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東芝情報機器、Windows XP移行サービスを展開
(2013/7/22 17:24)
東芝情報機器株式会社は22日、同社が4月より展開している、Windows XPからWindows 7/8への移行サービスについての説明会を行なった。
既報の通り、Windows XPが2014年4月をもってMicrosoftのサポートが終了となる。サポート終了後はセキュリティ更新プログラムが提供されなくなるため、ウィルスやワームの感染によるセキュリティ上のリスクが高まり、データ損失や漏洩などの事故に繋がるため、Windows 7/8へ移行する必要がある。
特にWindows XPのPCを多数導入している企業では、データや環境の移行作業に予想以上に時間と工数がかかっており、Windows 7/8へのスムーズな移行を妨げる原因となっている。そこで東芝情報機器では、2種類のサービスを展開している。
1つ目は「リプレース支援サービス」で、これは新規にPCを購入し、旧Windows XP PCの環境を移行するもの。一般的に旧PCから新PCに環境を移す際、ファイルサーバーまたはUSB HDDを利用したデータの移行が一般的だが、東芝情報機器の独自アプリケーションではLANケーブルを用いて、新旧PCを直接相互接続するという形の移行を採用。これによりコピー回数を1回に留め、社内ネットワークに負荷をかけたり、USB HDDにコストをかけたりせずに移行できる。
移行作業自体には、Microsoftの標準ツールを用いているが、東芝情報機器の独自ソフトがフロントエンドとなり、事前のネットワーク設定やファイヤーウォールの停止、電源管理の変更、そして事後のHDDデータ消去やログ収集などを一括して行なうため、手動だと1台あたり2時間半弱かかる作業を、約1時間14分程度に短縮できるとしている。
もう1つが「アップグレードサービス」で、これはWindows 7 PCを購入し、ダウングレード権を利用してWindows XPにダウングレードした場合、Windows 7/8に再アップグレードすることを想定したもの。こちらはユーザーが用意したOSのマスターファイルを複数のPCに展開する形で、Windows XPも設定で起動できるよう、環境を残したままWindows 7をインストールする形となる。マスターファイルとPCが合致するかどうか照合する機能も備える。
暗号化に対応するのが特徴で、例えばWindowsのインストールから環境設定、同社の暗号化ツール「SmartDE」を用いて設定する場合、手動だと約15時間必要だが、本サービスを利用すれば約1時間以内に完了するという。
リプレース支援サービスは、オンサイト、ピックアップ、ツール/サポートデスク提供/ユーザー作業の3種類が用意され、価格はオンサイトが5~99台が15,750円/台、100台以上が10,500円/台、ピックアップが5~99台が12,600円/台、100台以上が8,400円/台、ユーザー作業が10~99台が6,300円/台、100台以上が4,725円/台となっている。
一方アップグレードサービスは、オンサイトとツール/サポートデスク提供/ユーザー作業の2種類のみで、SmartDEありで99台までが21,000円/台、なしで99台までが17,850円/台、ユーザー作業が99台までが9,450円/台、100台以上が7,350円/台からとなっている。それ以外は別途見積もり。
いずれも基本パッケージで移行されるデータはメール環境(Outlook)、マイ ドキュメントの内容、デスクトップ(ショートカット/ファイル)、IE環境(プロキシ/お気に入り/セキュリティ設定)など。ユーザーの要望にあわせて、アプリケーションのインストールといったことも可能。
既存のXP用アプリケーションがWindows 7/8で動作するかどうかといった検証も、要望に合わせて対応する。動作しない場合、Windows XPの仮想化環境などの提案も行なう。また、Windows 7/8の操作方法を学習できる研修サービスなども提供していく。
すでにサービスを利用している企業によると、これまでWindows 7/8への移行が行なえない原因の多くは、既存のアプリケーションが動作しないといった問題よりも、先述のような、移行にかかる時間や手間などが足かせとなっているという。東芝情報機器ではまずこのボトルネックを取り除くサービスを用意することで、企業のWindows 7/8への移行率を高めてもらうのが狙いである。