ソニー株式会社とPhilips Electronics N.V.は、次世代のデジタルオーディオフォーマット「スーパーオーディオCD」の最終規格が確定したと発表した。仕様書「スカーレットブック バージョン1.0」は、今月にもライセンシー各社に配布される。対応製品の発売は、国内が夏商戦前、欧州・米国が秋頃を目標としており、年内に登場すると見られるDVD-Audioと市場で争うことになる。
スーパーオーディオCD(Super Audio Compact Disc:SACD)は、2層構造の12cmディスク。高音質な高密度記録層と、現在のCDと互換性のある記録層を両方備えるため、現状のCDプレーヤーでも再生できるのが特徴となっている。2層両方を高密度記録層にしたディスクや、1層のみのディスクも規格化されており、用途に合わせて使い分けができるという。
高音質な高密度記録層の記録時間はCDと同じ74分で、最大6チャンネルまで利用できる。CDの約7倍の記録密度を持ち、DSD(Direct Stream Digital)録音方式と呼ばれるフォーマットを採用する。DSDは、1ビット信号をサンプリング周波数2.8224MHzで記録し、理論的には120dB以上のダイナミックレンジ、100kHzの周波数応答を実現する。1ビットデルタ・シグマ変調型A/Dコンバータの出力信号をそのまま記録するため、「従来のCDのように、ダウンサンプリングや補間フィルタを必要とせず、より原音に近い再生ができる」という。
また、不可視情報の電子透かし(デジタル・ウォーター・マーク)が採用されており、複製が困難となっている。表面にコピーできない可視画像の「透かし」を埋め込むオプションも用意され、不正コピーされたディスクとの判別も容易に行なえる。
□ソニーのホームページ
(3月8日現在、この情報は掲載されていない)
http://www.sony.co.jp/index-j.html
□Philipsのホームページ
(3月8日現在、この情報は掲載されていない)
http://www.philips.com/
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【2月10日】DVD-Audioのフォーマットが確定、対応製品は年内に発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990210/dvd.htm
('99年3月8日)
[Reported by shiina@impress.co.jp]