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USB-Cなのに磁石で吸着、Surface Laptop Ultraの新機構
2026年10月8日 17:02
Microsoftは10月7日(米国時間)に、米国カリフォルニア州サンフランシスコ市内の会場で発表会を行ない、同社のSurfaceシリーズの最新製品となる「Surface Laptop Ultra」を発表した。Surface Laptop Ultraは、SoCにNVIDIA RTX Spark(N1X)を採用し、メモリは24GB~128GB、ストレージは512GBないしは1TB(M.2 2280)で、15型PixelSense Ultra(3,270×2,180ドット/120Hz)のディスプレイを採用しており、重量は約2kgとなる。
基本的には6月のCOMPUTEXでRTX Sparkが発表された時にMicrosoftが発売意向表明を行なった時のスペックそのものだが、今回明らかになった新機構もある。それは同社が「マグネット式USB-C」と呼ぶ、マグネットで吸着する方式のUSB Type-C端子とケーブルだ。
NVIDIA RTX Spark N1Xを搭載し、メモリ最大128GB
Surface Laptop Ultraは、SurfaceシリーズのノートPCとしては久々のフラグシップ向け製品になる。過去には「Surface Book」、「Surface Studio」がフラグシップ向け製品として展開されていたが、2023年に発表された「Surface Laptop Studio」を最後に、フラグシップ向けのSurfaceのリリースはなく、メインストリーム向けの「Surface Pro, 13インチ」、「Surface Laptop, 13.8インチ」などの製品のうち、上位モデルがその代わりとなってきた。
今回リリースされたSurface Laptop Ultraは、スペック的にも価格的にもSurface ProやSurface Laptopよりも上位の位置づけだ。
| Surface Laptop Ultra | |
|---|---|
| 形状 | クラムシェル |
| SoC | NVIDIA RTX Spark N1X(CPU 20コア-GPU 6,144コア/CPU 18コア-GPU 5,120コア) |
| メモリ | 128GB/64GB/48GB/32GB/24GB(LPDDR5X) |
| ストレージ | 2TB/1TB(PCIe 5.0)/512GB(PCIe 4.0) |
| ディスプレイ | 15型PixelSense Ultra(3,270×2,180ドット/120Hz)DCI-P3 100% |
| カメラ | Webカメラ(フルHD) |
| 生体認証 | 顔認証 |
| Wi-Fi/Bluetooth | Wi-Fi 7/Bluetooth 5.4 |
| ポート | 本体左: USB4 2基、HDMI 2.1b、音声入出力/本体右: USB4(マグネット)、USB 3.2 Gen 1 Type-A、SDカードスロット |
| バッテリ駆動時間(容量) | 最大15時間/ビデオ再生、最大12時間/Web(92Wh) |
| サイズ | 328.8×238.7×17.99~19.16mm |
| 重量 | 約2kg |
| カラバリ | プラチナム、ナイトフォール |
| OS | Windows 11 Home/Pro(26H1) |
SoCはNVIDIAが提供するRTX Sparkの最初の製品となるN1X(開発コードネーム)が採用されている。このN1Xには、2つのモデルが用意されていることがすでに判明しており、具体的には以下のようになっている。
| N1X上位版 | N1X下位版 | |
|---|---|---|
| CPUコア数 | 20コア | 18コア |
| GPU | Blackwell RTX 6144-core GPU | Blackwell RTX 5120-core GPU |
CPUは20コアモデルと18コアモデルが用意されている。20コアモデルの場合、プライムコアとなるCortex-X925が10コア、高性能コアとなるCortex-A725が10コアという構成だと考えられている(NVIDIAはまだN1Xの詳細を語っていないため、GB10のスペックからの予想となる、念のため)。
プライムコアと呼ばれるシングルスレッド重視のコアが10コア構成なのだから、かなりのモンスター構成といえる。なお、競合となるQualcommのSnapdragon X2シリーズのOryon CPUでは、プライムコアが12コア、高性能コアが6コアで18コア構成なので、プライムコア数では劣るが、高性能コアとコア数の合計では上回る計算になる。
GPUはBlackwell GPUで、CUDAコアと呼ばれる演算器が6,144基ある構成が上位モデル、5,120基ある構成が下位モデルになる。NVIDIAのBlackwellは、GeForce RTX 50シリーズに採用されているNVIDIAのクライアントPC向けのGPUアーキテクチャ。RTX Spark N1Xは1PFLOPS(NVFP4利用時)という性能を発揮し、フロンティアAIモデルをローカルで実行できる性能を備えている。Microsoftによれば120B(1,200億)パラメータまでのフロンティアAIモデルをローカルで実行することが可能だという。
メモリは製品のSKUによって異なっており、128GB/64GB/48GB/32GB/24GBの5つのメモリ構成が用意されている。DRAMはLPDDR5Xで、現時点ではメモリの速度などは明らかにされていない。
ストレージは2TB(ただし現状日本向けには2TBのモデルはない)と1TBのモデルがPCI Express Gen 5接続で、512GBのモデルがPCI Express Gen 4接続で、形状はM.2 2280。最近のSurface製品の通例として、交換可能とされており、裏蓋を外すことで交換することが可能だ。
ディスプレイはMicrosoftが「PixelSense Ultra」と呼んでいる15型 3,270×2,180ドット/120Hzのディスプレイが採用されている。ProやLaptopなど近年のSurface製品と同じ3:2のアスペクト比になっているのが特徴。色域はDCI-P3 100%に対応しており、クリエイター向けともいえる。
なお、筐体のカラバリはプラチナムとナイトフォールになる。前者はSurfaceで一般的に採用されているシルバー系のカラーで、後者はブラック系のカラーとなる。OSはWindows 11 HomeないしはWindows 11 Proで、26H1がプレインストールされていることを実機で確認した。
重量2kgをどう捉えるか
製品のサイズは328.8×238.7×17.99~19.16mmで、重量は約2kg。Microsoftの説明員によれば、1.99kgと2kgをわずかに切る重量だという。モバイルノートとして考えると、米国の基準(1kg台後半でも充分モバイルの範疇)で考えるとちょっと重い程度だが、1kg以下が主流の日本の基準でいうとやや重めの重量だといえる。
その要因は3つある。1つ目は熱設計が強化されていることで、既存のラップトップ製品と比較して2.5倍の熱設計容量を実現しているという。分解モデルで示されたように大型のヒートシンクおよびヒートパイプ、さらには2つの大型ファンを搭載しており、それが重量の増加につながっているといえる。
2つ目は大容量バッテリだ。モバイルノートPCでは、1kgを大きく切るような軽量な製品だと40~50Wh、メインストリーム向けの1kg前後の製品では50~60Wh程度のバッテリが搭載されているのが一般的だ。
しかし、このSurface Laptop Ultraでは公称値92WhとゲーミングノートPCやワークステーションPCに近いバッテリ容量の大容量バッテリが搭載されている。バッテリ容量と重量は比例の関係にあるので、これも重量が増えている要因だと考えられる。
3つ目はAカバー(天板)、Cカバー(キーボード面)、Dカバー(底面)の3面で素材としてアルミニウムを採用していることだ。アルミニウムはCFRP、マグネシウムやカーボンなどに比べて強度を高くしやすいものの、素材の重量としては重くなってしまうという特徴がある。米国で設計されるノートPCは、米国のユーザーがアルミニウムを好むということもあり、そうした設計になっていることが多い。
このあたりは、CFRPやマグネシウム、カーボンなどで軽量に作ることができる日本のPCメーカー(FCCLやDynabook、VAIOなど)がRTX Sparkを採用したPCを近い将来に発売してくれることに期待したいところだ。
ただ、通常こうしたクリエイター向け製品やゲーミングノートPCなどはもっと重い、つまり2kgを超える製品が通例だ。従って、クリエイター向けノートPCやゲーミングノートPCに比べると軽量である、それがSurface Laptop Ultraの妥当な重量の評価だといえるだろう。
ユニークなマグネット式のUSB Type-C端子を採用、一般的なUSB Type-Cのケーブルももちろん使える
今回のSurface Laptop Ultraで初めて採用された機構が、同社が「マグネット式USB-C」と呼んでいる、マグネットで吸着するUSB Type-C端子だ。
今回のSurface Laptop Ultraの右側のUSB Type-C端子は、このマグネット式USB-Cになっており、それに対応したUSB Type-C ACアダプタの「Microsoft Surface 140W USB-C 電源アダプタ」および「Microsoft Surface USB-C マグネット コネクトケーブル」が標準でバンドルされている(オプションとしても販売される)。
Microsoft Surface USB-C マグネット コネクトケーブルは、片側がマグネット式USB-Cに対応したUSB Type-C端子になっており、Surface Laptop Ultraの右側のUSB Type-C端子に近づけると、磁力でコネクタが引き込まれてカチッと固定されるようになっている。ちなみに、Microsoft Surface 140W USB-C 電源アダプタの方も、USB Type-C端子はこのマグネット式USB-Cに対応している。
ただし、Microsoft Surface USB-C マグネット コネクトケーブルは片側だけがマグネット式USB-Cに対応となっているので、ACアダプタ側か、本体側のどちらかしかマグネットで装着することができない。通常は、ACアダプタの方は通常のUSB Type-C端子で挿しっぱなしにして使い、PC側のマグネット式USB-Cを使うことが想定されているとMicrosoftの説明員は述べた。
将来、両端がマグネット式USB-Cに対応したケーブルがMicrosoftないしはサードパーティなどから発売されれば、両方ともマグネットが使える可能性がある。その登場に期待したいところだ。
なお、このマグネット式USB-Cは、マグネット式USB-Cに対応していないケーブルでは、単なる普通のUSB Type-Cの端子として利用することができる。マグネットに対応している以外は、すべてのUSB Type-Cの規定を満たしているということなので、ほかのUSB Type-C機器との互換性は心配ないとのことだった。
なお、各SKUの日本での価格に関しては、以下の記事で詳細に説明しているので、そちらを併せてご参照いただきたい。
Surface RTX Spark Dev Box、5,999ドルで米国のMicrosoft Storeでのみ販売、11月から
今回Microsoftは、6月に開催したBuildで明らかにした、AI開発者向けの開発キット「Surface RTX Spark Dev Box」のスペックや価格も明らかにした。
Surface RTX Spark Dev BoxはN1X 20コアCPU/6,144コアGPU、128GBメモリ、2TBのストレージというスペックのミニPCで、薄型で奥行き方向に長いというデザインになっている。税別価格は5,999ドル(約95万円、1ドル=約158円換算)で、米国のMicrosoft Store限定で11月から販売が開始される予定だ。



























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