20年以上の歴史をもち、ビジネス向けノートPCの代名詞とも言える存在となった「レッツノート」シリーズ。コンパクトかつ軽量でありながら、高い性能・耐久性を備え、国産ならではの高い信頼性を誇るのが人気の理由だ。そんなビジネスユーザーの間で定番化したレッツノートに、この9月、大きな変化が訪れた。12インチクラスのノートPC「QV」シリーズが登場したのだ。
天板のデザインもスッキリとしたデザインとなり、しかもクラムシェル型とタブレット型の両方の利点を兼ね備えた2in1タイプとし、最新の性能や機能を盛り込みながら、ハードな使い方にも対応する従来通りの耐久性を維持している。
Windows 7の延長サポートが2020年1月に終了し、近年はリモートワークをはじめとする「働き方改革」の動きも広がってきて、ノートPCの新調を検討している人も多いだろう。そうした状況で、まさに新世代のレッツノートと呼ぶにふさわしい進化を遂げたレッツノート「QV」シリーズはどう活躍するのか、その中身をさっそく詳しくチェックしてみよう。
レッツノートの常識を打ち破るコンパクトさと構造の工夫
QVシリーズを前にしたとき、従来のレッツノート愛用者ならすぐに目を引きつけられるのが、明らかにコンパクトな筐体とフラット感の増した天板だろう。12インチクラスなので小さくて当然ではあるけれど、フラッグシップに近いモデルとしてはこれまでにない18.7mmという薄さを実現している。縦横サイズもA4用紙より小さい幅273.0×奥行209.2mmで、カバンへの収納もしやすい。質量もバッテリーパック装着時で1kgを切る約949g(モデルにより約979g)を達成した。
そして、パッと見てわかるように天板の段差が減ってすっきりとしたデザインになった。ビジネス然とした無骨なイメージもあったレッツノートだが、筐体が薄くなり、天板がフラットになったことで、今までのレッツノートとは大きく印象が変わったように感じる。ただ、もともとこの厚みやデザインはレッツノートならではの高い耐久性を実現するためのものだったはず……。QVシリーズの耐久性は下がってしまったのだろうか?
いや、実のところ、耐久性はまったく変わっていない。76cmの高さからの動作落下、非動作時の自由落下、100kgfの加圧振動、キーボード打鍵といった各種試験をクリアし、従来のレッツノートと同等の耐久性能を維持している。とはいえ単純に本体を薄くし、天板をフラットにしただけなら強度は保てない。そこで、マグネシウム合金製の筐体のうち、天板で部分的に微妙に厚みを変えるなど構造上の工夫を施したほか、2in1タイプであるQVのタッチパネル層も強度アップに活用したことで従来通りの耐久性を維持したのだという。
コンパクトボディと耐久性を両立させつつ、ビジネスノートPCとしての使い勝手をさらに高める工夫は、QVを開いたところにも見つかる。1つはキーボード周りだ。よく見るとキートップそれぞれが独立したアイソレーションキーボードとなっている。従来は各キーの隙間から下の樹脂製のベース部が見えていたが、QVではパームレストからキーボード部にかけてマグネシウム合金素材で「地続き」になっているわけだ。
さらによく見ると、キーボード両サイドのフレームもかなり細い。12インチクラスのノートPCということで、キーボードもコンパクトにせざるを得ないが、両サイドのフレームを限界まで削って細くすることで、左右キーピッチも一般的なフルキーボード並みの19mmを維持した。キートップは最近のレッツノートで採用されている特徴的なリーフ形状で、誤入力を抑える工夫もしっかり受け継いでいる。もちろん、フレームが細くなっても耐久性には影響はないという。
QVシリーズは、これまでのレッツノートから見た目は大きく変わったが、ビジネスシーンでの使い勝手を高める扱いやすいコンパクトさ、マグネシウム合金による製品としての質感、ハードな使用にも対応する耐久性など、レッツノートらしさはそのまま残されていると言える。
コンパクトでも高性能
それにしても、これだけコンパクトになると性能も「それなり」になりそうなもの。だが、そこは信頼性の高いレッツノート、性能にも妥協はない。CPUは第8世代Intel Core i7/i5を採用し、メモリは最大16GB。ストレージはPCIe接続の高速なSSDを搭載する。ベンチマークテストではシーケンシャルリードが約3546MB/s、シーケンシャルライトが約2349MB/sをマークし、おおよそ500MB/s程度のSATA接続のSSDと比較して桁違いの速度を叩き出した。
これなら重量級の業務アプリケーションの起動で時間を取られることも、動画編集などのクリエイティブワークでストレスを感じることもない。Windows 10自体の起動も数秒で完了し、即座に仕事を始められる。直販モデルでは、ヘビーユーザーにはうれしい最大2TB容量のSSDも選べる。クラウドサービスも活用することで、これまで以上にレッツノートと長く付き合っていけるだろう。
ハードウェア面でポイントとなる装備は他にもいろいろあるが、なかでも注目したいのはThunderbolt 3ポートを搭載していることだ。Thunderbolt 3は最大40Gbpsのデータ転送速度を誇る現時点でPC最速のインターフェース。従来の一般的なUSB 3.0の5Gbpsと比較して8倍の性能だ。Thunderbolt 3対応の外部ストレージなら大容量データのバックアップも内蔵ストレージ並みの速度で完了できる。
Thunderbolt 3はUSB 3.1 Gen.2のType-Cポートも兼ねており、この場合は最大10Gbpsのデータ転送が可能になる。それでもデータのバックアップなどは十分以上に高速だ。しかもDisplayPort Alternate Modeによる外部ディスプレイ出力や、USB Power DeliveryによるPCの充電にも対応し、対応モニターならUSB Type-Cケーブルを1本接続するだけで外部ディスプレイに映像出力しながら充電するという便利な使い方もできる。
外部ディスプレイやプロジェクターへの映像出力は、その隣にあるHDMIも使える。薄型筐体にもかかわらずビジネスの現場では根強い需要があるD-Sub端子もしっかり用意されているので、オフィスデスクでのマルチモニター化や、会議室でのプレゼンテーションなど、どんな場面でもレッツノートを活用できるだろう。ちなみに、同時映像出力は3種類のポートのうち最大2つ。本体のディスプレイを含めると最大3画面を同時に使えることになる。広大なデスクトップで資料を参照しながらのレポート作成や画像・映像編集がはかどること間違いなしだ。
ただ、マルチモニター化すれば業務効率はたしかに上がるが、今回のQVシリーズは本体ディスプレイ自体のスペックが高いのも特筆すべき部分。解像度は2880×1920ドット(WQXGA+)で、タブレットとして使えることからもわかるように、アクティブペンにも対応するタッチディスプレイとなっている。肉眼でドットを確認するのが困難なほどの超高精細な画面は、高解像度写真はもちろん、オフィス文書のフォントなどもくっきり、滑らかに映し出す。
画面の横縦比が3:2なのもビジネスPCとしてはメリットが多い。なぜなら、仕事で扱うA4やB5などの文書は横縦比が3:2に近く、たとえばタブレットモードで縦に構えたとき、画面一杯に1ページが表示されるからだ。また、デジタルカメラの写真も3:2の比率となっていることが多い。マニュアルや電子書籍、業務で撮影した写真などを画面一杯に、視認性高く表示できることで、さらなる業務の効率化につなげられる。ミーティングやプレゼンではタブレットモードの機動性を活かしつつ、相手にとっても見やすい表示で意図をしっかり伝えられるはずだ。
あらゆる業務内容に対応する多様な機能とバリエーションモデル
このように基本性能の高さもやはりレッツノートらしい仕上がり具合だが、ビジネス用途で意外と重視されがちなそれ以外の機能・性能も見逃せない。たとえばバッテリーを見てみると、10時間の連続動作が可能な大容量を搭載し、使い方によっては、1日のビジネスアワーで充電無しでも使用ができるだろう。レッツノートならではのこだわりか、バッテリーパックは脱着式で、スペアを用意しておけばさらに長時間使い続けられる。QVシリーズを数年間使い倒してバッテリーが劣化した場合でも、バッテリー交換することで再び新品同様のスタミナを取り戻すこともできる。
セキュリティ面の装備も充実している。店頭モデルや直販モデルの場合、Windows Hello対応の顔認証対応カメラと指紋センサーを内蔵しており、一度それらを設定しておけば、デスクに着席してQVを開き、登録した顔をカメラで認識するだけで、あるいは指紋センサーに触れるだけで、即座にWindowsにサインインできる。スマートフォンなどをBluetooth連携し、離席しただけでログオフする機能を組み合わせると、どんなときでも情報を漏らさない万全のセキュリティ対策を実現可能だ。ちなみに法人向けモデルと直販モデルにはvProプロセッサー仕様も用意され、より高度なセキュリティや運用・管理が必要な企業でも安心して導入を進められる。
サインインにかかるわずかな時間すらもったいない! と感じて最大効率で仕事を進めたい人にとっては、「モダン スタンバイ」が活躍する。スリープ状態にあるときでもバックグラウンドでメールを受信でき、SkypeやFacebookメッセンジャーからの着信があると自動でスリープから復帰してくれる機能だ。その後ビデオチャットが始まったら、内蔵している複数個からなるアレイマイクとステレオスピーカーで互いの音声を確実に拾って相手に届けられる。リモートワークをメインにしていてビデオ会議する機会が多いユーザーにも、QVシリーズは最適なノートPCなのだ。
トレードオフなしに、ひたすら業務効率を上げられる新レッツノート
12インチクラスというコンパクトな2in1タイプのレッツノート「QV」シリーズは、あらゆるシーンで活躍する高い性能と豊富な機能を詰め込み、そこにデザインのブラッシュアップも加わって、ワークスタイルも年齢層も性別も関係なしに、より幅広いユーザーが使いこなせるポテンシャルを秘めた1台となった。
デスクワークが中心の人ならマルチモニターやThunderbolt 3/USB 3.1 Gen.2対応機器と組み合わせてヘビーに使えるし、軽量・コンパクトな筐体は頻繁に外出したり、コワーキングスペースなどでフレキシブルな働き方をする人にも向いている。機動力が上がった分PCの性能が落ちたり、PCの性能が上がった分機動力が落ちる、みたいなトレードオフはない。どちらも確実に向上し、これまでのレッツノートを超えたパフォーマンスを発揮してくれるのが「QV」シリーズなのだ。
なお、直販モデルでは、CPUやSSDに加え、本体色、天板、ホイールパッド等のカスタマイズが可能で、QVシリーズではPanasonicStore限定で本体色にジェットブラックが選択できる。また、新色天板「ディープメタル」が加わり5色の天板から選ぶことができる。自分好みのカラーで仕上げたハイパフォーマンスな1台をゲットして、仕事のモチベーションをさらにアップさせるのもアリだろう。
さらに、パナソニックのLTEサービスが最大3カ月間無料になるキャンペーンや、東急不動産が事業展開する「ビジネスエアポート」「Plug and Play Shibuya」のコワーキングスペース1日無料体験なども実施している。こちらも逃さずチェックしておきたい。
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