Age of Empire II:The Age of Kings
SideWinder DualStrike
|
左からMicrosoft、アクション&ストラテジーゲーム担当Stuart Moulder氏 同、ゲームデバイス担当Wolfgang Mack氏 ENSEMBLE STUDIOSのBruce Shelly氏 |
去る3月19日、幕張メッセで開催された「ゲームショウ'99」に合わせて、マイクロソフトからストラテジーゲーム「Age of Empire II:The Age of Kings」、および新型ゲームコントローラ「SideWinder DualStrike(コード名:Zulu)」がお披露目された。「Age of Empire II:The Age of Kings」は、世界中で300万本の大ヒット作となった「Age of Empire」の続編。「SideWinder DualSkrike」は、「Queke」や「Tomb Raider」などの3Dアクションゲームを強く意識した、新しいコンセプトのゲームコントローラだ。
幕張プリンスホテルで行なわれた正式な発表会の後、別席にて「Age of Empire II:The Age of Kings」の開発に携わったENSEMBLE STUDIOS社シニアデザイナーのBruce Shelly氏、米Microsoft社アクション&ストラテジーゲーム担当のStuart Moulder氏、「SideWinder DualStrike」の開発に携わった米Microsoft社ゲームデバイス担当のWolfgang Mack氏の3名にお話をうかがった。
■ローマ帝国崩壊後の時代を描いた「Age of Empire II:The Age of Kings」
Shelly まず、時代設定が大きく変わりました。最初の作品「Age of Empire」は、石器時代から鉄器時代まで。拡張パック「The Rise of Rome」ではローマ時代の興亡を描きましたが、今回発売する「Age of Empire II:The Age of Kings(以下AoE2)」はローマ帝国が滅亡した西暦500年から始まり、西暦1500年ぐらいまでを扱っています。暗黒時代のヨーロッパが舞台というわけですね。
登場する部族の数も増えました。ゲルマン族、モンゴル族、日本民族、フランク族など全部で13の部族が争い、それぞれが独自の建造物や軍隊、技術を持っています。
戦略面、戦術面は、どう変わったのでしょうか?
Shelly もちろん改良されています。この時代になると戦い方も大きく変わりましたから、「AoE2」でも軍の編成やフォーメーション、巨大な要塞の建設や築城ができるようにしました。特に軍の編成について細かく指示できるようになり、矩形陣形やくさび形陣形など、臨機応変に形を変えて戦うことができます。
ユニットの種類も増えました。強力な破壊力を持つ投石器や火砲が使えるだけでなく、弓兵や歩兵ユニットのバリエーションも多くなっています。護衛兵や偵察兵、追跡兵など、特別な役割を果たすユニットも作れるようになりました。
Moulder 国を発展させ、富を貯えるために、貿易という概念も追加されています。同盟国と貿易することによって、自国では生産できない品物を手に入れたり、金(Gold)を貯えて経済的な発展を遂げることもできます。経済が発展すれば農業が盛んになったり技術も進歩しやすくなるので、貿易は戦略上とても重要になるでしょう。
品物の値段は市場経済の原理で動くため、同じものを大量に売れば値が下がり、大量に買えば値が上がることもあります。
グラフィックも、ずいぶん良くなったようですね。
Moulder もちろんです。「AoE2」では、アートワークにずいぶん力を入れました。城や要塞のデザイン、各ユニットの動きなども一新しています。サウンドエフェクトも、一度聴いていただければ、その素晴らしさがおわかりいただけるはずです。
しかし、こうして盛り込まれる要素が増えたぶん、ゲームが難しくなっているのではないでしょうか? 前作を遊んでいないプレーヤーでも、十分楽しめますか?
Shelly その点は心配ありません。選べる戦略や戦術は複雑でも、操作が簡単というのが、このゲームの最大の特長だからです。たとえば、現在の状況に合わせてマウスポインタの形が変わり、選べるコマンドがすぐにわかるようなシステムを採用しました。プレイヤーがやりたいこと、したいことをシステムが理解し、簡単に命令できるようになっているのです。
また「AoE2」はチュートリアルモードを強化し、初めて遊ぶ人でも少しずつ学びながら先へ進めるよう配慮しました。
Moulder 「AoE2」はとても奥の深いゲームですが、決して難しくはありません。操作は簡単ですし、コマンドも楽に指示できます。1プレイに掛かる時間も、1時間~2時間程度。他のストラテジーゲームのように、長い時間が必要なわけではありません。どんな人でも、最初の15分で「おもしろい」と感じてもらうことができるゲームです。
Shelly そうですね、まず使えるユニットが違います。各部族固有の建築物や歩兵、騎兵、弓兵がありますから、戦い方にも自ずから変化が生まれるでしょう。単に攻撃力や防御力が違うだけでなく、志気や編成も違うので、いろいろ楽しめるはずですよ。こうした建築物やユニットの違いは、歴史的な事実や史書をベースに研究しました。
しかしそれだけではゲームになりませんから、全体にバランスよく調整し、ある程度の味つけもしてあります。
しかし、部族によって有利・不利といった差があるとも思うのですが……
Shelly このゲームでは、絶対的に強い部族というものはありません。もちろん、ある部族が特定の部族に対して有利・不利ということはありますが、無敵の部族は無いのです。ジャンケンのように、互いに相克関係にあると思って頂ければいいでしょう。選んだ部族によって戦い方は変わりますが、有利・不利とはまた別の話です。
私の先祖はスコットランドの出身なので、私自身はイギリスを選ぶことが多いのですが、ときどき他の部族を選んでプレイします。そのほうが、もっと楽しめるからです。
今回新たに改良されたAI(コンピュータ側の思考)について、具体的に教えてください。
Shelly 「AoE2」ではコンピュータ側の思考が前作よりも大幅に強化され、ずっと手強くなりました。どの武器を使ってどのように戦うか、どのような部隊編成を行ない、どのように砦を造るか。こうした点が、部族ごとに細かく設定されています。一人でプレイしていても、対戦のような緊張感を味わえるはずです。
さらにおもしろいのは、このAIをプレーヤーが自分の手で書き換えることができる、ということです。キャンペーンエディタを使ってパラメータを変更することによって、AIの戦略や戦術を変えることができるだけでなく、プレイヤー同士が互いに自分が作ったAIを戦わせるといった遊び方もできるようになりました。
ShellyさんとMoulderさんは、「AoE2」の魅力はどこにあるとお考えですか?
Shelly 第一に、リアルワールド(現実世界)をベースにしているところでしょう。壮大な歴史を自分の手で創ることができる。そこが、このゲームのおもしろさだと思っています。そしてユニットの数が多く、様々な戦術を試せるという点でしょうか。戦い方のバリエーションが豊富ということですね。
Moulder アートワークの美しさも、忘れることはできません。建築物の美しさとリアリティ、各ユニットの動きなど、他のゲームには無い魅力です。あとは、操作が簡単でシンプルな点でしょうか。とにかく、遊びやすいということ。私の友人の子供は6歳でプレイしていますが、本当に子供でもすぐに遊べてしまうところが、このゲームのよさだと思っています。
発売はいつになりますか?
Moulder アメリカでは今年の秋、日本では年内いっぱいを予定しています。
■新型ゲームコントローラ「SideWinder DualStrike」
Moulder 「SideWinder DualStrike」は、中心部から右と左がねじれるだけでなく、右側部分が開くようになっています。このように稼働部分が2つもある独特の形状にしたのは、「Queke」や「Tomb Raider」のような3Dアクションゲームを遊びやすくするためです。
コントローラをねじることによって、あたかも首を振るように視点の上下を切り替え、左右に開くことによって体の向きを変えることができます。これによって死角を減らし、素早い発見と照準あわせを可能にしました。
各ボタンの役割について、教えてください。
Moulder 「Quake II」での基本的な設定についてお話しましょう。コントローラを握ると、左手親指の十字キーでキャラクタの移動、右手の人差し指で銃のトリガー。このあたりは、他のコントローラと同じですね。「SideWinder DualStrike」の場合はさらに、右手の親指部分にある4つのボタンを使ってジャンプと「屈む」ができます。またコントローラを握ったままねじれば、移動することなく視点を自由に移動させることができるのです。
どうです、キーボードとマウスを使った操作よりずっと直感的だし、楽に扱えるでしょう?
なるほど。握りやすく、ボタンの配置もいいですね。
Moulder 操作については、「Doom」や「Quake」のスタープレイヤーとして知られるSandy Petersen氏の協力とアドバイスを受けています。試作とテストプレイを何度も繰り返し、ようやくこのデザインに決まりました。
日本国内での発売はいつごろになるでしょう?
Moulder 今年の秋を予定しています。
Mack 現在、発売に向けて開発を続けています。具体的な時期についてはまだなんともいえませんが、「まもなく」とだけ申し上げておきます。
現在のラインアップはジョイスティックとパッドが中心ですが、もっと他の形のもの、たとえば拳銃型のコントローラなどを発売する予定はありませんか?
Mack ありません。我々は、ゲームを一種のファンタジーと考えています。ジョイスティックはともかく、リアルに兵器や武器を感じさせる製品を作るつもりはありませんし、その姿勢は今後も変わらないでしょう。現在発売しているSideWinder FreeStyle Proで銃に近い操作感を得られると思います。
「SideWinder Game Controller Software」は現在バージョン3.02がリリースされていますが、次のバージョン4.0はどのように変わるのですか?
Mack 見た目はそれほど大きな変化はないはずです。しかし、よりマクロの自由度が高まるはずですし、機能の切り替えなどが使いやすくなるでしょう。
わかりました。本日はおもしろいお話をありがとうございました。「Age of Empire II:The Age of Kings」、そして「SideWinder DualStrike」の発売を楽しみにしています。
|
今回、Bruce Shelly氏のサイン入りTシャツを2枚もゲットしましたので読者のみなさまにプレゼントしたいと思います。んが、タダではもったいのうございますので、作文「オレとAge of Empire」もしくは、「オレ流Age of Empire II」「オレとMicrosoftゲームズ」などをしたためてきた方のみプレゼントの参加権を得ると言うことにしたいと思います。ということで、ドシドシ応募がくるかどうか楽しみです。もち、全部読んでいますので、「本当に読んでいるのですか」とか書かなくても担当者的にはOKです。 プレゼントの応募は締め切らせていただきました。 【応募方法】
応募締切 :3月29日 12:00(正午)到着分まで ご希望の方は、Subjectを、 [GAMES] とし、本文に“「サイン入りTシャツ」ぜってぇ希望”と明記してください。
本文には、送付先ご住所(勤務先でもけっこうです。宅配便の受け取れるところにしてください)、お名前、お電話番号をご記入ください。
|
Interviewer、Text by 駒沢丈治
Interview Date at '99/3/19
(C)1998 Microsoft Corporation. All rights reserved.
インプレッションや記事に関するご意見・ご感想、とりあげて欲しいゲームソフトや企画などは、pc-watch-info@impress.co.jpまでお寄せください。