日本HP「HP Mini 5101」速報版
~デザイン一新、高解像度液晶を標準搭載



日本HP「HP Mini 5101」

9月上旬 発売

価格:69,930円



 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は、ビジネス向けミニノートの新モデルとなる「HP Mini 5101」を発表した。扱いやすい大型キーボードの搭載や、特徴的なデザインで好評だったHP Mini 2140シリーズの後継にあたるモデルだが、本体デザインが大きく変更されており、イメージが一新されている。今回、HP Mini 5101をいち早く試用する機会を得たので、速報版として外観などを中心に紹介していこう。

●本体デザインを一新

 HP Mini 5101は、「HP 2133 Mini-Note PC」から続く、丸みを帯び、奥行きを狭めてやや横に長い特徴的なボディを捨て、奥行きを広げるとともに直線的なデザインのボディへと変更されている。また、従来はシルバーだったボディカラーもブラックへと変更された。この本体デザインは、HPのビジネス向けノートPC「ProBook」シリーズのデザインを踏襲したもののようだが、どちらかというと一般的なネットブックに近づいたといった印象が強く、従来の独特のデザインが受け継がれなかった点は少々残念だ。ただ、ビジネス向けとして考えると、自己主張が少なく落ち着いた印象のデザインは悪くないかもしれない。

 本体サイズは、262×180×23.2~31mm(幅×奥行き×高さ)。Mini 2140と比較すると、幅はほぼ同じで奥行きが14mm大きくなっているが、高さは5mmほど薄くなっている。重量は実測値で1,153g。奥行きこそ増えているものの、重量はMini 2140よりもわずかながら軽く、高さが薄くなっていることも合わせて、携帯性は失われていない。

 ところで、ボディ素材には、一般的なネットブックのようなプラスチックではなく、マグネシウム合金を採用。これによって、500kgの圧力に耐えられる優れた堅牢性を実現するとしている。また、液晶天板部分はアルマイト処理が施され、耐摩耗性も高められている。加えて、Mini 2140から搭載されている、3次元加速度センサによって衝撃が加わる前にHDDのヘッドを待避させる「HP 3Dドライブ・ガード」機能も引き続き搭載。常に持ち歩く場合でも安心の堅牢性が実現されている。

 基本スペックは、表にまとめたとおりだ。CPUがAtom N280(1.66GHz)に強化されるとともに、メインメモリも標準で2GB搭載する。また、標準で1000BASE-T対応の有線LANを搭載する点も特徴だ。ちなみにOSは、Windows XP Professional SP3を搭載するが、これはWindows Vista Businessのダウングレード扱いで、ライセンスはWindows Vista Businessとなる。ただし、Windows 7へのアップグレード権は付属しない。ドライバをWebで公開するという対応になるようだ。

■HP Mini 5101基本スペック
CPUAtom N280
チップセットIntel 945GSE Express
メインメモリPC2-4200 DDR2 SDRAM 2GB
ストレージ160GB HDDまたは128GB SSD
液晶10.1型ワイド 1,366×768ドット
無線LANIEEE 802.11a/b/g/n
有線LAN1000BASE-T
Bluetooth搭載
OSWindows XP Professional SP3(Windows Vista Businessダウングレード)

本体正面。ProBookシリーズの直線的なデザインを採用し、イメージが一新された左側面。高さが23.2~31mmと、従来モデルより5mmほど薄くなった背面。中央下部はバッテリだ
左側面。従来モデルにはあったExpress Cardスロットが省かれている天板部分。ボディ素材にマグネシウム合金を採用することで、500kgの耐圧性能を実現。天板はアルマイト処理が施され、耐摩耗性も高められているフットプリントは幅262mm×奥行き180mm。従来モデルより奥行きが14mm増えている
本体底面。全体にラバーコーティングが施され、滑りにくくなっている重量は実測値で1,153g。Mini 2140よりわずかながら軽い左側面のポート。電源コネクタ、アナログRGB出力、USB 2.0×2を用意
右側面のポート。SDカードスロット、ヘッドホン/マイク端子、USB 2.0×1、1000BASE-T対応有線LANを用意正面左には、無線機能のON/OFFスイッチを用意
バッテリは、4セルリチウムイオンバッテリを標準搭載。バッテリ駆動時間はカタログ値で約4.5時間。オプションで6セルバッテリも用意されるバッテリには、残量を示すLEDインジケータを搭載

●高解像度液晶を標準搭載、キーボード・タッチパッドも一新

 液晶パネルは、1,366×768ドット(WXGA)表示対応の10.1型液晶を標準搭載する。1,024×600ドット表示対応モデルも存在するようだが、標準仕様はWXGA液晶となる。サイズが10.1型のため、表示される文字サイズはやや小さく感じるものの、やはり表示領域の広さは非常に快適で、Webアクセスはもちろん、表計算ソフトなどビジネスソフトの利用も快適だ。

 また、液晶表面がノングレア処理となっている点も見逃せない。従来モデルは液晶表面が光沢処理となっており、外光の映り込みが激しかったが、Mini 5101では外光の映り込みは全く気にならず、文字入力の多い作業も非常に快適にこなせる。液晶ベゼル部分は光沢感が強く、その部分の反射がやや気になるものの、液晶の見やすさは格段に向上したと言っていい。

 キーボードとタッチパッドも一新されている。まずキーボードは、キーとキーの間が開いたアイソレーションキーボードに変更された。これも、ProBookシリーズを踏襲したものだが、キーピッチが18.1mmと従来モデルよりも広くなるとともに、キートップには滑りにくいようにコーティングが施され、変則的な配列もなく、従来モデルのキーボードよりもかなり扱いやすくなったという印象だ。

 そして、タッチパッドは、本体の奥行きが大きくなったこともあり、クリックボタンがパッド手前に配置されている。従来モデルでは、クリックボタンがパッド左右に配置されていることで、使いづらさを指摘されることが多かったが、Mini 5101ではついにそれを解消。この改善は大いに歓迎したい。

1,366×768ドット表示対応の10.1型ワイド液晶を標準搭載。表面がノングレア処理となり、外光の映り込みが気にならない点も嬉しいキーボードは、キーが独立したアイソレーションキーボードを採用。変則的な配列はなく、キートップが滑りにくいこともあり、非常に扱いやすい
キーピッチは18.1mm。従来モデルよりもピッチが広がり、さらに快適なキー入力が可能となっているタッチパッドは、クリックボタンがパッド下に配置されるようになったことで、扱いやすさが大きく向上している

●パフォーマンスは他のネットブックと同等

 最後に、ベンチマークテストの結果を掲載しておく。バッテリ駆動時間も含めた詳しい検証は、後日改めて行ないたいと思う。

 HP Mini 5101HP Mini 2140 Notebook PCHP 2133 Mini-Note PC
ハイパフォーマンスモデル
CPUAtom N280(1.66GHz動作)Atom N270(1.6GHz動作)VIA C7-M ULV 1.6GHz
ビデオチップIntel 945 GSE ExpressIntel 945 GSE ExpressVIA CN896内蔵
メモリ2GB1GB2GB
OSWindows XP Home Edition SP3Windows XP Home Edition SP3Windows Vista Business
PCMark05 Build 1.2.0
PCMark Score16191561815
CPU Score15361487871
Memory Score245923441018
Graphics Score566547293
HDD Score591757683928
HDBENCH Ver3.40beta6
All4867840144N/A
CPU:Integer973669427853633
CPU:Float673646479238271
MEMORY:Read500954810617629
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(2009年 8月 27日)

[Text by 平澤 寿康]