDが搭載されるものの、容量は128GBまたは256GBとなっており、動画などの大容量データを保存すると、あっという間に不足してしまう。TX300CAなら、より多くのデータが保存でき、活用用途も広がると言える。

 ただし、HDD側にアプリケーションをインストールした場合の運用には気を付ける必要がある。基本的には、HDD側にはデータのみを保存して利用するのが安全だろう。

液晶部に128GBのSSD、キーボードドックに500GBのHDDを搭載。HDDには2つのデータ用パーティションが確保されていた
SSDは、シーケンシャルリードが466MB/sec、シーケンシャルライトが325MB/secとかなり高速。ただしランダムアクセス速度はそれほど速くない
こちらは、キーボードドック内蔵HDDの速度。速度的には、2.5インチHDDらしくそれほど速くないが、大容量データを大量に保存できるのは嬉しい

フルHD表示対応の13.3型IPS液晶を採用

 液晶は、1,920×1,080ドット表示対応の13.3型液晶を採用している。パネルはIPS方式となっており、上下/左右の視野角は十分に広く、タブレットモードでも快適に利用できる。発色は、このクラスのIPS液晶としては標準的だが、十分に満足できるクオリティ。液晶表面は光沢処理のため、鮮やかな映像を楽しめるが、外光の反射がきつい点は少々気になる。

 ところで、液晶表面のガラスには、Corning製の「Fit Glass」を採用する。同じくCorning製の強化ガラス「Gorilla Glass」と異なるブランドだが、Fit Glassも表面は十分に硬質で、ひっかきキズが付きにくいとしている。また、10点マルチタッチに対応する静電容量方式タッチパネルも標準搭載。Windows 8の新UIも、タッチで快適に利用可能だ。

1,920×1,080ドット表示対応の13.3型液晶を採用。フルHD対応で、広大な作業領域が確保できる
IPSパネルのため、広視野角でタブレットモードでも使いやすい。また、発色は標準的で、大きな不満はない
液晶上部には、92万画素のWebカメラを搭載する

キーボードはバックライト内蔵

 キーボードは、他のASUS製ノートPCでも広く採用されている、キーの間が開いたアイソレーションタイプを搭載。本体サイズに余裕があることもあり、キーピッチ約19mmの正方形キーを採用。ピッチが狭くなっている部分はほとんどなく、配列も標準的だ。ストロークはUltrabook並で若干浅く感じるが、しっかりしたタッチとクリック感があり、打鍵感はいい。加えて、キーボード面がアルミニウム合金の一体成型となっているので、キーボード部分のしなりはほとんどない。キーボードの使い勝手はかなり優れると言える。また、標準でバックライトを内蔵しており、暗い場所でのタイピングも快適。キーボードバックライトの明るさは3段階に調節できる。

 タッチパッドは、クリックボタン一体型のものを採用。面積が広く、ジェスチャー操作にももちろん対応。パームレストとの段差がほとんどなく、チャーム表示などの操作もやりやすい。筆者は、独立したクリックボタンを備えるタッチパッドが好みではあるが、まずまず扱いやすいと感じた。

キーボードは、アイソレーションタイプのキーボードを採用。配列は標準的だ
キーピッチは約19mmとゆったり。ストロークはやや浅いが、しっかりしたタッチでクリック感もしっかりしており、打鍵感はよい
キーボードバックライトを内蔵。暗い場所でキートップの表記が照らし出され、非常に扱いやすい
タッチパッドはクリックボタン一体型。面積が広く、ジェスチャー操作対応で扱いやすい。パームレスト部との段差もほとんどない

スペックはUltrabook相当

 では、TX300CAのスペックを確認していこう。CPUはCore i7-3537Uを採用し、メインメモリはPC3-12800準拠の省電力DDR3L SDRAMを4GB標準搭載。メインメモリはオンボード搭載されており、増設は不可。チップセットは、Intel UM77 Express、グラフィックス機能はCPU内蔵のIntel HD Graphics 4000が利用される。内蔵ストレージは、先述の通り、液晶部に128GB SSDとキーボードドックに500GB HDDをそれぞれ搭載。無線機能は、IEEE 802.11b/g/n対応の無線LANとBluetooth 4.0を搭載。これら基本スペックは、Ultrabookとほぼ同等だ。

 液晶部の側面ポートは、左側面にMicro HDMI出力とヘッドフォンジャック、下部側面にmicroSDカードスロットとキーボードドック接続用の専用コネクタ、電源コネクタを用意。また、キーボードドックの側面ポートは、左側面にSDカードスロットと電源コネクタ、右側面にGigabit EthernetとUSB 3.0×2、Mini DisplayPort出力を備える。液晶部にUSBポートがない点は残念だが、全体としては必要十分のポートが用意されていると言える。

 ところで、専用ACアダプタの接続コネクタは、マグネット式の独自コネクタを採用している。ケーブルを引っかけても簡単に外れるため、安全性が高い。ただし、上下の向きが決められており、逆向き接続には対応しないため、他のマグネット式コネクタと比べると使い勝手はやや劣る。

 付属アプリケーションは、ASUS独自ツール以外に、Microsoft Office Home and Business 2013が標準でプリインストールされる。

左側面のポート類。液晶部にヘッドフォン出力とMicro HDMI出力、キーボードドック側に電源コネクタとSDカードスロットを備える
右側面のポート類。液晶部にはポートはなく、キーボードドック側にGigabit EthernetとUSB 3.0×2、Mini DisplayPortを備える
液晶部の下部側面には、電源コネクタとmicroSDカードスロットがある
付属のACアダプタ。サイズがやや大きくかさばる
コネクタ部は横長で、マグネット式となっている。ケーブルが引っ張られると簡単何外れる
コネクタは上下の向きがあり、逆向きには接続できないためやや利便性が悪い
付属のケース。仕様は、他のASUS製ノートPCに付属するものとほぼ同等だ

ビジネス向けのメインノートに最適

 では、ベンチマークテストの結果を見ていこう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 7 v1.4.0」、「PCMark Vantage Build 1.0.1」、「PCMark05 Build 1.2.0」、「3DMark Professional Edition v1.0」、「3DMark06 Build 1.1.0」、カプコンの「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」、セガの「ファンタシースターオンライン2キャラクタークリエイト体験版」の7種類。比較用として、ソニーの「VAIO T15」、NECの「LaVie X LX850/JS」、日本エイサーの「Aspire S7」の結果も加えてある。なお、PCMark 7は比較機種とは異なるバージョンでの計測となっている。また、PCMark Vantageは一部テストが正常に計測できなかったため、計測できたスコアのみを掲載している。

 結果を見ると、内蔵SSDが高速ということもあってか、PCMark 7はほぼ同等スペックのVAIO T15を上回っている。ただ、他のテストの細かな結果を見ると、VAIO T15を下回っている部分も少なくない。ベンチマークテスト実行時には、液晶天板部の温度が比較的高温となるため、その影響でパフォーマンスが落ちている可能性が考えられる。とはいえ、同等スペックのUltrabookと比べて体感できるようなパフォーマンス差はない。ちなみに、高負荷時には空冷ファンの音が耳に届くが、うるさいと感じるほどではない。通常時は空冷ファンの音はわずかに聞こえるレベルで、十分に静かだ。

【表】ベンチマーク結果

TransBook TX300CA-C4021HS VAIO T 15 LaVie X LX850/JS Aspire S7
CPU Core i7-3537U Core i7-3537U Core i7-3517U Core i7-3517U
チップセット Inte UM77 Express Inte HM76 Express Inte QS77 Express Inte HM77 Express
ビデオチップ Intel HD Graphics 4000 Intel HD Graphics 4000 Intel HD Graphics 4000 Intel HD Graphics 4000
メモリ PC3-12800 4GB PC3-12800 8GB PC3-10600 4GB PC3-10600 4GB
ストレージ 128GB SSD + 500MB HDD 24GB SSD + 1TB HDD 256GB SSD 128GB SSD
OS Windows 8 Windows 8 Windows 8 Windows 8
PCMark 7 v1.4.0
PCMark score 4328 3636 5241 4879
Lightweight score 2696 2182 5397 3048
Productivity score 2152 1604 4195 2177
Creativity score 3109 6936 9902 9609
Entertainment score 7895 3076 3741 3445
Computation score 15490 18287 18209 18061
System storage score 4082 2543 5382 4955
PCMark Vantage x64 Build 1.0.1 0906a
PCMark Suite N/A N/A N/A N/A
Memories Suite 5570 5939 8643 7147
TV and Movies Suite N/A N/A N/A N/A
Gaming Suite 8459 8706 10663 9352
Music Suite 11324 8423 16720 12664
Communications Suite N/A N/A N/A N/A
Productivity Suite N/A N/A N/A N/A
HDD Test Suite 17040 12231 43277 40386
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark Score N/A N/A N/A N/A
CPU Score 8843 9495 9125 9150
Memory Score 8392 8526 7277 7802
Graphics Score 2632 2694 2900 2793
HDD Score 20592 9068 51686 47585
3DMark Professional Edition v1.0
Ice Storm 28035 N/A N/A N/A
Graphics Score 29392 N/A N/A N/A
Physics Score 24136 N/A N/A N/A
Cloud Gate 3177 N/A N/A N/A
Graphics Score 3577 N/A N/A N/A
Physics Score 2285 N/A N/A N/A
Fire Strike 412 N/A N/A N/A
Graphics Score 463 N/A N/A N/A
Physics Score 3083 N/A N/A N/A
3DMark06 Build 1.1.0 0906a
3DMark Score 4242 5269 5339 5102
SM2.0 Score 1379 1715 1749 1665
HDR/SM3.0 Score 1752 2205 2241 2142
CPU Score 3093 3675 3548 3451
Windows エクスペリエンスインデックス
プロセッサ 7.0 7.1 7.2 7.1
メモリ 5.9 7.5 5.9 5.9
グラフィックス 5.4 5.6 5.6 5.4
ゲーム用グラフィックス 6.3 6.4 6.4 6.4
プライマリハードディスク 7.6 5.9 8.0 8.1
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット 2029 2581 2496 2392
ファンタシースターオンライン2キャラクタークリエイト体験版
横1,280ドットフルスクリーン 191 315 304 283

 次にバッテリ駆動時間だ。TX300CAでは、液晶側に38Wh、キーボードドック側に23Whのバッテリを内蔵しており、公称のバッテリ駆動時間は、液晶部単体で約5.5時間、キーボードドック装着時で約6.1時間とされている。

 Windowsの省電力設定を「省電力」に設定し、バックライト輝度を40%、キーボードドックのキーボードバックライトはオフ、無線LANを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測してみたところ、液晶部単体で約5時間28分、キーボードドック装着時で約4時間54分の駆動時間であった。液晶部単体ではほぼ公称どおりの結果だったのに対し、キーボードドック装着時では公称をかなり下回った。これは、キーボードドック装着時の公称の駆動時間は、「Battery up」という独自の省電力機能を利用した場合のもので、その場合にはキーボードドック内蔵のHDDは動作せず、キーボードとタッチパッドのみが動作する状態となる。それに対し今回の計測では、Battery up機能は利用しなかったため、キーボードドックのHDDが常時動作し、駆動時間が短くなったものと思われる。

 駆動時間は、携帯性重視のUltrabookや本格モバイルPCなどと比べると見劣りするものの、5時間以上の駆動時間なら、会議などでのオフィス内モバイルはもちろん、外出時でもそれほど大きな問題はないだろう。

 TX300CAは、液晶部分離タイプのコンバーチブル型ノートPCで、クラムシェル型ノートとしてもタブレットPCとしても利用できる点が最大の魅力。13.3型液晶搭載で、本体サイズがやや大きく、重量もそれほど軽くはないため、モバイル用途がメインというわけではないが、それでも液晶部単体で1kgを切り、キーボードドック併用でも2kgを切るため、オフィス内モバイルなど持ち運びもそれほど苦にはならない。

 逆に、このサイズのためにキーボードの使い勝手が高く、タブレット時のタッチ操作もやりやすい。また、液晶解像度もフルHDで、広い作業領域が確保できるし、タッチ操作対応で画面サイズも大きいため、プレゼン用途にも最適だ。個人のメインノートとしても十分対応できるが、デスク作業から外出時のプレゼン用途など、幅広いビジネス用途をカバーできる製品として、特にビジネス向けのメインノートを探している人におすすめしたい。

(平澤 寿康)