山田祥平のWindows 7カウントダウン

ベータに対して、さらに磨きがかかった完成度を提供するRC
〜VAIO type PからMacBookまで、7台のPCにインストール



 一般に向けて公開されたばかりのWindows 7 RCを「7」にちなんで、手元の7台のPCにインストールしてみた。前回の予告通り、今回は、その顛末を紹介することにしよう。ベータでの不具合の多くも改善され、全体的な印象はすこぶるいい。

 各機種の末尾に、RCインストール後、Windows Updateで、どのような更新が適用されたかを画像で示している。

●パナソニックLet'snote W8

Let'snote W8

 最初に試したのは、いま評価用に借りているパナソニックのLet'snote W8だ。2009年春モデルで、Intelの160GB SSD X25-Mを搭載している。OSは、Windows Vista SP1で、Windows Updateを使って最新の状態にしておいた。

 まずは、工場出荷状態に戻した直後に、内蔵光学ドライブを使ってアップグレードインストールを試みた。あらかじめ作成しておいたWindows 7 RCのDVDをドライブに入れると、自動再生のダイアログが表示され、そこからsetup.exeの実行を指示する。

 アップグレードインストールを始めようとすると、マカフィーが存在するため、インストールができないという警告が出る。Let'snoteでは、マカフィーは未インストールの状態で出荷され、デスクトップ上にインストールをうながすためのショートカットが存在するだけだ。したがって、コントロールパネルからはプログラムを削除することはできない。

 そこで、デスクトップ上のショートカットを削除してみたが、それでもアップグレードはできず、念のために再起動して、やり直してみたら、無事にアップグレードが始まった。

 所要時間は約50分で、ベータのときよりも、ちょっと遅くなった印象がある。また、アップグレード後、Intel Graphics Render Technologyが無効になったというメッセージが表示されたが、特に問題なく快適に使える。

 さらに、クリーンインストールも試してみた。こちらは約20分で終了し、起動後にデバイスドライバで確認すると不明なデバイスが2つ残っていた。あらかじめ、工場出荷状態のHDDから待避しておいたCドライブのルートにあるUtilフォルダを参照させると、自動的にドライバを見つけて、hotkeyドライバと、panasonic miscドライバがインストールされ、不明なデバイスはなくなった。引き続き、utilフォルダから、ホットキーアプリケーション、マウスドライバ、ネット切り替えユーティリティなどを追加でインストールし、ほぼクリーンな環境を構築できた。

 内蔵Bluetoothは、本来、東芝スタックなのだが、クリーンインストールでは、Microsoftのスタックで正常に動作している。また、SSDに関しては、Windows 7からはSSDに見えていないようで、デフラグがスケジュールされていたため、これを手動で無効に再設定しておいた。

Intelのチップセットドライバがアップデートされている

●パナソニックLet'snote R7

Let'snote R7

 1月に公開されたベータをアップグレードインストールして、日常的に使っていたものだが、ベータからRCへのアップグレードはできないので、クリーンインストールすることにした。W8でおおまかな挙動はわかっているので気がラクだ。

 デバイスドライバでは「PCIデータ取得およびシグナル処理コントローラー」「PCIメモリコントローラー」が正常に機能していないことがわかる。これは、おそらく、Intelのターボメモリだと思われる。IntelがWindows 7対応のドライバをリリースしない以上、これはどうしようもないので、そのまま放置するしかない。

 そのほかに関しては、特に問題なく、W8同様にUtilフォルダの各種ユーティリティをインストールして、そのまま使ってる。

Intelのチップセットドライバがアップデートされている

●ソニーVAIO type P

VAIO type P

 プレインストール状態に、Windows 7のベータを使ってアップグレードして使っていたもので、WAN、GPS、SSDモデルである。ベータからのアップグレードはサポートされていないので、やはり、クリーンインストールしてみた。所要時間は約30分だった。無事に終了し、起動直後に、Windows Updateで、GMA500とソニーのプログラマブルI/Oコントローラのドライバが更新された。

 デバイスドライバでは、WANモデムが不明なドライバとして見つかるが、WANと無線LANが排他なので、今回は、無効にして使うことにした。それによって、GPSも使えなくなるが仕方がないとあきらめる。実機ハードウェアは、あらかじめ、WANをソニーのユーティリティで無効にしてあったが、デバイスドライバで無効にして、しばらく使っているうちに、デバイスドライバ上からも、このデバイスが消えてしまった。今のところ原因は不明だ。

 VAIO type Pでは、工場出荷状態のWindowsフォルダにDriversフォルダが置かれ、ここに各種のドライバやユーティリティ類が収録されている。このフォルダをあらかじめ待避しておいたので、そこから、ポインティングデバイスのドライバをインストールして終了だ。

 ベータでは起動時に、必ずWindows Desktop Managerがエラーを起こしていたのだが、RCではそれもなく、また、Aeroを有効にすることもできるようになった。

 スリープからの復帰時に画面の描画がうまくいかず、デスクトップが真っ黒の部分が残るのだが、タスクバー右端をクリックすると、デスクトップ表示の機能が働き、再描画され、てっとりばやくデスクトップが表示されるため、それでガマンすることにした。やはり、Windows 7はAeroが使えると使えないでは快適さが大違いで、GMA500のAero対応は、あきらめていただけに、これはうれしい誤算だ。

 SSDに関しては、Let'snote同様、ATAデバイスとして認識されているため、手動でデフラグをオフにした。また、Bluetoothスタックは、自動的に組み込まれたMicrosoftのものをそのまま使っている。

 クリーンインストールのため、画面の輝度調整などFnキーコンビネーションが使えないなどの不便もあるが、大量の独自ドライバを入れるよりも、クリーンな状態で軽く使うことを選んで、しばらく様子を見ることにする。輝度は電源オプションで問題なく設定可能だ。

ソニーのプログラマブルI/Oコントロールデバイス、IntelのGMA500ビデオ、Atherosの無線LANドライバなどが導入されている

●東芝dynabook SS RX1

Dynabook SS RX1

 かなり古いPCになる。指紋認証やBluetooth、HDD加速度センサーなどを内蔵したモデルだ。プレインストールのOSは、VistaだがSPは未適用だ。ところが、RCはSP1以降しかアップグレードができない。SP1を導入しようかとも思ったが、あまりにも更新に手間がかかりそうなので、とりあえず、クリーンインストールを試してみた。特に問題なく完了したが、デバイスドライバで確認すると、ACPI関連のデバイスが不明なデバイスとして残っている。また、Bluetoothがうまく作動してくれない。

 Dynabook.comから、各種のドライバやユーティリティをダウンロードして環境を整えていったが、不明なデバイスは最後までなくならなかった。Bluetoothに関しては、しばらくすると、アクションセンターがコンピュータの問題を指摘、Bluetoothに関して解決方法を提示してきた。そのリンクをクリックすると、東芝アメリカから、東芝Bluetoothスタックの多言語版がダウンロードされ、そのまま日本語版の東芝スタックを組み込み問題を解決できた。HDDの加速度センサーなども組み込まれているのだが、設定ユーティリティがないため、これもVista用のものをダウンロードして使っている。

 指紋認証に関しても、AuthenTecのドライバとユーティリティが組み込まれ、コントロールパネル経由で指紋を登録し、特に問題なく使えている。

東芝の加速度センサー、AuthenTecの指紋センサー、IntelのチップセットINFなどが導入されている

●MacBook Pro 17インチ

MacBook Pro 17インチ

 NVIDIA GeForce 8600M GT搭載のCore 2 Duo T7700 2.4GHz モデルだ。こちらは、BootCamp環境に、Vista SP1を入れて使っていた。相当長い間使っていたVista環境なので、内容はかなり崩れているが、そのままアップグレードしてみた。

 さすがにアップグレードには時間がかかり、今回の最長を記録する3時間近くを要してアップグレードを完了した。アップグレード時、警告として、BootCampとは互換性がないことが提示されるが、そのまま強行したところ、アップグレード後もコントロールパネルにはBootCampアプレットは存在し、問題なく使えるようだ。ただ、タスクバーの通知領域にはアイコンが表示されなくなってしまった。

 このマシンでは、ロジクールのBluetoothマウスMX Revolutionを使っているが、マウスの省電力機能が働くたびに、いったんBluetoothが切断され、警告のサウンドがうるさい。そこで、ユーティリティのSetpointを最新のものにしたら、この現象がなくなった。通常のHIDとしてそのまま使ってもいいのだが、ホイールのクリック感の有無を切り替えるスクロールシフトが使えないのでは、このマウスの意味がないので、ユーティリティを導入して使っている。

Atherosの無線LAN、NvidiaのGeforceが導入されている

●HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition

HP Mini 1000 Vivienne Tam Edition

 いわゆる典型的なネットブックだ。外付けのDVDドライブをUSB接続し、クリーンインストールしてみたところ、まったく問題がなく、Aeroが有効のWindows 7環境ができあがった。全般にいえることだが、スライドパッド等のポインティングデバイスに対して、Windows 7ネイティブのものでは、パッド右端をドラッグしてのスクロールができないなど、不便が多いので、Vista用のものを調達して追加でインストールするといいだろう。このマシンでもHPのサイトからダウンロードしてきて正常に運用できている。

Intelのチップセットドライバがアップデートされている

●Dell XPS M1330

XPS M1330

 Intel PM965 Expressチップセット+Core 2 Duo+3GBメモリ+NVIDIA GeForce 8400M GS という構成の製品で、プリベータをインストール、さらにベータをインストールして評価していたものだ。今回も、クリーンインストールを試みた。

 デバイスドライバではデータインターフェイスが1つ不明なデバイスとして残っているが、これは、日本では使えないWANモジュールなので、そのままにしてある。

 指紋認証に関しては、UPEKのドライバとユーティリティがインストールされ、コントロールパネルの生体認証アプレットを使って正常に運用できるようだ。

NVIDIAのGeForce、クリエイティブのウェブカメラ、メモリカードスロット用のリコーのドライバ、UPEKの指紋センサードライバなど、多くのドライバが導入されている

●驚くべき完成度

 ベータのビルド番号が7000だったのに対して、RCのビルド番号は7100と、ほぼ4カ月の進捗としては、そんなに進んだ感じがしない。だが、完成度に磨きがかかったという感触は強く、着実にRTMに向けて作業が進んでいるのだろう。

 スペック的にかなりバラバラなPCにインストールしてみたわけだが、全体的な印象としては、どのマシンで使っても、そんなに大きな操作感の違いがないことに驚く。確かに遅いマシンでは遅いのだが、それが使う人間のイライラをさほど招かないのだ。

 今回のマシンの中では、HP Mini 1000 Vivienne Tam Editionのみが、1GBメモリだったが、それでも使い勝手は悪くない。MicrosoftによればWindows 7は1GBを超えたところでVistaより高速になり、1.5GBを超えると、XPよりも高速になるという。ちなみに、起動時のサービスの数は、7が49個、Vistaは61個、XPは40個ということで、早い話が、同じマシンで稼働させた場合、7はXP相当の軽さで動くと考えていいそうだ。7では、サービスの起動モデルが、XPやVistaとは、まったく異なり、こうした改善が実現できたという。

 インストールやアップグレードに要する時間は、ベータ時点に比べてかなり遅くなった。これは、ベータテストで発見されたさまざまな問題を解決するために、念には念を入れてシステムを解析するプロセスに時間をとられているからだろう。インスト-ルは、そう頻繁にするものではないし、それで、少しでもよい環境が得られるのなら、それはそれでよしとしたい。

 なお、Aeroに関して、各環境で、タスクバーの下に薄いシャドーがゴミとして表示される不具合が確認される。これは、いったんタスクバーを別の場所に移動させ、元の場所に戻せば消える。再起動ごとにこの操作が必要だが、スリープと、そこからの復帰を繰り返す分にはゴミは表示されないので、今は、ガマンできる。

 いずれにしても、記事にするのが申し訳ないほど、どの環境でも、問題がなくインストールができ、拍子抜けの印象を免れない。特に、工場出荷状態にリカバリ直後のVista SP1環境をアップグレードしたときには、まるで、最初からWindows 7がプレインストールされていたかのように感じるくらいだ。

 VAIO type Pのような複雑な環境以外は、工場出荷状態にしたうえで、アップグレードインストールするのが無難ではないだろうか。アップグレード後は、Cドライブのプロパティを開き、ディスクのクリーンアップで、システムファイルのクリーンアップを実行し、「Windowsのアップグレードにより破棄されたファイル」などを削除しておこう。それで、GB単位でディスクの空き容量が増える。

 今回試したPCは、プラットフォームとしては典型的なものを選んだものの、構成としてはけっこう素直なものばかりだ。うまくいって当たり前ともいえる。地デジ内蔵で、搭載ソフト満載状態で、コンシューマー向けに国内のPCベンダーが出荷しているような複雑な構成のPCでは、どうなるか予想がつかない。機会を見て、こうした構成のPCでどうなるかも、検証してみていくことにしたい。

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(2009年 5月 13日)

[Text by 山田 祥平]

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