AKIBA PC Hotline! HotHot! Review番外編
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Intelが行なったウルトラC的なPentium III 750MHz、800MHzの発表、さらにそれを受けたAMDのAthlon 800MHzの2000年1月の投入アナウンスなどCPU戦争はますます激化の一途をたどっている。今回のAKIBA PC Hotline! HotHot! Reviewでは、IntelのPentium III 800MHzおよび750MHzのサンプルと、AMD提供のAthlon 800MHz評価システムを入手できたので、このベンチマーク結果を掲載する。ただ、通常AKIBA PC Hotline! HotHot! Reviewは秋葉原で販売されているものを利用してそれを評価するというコーナーなので、今回はあくまで参考結果という事にとどめたい。
●AMDも1月にAthlon 800MHzをリリース
既にご存じの通り、Intelは12月20日(日本時間12月21日)にPentium III 800MHzとPentium III 750MHzの2製品を発表した。後藤氏がコラム「Pentium III 800MHzはAMDへの宣戦布告」でも述べているように、この2製品は、AMDが11月にリリースしたAthlon 750MHzに対抗して、実クロックでAthlonが上を行くことは許さないというIntelの強い意思表示の現れと言っていいだろう。これを受けて立つように、AMDは2000年第1四半期にAthlon 800MHzを投入するという。AMDの日本法人によれば、「Athlon 800MHzは2000年1月に投入すると計画しており、同CPUを搭載したシステムもOEMメーカーから同月中に発売される予定になっている。このため、既にAMDではOEMメーカーなどに対してAthlon 800MHzのサンプルを配布している」という現状のようで、少なくとも1月中にはリリースされるということだ。
今回発表されたPentium IIIだが、厳密に言えば3製品ということになる。
なお、以前のネーミングルールでは同じクロックで複数製品がある場合には、0.18μmプロセスルールのコア(つまりCoppermineコアの製品)を採用した製品にはクロックの後に「E」、FSBが133MHzの製品には「B」をつけるというルールになっていた。これに従えば、Pentium III 800MHzはPentium III 800E MHzとなるべきだが、おそらく0.25μmプロセスルールコア(つまりはKatmaiコア)のPentium III 800MHzが存在しないため、こうしたやや変則的な形になったのだろう。
●700MHz時と同じく整数演算のCoppermine、浮動小数点のAthlon
今回はPentium III 750MHz、800MHzを入手してから原稿執筆までの時間が短かったため、残念ながら満足なベンチマークテストを行なうことができなかった。そこで、今回はZiff-Davis,Inc.のWinBench99 Version1.1に含まれるCPUmark99とFPU WinMarkのみを実行することにした。結果は表の通りだ。L2キャッシュの性能が大きく影響すると言われている整数演算性能を計測するCPUmark99では、Pentium III 800EB MHz+Intel 820マザーボード+PC800メモリ(128MB、Direct RDRAM)という組み合わせがトップにたった。これに対して浮動小数点演算性能を計測するFPU WinMarkでは、Athlon 800MHzがPentium III 800EB MHzを上回った。この事からもわかるように、L2キャッシュのオンダイ化により、整数演算で若干のアドバンテージがあるPentium IIIと、浮動小数点でPentium IIIを凌駕するAthlonという傾向は、600MHzや700MHzの時と同様、800MHzになっても続いていると言えるだろう。
今回は時間が限られていたため、満足なテストはできなかったが、実際に秋葉原に製品が登場した時に、再度本格的なテストをしてみたい。
CPUmark99 | FPU WinMark | |
---|---|---|
Pentium III 800EB MHz(RDRAM) | 71.4 | 4,280 |
Pentium III 800EB MHz(SDRAM) | 69.4 | 4,280 |
Pentium III 800MHz(RDRAM) | 69.6 | 4,300 |
Pentium III 750MHz(RDRAM) | 66.1 | 4,030 |
Pentium III 733MHz(RDRAM) | 66.2 | 3,920 |
Pentium III 733MHz(SDRAM) | 66.0 | 3,930 |
Pentium III 700MHz | 62.4 | 3,760 |
Athlon 800MHz | 70.8 | 4,380 |
Athlon 750MHz | 66.6 | 4,060 |
Athlon 700MHz | 65.0 | 3,800 |
【テスト環境】 ★マザーボード Pentium III(Direct RDRAM):AOpen AX6C(Intel 820) Pentium III(SDRAM):SOLTEK Computer SL-67KV(Apollo Pro 133A) Pentium III、Celeron:ABIT Computer BE6(Intel 440BX) Athlon 800~750MHz:GIGA-BYTE GA-7IX Athlon 700MHz:AMD FESTER(AMD-750) Athlon 500~650MHz:MSI MS-6167(AMD-750) K6-2、K6-III:FREEWAY FW-TI5VGF(Apollo MVP3) ★メモリ(容量はいずれも128MB) Pentium III(Direct RDRAM):PC800 Pentium III(SDRAM):PC133 SDRAM Pentium III、Celeron、Athlon、K6-2、K6-III:PC100 SDRAM(Celeronは66MHzで動作) ★ビデオカード カノープス SPECTRA5400 Premium Edition(RIVA TNT2、32MB) ★ハードディスク WesternDigital WDAC14300 ★OS Windows 98 Second Edition 日本語版+DirectX 7.0
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http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/991225/piii750.html
[Text by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]