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ソニー「VAIO Zシリーズ」
〜モバイル性とスペックを極限まで向上



ソニー「VAIO Z」VPCZ11A

3月6日 発売

価格:オープンプライス



 ソニーは、人気モバイルノート「VAIO Z」シリーズの最新モデルを発表した。優れた携帯性と、デスクトップPCに匹敵する高スペックを両立するハイエンドモバイルPCとして人気のシリーズだが、今回登場した最新モデルも、モバイルPCの概念を覆すような、圧倒的なスペックが実現されており、非常に興味深い製品に仕上がっている。今回、新VAIO Zシリーズをいち早く試用する機会を得たので、詳しく見ていくことにしよう。ただし、今回試用したのは試作機のため、製品版と異なる部分が存在する可能性がある点は、あらかじめご了承願いたい。

●スマートかつシャープな印象の新デザインボディを採用

 ではまず、外観からチェックしていこう。新VAIO Zは、基本的には従来モデルのコンセプトを継承しつつ、細部をブラッシュアップした新デザインのボディを採用している。中でも特徴的なのが、パームレスト部から液晶ヒンジのシリンダー部にかけてを、アルミの1枚板を押し出し成型と切削加工によって一体型としている部分だ。キーボードも従来通りのアイソレーションキーボードを採用しており、本体手前から後部まで継ぎ目のないデザインを実現。これによって、スマートかつシャープな印象がより強くなっている。

 また、押し出しと切削成型により、素材の厚みも自由に調節できるため、剛性も従来より向上。天板部分には、VAIO Xシリーズでも採用されている、カーボン素材の間に特殊シートを挟んで成型された「ハイブリッドカーボン」を採用しており、従来モデルを凌駕する堅牢性も実現している。天板カラーは、シルバー、ブラック、プレミアムカーボン、グロッシープレミアムカーボン、メタルシールド、メタルモザイクの6種類が用意される。また、天板だけでなく、パームレストカバーもシルバーとブラックから選択可能(シルバーはシルバー系天板カラー選択時にのみ選択可能)となっている。

 ボディサイズは、314×210×23.8〜32.7mm(幅×奥行き×高さ)。高さがわずかに低くなっているが、ほぼ従来モデルと同じサイズと考えてほぼ差し支えない。また重量は、搭載スペックによって変わるものの、約1.35kg〜約1.62kgとなる。最大重量こそ従来モデル(約1.39kgから約1.60kg)よりやや増えているが、最低重量は約0.04kg軽くなっていることからもわかるように、ボディ自体の重量は軽量化を実現。ちなみに、今回試用した個体の重量は、実測で1,450gであった。SSD搭載モデルではあるが、光学式ドライブを内蔵して1.5kgを切る重量が実現されている点は、従来モデル同様大きな魅力となるはずだ。

本体正面。液晶パネルは従来モデル同様ラッチレス構造を採用している 左側面。高さは、23.8mm〜32.7mmと、従来モデルよりわずかながら低くなった 背面。従来モデル同様、後部は円形のシリンダー形状を採用
右側面。光学式ドライブはこちら側に内蔵される 天板部分。試用機では、プレミアムカーボンカラーであったが、シルバーやブラックなど、全6色から選べるようになっている フットプリントは、幅314mm×奥行き210mmと、従来モデルと全く同じだ
キーボード面は、手前から奥までアルミ1枚板の押し出し・切削成型による一体型となり、スマートかつシャープな印象が強くなった 液晶パネル部は、実測で約5mmと従来モデル同様非常に薄い。また、最大で135度ほどまで開く 重量は、約1.35kgから約1.62kg。試用機の重量は、実測で1,450gだった

●SPEEDモードとSTAMINAモードの自動切り替えに対応

 従来モデルにも搭載されている、外部GPUと統合GPUを動的に切り替えられる「ダイナミック・ハイブリッドグラフィックス」システムは、新VAIO Zではさらに進化。従来は、切替スイッチを利用した手動切り替えのみだったが、新VAIO Zでは、利用状況に応じて自動的に外部GPUと統合GPUを切り替える「AUTOモード」が新たに追加されている。

 このAUTOモードでは、ACアダプタを接続して利用している場合には外部GPUを利用し、ACアダプタを抜いてバッテリ駆動となった時に、自動的に外部GPUから統合GPUへと切り替わる、といった動作を実現している。切り替わりの条件は、外部GPUの利用がACアダプタ接続時とHDMI/DVI出力利用時、統合GPUの利用がバッテリ駆動時(HDMI/DVI出力時を除く)に固定されているものの、いちいちスイッチを利用した切り替え作業を行なうことなくモードが切り替わるようになったことで、ダイナミック・ハイブリッドグラフィックスの使い勝手は大きく向上している。

 ちなみに、新VAIO Zでは、外部GPUとして、NVIDIAの「GeForce GT 330M」を採用するとともに、専用ビデオメモリも1GB搭載している。後半のベンチマークテストの結果を見てもらうとわかるが、当然描画能力も大きく向上している。

 ところで、NVIDIAは、外部GPUと統合GPUの切り替えを完全自動で実現する「Optimus Technology」を先週発表したが、新VAIO Zのダイナミック・ハイブリッドグラフィックスではこのOptimus Technologyは利用されていない。Optimus Technologyが利用されなかったのは、単純に開発のタイミングによるものと思われるが、ダイナミック・ハイブリッドグラフィックスのAUTOモードでも、ユーザーが特に意識することなく外部GPUと統合GPUが切り替わるため、Optimus Technologyが利用されていないことが特に問題なることはないと考えていいだろう。

 もちろん、従来同様、SPEEDモードとSTAMINAモードモードをスイッチでパッシブに切り替えることも可能。そして、SPEEDモード、STAMINAモード、AUTOモードの3つのモード間を全て1アクションで切り替え可能とするために、切替スイッチには、三角形の特殊形状スイッチを採用。モードが増えても、ユーザーに余計な手間をかけさない配慮は嬉しい。

ダイナミック・ハイブリッドグラフィックスは、使用状況に応じて外部GPUと統合GPUを自動的に切り替える「AUTO」モードが追加された 三角形の切り替えスイッチが用意され、AUTO、SPEED、STAMINA3モード間全てを1アクションで切り替えられる

●フルHD解像度の液晶パネルが搭載可能

 新VAIO Zに搭載される液晶パネルは、13.1型と従来と同じサイズのものが採用されている。ただし、表示解像度は1,600×900ドットが標準となり、VAIOオーナーメードモデルでは新たにフルHD解像度となる1,920×1,080ドット表示対応の液晶パネルが選択可能となっている。従来モデルの1,600×900ドット表示パネルでも十分高精細であったが、フルHD対応パネルを搭載した場合には、フルHDコンテンツを、クオリティを損なうことなく楽しめるのはもちろん、表示できる情報量が約1.5倍に増えるため、ホビー用途からビジネス用途まで、より快適に活用できるようになった。

 液晶パネルは、従来通りNTSC比100%の広色域パネルを採用。さらにフルHD対応液晶パネルは、Adobe RGBカバー率96%の広色域パネルとなっている。今回の試用機では、このフルHD表示対応液晶パネルが搭載されていたが、デジタル一眼レフカメラで撮影した画像を表示させてみると、発色の美しさはもちろん、階調潰れなども全く感じられず、デスクトップPC用の広色域液晶ディスプレイに十分匹敵する表示品質が確認できた。これなら、シビアな表示色再現が要求されるプロレベルのグラフィックス用途にも、柔軟に対応できるはずだ。

 パネル表面は、従来通り低反射加工が施されている。いわゆるノングレア液晶ではないため、外光の映り込みが全く感じられないというわけではないが、一般的な光沢液晶のようにくっきり映り込むということはなく、外光の映り込みにイライラさせられるといったシーンはかなり少ない。少なくとも、バックライト輝度を高めて利用している状態では、ほぼ映り込みを気にせず利用できると考えていいだろう。

 13.1型でフルHD表示を実現したことで、文字の視認性にやや不安を感じる人もいることだろう。ドットピッチは0.151mmと、ネットブックなどで採用されている、1,366×768ドット表示対応の10.1型液晶(0.164mm)よりも狭い。実際に、フォントサイズが「小 100%」の場合には、かなり文字が小さく表示されるため、やや見づらいと感じる人もいるだろう。ただ、VAIO Pシリーズの液晶と比べると、文字はかなり大きく表示されるため、そこまで不安になる必要はない。

 フルHD対応液晶を搭載する新VAIO Zでは、出荷時の標準でフォントサイズが「中 125%」に設定されており、標準状態では文字が見づらいと感じることはほとんどなかった。もちろん、文字サイズよりも表示できる情報量を優先したいなら、フォントサイズを「小 100%」に変更すればいい。

新VAIO Zでは、1,920×1,080ドット表示対応の13.1型液晶パネルが選択可能となった フルHDパネルは、Adobe RGBカバー率96%の広色域パネルとなっており、階調潰れなどを全く感じさせない、優れた発色性能を誇る パネル表面は低反射加工が施されており、外光の映り込みが抑えられている点は嬉しい
フルHDパネル搭載時には、フォントサイズが標準で「中 125%」に設定されている フォントサイズを「小 100%」に設定した状態。文字はかなり小さくなるものの、VAIO Pシリーズの液晶のような見づらさはない
こちらは、フォントサイズを「中 125%」に設定した状態。これなら、文字の視認性に不満を感じることはないはずだ 液晶上部中央には、オプションで31万画素のWebカメラ「MOTION EYE」が搭載できる

●最大4台のSSDを利用したRAID 0構成を実現

 従来モデルでは、2台のSSDを利用したRAID 0構成を実現することで、HDDを大きく上回るアクセス速度を実現していたが、新VAIO ZのVAIOオーナーメードモデルでは、4台のSSDを利用したRAID 0構成が実現された。

 クアッドSSDによるRAID 0構成時のアクセス速度は圧巻だ。今回の試用機では、64GBのSSDを4台利用した、容量256GBのRAID 0アレイが構築されていたが、CrystalDiskMark 2.2.0を利用してアクセス速度を測定してみたところ、テストサイズ100MB時でシーケンシャルリード576MB/sec、シーケンシャルライト376MB/sec、テストサイズ1,000MB時でもシーケンシャルリード528.8MB/sec、シーケンシャルライト282.7MB/secを記録。ランダムアクセス速度も非常に高速で、まさしく次元の違うアクセス速度が実現されている。OSやアプリケーションの起動でストレスを感じることは全くなく、どの場面でも非常に快適に利用できる。

 搭載SSD容量は、容量128GBのSSDを4台、容量64GBのSSDを4台または2台から選択可能。また、SSDではなく2.5インチHDDも搭載可能で、500GBまたは320GBからの選択となる。ただし、2.5インチHDDは光学式ドライブとの排他となる。つまり、光学式ドライブを内蔵する場合には、ストレージはSSDのみ搭載可能となる。従来モデルでは、光学式ドライブ搭載時に2.5インチHDDも選択できたことを考えると、少々残念だ。

試用機では、Samsung製の容量64GBのSSDを4台搭載し、RAID 0アレイが構築されていた CrystalDiskMark 2.2.0の結果。テストサイズ100MB時には、シーケンシャルリード576MB/sec、シーケンシャルライト376MB/secを記録 こちらは、テストサイズ1,000MBの結果。速度はやや落ちているが、これでも圧倒的な速度が記録されている

●モバイルノートの領域を超えたハイエンドスペックを実現

 デザイン面だけでなく、スペック面も当然大きく進化している。

 まず、CPUはCore i5-520M/i5-540M/i7-620Mの3種類を用意。メインメモリは、PC3-8500 DDR3 SDRAMを容量4GB/6GB/8GBから選択。チップセットは、Intel HM57 Expressを採用している。

 外部GPUは、上でも紹介したように、NVIDIAのGeForce GT 330Mを採用し、専用ビデオメモリも1GB搭載する。ダイナミック・ハイブリッドグラフィックスでSTAMINAモードに設定した場合には、CPU内蔵のIntel HD Graphicsが利用される。

 光学式ドライブは、Blu-ray DiscドライブまたはDVDスーパーマルチドライブから選択できるが、先ほど紹介したようにSSD選択時のみ搭載可能となる。

 無線機能は、IEEE 802.11a/b/g/n対応の無線LANおよびBluetooth 2.1+EDRを標準搭載し、オプションでNTTドコモのFOMAハイスピード対応の無線WAN、もしくはWiMAXを選択可能。無線WAN搭載時には、GPS機能も利用可能となる。

 本体側面の拡張端子類は、ExpressCard/34スロット×1、Gigabit Ethernet、HDMI出力、アナログRGB出力(ミニD-Sub15ピン)、メモリースティックスロット、SDカードスロットを標準で用意。USBポートは、USB 2.0×3またはUSB 2.0×2+iLINK×1から選択となる。

左側面には、Gigabit Ethernet、HDMI出力、ExpressCard/34スロット、USB 2.0×2が用意されている ExpressCard/34スロットは、ダミーカードで保護するタイプとなっている 左側面奥のシリンダー部には、電源コネクタを配置
右側面奥には、アナログRGB出力と、シリンダー部に電源ボタンを配置 右側面手前には、USB 2.0ポートを配置 光学式ドライブは、右側面に搭載。試用機ではBlu-ray Discドライブが搭載されていた
本体手前左には、メモリースティックスロットとSDカードスロットが独立して用意される 手前左には、無線機能のON/OFFスイッチと、ヘッドフォン・マイクの各端子を配置 WWANモデルはGPS機能を搭載し、IEにはGPS用アドインもインストールされている

 拡張機能として面白いのが、オプションでノイズキャンセリングヘッドフォンを選択できる点だ。ノイズキャンセリングヘッドフォン選択時には、ヘッドフォン端子がノイズキャンセリング対応となり、インストールされる専用ソフトを利用してノイズキャンセリング機能の設定が行なえる。飛行機や列車などでの移動中に音楽やムービーを楽しむ場合に活躍するだろう。

 キーボードは、従来モデル同様、キーが独立したアイソレーションキーボードを採用。キーピッチは約19mmで、配列やキーの打ち心地などは従来モデルとほぼ同じだが、新たにバックライト搭載キーボードがオプションに追加された。キーボード上部に用意されている光センサーによって周囲の明るさを感知し、明るさに応じて自動的にキーボードバックライトが点灯/消灯する。消灯後の航空機内など、暗い場所での利用時にもしっかりキーが認識でき、快適なキー入力が可能だ。

 ポインティングデバイスは、パッド式のインテリジェントタッチパッドを搭載。パッド面は十分に広く、扱いやすさは申し分ない。また、オプションで指紋認証センサーを搭載した場合には、クリックボタンの中央に配置される。パームレスト右側には、オプションでFeliCaポートを搭載でき、Webショッピングでの決済や、FeliCaを利用したログイン制御などのセキュリティ機能などに活用できる。

オプションでノイズキャンセリングヘッドフォンを選択すれば、ヘッドフォン端子はノイズキャンセリングヘッドフォン対応コネクタとなる ノイズキャンセリングの効果は、専用ツールを利用して調節できる
キーボードは、従来モデルと同じ配列のアイソレーションキーボードを採用 キーピッチは約19mmと余裕がある。使い勝手は従来モデルとほぼ同じと考えていい キーボードには、新たにバックライトを搭載。キーボード上部のセンサーにより、周囲が暗くなると自動的に点灯する
ポインティングデバイスは、パッド式のインテリジェントタッチパッドを搭載。使い勝手は申し分ない。また、オプションで指紋認証センサーも搭載可能だ 右パームレスト部には、オプションでFeliCaポートを搭載できる
付属のACアダプタ。SPEED設定時の消費電力が大きいためか、大型のものが付属する ACアダプタは、電源ケーブル込みで実測335.5gとやや重い

 ちなみに、今回試用した試用機のスペックは、下の表にまとめたとおりであった。

CPU Core i7-620M
メインメモリ PC3-8500 DDR3 SDRAM 2GB×2
液晶パネル 13.1型フルHD
外部GPU GeForce GT 330M、ビデオメモリ1GB
ストレージ 64GB SSD×4(256GB)、RAID 0
光学式ドライブ Blu-ray Discドライブ
無線機能 無線LAN、無線WAN、Bluetooth 2.1+EDR
USB USB 2.0×3
その他 ノイズキャンセリングヘッドフォン、指紋認証ユニット、FeliCaポート

●モバイルPCにも妥協のないスペックを求める人におすすめ

 では、ベンチマークテストの結果をチェックしていこう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark Vantage Build 1.0.1 1901」と「PCMark05 Build 1.2.0 1901」、「3DMark Vantage Bulld 1.0.1 1901」、「3DMark06 Build 1.1.0 1901」、スクウェア・エニックスの「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」の5種類。比較用として、BIBLO MG/G75の結果も加えてあるが、OSおよびベンチマークソフトのバージョンが異なっているため、参考値としてみてもらいたい。

  VAIO Z SPEED VAIO Z STAMINA BIBLO MG/G75
CPU Core i7 620M(2.66/3.33GHz) Core i7 620M(2.66/3.33GHz) Core i5 430M(2.26/2.53GHz)
チップセット Intel HM57 Express Intel HM57 Express Intel HM55 Express
ビデオチップ GeForce GT 330M CPU内蔵(Intel HD Graphics) Intel HD Graphics(CPU内蔵)
メモリ PC3-10600 DDR3 SDRAM 2GB×2 PC3-10600 DDR3 SDRAM 2GB×2 PC3-8500 DDR3 SDRAM 4GB
ストレージ SSD(64GB×4 RAID 0) SSD(64GB×4 RAID 0) 500GB HDD
OS Windows 7 Home Premium 64bit Windows 7 Home Premium 64bit Windows 7 Home Premium
PCMark Vantage x64 Build 1.0.1 1901(BIBLO MGはBuild 1.0.1 0906a)
PCMark Suite 10759 10280 4801
Memories Suite 5414 4698 3026
TV and Movies Suite 4504 4748 3444
Gaming Suite 7692 5435 3018
Music Suite 11626 11373 5602
Communications Suite 10916 10971 3935
Productivity Suite 12388 12640 3672
HDD Test Suite 15384 16658 3192
PCMark05 Build 1.2.0 1901(BIBLO MGはBuild 1.2.0)
PCMark Score N/A N/A 5758
CPU Score 8285 8343 6588
Memory Score 6804 6797 5655
Graphics Score 5826 2817 2804
HDD Score 32452 26436 5395
3DMark Vantage Bulld 1.0.1 1901 1280×1024ドット
3DMark Score 2259 338 N/A
GPU Score 1813 256 N/A
CPU Score 8630 8630 N/A
3DMark06 Build 1.1.0 1901 1024×768ドット(BIBLO MGはBuild 1.0.1 0906a)
3DMark Score 5643 1726 1934
SM2.0 Score 2231 526 591
HDR/SM3.0 Score 2083 688 787
CPU Score 3066 3112 2547
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3
Low 10146 4041 3699
High 8142 2625 2395
Windows エクスペリエンスインデックス
プロセッサ 6.9 6.9 6.3
メモリ 5.9 5.9 5.5
グラフィックス 6.4 4.5 4.6
ゲーム用グラフィックス 6.4 4.9 5.2
プライマリハードディスク 7.6 7.6 5.8

 結果を見ると、非常に優れたスコアが得られていることがわかると思う。特に、SPEEDモード時の3D描画能力は、モバイルPCとしては圧倒的なものとなっている。携帯性重視のモバイルPCで、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアが10,000を超える時代が来るとは驚きだ。これなら、最新3Dゲームも十分プレイ可能なレベルにあるだろう。そこで、試しにカプコンの「DEVIL MAY CRY 4 BENCHMARK」を利用してテストしてみたところ、フルHD解像度では少々厳しい結果であった。とはいえ、解像度を落すなどすれば十分プレイできるレベルであり、やはりモバイルPCとしては他を圧倒する3D描画能力が実現されていることは間違いない。

DEVIL MAY CRY 4 BENCHMARK
  1,920×1,080ドット、標準設定 1,920×1,080ドット
MSAA:C16xQ
Texture Resolution:SUPER HIGH
Shadow Quality:SUPER HIGH
Quality:SUPER HIGH
SCENE 1 36.3 15.58
SCENE 2 29 11.38
SCENE 3 40.16 18.53
SCENE 4 24.29 12.33

 次に、バッテリ駆動時間のチェックだ。まず初めに、バッテリ駆動時間を重視した設定として、ダイナミック・ハイブリッドグラフィックスを「STAMINA」モードに設定するとともに、Windows 7の省電力設定を「省電力」に、バックライト輝度を40%に設定するとともに、無線機能は無線LAN以外(無線WAN、Bluetooth、GPS)をオフにし、キーボードバックライトも常に消灯させた状態で、BBenchを利用してキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測したところ、約6時間07分という結果だった。これは、標準添付となるリチャージャブルバッテリーパック(S)を利用して計測したものだが、バッテリ駆動時間のカタログ値が約6.5時間〜7.5時間とされていることを考えると、十分納得できる結果だ。

 それに対し、ダイナミック・ハイブリッドグラフィックスを「SPEED」モードに設定するとともに、省電力設定を切り、全ての無線機能をON、バックライト輝度を100%、キーボードバックライトも常に点灯させた状態で、動画ファイル(WMV9、ビットレート1156kbps、640×480ドット)を連続再生させてみたところ、約2時間09分という結果だった。動画ファイル再生時のCPU使用率は非常に低いため、より負荷の高い作業を行った場合では、さらに駆動時間が短くなるものと思われる。とはいえ、パフォーマンス重視とバッテリ駆動時間重視を自由に切り替えられる点がVAIO Zの大きな特徴であり、パフォーマンス重視時にバッテリ駆動時間が短いとはいえ、それが大きな問題になることはないはずだ。

○バッテリ駆動時間
・STAMINAモード
(省電力設定「省電力」、無線LAN:ON、Bluetooth/GPS:OFF、バックライト40%、BBench)
約6時間07分
・SPEEDモード
(省電力設定「高パフォーマンス」、無線LAN/Bluetooth/GPS:ON、バックライト100%、キーボードバックライトON、動画連続再生)
約2時間09分

 これだけスペック面が充実していると、気になるのが価格だろう。確かに、従来モデルも、カスタマイズの内容によっては40万円を超える価格になるというように、スペックだけでなく価格も飛び抜けていた。そして、新VAIO Zでもその点は変わっておらず、今回試用したスペックを実現した場合の価格は338,300円、SSDを128GB×4台、メインメモリを8GBに設定するなど、CTOでの最高スペックを実現した場合には45万円近くなってしまう。確かに、スペック面を考えると仕方がないが、CULVノートが10万円を大きく下回る金額で購入できる現在、非常に高価だと感じてしまうのは事実だ。

 とはいえ、最小スペック時には159,800円からと、比較的安価な設定となっている(3月12日までプロセッサーキャンペーンにより153,800円から)。つまり、価格重視で購入することも十分に可能なのである。できれば光学式ドライブ搭載時にもHDDが選択でき、大容量ストレージを確保しつつ価格を抑えられるとよかったのだが、光学式ドライブを搭載しない状態でも、十分な魅力があるのは間違いない。

 筆者個人としては、どうせ購入するなら、多少高くなっても新VAIO Zの魅力である、フルHD解像度の液晶と、クアッドSSDは外せないと考えるが、価格重視でも購入できることを考えると、価格に糸目を付けずに最高スペックのモバイルPCを手に入れたいと考えている人だけでなく、コスト重視のモバイルPCを探している人にも広くおすすめしたい。CULVノートの倍以上の金額ではあるが、その金額に見合う満足感は確実に得られるはずだ。

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(2010年 2月 16日)

[Text by 平澤 寿康]