●究極の経営シミュレーション「A5完全版」
'86年に「A列車で行こう」のシリーズ第1作目を発売してからすでに11年。当初は列車同士の衝突を避けながら線路を延ばしていくという、アクションパズルゲームといった感じのゲームシステムだった。その後'90年に発表された「A.III.(A列車で行こうIII)」で経営シュミレーション的要素を盛り込み、「A.IV.(A列車で行こうIV)」ではクォータービューを採用。日本ソフトウェア大賞ゲームソフト部門最優秀賞授賞を受賞するまでにいたった。
そしてちょうど1年前。'96年末にNECから3DグラフィックスチップPowerVRが発売されたのに合わせ、対応ソフトとしてシリーズ第5作「A5(A列車で行こう5)」が発表された。朝もやの中を疾走する列車や、夕焼けなどの自然現象をもリアルに再現したそのグラフィックはユーザーに多くの驚きをあたえた。また、車窓モードを設けたことにより、自分の作った町の中を、電車はもちろんのことバスやヘリコプターで行き来することができるようになり、まさにヴァーチャルリアリティといった感じのゲームに仕上がっていた。残念なところといえば、プレイ環境があまりにもヘビーなことくらいだ。PowerVR必須というのもユーザーを限定した大きな要素といえるだろう。
ところがあれから1年がたち、この年末に発表される「A5 完全版(A列車で行こう5)」はついにPowerVRがなくても遊ぶことができるのである。また今回の発売にあたり、いくつか追加されたポイントがある。ひとつは「パイロットモード」。これは自分の作った街の中を、ヘリコプターなどに乗って自由に飛び回ることができるというモードで、マイクロソフトの震えるジョイスティック「SideWinder Force Feedback Pro」にも対応している。フライトシミュレータほど複雑な操作は必要ないが、それなりの操縦テクニックも要求される。
このように決定盤とも言えるゲームとして今回発売される「A5 完全版(A列車で行こう5)」。やはり動作条件は厳しいが、ボーナスでマシンを強化してでも遊ぶ価値があるオススメの一本だ。
□アートディンクのホームページ
●大空を自由に舞うヒーリングゲーム「アースウインズ」
システムソフトはこれまでにない発想で作られたスカイリラクセーションゲーム「アースウインズ(Earth Winds)」を12月18日に発売する。
「アースウインズ」は“飛行による心の解放”をテーマにして作られている。空を自由自在に飛び回ること、また無重力空間での浮遊感など、純粋に気持ち良いことを目的に作り上げられている。このため操作もマウスのみというシンプルなもの。といっても単純なアクションだけでなく、曲芸飛行などの複雑な飛行もテクニックによっては実現可能となっている。
音楽には、NHKスペシャル「中国」のBGMや、宮崎駿監督のアニメ映画「紅の豚」のエンディングテーマなどの作曲を手がけてきた菅野よう子さんや、ワルシャワ・フィルハーモニー・オーケストラが参加しており、ゲーム世界の雰囲気を盛り上げてくれる。
□システムソフトのホームページ
●シエラ・パイオニアから年末2タイトル発売
シエラ・パイオニア株式会社がこの年末にゲーム2タイトル「オフロードチャンピオンシップ」と「3Dウルトラピンボール3~失われた大陸~」を投入する。
800馬力ものハイパワーのモンスターマシンを操りゴールを目指すレースゲーム「オフロードチャンピオンシップ」は、アメリカでは人気の高いオフロードレースの運営団体“SODA(Short-course Off-road Drivers Association)”を舞台にしており、マシンのチューニングから、ド迫力のレースまでシミュレートされている。コースは山あり谷ありのシュートトラック3エリア12コースで、そこを泥だらけになりながら走ることになる。また、登場するマシンは3種類で、カラーリングがいくつかの中から選択することが可能となっている。もちろんLANやモデムによる対戦機能も搭載している。
「3Dウルトラピンボール3~失われた大陸~」は、ちょっぴりトリッキーでストーリー性が付加されたピンボールゲーム。舞台は恐竜がたくさん生息するジャングル。各面に登場する恐竜を倒したり、仕掛けられたトラップをクリアしながら最終面を目指すことになる。
□シエラ・パイオニア株式会社のホームページ
●イマジニア、海を舞台にした新作2作品を発表
イマジニアが、世界的にも注目を集めているイギリスのソフトハウス「Criterion Studios」と共同でいくつかの新しいゲームを発表した。「Criterion Studios」は、これまでにRenderWareの3D graphics libraryを手がけるなど、グラフィックス関連の技術を蓄積してきた会社なのだが、このほどゲーム関連ソフトにも参入した。ゲームソフトはこれまでに数本発表しただけなのだが、今年の6月に行なわれたE3(エンタテインメントソフトの見本市)でいきなり新作「SUB CULTURE」がグランプリを受賞したことで、いっきに注目の的となった。
今回、イマジニアから発表された作品は、12月12日に発売が予定されている水上レーシングゲーム「スプラッシュバトル」と、前述の海を舞台にしたアドベンチャーゲーム「サブ カルチャー」、AGP対応のバイクレーシングゲーム「Red line Racer(仮)」の3本。
もう一つは資材がなくても自由に建物を建てることができる「フリービルドモード」。ポツンと海のど真ん中にある離れ小島の上にも東京タワーを建てることができるわけだ。
■A5 完全版(A列車で行こう5)
【動作環境】
http://www.artdink.co.jp/
□A5 完全版の製品情報
http://www.artdink.co.jp/japanese/title/a5k/index.html
ステージは、それぞれテーマに沿ったものが4つ用意されており、神話の時代から大航空時代までを体験することができる。ステージには多彩なイベントが用意されており、それらのイベントを通じて航空博物誌を学ぶこともできる。
■アースウインズ
【動作環境】
http://www.systemsoft.co.jp/
□「アースウインズ」のホームページ
http://www.systemsoft.co.jp/news-info/NewsRelease/EarthWinds.html
「オフロードチャンピオンシップ」では、あらかじめユーザーがコースの好きな位置にカメラをセットすることが可能で、レース終了後そのカメラから見たレースを再生することが可能となる。またコースエディタも付属しているので、用意されたコースを完全制覇した後でも違ったコースを作成して楽しむことができる。
もちろん好きな面を選んでプレイすることも可能だが、それでは隠し面などを楽しむことはできない仕組みとなっている。また、いくつかの面では分岐点が設定されているので、何度でも楽しめるようになっている。
■オフロード チャンピオンシップ(英語版/簡易日本語取扱説明書付き)
【動作環境】
■3Dウルトラピンボール3~失われた大陸~
【動作環境】
http://www.sierrapioneer.com/sierrapioneer/index.html
□Sierra On-Lineのホームページ(英文)
http://www.sierra.com/
□「オフロード チャンピオンシップ」のページ(英文)
http://www.sierra.com/titles/soda/cindex.html
□「3Dウルトラピンボール3~失われた大陸~」のページ(英文)
http://www.sierra.com/titles/3dupb3/site/
□「オフロード チャンピオンシップ」のデモ版ダウンロードページ(英文)
http://www.gamesdomain.co.uk/demos/demo/sodademo.html
□「3Dウルトラピンボール3~失われた大陸~」のデモ版ダウンロードページ(英文)
http://www.gamesdomain.co.uk/demos/demo/pb3demo.html
写真はすべて「サブ カルチャー」から
「スプラッシュバトル」は、純粋にタイムだけを競う“レースモード”のほかに、数々の武器を使い敵を蹴散らしながらゴールを目指す“アクションモード”や、レースを勝ち抜いていく“チャンピオンシップモード”などが用意されている。選べるコースは、10コースで、それぞれにいろいろな趣向が凝らしてある。また、LANやインターネットを使った対戦が可能で、LANでは6人までゲームに参加することができる。
かなりの技術力を持った「Criterion Studios」。日本市場は重要視しているとのことで、イマジニアとタッグを組んでこれから次々とゲームを発売していくという。
□イマジニアのホームページ
http://www.imagineer.co.jp/
□「スプラッシュバトル」ニュースリリース
http://www.imagineer.co.jp/imagi_n/product/syokai/splash/splash.htm
□「サブ カルチャー」ニュースリリース
http://www.imagineer.co.jp/imagi_n/product/syokai/subcul/subcul.htm
□Criterion Studiosのホームページ(英文)
http://ftp.canon.co.uk/studios/index.html
□「サブ カルチャー」ニュースリリース(英文)
http://ftp.canon.co.uk/studios/sub_cul.htm
http://www.ubisoft.com/subculture/subhome.html
□「サブ カルチャー」Screenshots(英文)
http://ftp.canon.co.uk/studios/subshots.htm
□「サブ カルチャー」デモ版ダウンロードサイト(英文)
http://www.ubisoft.com/subculture/subdemo.html
http://www.gamesdomain.co.uk/demos/demo/scfradem.html
●期待の新作「Tomb Raider II」遂に発売
アメリカ、ヨーロッパにおける今年の年末商戦の中でもかなり注目度の高いタイトルとして人気を集めていた「Tomb Raider II」だが、11月初旬からインターネットでデモ版の配布が一斉に始まったのに続き、遂に製品版も発売された。配布開始直後のデモ版には実はバグがあったこともあり、製品版の完成自体にも不安があったのだが、一応期日には間に合ったようだ。日本の輸入盤店でもすでに取り扱いを開始しており、続編を心待ちにしていたユーザーはさっそくはまっているのではないだろうか。
このゲームを知らない読者もいることと思うので若干説明を加えると、「Tomb Raider」は遺跡を発掘する女性レイラを主人公としたアクションアドベンチャーゲーム。ちょうど1年ほど前にPC版を皮切りとして発売されたのだが、3D空間を自由に動き回れること、なぞ解きの面白さなどが受けて世界的に大ヒットとなった。また、ゲームのヒットに伴い主人公のレイラも人気爆発。ロックバンド“U2”のツアー“POP MART”のバックグラウンド映像でも登場したり、「FACE」誌の表紙を飾るまでとなり、マリオ(任天堂)、ソニック(セガ)につづく第3のゲームキャラクターとして現在注目を集めている。
「Tomb Raider II」に関してはグラフィックはともかく、システム的な変更点が気になるところだが、キー操作を含めて基本的には大きな変更点はない。ただ、ところどころに煉瓦の壁や、縄ばしご、網などが設置してあり、そういった場所は Ctrl + ↑で壁をよじ登ることができるという新しいアクションが追加されている。また、暗いところで発煙筒をつけ、明るくして調べるなどのアクションも加わっている。
大きな変更点はないが、細かなところをシェイプアップした「Tomb Raider II」は、この年末年始にはまれるだけの出来には仕上がっている。前作を遊んだ人はもちろん、前作を遊んでない人でも十分楽しむことができるだろう。'98年2月にはビクター インタラクティブ ソフトウェアから日本語版が発売される予定なので、それを待ってもよいが、輸入盤はさすがに人気作品なので、すぐに売り切れる心配がある。来年2月まで待てない人は、輸入盤CD-ROMショップに走ったほうがよさそうだ。
□EIDOS INTERACTIVE(英文)
●コンパイルの遊べる季刊誌「Disc Station vol.17」発売
コンパイルが季節ごとにコンスタントに発売しているCD-ROM付き雑誌(発刊当時はFD付き雑誌だった)「Disc Station」最新版が12月6日に発売される。CD-ROMの中にはここでしか遊べないゲームがたくさん収録されている。
今回収録されているゲームは、RPG「魔道物語」や落ち物パズルゲーム「ぷよぷよ」にも登場する“アルル”と“ウィッチ”がミニゲームで激突する「白熱!ぷよりんぴっく!」。二人のキャラクターのうち一人を選び、3つのコースでタイムを競い合うアクションレースゲーム「ブリッツランナー」。小さな女の子“クリルちゃん”を助けながら、森の中からクリスマスツリーを飾るものを探し出す「あっぷるそーす」のリメイク版「あっぷるそーす 森のクリスマス」。このほかにもなかなか遊べるゲームや、インタラクティブ・アニメ、デジタルニュース映像などが収録されている。
これらの収録ゲームは基本コンセプトとして「シンプル」に作られているため、もうちょっと遊びたいというところでゲームが終わってしまうかもしれない。でもこの値段でこれだけ遊べれば十分なボリュームだし、またなかなか熱くなれるゲームが収録されている。ミニゲームでちょっと一息……のつもりがはまってしまい、徹夜ということになるかもしれない。
□株式会社コンパイル
[Reported by funatsu@impress.co.jp]
□新作ゲームソフトインプレッション Weekend Watch
('97/12/4)
前作では、メニューでレイラの家(めちゃめちゃ大邸宅なのだが)を選択することで基本的なアクションを事前に練習することができる仕組みとなっていたが、今回もレイラの家が用意されている。前作の宝捜しで儲かったのか一段と大きな家となっている。もちろん今回もここで基本アクションを身につけることができるのだが、今回はそれだけでは終わらない。なんと、フィールドアスレチック形式となっており、タイムアタックが楽しめる仕掛けだ。
■Tomb Raider II
【動作環境】
http://www.eidosinteractive.com/
□CORE Design(英文)
http://www.core-design.com/
□Tomb Raiderのページ(英文)
http://www.tombraider.com/
□Tomb Raider IIのデモ版ダウンロードサイト(英文)
http://www.eidosinteractive.com/tombraider/demopctr2.html
■Disc Station vol.17(冬号)
【動作環境】
http://www.compile.co.jp/
□Disc Station vol.17(冬号)ニュースリリース
http://www.compile.co.jp/game/ds/discst/index/vol/vol17.html
□Disc Stationのページ
http://www.compile.co.jp/game/ds/index.html
「RIVEN THE SEQUEL TO MYST」
【PC Watchホームページ】
ウォッチ編集部内PC Watch担当
pc-watch-info@impress.co.jp