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東芝ノートPC 20周年記念新製品発表会
〜librettoスケルトンモデルや基板も公開

4月20日開催



 株式会社東芝は、同社ノートPC 20周年を記念する新モデルとして「libretto U100」および「dynabook SS S20」の2モデルを発表し、記者会見を開催した。

 3年ぶりの復活となるlibretto U100は、A5ファイルサイズ、重量999gのモバイルノートPC。librettoの名前を冠しつつも大型化し続けていた同シリーズとしては、原点回帰した製品といえるが、AV機能にもフォーカスし、同社では「モバイルエンターテイメントPC」と位置づけている。

 今回の製品では、さまざまな新技術が採用され、小型化や省電力化が図られた。

 まず、「低損失基板」を採用したことで伝導効率をアップし、低消費電力化を図った。低損失基板は、基板表面に特殊な樹脂をコーティングすることで電力損失を低減。このため伝導効率が向上し、必要な消費電力が低下するため、従来よりも細い基板配線が可能なったという。

 具体的には、従来100μmであった基板上の配線幅を75μm幅に縮小、配線同士の間隔も120μmから100μm幅に縮小して高密度化。基板そのものの小型化にも貢献している。

 また、基板には「スタックビア構造」も新たに採用。ビアそのものの直径を従来よりも20%縮小し、さらに、ビア同士を垂直に重ねて配置(スタック)することで、多層配線基板の形成を可能にした。

低損失基板の概要 スタックビア構造 32本のLEDを組み込んだバックライト

 7.2型液晶としては初めて「LEDバックライト」を採用したのも特徴。LEDバックライトは携帯電話など小型の液晶デバイスには採用されていたが、7.2型サイズに採用されたのは世界初。

 従来のFL管にくらべて実装スペースを縮小できたほか、消費電力も約半分に低下。バックライトには32個のLEDが配置され、それらをグループごとに制御して点灯させるという特許申請中の技術を採用している。これにより、輝度220cd/平方m、色純度50%以上という性能を実現した。

 そのほか、AV強化機能として、同社のAVノート「Qosmio」で採用されている高画質化機能も実装されている。

libretto U100 キーボードのアップ リブレットDVDドックはDVDスーパーマルチドライブを搭載
本体右側面。USBコネクタやEthernetなどを備える 本体左側面。PCカードやSDカードスロットなどを備える 本体背面
エターナルブルーモデル ピュリティホワイトモデル リブレットDVDドック
リブレットDVDドックを取り外したところ。すっきりした外観となる
会場に展示されていたlibretto U100の分解モデル こちらは本体裏側のスケルトンモデル。搭載HDDは1.8インチ 液晶パネルのスケルトンモデル
キーボード部分のスケルトンモデル HDDは緩衝材で保護されている

 同時に発表されたdynabook SS SXは、従来からのdynabook SSシリーズの流れを汲むThin&Light PC。

 こちらもlibretto同様に、低損失基板やスタックビア構造などを採用。基板サイズは、従来モデル「dynabook SS S9」(255平方mm)との比較で約30%縮小(186平方mm)された。このため、従来のSSシリーズに近い重量、フットプリントを維持しながら、バッテリ容量が2倍になり、約5.4時間の駆動が可能になった。

 なお、本体サイズは、286×229×9.9〜19.8mm(幅×奥行き×高さ)となるが、最薄部の9.9mmは、本体から突き出た先端部分のみを計測したものなので注意が必要。実際の印象では、最厚部である19.8mmよりも数mm薄い程度という印象だ。

dynabook SS SX 液晶を閉じたところ キーボード部のアップ。塗装はマグネシウムの素材にクリア塗料を吹き付けたもので、金属の質感が生きている
本体左側面。SDカードスロットなどを備える 本体背面。D-Sub15ピンやUSB、Ethernetなどを備える 本体右側面。PCカードスロットなどを備える
dynabook SS SXのスケルトンモデル dynabook SS SXに搭載されるメイン基板
「dynabook SS S9」に搭載された基板(左)との比較。30%縮小された “最薄部”とされるのは本体先端部分のみ

●顧客のニーズに応えた“差異化技術製品”を

株式会社東芝 PC&ネットワーク社 社長 能仲久嗣氏

 発表会冒頭では、株式会社東芝 PC&ネットワーク社 社長 能仲久嗣氏が挨拶。能仲氏は、「東芝が'85年にポータブル市場を開拓してから、20年が経った。今日までノートPCの進化・発展、テクノロジーや規格の標準化に貢献してきたと自負している。誰でもどこでも使えるPCを目指して努力してきた」と、その歴史を振り返った。

 '85年以来、東芝のノートPC市場規模は、550倍に成長。2005年には同社の累計出荷台数は4,000万台を突破するという。また、世界市場でもポータブルPCの需要が高まってきているとし、2008年には、国内で51.5%、米国50.2%、西欧51%に成長、世界でも38.3%がポータブルPCになるという。

 これを受けて同氏は、「機能価値の“深化”」が必要であると語り、「PCは、一昔前の生産性向上のためのツールという位置づけから、エンターテイメントツールへ、そしてBlogなどに見られるような自己表現ツールとして変化し、ユーザーのニーズは多様化してきた。この流れを加速し、いつでもどこでも使えるPCを具現化していきたい」と、PCの利用シーンは多様化、深化し続けていると示唆した。

東芝のノートPC市場は20年で550倍に CMには液晶TV「FACE」シリーズなどと同様に松井秀喜選手が担当

 昨年、同社PC事業黒字転換の火付け役となったAVノートPC「Qosmio」や、今回の製品群を「差異化戦略」と位置づけ、東芝のもつ独自の技術を活かした製品とした。

 「昨年の経営改革によって事業基盤が強化された。そこで差異化技術による新たな価値を提供する製品として、東芝ならではの製品を展開したいと考えた。その1つがQosmioであり、もう1つが今回の製品だ」、「いずれも差異化技術が活かされた、顧客ニーズに合致した製品。単にパーツを買い集めて組み立てるだけではなく、自分たちですべての工程を手がけ、工夫しているからこそ完成したもの」と、今回の製品に対する自信を見せた。

 質疑応答では、「Librettoの名称を継承した意図はどこにあるのか」という質問がされ、「社内でもかなりの議論があった。だが、ユーザーの方からも、Librettoを中断して以降「Librettoはどうなったのか」という声を国内だけでなく、欧米のユーザーからも多くいただいた。もちろん技術的には出せる確信があったが、そのタイミングを図っていた。特に初代Librettoを出した当時はビジネス用途的な方向性が強かったが、今のPCにはエンターテイメント性も求められる。そこで、AV機能を強化した新しい提案をしよう、ということで今回の製品化となった」などと説明した。

 また、初代Librettoなどは、液晶ディスプレイの右側に「アキュポイント」と呼ばれるポインティングデバイスを備えていたが、今回の製品ではキーボードの下部にポインティングデバイスの位置が変更された。これについて同社は「両手でしっかり持ち、親指で操作するようにした。このほうが安定するため現在の位置にした」とその理由を述べた。

 そのほか、「今後も差異化製品は継続して出していく。囲い込みをした技術を使い、ブラックボックス化して、他には真似のできない製品を作りたい」、「年末にはHD-DVDを搭載した製品を投入する」などとも語られた。

 なお、同社は中国にも生産工場を持つが、反日デモの影響について聞かれると、「今のところ全く影響はない。杭州社工場は、地元地域に密着した経営をしており、杭州市も戦略的に重要な位置づけをしてくれている。我々自身がデモの影響を受けることは少ないと考えている」という見解を示した。

□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2005_04/pr_j2001.htm
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0401/toshiba.htm

(2005年4月20日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]

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