【ソフト】 |
|
★ ゲームソフトインプレッション ★
トゥームレイダー2
- ジャンル:アクションアドベンチャー
- 発売メーカー:ビクター インタラクティブ ソフトウエア(ゲーム制作:CORE DESIGN)
- 標準価格:7,800円
- 対応OS:Windows 95
- 発売中
|
【ゲームの内容】
女性探検家のレイラ・クロフトが、トラップだらけの秘境を舞台に大冒険を繰り広げるアクションアドベンチャーゲーム。「トゥームレイダー」の世界は、完全に3Dで作り込まれており、高い所から飛び降りれば死ぬし、自分の背丈の2倍の高さともなれば飛び移れない。
今回の物語は、不老不死の鍵を握ると言われる伝説の秘宝「サイアンの剣」をめぐってカルト宗教団との秘宝の奪い合いが描かれる。
ちなみにこのパソコン版は海外版同様のバージョンなので若干難易度があがっている。
【動作環境】
- CPU:Pentium 90MHz以上(Pentium 133MHz以上推奨)
- RAM:16MB以上(32MB以上推奨)
- CD-ROMドライブ:4倍速以上
|
■ビクター インタラクティブ ソフトウエアのホームページ
http://www.jvc-victor.co.jp/studio/vis/index.html
■「トゥームレイダー2」プレイステーション版のページ
http://www.jvc-victor.co.jp/studio/vis/game/tomb/tombtop.htm
■CORE DESIGNのホームページ(英文)
http://www.core-design.com/
■「TOMB RAIDER II」のページ(英文)
http://www.core-design.com/tomb2/tomb2.htm
■海外における「TOMB RAIDER II」のパブリッシャー、EIDOS INTERACTIVEのホームページ(英文)
http://www.eidosinteractive.com/
■EIDOS INTERACTIVEの「TOMB RAIDER II」ページ(英文)
http://www.tombraider.com/
■「TOMB RAIDER」関連のデモ版、Patchダウンロードページ(英文)
http://www.eidosinteractive.com/tombraider/demopctr2.html
http://www.eidosinteractive.com/tombraider/demopctr.html
■Weekend Summary【'97/12/4版】:
期待の新作「Tomb Raider II」遂に発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971204/game.htm
●あの「トゥームレイダー」が帰ってきた!
このコーナーでもすでに何度も吠えているのでご存じの方も多数おられることと思うが、筆者(山城)が昨年、最も愛してやまなかったゲームタイトルが「トゥームレイダー」。パソコン版のリリース以来、寝食を惜しんでプレイし続け、後にリリースされたセガサターン版・プレイステーション版にも手をつけたくらいお気に入りのアクションゲームだ。このゲームは全世界的にユーザーを獲得することに成功し、全プラットフォームを合計すると300万本以上のセールスを達成したビッグタイトルでもある。海外では2丁拳銃で敵と渡り合い、数多の罠をかいくぐり、遺跡の謎を解き明かす主人公の女冒険家レイラ・クロフトに人気が集まり、今ではマリオやソニックと肩を並べる存在になっているというのは日本人的な感覚からは理解しづらい部分もあるけれど、これもまた事実。となれば、続編の登場に期待が高まるのもまた、必然というものだ。そして、この期待に応える形で登場したのが今回紹介する「トゥームレイダー2」だ。前作からちょうど1年。さっそく、期待の新作をひもといてみることにしよう。
|
|
|
基本的には敵に対して的が合うシステムになっている。敵が現われれば撃つだけだ |
トラップ、トラップ、またトラップ! 休む暇なし。休めるのはGameOverの瞬間だけ |
自分は動くことなくまわりをぐるりと見渡すことができる。実はこれが重要なテク |
まず、ご存じない方のために「トゥームレイダー」というゲームのことに軽く触れておくことにしよう。このゲームは3Dのアクションゲーム。「DOOM」のように自分の姿の見えない自己視点型ではなく任天堂がニンテンドウ64でだしているアクションゲーム「マリオ64」のように主人公の姿をカメラが追う外部視点型で、主人公レイラの走る・跳ぶ・泳ぐ・撃つといった多彩なアクションを楽しむことができる。タイトルからも想像できるとおり、舞台になるのはインカ・ギリシャ・ローマ・エジプトといった世界各地の遺跡。“未知の力を秘めた秘宝”を求めて、これらの遺跡の中を探索していくわけだ。遺跡の中には侵入者を拒むさまざまなトラップが待ち構えているほか、狂暴な生物も徘徊している。これらを避け、解除し、倒しながら遺跡の深部へと進んでいくのが、このゲームの最大の醍醐味になる。実在の遺跡の写真をテクスチャに使用しているので雰囲気もばっちり。さらにカメラワークが絶妙で、遺跡の持つ重圧感や空間の広がりを実感させてくれる。自由度も高い、上質なアクションゲームだ。
|
割れ目を伝って普通では行けない場所へ行くことができる。注意深くまわりを見渡そう
|
そしてこの「トゥームレイダー2」。ゲームを始めて最初に気づくのは、驚くほどきれいになった画面だろう。前作でも表現は十分だと思っていたのだけれど、これを見てしまうと考え直さざるを得ない。キャラクタの表現がより細かくなったこともさることながら、特筆すべきは光の表現。水に反射する光、断崖の隙間に差し込む光、暗闇にゆらめく松明の光、そして、銃を撃つ時の一瞬の閃光……。さまざまな光の表現が、今まで以上の臨場感を与えてくれる。もちろん、レイラの多彩なアクションもそのまま。いや、それ以上にスムーズに、多彩になっている。前作と見比べることで、この1年間のハード、ソフト両面の進歩を実感できることだろう。
●今回はカルト教団が相手だ
|
|
前作でも登場したT-REX。とにかくデカイ。地響きを立てて登場する。 |
今作では新たにサメが登場する。なかなかでかくて狂暴だ。ガブリと一噛みで死亡 |
今回舞台となるのは、中国・ベニス・海中・チベット。自らの心臓に突き立てることでドラゴンの強大な魔力を得ることができるという伝説を持つ「サイアンの短剣」を追い求めるレイラと、同じくこの短剣を求めるイタリアのカルト教団がストーリーの主軸となる。そのため、サイアンの短剣が眠るといわれる万里の長城や、迷路のように入り組んだ水路、難破船、チベット寺院など、どちらかといえばアジア系の、前作とはまた少し変わった趣のステージが用意されている。ガラス窓を破って部屋の中に飛び込むなどのアクションは、前作にはないハデなものになったし、新アクションとして壁やハシゴをよじ昇るという動作も追加されている。
|
|
はしごを上っている所。はしごだけでなく壁などを登るシーンもある。上れるか上れないかの判別がちょっと難しい |
これが金の彫像。ここは本当は暗くて見えないのだが、トーチをつけて明るくしたところ。 |
海中ステージでは水中銃を使ってのサメやバラクーダ(カマス)などとの戦闘もある。こうした水中戦も、前作にはなかった要素だ。また、モーターボートやスノーモービルなどの乗り物が新たにフィーチャーされた。モーターボートで大ジャンプしたり、スノーモービルで敵を跳ね飛ばしたりと、ゲーム面でも新鮮な感覚を味わうことができるはずだ。
前作でプレイヤーを悩ませ、かつのめり込ませた要素のひとつに“隠し部屋の発見”がある。各ステージにはスタート地点とゴール地点があって、大抵の場合クリアルートはひとつしかない。さまざまなアクションを駆使して、このクリアルートを探すのがゲームの目的のひとつにもなるのだが、普通にプレイしていると気づかないような場所に部屋が隠されていて、その中に回復アイテムや強力な武器が眠っていることが多いのだ。今回も、そうした隠し部屋は健在で、しかも前作以上に発見しづらい。各ステージにある金、銀、緑の彫像を集めることができれば道が開けるのだけれど、これがなかなか集まらない。「見えているのに取れない」という状況も多いので、腕と勘を磨いて取り組むといいだろう。隅から隅まで楽しむには、かなりの時間がかかるはず。気を引き締めて取り組むようにしたい。
●超難解! 歯ごたえ十分のアクションの連続
|
これがレイラの家。中も広いが庭はもっと広い
|
さて、ここまで読んで「へえ、そんなにすごいなら試してみようかな」と興味を持った方に、まずお尋ねしたい。前作はもう、プレイしましたか? と。これは、このゲームを紹介するときには必ず言っていることなのだけれど、もしもプレイしたことがないのなら、まずは前作から手をつけることをおすすめする。別に、ストーリー的なつながりがあるわけではないし、いきなり「~2」に手をつけてもいいのだけれど、続編の宿命とでもいうか、今回はとにかく難易度が上がっているのだ。
|
自分の行動の記録は残る。ゲームクリアの後はタイムアタックだ
|
前作をプレイして、ある程度ゲームに慣れてからでないと、最初のステージをクリアするどころかスタート地点から先に進むことすらできないかもしれない。練習用のステージ(レイラの家。トップメニューで選択できる)もあるけれど、それはあくまでもアクションの練習をする場にすぎず、実際にどこに飛び移れて、どこにのぼれて、どこを壊せて…という実践経験を積むには、今回のステージはあまりに難しい。また、クリアする方法がわかっても、タイミングがシビアで間に合わないこともあるだろう。変更不可能な難易度設定に関しては、もう一考あってもよかったのではないかと思えて、残念でならない。
逆に、前作をクリアした人にとっては、今回は歯ごたえのあるプレイを楽しむことができるはず。「死んで覚えろ」的なトラップも多いけれど、ぜひ攻略本などに頼らず自力クリアをめざしてほしい。セーブした回数はデータとして残るし、各ステージのクリア時にはクリア時間や隠し通路の発見率、回復アイテムの使用回数や銃の発射数と敵へのヒット数に至るまで、細かいデータが表示される。ゲームに慣れたら、これらの数字を縮めていく最短クリアに挑戦するのも楽しいだろう。練習ステージもスタートからゴールまでのコースが設定されていて、所要時間が表示されるので、タイムアタックに燃えることもでき。「敷居は高いが、楽しさも歯ごたえも倍増」そんな印象を受けた。
●万人向けではないが良質なアクション。まずは試してみて!
すでにPlayStation版も発売されているのでプレイされた方も多いことと思うけれど、ゲームの性格上、ことファーストプレイにおいてはこまめなセーブが不可欠なこのゲーム。PlayStationのメモリカードへのアクセス速度では、頻繁にセーブする気にはなれないのではないかと思う。つい面倒でセーブを怠っていたら死んでしまい、かなり前からやり直し。そんな経験をされた方も多いのではないだろうか。今回のWindows 95版ならセーブは一瞬で終わる(F4キーを押すとセーブメニューが現われる)ので、転ばぬ先のセーブでストレスのない快適なプレイができる。また、操作形態に関しては好みの問題もあるだろうが、これも個人的にはパソコン版の方が操作しやすかった。ジョイパッドにも対応しているし、自分の好きなようにキーを設定することもできるなど、誰もがプレイしやすいように考えられている。難易度が高く、変更できないこともあり、残念ながら前作と違い、万人におすすめすることはできないけれど、硬派なアクションゲームを求める方にはぜひプレイしてほしい作品だ。
**画面写真は海外版から撮影しました**
(C)1996 CORE DESIGN LIMITED
(C)1997 Victor Interactive Software,Inc.
【筆者紹介】
- 名前:山城 宏
- 好きなジャンル:ゲーム百般、ギャルゲー全般。ただしWar SLGはちょっと苦手。質の高いアクションゲームをこよなく愛す。
- プロフィール:昭和30年代の絞りカス。コンピュータ歴は20年オーバー。家庭内LAN環境を使い、通信ゲームにうつつをぬかす毎日。仕事しろ? ごもっとも。雑誌ライター、イベント企画、ゲーム制作、その他諸々、お呼びとあれば即参上。
【総プレイ時間・ハード環境】
- 総プレイ時間:約38時間
- 使用ハード:自作PC/AT互換機(K6/200 MHz、PRW128/4VC、SDRAM 64MB、HDD 6.4GB + 2.5GB、8倍速CD-ROM、S3 Virge3D(4MB)、SoundBlaster16)
- 使用ソフト:Windows 95 OSR2
□ゲームソフトインプレッション
バックナンバー
ウォッチ編集部内PC Watch担当
pc-watch-info@impress.co.jp