パナソニック「Let'snote R9 プレミアムエディション」
〜重量885g、容量増の東芝SSDで魅力向上



パナソニック
「Let'snote R9 プレミアムエディション」

5月21日 発売

直販価格:263,000円〜



 パナソニックの人気モバイル「Let'snote」シリーズに、2010年夏モデルが発表された。基本となる仕様は、どのモデルも従来モデルからほぼ変更はないが、CPUやストレージ容量の増強といった機能強化が施され、より魅力が増している。今回はその中から、1kgを切る軽量モバイルとして人気の、Let'snote R9シリーズのうち、直販サイト「マイレッツ倶楽部」でのみ販売される上位モデル「Let'snote R9 プレミアムエディション」を取り上げる。

●SSD容量が倍増

 直販サイト「マイレッツ倶楽部」で販売されているLet'snoteシリーズは、市販モデルと比べ、高性能なCPUや大容量ストレージが搭載されるとともに、スペック面をカスタマイズして購入できるなど、市販モデルにはない魅力がある。その中でも、マイレッツ倶楽部オリジナルで用意されている上位モデル「プレミアムエディション」では、内蔵ストレージにHDDだけでなくSSDも選択できるようになっており、ハイエンド志向のユーザーに人気がある。

 今回登場した、Let'snote R9 プレミアムエディション2010年夏モデルの、2010年春モデルからの変更点は、実はそれほど多くない。搭載CPUやチップセット、メモリ容量といった基本スペックは全く変更されておらず、スペックをパッと見ただけでは、ほとんど変更点がないと感じるかもしれない。しかし、1点大きな変更点がある。それは、搭載されるSSD容量が、従来モデルの128GBから256GBに倍増されているという点だ。

 Let'snote R9シリーズのような、常に持ち歩くことを前提とした軽量モバイルPCでは、堅牢性が重要な選択ポイントとなる。特に、駆動部分のないSSDは、多少振動が加わっても保存データが失われる危険性が少なく、モバイルPCにとって非常に有利なストレージデバイスだ。ただ、従来モデルに搭載されていたSSDは、容量が128GBと、やや心許ないものであった。もちろん、ユーザーによって必要とされるストレージ容量は大きく変わってくるが、容量に余裕があることに越したことはない。少なくとも、個人ユーザーからはSSDの大容量化を求める声が少なくなかったはずで、今回SSD容量が倍増されたことは大いに歓迎できるはずだ。

 ちなみに、内蔵されているSSDをデバイスマネージャで確認したところ、東芝製の「THNS256GG8BBAA」が搭載されていた。

内蔵SSD容量が256GBと従来の2倍に増量。搭載SSDは、東芝の「THNS256GG8BBAA」であった CrystalDiskMark 3.0の結果。公称値よりやや遅いが、それでもリード160MB/sec、ライト150MB/secと十分に高速で、快適な利用が可能だ

●市販モデルではCPU強化を実現

 内蔵SSD容量以外の基本スペックに関しては、従来モデルからの変更はない。搭載CPUはCore i7-640UM(1.20GHz、Turbo Boost 2.26GHz)、メインメモリ容量は標準2GB/最大4GB、チップセットはIntel QM57 Expressとなる。ただし、市販モデルでは、搭載CPUが従来のCore i7-620UM(1.06GHz、同2.13GHz)から、マイレッツ倶楽部と同じCore i7-640UMへと強化されている。

 内蔵ストレージは、先ほども紹介したように、256GBのSSDが搭載可能。またHDDを選択することも可能で、その場合には500GBのHDDとなる。ちなみに、マイレッツ倶楽部での基本スペックのカスタマイズは、搭載ストレージの種類と、メインメモリ容量の2点となる。その他は、天板カラーやMicrosoft Officeの有無、ネームプレートなどが選択できる。

 基本スペックだけでなく、本体形状も変更はない。ボディサイズは従来と同じで、229×187×29.4〜42.5mm(幅×奥行き×高さ)だ。本体側面に用意されているインターフェイス類も変更はなく、拡張性についても従来モデルと全く同じと考えていい。

 ただし重量は、従来モデルの約0.9kgから約0.885kg(双方ともSSD搭載時)と、わずかではあるが軽量化が実現されている。ちなみに、試用機の重量実測値は874.5gと、カタログ値よりも軽量であった。本体の軽さは、Let'snote R9シリーズの大きな魅力の1つだが、2010年夏モデルではさらに魅力が増したと言っていいだろう。

 無線機能は、IEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LANと、Bluetooth 2.1+EDRが標準搭載となる(市販モデルにBluetoothは搭載されない)。従来モデル同様、本体手前には、内蔵無線機能のON/OFFスイッチが用意されており、利用場所に応じて手軽に内蔵無線機能を切り離せる点は嬉しい配慮だ。

天板部分。従来モデル同様ボンネット構造を採用し、優れた堅牢性を実現している フットプリントは、幅229mm×奥行き187mmと、従来モデルと全く同じだ 本体正面。見た目はボディ形状は従来モデルから変更はない
左側面。高さは29.4〜42.5mmと、手前が薄く奥が厚い。高さも従来モデルから変わらない 背面。中央部にバッテリが取り付けられている 右側面。側面ポート類の配置も従来モデル同様だ
左側面には、電源コネクタ、アナログRGB出力(ミニD-Sub15ピン)、PCカードスロット(Type2×1)が用意されている 右側面には、USB 2.0×2とGigabit Ethernetを用意。できれば、左側面にもUSB 2.0ポートを用意してもらいたかった 正面には、SDカードスロットとヘッドフォン・マイク端子、内蔵無線機能のON/OFFスイッチが配置されている
底面には、メインメモリ増設用のSO-DIMMスロットがあり、最大4GBまでメインメモリを搭載できる 本体重量は、実測値で874.5gと非常に軽量だ

●アスペクト比4:3の10.4型液晶も変更なし

 液晶パネルは、従来モデルと同じ、1,024×768ドット表示対応の10.4型液晶が搭載されている。アスペクト比が4:3であるという点も変更はない。もちろん、パネル表面はノングレア処理が施されており、外光の映り込みが少なく、文字入力の多いビジネス用途でも快適に利用できる。ただ、上下の視野角がやや狭い点と、光沢液晶に比べて発色の鮮やかさが劣る点はやや気になる。

 キーボードおよびポインティングデバイスも、従来モデルから変更はない。キーボードは、本体の横幅が狭いこともあって、キーピッチが17mmとやや窮屈だ。また、縦のキーピッチは14.3mmと横に比べて短くなっている。加えて、Enter付近の一部のキーはさらにピッチが狭くなっている部分もあり、大型のノートPCや、デスクトップ用キーボードなどの、正方形型のフルサイズキーボードと比べると、慣れるまでやや扱いづらく感じるかもしれない。ただ、適度な堅さとしっかりとしたクリック感があるとともに、配列も特にいびつな部分は無く、海外メーカー製のネットブックに搭載される、いびつな配列の多いキーボードと比較すると、使い勝手は優れる。

 ポインティングデバイスは、Let'snoteシリーズでおなじみの、円形のホイールパッドを搭載。ホイールパッドは、見た目に反して、スクロール操作などが非常にやりやすく、一度使うと手放せなくなるほど。もちろん、2010年夏モデルでも使い勝手は非常に良好だ。

1,024×768ドット表示対応の10.4型液晶を搭載。表面はノングレア処理が施され、発色の鮮やかさは劣るが、外光の映り込みは気にならない キーボードも従来モデルと同じものを搭載。本体の横幅が狭いためやや窮屈に感じるが、配列は一般的だ キーピッチは約17mm。また縦は14.3mmと狭くなっている
Enterキー付近の一部のキーはさらにピッチが狭くなっている ポインティングデバイスのホイールパッドは、見た目に反し非常に扱いやすい

●スペック面を妥協しない軽量モバイルPCを探している人におすすめ

 では、ベンチマークテストの結果をチェックしていこう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark Vantage Build 1.0.1 1901」と「PCMark05 Build 1.2.0 1901」、「3DMark06 Build 1.1.0 1901」、スクウェア・エニックスの「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」の5種類。比較用として、ThinkPad X201sとVAIO Zシリーズ、BIBLO MG/G75の結果も加えてある。

試用機の基本スペック
CPU Core i7-620UM
メインメモリ PC3-6400 DDR3 SDRAM 2GB
グラフィック機能 CPU内蔵 Intel HD Graphics
ストレージ 256GB SSD(東芝 THNS256GG8BBAA)
OS Windows 7 Professional 64bit

  Let'snote R9 ThinkPad X201s VAIO Z VPCZ11A SPEED VAIO Z VPCZ11A STAMINA BIBLO MG/G75
CPU Core i7-640UM (1.20/2.26GHz) Core i7-620LM (2.00/2.80GHz) Core i7-620M (2.66/3.33GHz) Core i7-620M (2.66/3.33GHz) Core i5-430M (2.26/2.53GHz)
チップセット Intel QM57 Express Intel QM57 Express Intel HM57 Express Intel HM57 Express Intel HM55 Express
ビデオチップ Intel HD Graphics (CPU内蔵) Intel HD Graphics (CPU内蔵) GeForce GT 330M Intel HD Graphics (CPU内蔵) Intel HD Graphics (CPU内蔵)
メモリ PC3-6400 DDR3 SDRAM 2GB PC3-8500 DDR3 SDRAM 2GB PC3-10600 DDR3 SDRAM 4GB PC3-10600 DDR3 SDRAM 4GB PC3-8500 DDR3 SDRAM 4GB
OS Windows 7 Professional 64bit Windows 7 Professional Windows 7 Home Premium 64bit Windows 7 Home Premium 64bit Windows 7 Home Premium
PCMark Vantage Build 1.0.1 0906a
PCMark Suite 6817 5191 10759 10280 4801
Memories Suite 3576 2737 5414 4698 3026
TV and Movies Suite 2817 3182 4504 4748 3444
Gaming Suite 4333 2495 7692 5435 3018
Music Suite 8959 5552 11626 11373 5602
Communications Suite 6666 7054 10916 10971 3935
Productivity Suite 9278 3895 12388 12640 3672
HDD Test Suite 19481 3402 15384 16658 3192
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark Score N/A 5614 N/A N/A 5758
CPU Score 4782 6757 8285 8343 6588
Memory Score 4620 5865 6804 6797 5655
Graphics Score 1754 2276 5826 2817 2804
HDD Score 24405 5573 32452 26436 5395
3DMark06 Build 1.1.0 0906a
3DMark Score 1222 1345 5643 1726 1934
SM2.0 Score 361 402 2231 526 591
HDR/SM3.0 Score 507 544 2083 688 787
CPU Score 1683 2453 3066 3112 2547
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3
Low 2405 3289 10146 4041 3699
High 1581 2091 8142 2625 2395
Windowsエクスペリエンスインデックス
プロセッサ 5.5 6.2 6.9 6.9 6.3
メモリ 5.5 5.5 5.9 5.9 5.5
グラフィックス 3.2 3.4 6.4 4.5 4.6
ゲーム用グラフィックス 4.6 4.9 6.4 4.9 5.2
プライマリハードディスク 6.7 5.7 7.6 7.6 5.8

 結果を見ると、比較用の各機種よりもほとんどの結果が劣っている。ただしこれは、Let'snote R9のスペックを考えると妥当とも言える。

 搭載CPUであるCore i7-640UMは、名前こそCore i7だが、超低電圧版ということもあって動作クロックが1.20GHz、ターボブースト時でも2.26GHzとかなり低く抑えられている。当然、それだけベンチマークテストの結果も低くなってしまうため、今回のように通常電圧版や低電圧版のCore i5/i7搭載機種との比較では、パフォーマンスが劣って見えてしまう。

 現在では、Let'snote R9シリーズのライバルとなる、重量が1kgを切る超軽量モバイルPCは、Atom系CPUを搭載するミニノートが中心だが、そういったAtom搭載ミニノートでは、ビジネス系アプリケーションを利用するだけでもパフォーマンス不足を感じることが多い。しかし、Let'snote R9では、動画編集など、よほど処理の重い作業を行なわない限り、パフォーマンスに不満を感じる場面はほとんどない。つまり、本体重量が1kgを切る軽量モバイルとして考えると、トップクラスのパフォーマンスが発揮されていると言っていいだろう。

 次に、バッテリ駆動時間のチェックだ。まず、省電力設定は、Let'snoteオリジナルの省電力設定「パナソニックの電源管理(省電力)」に設定し、無線LANを有効にした状態で、BBenchを利用してキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測したところ、約7時間49分という結果だった。また、省電力設定を「高パフォーマンス」、バックライト輝度を100%に設定し、無線LANとBluetoothをONにした状態で、動画ファイル(WMV9、ビットレート1,156kbps、640×480ドット)を連続再生させた場合には、3時間26分であった。もともとLet'snote R9シリーズは、小型・軽量であるというだけでなく、バッテリ駆動時間が長いという点も特徴だが、今回のテストからもその特徴が確認できた。しかも、カタログスペックではバッテリ駆動時間は約7.5時間とされているが、省電力モード時にはカタログスペックをわずかに超す駆動時間が確認された。常に持ち歩くモバイルPCという位置付けを考えても、この長時間のバッテリ駆動時間を実現しているというのは非常に心強い。

付属のACアダプタは、従来モデル同様非常にコンパクトで、携帯性に優れる ACアダプタは電源ケーブル込みで実測212.5gと非常に軽量だ バッテリ容量は6.2Ahで、公称約7.5時間と長時間のバッテリ駆動が可能だ

 Let'snote R9 2010年夏モデルは、基本的には従来モデルから大きな仕様変更は施されておらず、目新しさはほとんど感じられない。とはいえ、SSD容量の増加や、わずかではあるが軽量化を実現していることで、魅力は向上している。超軽量モバイルノートとしての完成度が、さらに高まったと言っていいだろう。

 試用機の構成での販売価格は263,000円からと、Atom搭載ミニノートやCULVノートなどと比較するとかなり高く感じるかもしれないが、スペック面で優れるのはもちろん、100kgfの加圧振動試験や76cmからの落下試験をパスした優れた堅牢性、本体内部への水の浸入を防ぐキーボードの防滴仕様など、低価格モバイルPCにはない魅力が数多くあり、常に持ち歩くモバイルPCとしての魅力は他を圧倒している。少なくとも、これだけの金額を出すだけの価値は十分にあると言っていいだろう。ビジネスシーンで利用する、常に持ち歩いて利用する軽量モバイルノートを探している人におすすめしたい。

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(2010年 5月 11日)

[Text by 平澤 寿康]