ニュース

コスパ重視なのに高級感、デル「Dell 14S」の4色を実機でチェック

リネン、ダスティローズ、ウォッシュドデニム、ベルベットグリーンの4色で展開するDell 14S

 デル・テクノロジーズは10月22日、4色のカラバリを揃えたコスパ重視のノートPC「Dell 14S(DS14270、以下Dell 14Sと表記)」シリーズの国内向け製品発表会を開催した。このうち、メモリ16GBモデルについては、同日より販売を開始しており、8GBモデルについては11月下旬以降の発売を予定している。

 Dell 14Sシリーズは9月に発表された学生や若年層をターゲットとしたノートPCシリーズ。CPUにはCoreシリーズ3を採用するのが特徴で、直販価格は、CPUにCore 5 320、メモリ容量16GB、ストレージ容量256GBの最小構成時で19万4,800円。11月1日までは新製品発売キャンペーンが行なわれており、4万5,000円引きとなる14万9,800円で販売されている。

 メモリ容量8GBモデルについては現段階で価格は未定だが、16GBモデルと比べると3万円ほど安くなる予定とコメントしており、現在の価格と照らし合わせると16万円前後になるものと思われる。

 発表会では、同社の日本市場におけるコンシューマ戦略についての説明や、新製品となるDell 14Sシリーズの特長やハイエンドモデルの「XPS 13」シリーズとの比較、インテルの最新プロセッサ技術、パートナー企業によるNPU活用事例などについてプレゼンテーションが行なわれた。

 本稿では発表会の内容を中心に、実際の実機写真などを交えた感触などについて紹介したい。

11月1日まではすべてのDell 14Sが4万5,000円引きで販売される
同社のポイント制度「Dell Rewards」のポイントが通常の購入時ポイント付与に加えて5,000ポイント追加でプレゼントされる。「Dell Rewards」の仕組みもアップデートされており、以前は1,500円単位でしか使えなかったポイントが1円単位から使えるようになったという

日本市場のニーズを分析して開発されたDell 14S

 発表会冒頭には、デル・テクノロジーズ執行役員コンシューマー& Eコマース営業統括本部の統括本部長である文 英梅氏が登壇し、日本市場でのコンシューマービジネス戦略を解説した。昨今の物価高により消費者の購買検討プロセスが慎重・長期化する中、新生活や日常使いにおいて「薄型軽量」、「買いやすい価格」、「基本性能」、「長時間バッテリ」が強く求められていると分析。

 これらを踏まえ、文氏はニーズに適合した薄型軽量モデルやAI PCのラインナップ拡充など「日本市場向け製品の強化」と、全国主要量販店との連携強化や店頭でのAI PC体験機会、イベントの拡充といった「販売チャネルの強化・拡大」、そして販売員トレーニングの強化により、製品価値を正確に伝える体制を構築する「店頭・販売員の体験価値向上」の3つの戦略柱を提示した。

 昨年の同社製品は個人および法人を合わせた「AI PC出荷台数」で日本国内1位を獲得しており、今後も日本市場に特化した製品投入で成長を目指すとしている。そんな日本市場のニーズに適合した薄型軽量でスタイリッシュなデザインに加えて、長時間バッテリ動作ながら、一番大事な購入しやすい価格をバランスよく実現したモデルとしてDell 14Sシリーズについて紹介したいとして次につなげた。

デル・テクノロジーズ執行役員、コンシューマー& Eコマース営業統括本部の文英梅統括本部長
市場環境と日本の顧客ニーズについての分析
日本のコンシューマ市場におけるコスパ重視モデルとしてDell 14Sを投入する

 続いて、デル・テクノロジーズのコンシューマー& Eコマース統括本部、アソートメントプランナー兼コンサルタントの松原大氏が登壇し、最新モデルであるDell 14Sについて具体的なコンセプトやスペックについて紹介した。

 松原氏はDell 14Sシリーズのカラーバリエーションについて言及。ビビットな色合いを避け、ライフスタイルに馴染むナチュラルな4色として、リネン、ダスティローズ、ウォッシュドデニム、ベルベットグリーンの4色展開になったとし、これらのカラーバリエーションの違いによる価格差はない点を強調した。

 Dell 14Sシリーズは最薄部12.2mm、最厚部13.5mmの緩やかな傾斜デザインを採用し、約21時間の長時間バッテリ駆動を実現しているとして、薄さとバッテリ駆動時間の両立についてアピール。

 長時間のバッテリ駆動やコストパフォーマンスの高さについては、今回新たに採用するインテルのCoreシリーズ3搭載によるところが大きく、Dell 14SではCore 5/7の2種類が搭載される。メモリ容量は8/16GBのいずれかが選択可能となっているが、搭載する無線機能については、メモリ16GBモデルがWi-Fi 6E/Bluetooth 5.4なのに対して、メモリ8GBモデルについては、Wi-Fi 6/Bluetooth 5.3になるとしており、ここでコストを削減しているとした。

 そのほか、ハイエンドモデルであるXPS 13シリーズとの比較についても言及。アルミ削り出し筐体やフルフラット形状、高解像度タッチパネルを備える「XPS 13」に対し、Dell 14Sはプレス加工のアルミ筐体やタッチパネル非対応とすることで高コスパを実現。

 一方でサイズが大型化したことで、XPS 13シリーズにはないHDMI 1.4映像出力や音声入出力を備え、拡張性が高められている点もDell 14Sの魅力としてアピールした。

デル・テクノロジーズ コンシューマー& Eコマース統括本部、アソートメントプランナー兼コンサルタントの松原大氏
特徴的な4色のカラーバリエーションをアピール
カラバリ以外のDell 14Sの魅力をアピール
ハイエンドモデルの「XPS 13」シリーズとの比較表で機能の違いなど、差別化ポイントを紹介

Coreシリーズ3の省電力性とパフォーマンスの高さをアピール

 ここで、インテルの技術・営業統括本部のIA技術本部部長である太田仁彦氏が登壇。今回のDell 14Sで採用した同社のCPU、Coreシリーズ3のアップデートポイントについての解説が行なわれた。太田氏はインテルの最新半導体製造技術であるIntel 18Aを土台に、CPUやNPU、GPUの各コアを設計することで、優れた省電力性とパフォーマンスを両立させたプロセッサを実現できている点をアピールした。

 Coreシリーズ3については、最大6コアのCPU構成やコンパクトなダイ設計により、メーカー側が基板面積や消費電力を大幅に削減できるフォームファクターを実現できている点を強調。最新プロセスにより、電力効率が15%向上しているほか、面積あたりの使用効率が30%向上しているとした。

 ほかにも2024年初頭に発売した同社CPU「Core 7 150U」と比較してクリエイティブ性能が最大2.1倍、CPUによるAI処理能力が約2.7倍に進化、動画再生で最大18.5時間稼働する省電力性などを紹介した。

 加えて、近年のPCユーザーのライフサイクルが大体5年前後であるとして、5年前の同社CPUである「Core i7-1185G7」とのパフォーマンス比較も紹介し、今回が「またとないアップグレードの機会」だとして、Coreシリーズ3の魅力をアピールした。

インテル 技術・営業統括本部のIA技術本部、太田仁彦部長
Coreシリーズ3について紹介
Coreシリーズ3のラインナップ
上位モデルのCore Ultraシリーズ3との違いについても言及
5年前のCPU「Core i7-1185G7」との性能比較でアップグレードの機会とアピール

 NPUの活用事例としては、ソフトウェアメーカーであるK-kaleidoの代表取締役、安生健一朗氏が登壇。同社が販売する文字起こし、翻訳ソフト「スピーチコネクト」について紹介した。

 本ソフトでは、ローカルのAI処理で文字起こしや翻訳の機能を実現しているが、AI稼働時にGPUを使わず、NPUを利用することでより少ない消費電力でソフトウェアが動作しているという。

 開発時に実際に試してみたところ、GPUを使用する場合と比較して、NPUの利用により、消費電力が8Wから4W程度と約半分に抑えられており、バッテリ負荷を軽減させられるとNPUの省電力動作をアピールした。また、クラウドを介さずに動作するため、文字起こしや翻訳の機能については、月額料金は発生せず、9,800円の買い切りで機能が利用できるとした。

 今後は10月にPC操作から自動で手順書が作成できる「KnowStep」を発売、11月には文字起こしのデータを元に議事録を自動生成する「言の記(コトノキ)」を発売するとしており、安生氏はPCを「皆さんの成長を支える真のパーソナルコンピューターにするためのアプリを作っていきたい」として締めくくった。

K-kaleidoの安生健一朗代表取締役
同社の手掛ける文字起こし、翻訳ソフト「スピーチコネクト」はNPUでAIを稼動させることでバッテリ負荷を軽減する
同社のAIアプリ3製品について紹介

薄型筐体とユニークなカラバリが魅力的

 会場では、4色のカラバリのDell 14Sシリーズの実機が並べて展示されており、軽量化した筐体内部の構造などについても開腹された状態のモックなども展示されていた。

 実機については、側面から見たときの薄さがとにかく印象的な1台だ。端子類は左側面にUSB 3.2 Gen 2 Type-C 2基とHDMI 1.4が並んでおり、右側面には音声入出力のみを備える。

 カラバリについてはリネンは一般的なシルバーに近い色合いで、ダスティローズは名前ほどピンクの色味が強調されていないため、ビジネスや学校などでも違和感なく利用できそうな環境に溶け込む色合いとなっていた。ウォッシュドデニムについても同様で淡いブルーの落ち着いた色味だ。

 4色の中で最も派手に感じるのは個人的にはベルベットグリーンだった。光の当たる角度によって青色のようにも見える絶妙な色味の緑色に仕上げられており、ユニークなカラーとなっていた。

 キーボードについては、実際の製品では日本語キーボードが搭載されるが、展示機は英語キーボードだったため配列への言及は避ける。なお、電源ボタンがキーボードレイアウトの右端に含まれるタイプとなっているようだ。コスパ重視のモデルながら見た目には高級感が漂う、モノとしての完成度の高さが感じられる1台となっている。

会場では実際に動作しているDell 14Sが展示されていた
横から見るとかなりの薄型筐体となっているのが分かる
左側面にはUSB 3.2 Gen 2 Type-C 2基とHDMI 1.4を搭載
右側面は音声入出力のみでスッキリ
個人的に最も派手な色味に感じられたのはベルベットグリーン
基板などが抜かれて中の作りが確認できるモックも展示されていた