~デザイン一新、高解像度液晶を標準搭載 |
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は、ビジネス向けミニノートの新モデルとなる「HP Mini 5101」を発表した。扱いやすい大型キーボードの搭載や、特徴的なデザインで好評だったHP Mini 2140シリーズの後継にあたるモデルだが、本体デザインが大きく変更されており、イメージが一新されている。今回、HP Mini 5101をいち早く試用する機会を得たので、速報版として外観などを中心に紹介していこう。
●本体デザインを一新HP Mini 5101は、「HP 2133 Mini-Note PC」から続く、丸みを帯び、奥行きを狭めてやや横に長い特徴的なボディを捨て、奥行きを広げるとともに直線的なデザインのボディへと変更されている。また、従来はシルバーだったボディカラーもブラックへと変更された。この本体デザインは、HPのビジネス向けノートPC「ProBook」シリーズのデザインを踏襲したもののようだが、どちらかというと一般的なネットブックに近づいたといった印象が強く、従来の独特のデザインが受け継がれなかった点は少々残念だ。ただ、ビジネス向けとして考えると、自己主張が少なく落ち着いた印象のデザインは悪くないかもしれない。
本体サイズは、262×180×23.2~31mm(幅×奥行き×高さ)。Mini 2140と比較すると、幅はほぼ同じで奥行きが14mm大きくなっているが、高さは5mmほど薄くなっている。重量は実測値で1,153g。奥行きこそ増えているものの、重量はMini 2140よりもわずかながら軽く、高さが薄くなっていることも合わせて、携帯性は失われていない。
ところで、ボディ素材には、一般的なネットブックのようなプラスチックではなく、マグネシウム合金を採用。これによって、500kgの圧力に耐えられる優れた堅牢性を実現するとしている。また、液晶天板部分はアルマイト処理が施され、耐摩耗性も高められている。加えて、Mini 2140から搭載されている、3次元加速度センサによって衝撃が加わる前にHDDのヘッドを待避させる「HP 3Dドライブ・ガード」機能も引き続き搭載。常に持ち歩く場合でも安心の堅牢性が実現されている。
基本スペックは、表にまとめたとおりだ。CPUがAtom N280(1.66GHz)に強化されるとともに、メインメモリも標準で2GB搭載する。また、標準で1000BASE-T対応の有線LANを搭載する点も特徴だ。ちなみにOSは、Windows XP Professional SP3を搭載するが、これはWindows Vista Businessのダウングレード扱いで、ライセンスはWindows Vista Businessとなる。ただし、Windows 7へのアップグレード権は付属しない。ドライバをWebで公開するという対応になるようだ。
■HP Mini 5101基本スペック | |
CPU | Atom N280 |
チップセット | Intel 945GSE Express |
メインメモリ | PC2-4200 DDR2 SDRAM 2GB |
ストレージ | 160GB HDDまたは128GB SSD |
液晶 | 10.1型ワイド 1,366×768ドット |
無線LAN | IEEE 802.11a/b/g/n |
有線LAN | 1000BASE-T |
Bluetooth | 搭載 |
OS | Windows XP Professional SP3(Windows Vista Businessダウングレード) |
右側面のポート。SDカードスロット、ヘッドホン/マイク端子、USB 2.0×1、1000BASE-T対応有線LANを用意 | 正面左には、無線機能のON/OFFスイッチを用意 |
バッテリは、4セルリチウムイオンバッテリを標準搭載。バッテリ駆動時間はカタログ値で約4.5時間。オプションで6セルバッテリも用意される | バッテリには、残量を示すLEDインジケータを搭載 |
●高解像度液晶を標準搭載、キーボード・タッチパッドも一新
液晶パネルは、1,366×768ドット(WXGA)表示対応の10.1型液晶を標準搭載する。1,024×600ドット表示対応モデルも存在するようだが、標準仕様はWXGA液晶となる。サイズが10.1型のため、表示される文字サイズはやや小さく感じるものの、やはり表示領域の広さは非常に快適で、Webアクセスはもちろん、表計算ソフトなどビジネスソフトの利用も快適だ。
また、液晶表面がノングレア処理となっている点も見逃せない。従来モデルは液晶表面が光沢処理となっており、外光の映り込みが激しかったが、Mini 5101では外光の映り込みは全く気にならず、文字入力の多い作業も非常に快適にこなせる。液晶ベゼル部分は光沢感が強く、その部分の反射がやや気になるものの、液晶の見やすさは格段に向上したと言っていい。
キーボードとタッチパッドも一新されている。まずキーボードは、キーとキーの間が開いたアイソレーションキーボードに変更された。これも、ProBookシリーズを踏襲したものだが、キーピッチが18.1mmと従来モデルよりも広くなるとともに、キートップには滑りにくいようにコーティングが施され、変則的な配列もなく、従来モデルのキーボードよりもかなり扱いやすくなったという印象だ。
そして、タッチパッドは、本体の奥行きが大きくなったこともあり、クリックボタンがパッド手前に配置されている。従来モデルでは、クリックボタンがパッド左右に配置されていることで、使いづらさを指摘されることが多かったが、Mini 5101ではついにそれを解消。この改善は大いに歓迎したい。
●パフォーマンスは他のネットブックと同等
最後に、ベンチマークテストの結果を掲載しておく。バッテリ駆動時間も含めた詳しい検証は、後日改めて行ないたいと思う。
HP Mini 5101 | HP Mini 2140 Notebook PC | HP 2133 Mini-Note PC ハイパフォーマンスモデル | |
---|---|---|---|
CPU | Atom N280(1.66GHz動作) | Atom N270(1.6GHz動作) | VIA C7-M ULV 1.6GHz |
ビデオチップ | Intel 945 GSE Express | Intel 945 GSE Express | VIA CN896内蔵 |
メモリ | 2GB | 1GB | 2GB |
OS | Windows XP Home Edition SP3 | Windows XP Home Edition SP3 | Windows Vista Business |
PCMark05 Build 1.2.0 | |||
PCMark Score | 1619 | 1561 | 815 |
CPU Score | 1536 | 1487 | 871 |
Memory Score | 2459 | 2344 | 1018 |
Graphics Score | 566 | 547 | 293 |
HDD Score | 5917 | 5768 | 3928 |
HDBENCH Ver3.40beta6 | |||
All | 48678 | 40144 | N/A |
CPU:Integer | 97366 | 94278 | 53633 |
CPU:Float | 67364 | 64792 | 38271 |
MEMORY:Read | 50095 | 48106 | 17629 |
MEMORY:Write | 50499 | 48569 | 44205 |
MEMORY:Read&Write | 88980 | 85545 | 31658 |
VIDEO:Recitangle | 17587 | 16721 | 3762 |
VIDEO:Text | 7177 | 6945 | 2767 |
VIDEO:Ellipse | 4720 | 4273 | 3717 |
VIDEO:BitBlt | 142 | 192 | 34 |
VIDEO:DirectDraw | 29 | 29 | 58 |
DRIVE:Read | 86122 | 71160 | N/A |
DRIVE:Write | 81854 | 47473 | N/A |
DRIVE:RandomRead | 28992 | 28992 | N/A |
DRIVE:RandomWrite | 35032 | 21988 | N/A |
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3 | |||
LOW | 1474 | 1409 | 737 |
(2009年 8月 27日)
[Text by 平澤 寿康]