そのスペックや堅牢性、軽さから、さまざまな環境で働く人に高い評価を得ているパナソニックのレッツノートシリーズ。そして20周年を機に、レッツノート初の2in1スタイルとして登場したのが「XZ6」だ。この2in1という形がさまざまなワーキングシーンでどのように役立つのか? 今回は、いろいろな職種の中でも、設計といったハードなPCワークから、大人数へのプレゼン、個人への営業、現場での打ち合わせなど、仕事のシーンが多岐にわたる建築家という職業において、レッツノートXZ6がどのように活躍するのかを見ていきたい。
今回、実際にXZ6を使ってもらったのは、昨年独立して個人事務所を立ち上げた藤井亮介建築研究所の藤井亮介さんだ。一級建築士である藤井さんは、個人宅の建築から、商業施設の内装設計まで幅広く手がけ、その提案から打ち合わせ、設計まですべてを一人でこなす。
オフィスは都内にあるリノベーションされた集合住宅の一室。サポートのスタッフが打ち合わせに来ることもあるが、基本は来客用の打ち合わせスペースと一人分のワーキングスペースだ。
建築の設計は当然CADなどを使って行うが、意外なことに普段からデスクトップPCは使わずノートPCで作業をしているという。とはいえ作業スペースは重要なので外部ディスプレイを接続し、Bluetoothでつないだキーボードやマウスを使っての作業となる。普段使っているノートPCがVGA出力のあるものということだが、XZ6にもVGA出力はあるので接続は問題ない。キーボードといったインターフェースもBluetooth接続して、これまでの慣れた環境からなんの問題もなく移行することができた。
スペックとしても最新のCore i5搭載ということで申し分なく、さらにHDMIで接続すれば4Kの外部モニターを接続することができる。「設計においてモニター上の作業領域が広がると作業効率が上がりますから、4Kディスプレイがつながるというのは魅力ですね」と藤井さん。
サポートに来てくれた仲間との打ち合わせはダイニングで行うが、着脱式の2in1タイプがこのとき便利だと言う。ディスプレイや電源といった配線はキーボードにつないだままで、タブレット部だけを持ち出すことができるからだ。
少人数での打ち合わせはタブレットが便利だ。XZ6の液晶は視野角が広いので、テーブルの上にペタッと置いてしまえば同時に数人で画面を確認することができる。ノートPCで180度開くタイプもあるが、図面や資料には天地があるので、どうしてもキーボードごと相手に向ける必要がある。その点でタブレットスタイルのほうが気軽で便利だと感じるそうだ。
個人事務所である藤井さんの場合、営業に外出するのも自分の仕事だ。その点XZ6の軽さは魅力だと言う。特に都内での仕事の場合は自転車で移動することも多く、その軽さとタフさは魅力なのだそうだ。
レッツノートといえば、従来もプロユースに耐えるタフさが魅力。XZ6においてもそれは健在で、高さ76cmからの落下試験は、タブレット単体でも実施しており、積極的に持ち出したい藤井さんのような人にも頼れる存在だ。
藤井さんは以前からノートPCの他にタブレットを持っていて、個人の施主との打ち合わせなどではタブレットのみ、現場での作業が必要な時にはノートPC、場合によっては両方持って行くこともあるという。
その点、XZ6の場合、タブレットとPCでデータをシンクロさせる必要がないところが便利だという。さらにキーボード部も持って行けば、行った先の状況でタブレットスタイルとノートPCスタイルのどちらにも使い分けることができる。
また、LTE対応モデルではタブレット部にSIMを挿入できるので、どちらのスタイルであっても、場所や環境にとらわれることなく自由にインターネットに接続できるのも頼もしい。
タブレット部とキーボード部をつないだ状態なら、普通のノートPCのように使えるXZ6。これで重さは最大でも約1.214kg(LTE対応/SSD256GBモデル・バッテリーパック(L)装着時)。駆動時間は約18.5時間
個人の施主との打ち合わせでは、タブレットを使って説明することが多いが、タブレットとしては大きい12インチでQHD(2160×1440ドット)の画面も施主に対するプレゼンスがあがる。縦横比3:2というのは縦にしても横にしても使い勝手がよいし、またレッツノートならではの「ホイールパッド・タッチLite」が秀逸だと語る。
「タブレットで画面を操作しようとすると、どうしても施主様の見ているところを遮ってしまいがちです。その点ホイールパッド・タッチLiteなら、施主様に画面を見てもらいながら操作できるのが魅力ですね」と藤井さん。
個人の施主との打ち合わせではタブレットスタイルを活用。画面上にタッチパッドを表示させるホイールパッド・タッチLiteを使えば、お客様の視界を遮らずに操作できるのがとても便利
新しいXZ6にはアクティブペンも付属している。2次元で書かれた建築図面だけで説明するのは難しく、打ち合わせでは手書きで説明を加える機会も多い。そういったアナログの部分にも応えてくれるのは、建築家にとっては助かるとのこと。
施主との打ち合わせは、時として長時間に及ぶこともあるというが、今回登場のLTE搭載モデルではタブレット側にもLサイズのバッテリーが選べるようになった。そのため、ノートPCスタイルならなんと約18.5時間、タブレット単独であっても約9時間の稼働が可能と、こだわりの強い施主との長時間の打ち合わせでも頼りになる。さらに、キーボード部のバッテリーからタブレットへ充電したり、タブレット自体に電源をつないで充電したりと、シーンに応じて電源の自由度が高いのも魅力だ
商業施設の設計などとなると、先方も大人数でプレゼンをするような機会もある。そんなときには、キーボード部にある出力端子をつかってプロジェクターやモニターに出力することも可能だ。
最近の会議室ではHDMI入力を持った大型ディスプレイが用意される場合もあるが、大きな会議室ではVGA接続のプロジェクターが用いられることも多い。その点XZ6は、コンパクトなボディながら、VGAもHDMIも標準的なサイズのポートが用意されている。そのため、他に変換アダプターなどを持ち歩くことなく、外部でのプレゼンに挑むことができる。
インターフェースについては、ほかにも有線LANや標準サイズのSDカードスロット、USB3.0 Type-Aのポートを3つ持つなど、充実。最近は新しくてよりコンパクトなインターフェースも増えているが、必ずしも環境に恵まれていないこともある外出先において、こうした既存の規格にそっているのは頼もしいと藤井さん。
時としては仕事部屋を離れて、リビングのソファーや外のカフェで作業するようなこともあるという藤井さん。とくに奥様が帰宅されてからは、リビングで会話をしながら仕事を進めるようなことも多いという。
そんなときにもXZ6は使い勝手がよい。タブレットモバイルPCと銘打っているとおりその使い勝手はノートPCそのもの。ディスプレイの角度も任意の角度(最大125度)で固定されるので、膝の上に載せての作業といったくつろいだ使い方もできてしまう。また、キーボードのピッチは横19mm、縦16mmでストロークも2mmと十分。従来のノートPCと比べても使い勝手に違和感がない。
こういった使い勝手について、今までタブレットPCを使ったことがないという藤井さんは、とくに違和感も覚えていない様子であったが、タブレットPCというとタブレット部が重くてバランスが悪かったり、キーボード部の薄さゆえの独特のキータッチだったり、少なからずの違和感や慣れが必要なことが一般的。初めてさわっても違和感なく普通に使えてしまうところ。こんなところもXZ6の魅力なのだろう。
今回は一人で営業から設計まであらゆる仕事をこなすということで建築家に使っていただいたが、その仕事の中身を見れば、日々外回りをこなす営業から、設計からプレゼンまで行う開発者、出張など出先での仕事が多い人など、あらゆる働くオトナにとって共感できるファクターが多かったのではないだろうか。
さらに、自宅とオフィスが別々の場合には、キーボード部をそれぞれに用意しておけば、通勤にはタブレットだけを持ち歩くといった使い方もできる。
堅牢性や使い勝手、拡張性をしっかりと確保したレッツノートXZ6は、まさに働くオトナのために作られたタブレットモバイルPCと言えるだろう。
■ パナソニック
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