【ソフト】 |
いよいよワールドカップ開幕。世間はサッカー一色に染まっているけれど、この巨大な波はゲームの世界にも大きく及んでいるようだ。この春発売されたサッカーのゲームが、いったいどれだけになるか数えてみるといい。パソコンとコンシューマ(家庭用ゲーム機)をあわせると、両手でも足りないほどのタイトルが登場しているはずだ。この春のゲームシーンを語るのに避けて通ることのできないこのジャンル。そこで、今回はWindows 95用ソフト「FIFA:ROAD TO WORLD CUP 98」(エレクトロニック・アーツ)、「ワールドリーグサッカー」(東芝EMI)、「Ubiワールドサッカー」(ユービーアイソフト)の3本を紹介することにしよう。「サッカーのゲームなんてどれでもそう変わりはないだろう」と思われるかもしれないが、それぞれに特色があって、意外とあなどれない。まずはご一読のほどを。
■国際サッカー連盟公認の本格派サッカーゲーム
プレイモードは5つ。任意の2チームで1戦のみのエキシビジョンマッチを行なう「フレンドリーマッチ」、ワールドカップの地区予選から本戦までを忠実にシミュレートする「Road to World Cup 98」、全世界189のクラブチームから選んだ11のリーグでシーズンを戦う「リーグ」、それに「トレーニング」と「PKマッチ」だ。モデムやLANを介して、最大20人までが同時にプレイすることも可能(ただし日本語版はサポート対象外)なので、多人数での対戦プレイを楽しむこともできる。
実況にはサッカージャーナリストの小谷泰介氏、解説には金田喜稔氏を迎えている。さすがに実際の実況とは勝手が違ったようで、多少棒読み的な部分もあるけれど、その内容の多彩さには驚かされる。また、ハーフタイムには前半のプレイを分析し、的確に解説を加えてくれるので、後半のプレイへの参考にすることができるはずだ。
今回紹介している3本の中では最も使用ボタン数が多く、キーボードでのプレイは慣れが必要なのが唯一の欠点。前述のMicrosoft Sidewinder Game Padを使用すればキーボードを併用せずにすべての操作ができるので、快適なプレイには必須だ。
□エレクトロニック・アーツ株式会社のホームページ
~「FIFA:ROAD TO WORLD CUP 98」
FIFA:ROAD TO WORLD CUP 98
RAM : 16MB以上
HDD : 20MB以上(100MB以上推奨)
CD-ROMドライブ : 4倍速以上
DirectX 5.0以上
http://www.japan.ea.com/
□FIFA:ROAD TO WORLD CUP 98のホームページ(和文)
http://www.japan.ea.com/archive/rtwc/findex.html
□Electronic Artsのホームページ(英文)
http://www.ea.com/
□FIFA:ROAD TO WORLD CUP 98のホームページ(英文)
http://www.easports.com/99/wc98/index.html
□FIFA:ROAD TO WORLD CUP 98デモ版ダウンロードサイト(和文)
http://www.japan.ea.com/archive/rtwc/dwnld.html
ワールドリーグサッカー
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また、今回は実況放送も追加されている。残念ながら実況はすべて英語だけれど、雰囲気は十分に味わうことができるし、プレイに専念できるという意味ではこちらの方がいいかもしれない。
秀逸なのがリプレイ画面。ゴールを決めたときのリプレイは多くのゲームが採用しているけれど、カメラアングルの多彩さ(しかもさまざまなアングルからくり返し見せてくれる)や、ゲーム終了後のハイライトリプレイ、ボールの軌跡を見せてくれたりと、徹底的に凝った作りになっている。
プレイモードは6つで、それぞれ「フレンドリー」「リーグ」「カップ(トーナメント戦)」「プラクティス」「マルチプレイヤー」「シナリオモード」。シナリオモードを搭載しているのは3本の中ではこれだけで、さまざまな状況で危機に立たされた味方チームを勝利に導くことが求められる。
ただし、戦略的なサッカーを楽しむには多少不向きで、ゴール付近までボールを運んで即シュート、という展開になりやすい。CPUも、ペナルティエリアに入るやすぐにシュートをうつことが多く、プレイが単調になりやすい。チームのフォーメーションや戦術スタイルなども設定できるようにはなっているが、その違いをプレイ中に体感しづらいのが残念なところだ。スピーディゆえに粗っぽく、3Dエンジンの優秀さが逆にアダになったという印象を受けた。ただし、アクションゲームとしてのサッカーとしてとらえた場合にはかなり快適にプレイすることができるので、この辺りはどちらを好むかという問題になりそうだ。
□東芝EMIのホームページ
http://www.toshiba-emi.co.jp/
□東芝EMIのCD-ROM関連プロダクトのページ
http://www.toshiba-emi.co.jp/hiscore/index_j.htm
□「ワールドリーグサッカー」の製品情報(東芝EMI)
http://www.toshiba-emi.co.jp/hiscore/index/pc/others/soccer.htm
□ココナッツジャパンエンターテイメントのホームページ
http://www.coconuts.co.jp/
□Gremlin Interactiveのホームページ(英文)
http://www.gremlin.co.uk/
□「Actua Soccer 2」の製品情報(英文)
http://www.gremlin.co.uk/games/actuasoccer2/news.html
■フットサルまで対応したオーソドックスなサッカーゲーム
~「Ubiワールドサッカー」
Ubiワールドサッカー
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このゲームの大きな特徴は、オプション設定で屋内競技のフットサルがプレイできること。屋内なのでフィールドは狭く、チーム人数も少ない。また、ペナルティエリアもないし、周囲が壁なのでスローインやコーナーキック、ゴールキックなどの概念もない。アイスホッケーのように周囲の壁にバウンドさせての作戦を取ることができるなど、一見サッカーと同じように見えてもプレイ感覚はまったく異なっている。フットサルのゲームは普段なかなかお目にかかれないだけに、このソフトの存在は貴重だといえるだろう。
プレイモードは「フレンドリー」「リーグ」「カップ」「トーナメント」「トレーニング」の5つ。「トーナメント」はCPUを交えず、3~8人のプレイヤーが参加してのトーナメント戦を行なう。それぞれのプレイモードでサッカーとフットサルをプレイできるので、実際のプレイモードは10ということになるだろう。気軽に楽しめる割には遊びがいのあるソフト、という感じだ。問題があるとすれば、ソフト自体は英語版なので、表記も実況も英語で行なわれること。もっとも、日本語のマニュアルはついているし、プレイ中は英語を読む必要もないので、そう大きな障害にはならないはずだ。
□ユービーアイソフトのホームページ
http://www.ubisoft.co.jp/
□「Ubiワールドサッカー」の製品情報(和文)
http://www.ubisoft.co.jp/actualite/jeux/foot/foot.html
□Ubi Softwareのホームページ(英文)
http://www.ubisoft.com/
■最新技術の応用でよりリアルなサッカーゲームへ
以上、3本のソフトをプレイしてみた。それぞれに特色の異なるゲームなので一概に比較することはできないが、あえて選ぶなら、やはり「FIFA:ROAD TO WORLD CUP 98」が一歩抜きんでているというところだろう。ワールドカップの雰囲気をじっくりと味わいたいなら「FIFA~」、スピーディなゲーム展開を求めるなら「ワールドリーグサッカー」、気軽にプレイしたい、またはフットサルに興味があるなら「Ubiワールドサッカー」をチョイスするといいと思う。プレイに求められるマシンスペックも、この順に軽くなっていくので、ハイスペックなマシンなら「FIFA~」、ポテンシャルに自信がなければ「Ubi~」という風に選んでいくのもいいかもしれない。
それにしてもゲームの世界は日進月歩。ある意味ではコンピュータ技術の最先端をいくゲームの世界だけれど、ついこの前までは実況を行なうソフトなんてごく一部だと思っていたのに、今では当たり前。3Dの技術も向上して、モーションキャプチャーで選手の動きもリアルだし、CPUのアルゴリズムも格段に向上している。ただボールを蹴るだけだったサッカーのゲームは、戦略性を重視し、チームのコンディションにも気を配る必要が出てきた。小学生のサッカーが高校生レベル、Jリーグ、ワールドカップへと成長するように、ゲームも大きな成長をとげていると言っても過言ではないだろう。