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「SideWinder Force Feedback Pro」体感レポート

    SideWinder Force Feedback Pro

  • 発売メーカー:マイクロソフト
  • 推定小売価格:17,800円
  • 対応OS:Windows 95
  • 発売日:10月24日発売
  • 動作条件 PC/AT互換機:「SoundBlaster」と完全互換の15ピンゲームポートを装備し、Pentium/75MHz以上のCPUを搭載したマシン(ただし「SoundBlaster 16 SCSI-1」では動作不可)。
    PC-9801:15ピンのゲームポートを装備したPC-9821シリーズ(ただしPC-9821Cx3、Cx13、Cb10では動作不可)、または「SoundBlaster 16/98」、「同 AWE32/98」、またはNECの「PC-9801-118」の15ピンのゲームポートを装備し、Pentium/75MHz以上のCPUを搭載したモデル。PC98-NXでは動作不可。
SideWinder Force Feedback Pro

 

マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
SideWinder Force Feedback Proのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/hardware/sw/force-feedback/
☆ PC Watch関連記事リンク ☆
【7/11】本田雅一の早耳ニュース 「マイクロソフトの新ジョイスティック」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970711/joystick.htm
【9/4】マイクロソフト、振動が伝わるジョイスティック
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970904/ms.htm



●巨大なボディーにまずビックリ!

大きさ
大きさがわかるようにマウスとならべて写真を撮ってみた。この写真で「FF Pro」がいかに大きいかがわかると思う。

 今回取り上げるのは、マイクロソフトがリリースする最新型ジョイスティック、「SideWinder Force Feedback Pro」(以下「FF Pro」)。その名の通り、ソフトに連動して衝撃や力を発生させるという、“フォースフィードバック”機能が最大の特徴となった製品だ。この製品の発売日は10月24日だが、業界関係者の特権とでもいうのでしょうか、発売日に先立つ10日ほどの間、自宅に持ち帰って実際に使用する機会を得ることができたのだ。
 うーん、デカイ……。これが、実際に「FF Pro」を最初に手に取ってみたときの感想。この製品については、去る6月中旬、米Atlantaにて開催されたE3(Electronic Entertainment Expo:ゲーム関連のイベントとしては世界最大の規模を誇る見本市)で1回見ているので、それなりの予備知識は持っているつもりだった。しかし、こうやって実際に手にしてみると、かなりデカイのだ、これが。同じマイクロソフトが発売している「Microsoft SideWinder Standard」も日本人の手にとってはやや大きめだったが、「FF Pro」はさらに3回りは大きい。ちょっとそのサイズにビビりながらも、パソコンに接続してみたのだが……。うーん、やっぱりデカイ。こりゃある程度快適なプレイ環境を実現するためには、モニタの前に30cm程度はスペースがないときついかも。


●モーターが威力を発揮!

 もちろん、この製品がこれだけ大きいのには、それなり理由がある。その分厚い土台部分には、2個のモーターが内蔵されているのだ。ジョイスティックにモーター。このちょっと想像のつきにくい組み合わせこそ、「FF Pro」のフォースフィードバック機能を実現する秘密なのだ。
 ふたつのモーターは、ジョイスティックのレバー部分に対し、それぞれX軸、Y軸方向への負荷を発生させる。場面に応じて反応を返す、いわゆるブルブル震える入力デバイスといえば、Nintendo64の「振動パック」を思い浮べる人も多いだろう。確かに、市場への投入は、あちらの方が早かった。だが、「FF Pro」のフォースフィードバック機能は、「振動パック」に比べてより進化したものになっている。ただ単に振動するだけではなく、このふたつのモーターの働きにより、より繊細な反応を見せてくれるのだ。銃を撃った時の衝撃のような単純な反応はもちろん、飛行機や急上昇する時に操縦桿にかかる負荷や、レースカーで急コーナーを曲る時、ハンドルにかかる負荷までもが、見事に再現される。場面によって違った振動を体感させてくれるのだ。初めてその感覚を体験したときは、年がいもなく思わず感動してしまったほどだ。

●将来性はまず心配なし

【FF Pro以外の主な体感ジョイスティック】
メーカー
機種名
CH Products FORCE FX
Immersion I-Force
Immersion Impulse Engine 2000
 ところで、こういった新機軸のデバイスは、普及するか否かが大きな問題となる。実際、これまでにもそれなりに面白いデバイスはいくつか登場してきたが、対応ソフトがまったくリリースされず、結局お倉入りとなってしまったものが少なくない。たとえば、液晶シャッター方式の3Dグラスなどがそうだ。まあ「FF Pro」はそうした潰しの効かないデバイスとは違い、対応ソフトでなくとも普通のジョイスティックとして使用することができるため、対応ソフトがなかなか出なくて使い道に困るといったことはない。だが、普通のジョイスティックとして利用するには、無駄に大きいという感は否めないだろう。
 しかし、そうした心配は、どうやら杞憂に終わりそうだ。「FF Pro」では、対応ソフト側がDirectInputというAPIを介して「FF Pro」のフォースフィードバック機能を利用することになる。そのDirectInputは、DirectXの最新版(DirectX Version 5.0)に標準搭載されているのだ。さすがは御大マイクロソフト。これなら、各サードパーティーも対応ソフトを開発しやすくなる。実際、すでに有力PCゲームメーカーの多くが対応ソフトのリリースを発表しているので、一応安心してもいいだろう。ただ、いくつかのゲームをプレイしてみたのだが、まだAPIが公表されてからあまり時間が経っていないこともあって、機能を使ってみました……というレベルのゲームが多いような気がする。でも、すぐに機能を使いこなしたゲームが出てくると思うのだが。


●17,800円は安いか、高いか?

 操作感は良好。将来性もまず心配なし。こうなると、こいつはマストアイテムだ、ゲットしなければ死刑! なんて活きのいいことを言いたくなるが……。残念ながらこの製品、万人にお薦めするには少々気が引ける点もないではない。問題は価格だ。17,800円。まあ、ゲーマーなら、それなりのジョイスティックは1万円以上して当前ということは知っているだろう。しかし、それほどゲームにのめり込んでいない人からすると、ちょっと考えてしまうのではないだろうか。実際に店頭で販売される価格を考えても、あと5,000円足せばプレイステーションだってセガサターンだって、ゲーム機本体が買えちゃうもんねぇ。

【SideWinder Force Feedback Pro 実売価格表】(10月24日午後現在)
ショップ名 実売価格
標準価格 17,800円
【秋葉原】
OVERTOP 17,800円
T-ZONEミナミ 17,800円
ソフマップ1号店Chicago 17,800円
ラオックス ゲーム館4F 17,800円
【新宿】
ヨドバシカメラ新宿西口OA総合館 17,800円
さくらや新宿西口店 17,145円
ビックパソコン館新宿東南口店 16,800円
ソフマップ新宿店 17,979円
T-ZONE新宿西口店 16,800円

トランス
こちらもマウス大の大きさとなっている。ただし、大きいだけでなく、ずっしりと重い。

 そうそう、あとひとつだけ是非とも改善してほしい点がある。「FF Pro」はモーターを内蔵していることから、別途電源を必要とする。標準で付属するACアダプタを使用するのだが、これがまた本体同様デカイのだ。そのサイズは、ちょうどタバコ2箱分に相当する。そりゃあこの手のトランス(電源)の類いは大きいほど安定性が増すのはわかるが、なにもここまでデカイ必要はないんじゃないかなぁ。CDウォークマン用のACアダプタまで小さくしろとはいわないが、せめてファミコン/スーパーファミコン用のACアダプタぐらいの大きさにはしてほしかった。たこ足配線もここに極まれりという状態の我が家では、新たに延長コードを買ってこなければならなかったのでした。



●動作条件をよく確認すべし

 最後に、「FF Pro」の動作条件でひとつ注意しなければならない点に触れておこう。この製品は他のジョイスティック同様、パソコンのゲームポートに接続するのだが、そのポートはSoundBlasterと完全互換でなくてはいけない。具体的にいうと、ジョイスティックインターフェースと、外部MIDIインターフェースを兼ねたポートでなくてはいけないのだ。一部のサウンドカードのゲームポートは、ジョイスティックインターフェースにしか対応していない。この場合、「FF Pro」は利用できないので注意すべし。
 なお、PC/AT互換機の場合は、ゲームポートが外部MIDIインターフェースに対応していなくとも、「シリアルアダプタ」というパーツを利用して「FF Pro」を利用することが可能となる。このパーツは、製品パッケージに同梱された申込書を送付すれば無償で提供されるので、該当する人は入手しよう。もっとも、そうしたサウンドカードは、Direct Soundに対応していないものが多い。いっそのこと、これを機会に最新の製品に替えてしまったほうがいいかもしれない。


【SideWinder Force Feedback Pro対応ソフト一覧】
タイトル メーカー 発売時期 価格 ジャンル
インターステート'76 アクティビジョン・ジャパン 発売中 9,500円 3Dアクションシューティング
Star Divers サイベル 発売中 8,800円 3Dアクション
U.S.ネイビーファイターズファイナルミッション EAV 11月28日 9,800円 フライトシミュレーション
G POLICE ゲームバンク 11月14日 9,800円 3Dシューティング
RED BARON II シエラ・パイオニア 12月発売予定 7,800円 フライトシミュレーション
シエラ・プロパイロット シエラ・パイオニア 12月発売予定 7,800円 フライトシミュレーション
デイトナUSA デラックス(仮) セガ・エンタープライゼス 11月発売予定 価格未定 カーレースゲーム
スターウォーズ Shadows of the Empire マイクロマウス 発売中 10,800円 3Dアクション
A列車で行こう5(A5 完全版) アートディンク 12月4日 12,800円 都市育成シュミレーション
MDK(マーダー・デス・キル) システムソフト 11月13日 9,800円 3Dアクション
Microsoft Flight Simulator 98 マイクロソフト '98年1月発売予定 価格未定 フライトシミュレーター

マーク
 SideWinder Force Feedback Proに対応したゲームソフトには基本的に左のようなシールがパッケージに貼られている。このシールがなかなか小さいので、ちょっと見づらいかも。ちなみに上記メーカー以外に国産メーカーではカプコン、ナムコ、コナミなどそうそうたるメンバーが名を連ねている。“ブルブル”機能を使った新しい体感ゲームが早く登場してほしいものだ。


[Reported by 小笠原 誠]

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