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日本エイサー、国内事例も披露したChromebook発表会
(2014/7/23 14:46)
日本エイサー株式会社は23日、7月16日付けで国内発売を発表したChrome OS搭載ノートPC「Chromebook C720」の製品発表会を開催した。
冒頭で挨拶に立った、同社代表取締役社長のボブ・セン氏は「Acerは、人を中心に製品を考える“Human”、好奇心を持った製品作りを行なう“Curious”、常に進歩・進化する“Progressive”という3つのエッセンスを持って、ずっと製品を考えてきた。今回のChromebookも、こうした要素を盛り込んだもの」と製品を紹介。
Chromebookについては、2012年に「Chromebook C7」を発売して参入。米国の調査では3月、4月にシェアナンバーワンを獲得している。「日本にもいち早く投入したかったが、タイミングや需要を計って、今回ようやく紹介できることになった」と述べた。
ちなみに、「一時はご心配をおかけしたが……」と、同社の業績についても触れ、2013年は収益が120.02億ドル(日本円換算で約1兆2千億円)となり、黒字に転換できたと言う。収益比率はノートPCが約60%と多い状況に変わりないが、販売地域は変化しており、EMEAが60%にも達していた以前の状況に比べて米国での販売が伸びたことでバランスが取れてきているとした。
広尾学園でのパイロット導入実績を披露
同社でChromebookを担当するプロダクトセールス&マーケティング部 プロダクトマーケティング プロダクトマネージャーの西山隆康氏は、パイロットプログラムとして導入されている広尾学園の事例を紹介した。
同社のChromebookは、米国では6つの学区と2つの官公庁に対して10万台規模の導入を実現しているほか、国内でもすでに10の教育機関で導入していると言う。その10機関の中の1つが、東京都港区の広尾学園である。
同校では、医進・サイエンスコースの1クラス35名および教員用に、Chromebook C720を導入。文章作成などタブレットでは難しかったクリエイティブな作業を、PCと同じように行なえるようになったことや、データ共有による生徒間でのコミュニケーションが活発になり、生徒同士の情報/知識共有という概念が生まれてきたという。
一方、教職員の立場でも管理が容易になるメリットが生まれている。従来は1台1台にソフト導入などのキッティング作業を行なっており、ITに詳しい教職員が1学年250名のPCに対して3日掛かりで作業していたそうだが、Chromebookと「Google管理コンソール」の組み合わせで集中管理を行なうことにより、5分で済むようになったと言う。
西山氏は「文部科学省のICT教育に対する方針に対して、プラットフォームに依存しないデバイスの1つとして大きな解になるのではないか」と、今後も教育機関への導入が進むと見込んでいる。
Chromebook C720の特徴としては、「最長8.5時間のバッテリ駆動時間」、「7秒で起動できる高速性」などを挙げた。バッテリ駆動時間については、先の広尾学園の事例において、ほとんどの生徒がACアダプタを自宅に置いたまま通学し、利用していることを紹介した。