会場:有明 東京国際展示場(東京ビッグサイト)東1~5ホール
東京国際展示場(東京ビッグサイト)で10日、「COM JAPAN 1998」が開幕した。基本的には情報通信関連をメインとしたイベントとなっている。しかし、直前にPC本体の新製品が各社から発表されたこともあり、今回は一般市場向けの注目製品も多く出品されている。
■PC本体の新製品が勢揃い
各PCメーカーがノートPCのモデルチェンジを行なったため、それぞれ新製品を出品。ノートPC、デスクトップPCともにかなり充実した展示となっている。
三菱は9日に発表した、元祖A4スリムノートPCともいえる「Pedion」のキーボード改良モデル「Pedion EM model 70」の実機を展示。前のモデルも用意されているので厚みや、キータッチの違いを比較でき、普通のキーボードになったことが確認できた。また、同時に発表となったA5ノートPCの新モデル「AMiTY CN model S」も実機が用意され、その特徴であるシルバーとブラックのツートンカラーの筐体を見ることができる。
キーボードが一般的なものに変更された。 | 左側に新Pedion。右側に前モデルを並べたところ。厚みが増しているのがわかる。 |
AMiTY CN model Sではカラーリングが変更され、シルバーとブラックのツートンカラーとなった。 |
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981110/mitubisi.htm
●松下電器、Let's note新シリーズ
9日発表のノートPC「Let's note」の新製品全モデルを出品。ただし、B5ファイルサイズでCD-ROMドライブを内蔵した「ace/A44」のみがアクリル越しの展示となった。係員によれば「まだ、エンジニアリングサンプル」とのこと。それ以外のモデルは実機が用意されており、立ち止まって実際に操作感を試す人が多かった。
【Let's note/S22】 |
【Let's note/S51】 |
【Let's note ace/A44】 |
●日立、B5スリムノートPCのスケルトンモデルを展示
日立でも企業向けではあるが9日に発表となった新製品、B5スリムの「FLORA 220」と、A4オールインワン「FLORA 270EX」が展示されている。特に220は多数の実機が用意されているほか、緑色透明のスケルトンモデルも出品するなど力が入っている。スケルトンモデルはアクリルのケースの中に入れられ、触ることはできないが、一見の価値はある。なお製品化については「その質問はたくさんされたが、今のところ予定はない。しかし、要望が多ければ検討したい」としている。
□製品情報
http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/OSD/pc/flora200/flora200.htm
●富士通、新ノートとデスクトップ
富士通では10月28日に一新した「BIBLOシリーズ」を展示して人を集めていた。特にA5コンパクト「FMV-BIBLO MCVIII23」では、タッチパネルとなった液晶の操作性と、その映りを確かめる人が多かった。実際に見た感じでは、周りの照明が明るいためか、画質に問題は感じなかった。また、デスクトップでは、メタリックな筐体色のコンパクトモデルが目立っていた。
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●東芝、DoCoMoブランドのUSB対応Libretto 70
東芝は主催者特別企画展示に参加。ブースは離れているがオールインワンA4ノートPC「DynaBook Satellite 2510シリーズ」と、DoCoMoが発売している「Libretto モバイルパック III」の展示を行なっている。
モバイル パック IIIは、「Libretto 70」のDoCoMo版で、CPUはMMX Pentium 133MHz、HDD 2.1GB搭載。携帯電話接続用PCカード、大容量バッテリなどが付属する。ハードウェア上の最大の特徴は、標準添付のI/OアダプタにUSBポートが搭載されていること。これに伴って添付のFDDが、USB接続のものに変更された。なお、このFDDからの起動はできない。
【DynaBook Satellite 2510】 |
【モバイルパック III】 |
●NEC、液晶と一体のボックスレス型PC
NECのブースで注目されるのは、ボックスレス型のデスクトップのPC。CD-ROMドライブを内蔵した本体から液晶ディスプレイが生えているような筐体はかなり目を引く。また、筐体色もスタイリッシュグレー採用モデルがラインナップされ注目を集めていた。
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■周辺機器も充実
本体以外でも、周辺機器の出品はかなり充実していた。その中で注目されるのは、5日にソニーと富士通が共同開発を発表したばかりの1.3GB容量の3.5インチMOだ。現行の3.5インチMOと互換性のある規格で、ドライブとメディアを富士通が参考出品している。PCに接続してのデモも行なっているので、実際に動作を見ることができる。発売時期や価格の詳細は未定としているが、'99年春頃の製品化を目指しているという。
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●カシオ
カシオは、9日に発表したポケットサイズのスキャナ「FZ-700S」とプリンタ「FZ-500P」を出品している。「WORLD PC EXPO98」で既に参考出品されていたが、今回は新製品として展示されている。実際にスキャンやプリントアウトを試すことができ、PC上でスキャンした画像を見る限り画質は良好だ。
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●松下
そのほかに注目されるのは、松下のUSB接続の小型CCDカメラ。OEM向けの箱形と輸出専用の卵形の2種類が用意されている。国内のコンシューマ向けとしては、卵形が'99年第2四半期に発売の予定があり、価格は3万円弱を予定。解像度は640×480ドット、画質は展示されているデモを見る限りでは、かなりジャギーが目立っていた。
●三井物産マシナリー
また、ノートPCや、PCカードスロットを搭載したデジタルカメラのユーザーにとって気になる製品を三井物産マシナリーが展示している。Calluna Technology製のType2の260MB容量HDDだ。'99年3月に量産出荷が開始され、価格は5万円弱としている。220MBのフラッシュメモリ PCカードが10万円台後半であることを考えると、そのコストパフォーマンスは高い。
●日立超LSIシステムズ
PCの周辺機器というわけではないが面白いのが、日立超LSIシステムズが出品している「Card Engine」だ。9日に発表したばかりのテレホンカードより小さいWindows CE 2.0に対応したモジュールで、CPUにSH-3 80MHzを搭載。LCD、タッチパネル、10Base-T、PCカードなど必要なインターフェイスをほとんど備えるほか、サウンド出力機能も搭載している。また、モジュールの横には、これの使用例として640×480ドットタッチパネル液晶を備えたWindows CE 2.0機も展示されている。
□「Card Engine」のニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/9811/1109a.html
('98年11月10日)
[Reported by furukawa@impress.co.jp]