【リレー連載 物欲道修行記】

リレー連載 物欲道修行記

第30講 テレコム道 家元:法林岳之

 法林家元がついに、とうとう、なんと、Macintoshをお買いになった。Windowsユーザーに囲まれて日々Macintoshでお仕事している担当は感無量です(ただし、Watch編集部には個人ではMacなスタッフは数人いますが)。これからはきっと法林家元が、「Mac用のPCカードはどうしてこんなに種類が少ないの?」とか、Macユーザーの代弁をいろいろとしてくださるに違いないと信じております(って、Macのノート持ってないけど。“ThinkMac”を買うつもりだから)。
 なお、法林家元は今週のPC Watchラジオにご出演いただき、56kbpsモデムをめぐる状況などお話いただく予定です。20日公開のPC Watchラジオにご期待ください。(編集部)

Performaを買っちゃったよん

Perfoma5430 Logo

消費税値上げ前に

 「ちょっと奥さん、消費税があがるんですってね。何か買いおきしました?」
 「ええ、ウチなんて大急ぎでパソコン買いましたわ」
 「あら、ウチも近所のスーパーで特売やってたから、追加で1台買いましたのよ。おほほほほ」

 なんて会話が交わされてるのかどうかは知らないけど、4月1日から消費税が5%に上がる。3%から5%だから、10万円の買い物をすると、2000円も違う計算だ。2000円って言ったら大金ですぜ。ちょっと足せば、Pentiumマシンの2~3台は買えるんだから(うそ)。

 冗談はともかく、消費税が上がることは間違いないので、気になる物欲はお早めにって感じ。たぶん、3月の最終週の秋葉原とか、とんでもなく混雑するんだろうなぁ。


嗚呼、あこがれのMacintosh

 てなわけで、今回は消費税値上げ前に買ったマシンを紹介しましょう。まず、1台目はMacintosh Performa 5430。「えー、Mac買ったの?」と思うかもしれないけど、実はちょっと仕事でPerformaを使わなきゃいけなくなったため、意を決して買ったのでした。

 我が家にはPower Macintosh 7500/100とQuadra800があるけど、これらはかみさんの持ち物で、ボク自身がMacを買ったのは初めて。大昔、Apple //cを買ったことあった(今は押し入れで寝てる)けど、Macは欲しい欲しいと思いつつ、ずーっと買えないまま。苦節十何年、ようやくあこがれのMacintoshがようやく手に入ったというわけ。

 「それにしても何でPerformaなの?」という疑問を持つ人も多いはず。在庫処分のPower Macintosh 8500/180という選択肢もあったはずだし、最新のPower Macintosh 7300/166なんかもいいよね。ただ、画像処理とかDTPをバリバリやるわけでもないのと、どうしてもPerformaじゃないといけない理由もあったんで、こういう選択になったのでした。タネあかしはまたいずれってことで……。


新宿と秋葉原のどっちが安い?

 今回、Performa 5430を買うとき、まず迷ったのが買う場所。アフターサービスはともかく、新宿と秋葉原のどっちが安いのかという点。せっかくだから、両方に何度か足を運んでじっくりと値段を比較してみた。

 値段を調べてみると、意外にヨドバシカメラが安定していることがわかった。ここ1カ月ほど198,000円で止まっているのに対し、秋葉原は最近になって現金ショップがヨドバシカメラよりわずかに安い程度。キャッシュバックのポイントと消費税を換算すると、ヨドバシカメラの方が安いことになる(ヨドバシカメラは消費税込の価格で、5%のポイントが付く)。

 秋葉原のショップの価格を見て、「こりゃ新宿で買うしかないかなぁ」と落胆しながら歩いていたら、178,000円と書かれたPerforma 5430を秋葉館で発見。たしか、その日にもらった秋葉館のチラシには198,000円と書いてあったのに……。店員さんに「なんで?」と聞いてみたところ、チラシの価格は表向きで、店頭表示価格がホントの値段なんだそうだ。何でもチラシで情報を集めたり、他店が参考にすることもあるので、そういうことをしてるんだとか。いやはや、商売は奥が深いですな。

 そんなわけで、秋葉館で本体を178,000円(税別)で購入し、合わせて32MBのメモリと2次キャッシュも買いました。秋葉原を数時間歩き回ることになったけど、結構安く買えたんで、一応満足。西川さんみたいにPerforma買いに行ったのに、PowerMacintosh 8500/180を買っちゃったなんてこともなかったし(笑)。やっぱ、人間、初志貫徹が大事だよな。これからは私が非衝動買い派を名乗らせてもらいましょう。:-)


箱から出してみると……

 愛車にPerformaを載せて、その日の内に持ち帰った。店員さんが「大丈夫ですか?」と心配してくれたけど、こういうときのためにレガシィのツーリングワゴンを買ったんだから(笑)。そういや、よく新宿西口のヨドバシカメラやソフマップの近所で、セダンやクーペに無理やりオールインワンパソコンを積もうと悪戦苦闘してる人がいるけど、それは無茶です。なにしろとてつもなく箱がでかいから。

付属アプリケーション  クルマに積むところまでは良かったけど、我が家のある3Fまで持って上がるのはさすがにしんどい。一体型って重いんだよな。こんなことばっかしてるから腰を悪くするんだな。

 早速、箱を空け、内容物を確認する。オールインワンパソコンなんて滅多に買うもんじゃないから、いろいろ揃ってて感動する。やっぱ、いろいろ付いてるのはうれしいよね。内容物で、まず目についたのが付属ソフトを収めたCD-ROMケースとユーザー登録ハガキの束。DOS/Vマシンなんかだと、付属アプリケーションソフトのCD-ROMは透明の袋に入れられ、付属品の箱の中に雑多に収められているだけ。ユーザー登録ハガキもマニュアルに綴じられていたり、ハガキだけ別になっていたりしてバラバラ。

モジュラー分岐ケーブル  ところが、その辺はさすがにアップル。CD-ROMは専用のケースにまとめられ、ユーザー登録ハガキは平綴じになっている。これなら、CD-ROMだけなくしたり、ユーザー登録ハガキの出し忘れもしない。ついでに、住所や氏名の欄が複写式になってて、書くのが一度で済めば、もっとラクかも(笑)。

 この他にも、モジュラージャックの分岐ケーブルなんかもついてるし、全体的に付属品に対する細かい気配りが感じられる。さすがアップルって感じ。試用記事を書くときに、いろんなメーカーのオールインワンモデルを触ったけど、ここまで細かくやってるメーカーってあんまりないんじゃないかb\な。他のメーカーにもぜひ見習って欲しいところ。特に、PC/AT互換機メーカーね。

Energy Starシール  ただ、アップルにも改善してもらいたいところがいくつかある。たとえば、ディスプレイに貼られたEnergy Starのシールもそのひとつ。大したことじゃないけど、これはちょっと驚いた。

 普通、ディスプレイのガラス面ってのは汚れが気になるんで、保護シートを付けたり、クリーナーを添付するんだけど、こんなもん、ディスプレイに貼るなよってカンジ。まあ、剥しやすいシールだから気にならないけど、わざわざガラス面に貼ることはないでしょうに……。もし貼るんだったら、枠の部分に貼るべきだよね。次期出荷モデルからでもいいから、検討し直して欲しい。



メモリって自分で増設していいんでしょ?

Perfoma5430 背面メインボード 背面
 本体を箱から出したら、次はメモリと2次キャッシュの増設だ。背面のネジを緩め、パネルを外すと、内部ユニットを引き出すことができる。マニュアルを見ながら、指定されたところにメモリと2次キャッシュを挿す。

 一体型マシンって、拡張性が悪いとか、いろいろ言われてるけど、一応整備性が考えられているのは偉いよね。前回、西川さんが書いてたけど、我が家のQuadra 800とか、Power Macintosh 8500シリーズなんて、もうメモリ挿すだけで大仕事なんだから。新製品の登場であの筐体もなくなるみたいだからいいんだけど、メモリの増設なんて必ずと言ってもいいほどやる作業なんだから、設計する人は考えておいて欲しいよね。

マニュアル  ところで、メモリと2次キャッシュを買うとき、「自分で取り付けたら保証しません」といった意味合いのことを言われた。そう言えば、ウチのかみさんがMacintosh用のメモリを買うときにも同じようなことを何度か言われてたな。

 前から気になってたんだけど、Macintoshって自分で本体を開けちゃいけないとか、メモリは挿すなとか、いろいろ注文を付けられることが多い。初心者向けの雑誌で記事を書くときも、「注意書きをどうしよう」とか「記事にするのはリスクが……」なんて話がよく出た。At Your Own Riskなのはよくわかってるけど、その割には本体が簡単に開けられたり、メモリの増設方法がマニュアルに載ってたりする。

 ところが、不思議なことにPC/AT互換機用やPC-9800シリーズ用のメモリを買っても、そんな妙なことはあまり言われない。初期不良1週間なんてところもあるけど、それはホントにバルク品のメモリ(って言うのか?)だったりするから仕方ないんだけど……。


ヘンな発音のPerformaツアー

Performa5430  というわけで、メモリと2次キャッシュの取り付けが終わり、机の上を片付けて、Performa 5430を設置してみた。予想よりもすっきり机の上に収まったって感じ。ちなみに、Performa 5430の左側にあるCOMPAQ PROLINEA 5133は昨年末に買ったもので、主にターミナルアダプタやカード類のテストに使っている。

 しかし、我が家のマシンルームもそろそろ台数が増えすぎて、もう限界かもしれない。かみさんのマシンも含めると、デスクトップ機とタワー型で9台もあることになる。読者のみなさんご想像の通り、冬でも暖房は要りません(笑)。常にフル稼働してるわけじゃないけど、そろそろ引越でも考えないと……。どっかにいい物件ありませんかねぇ。ついでに資金援助もしてくれるとうれしいだけど(笑)。

 さて、Macそのものはかみさんのマシンを触ってたので、Performaも迷うことなく、使うことができた。驚いたのは最初に起動したときに表示されるPerformaツアーというガイダンス。おねえちゃんが登場して、マウスの使い方から基本操作まで教えてくれるというヤツ。こういうのって、親切そうでいいじゃないですか。ただ、おねえちゃんの発音がとってもヘンで、こっちのイントネーションまでおかしくなりそうだったけど。



実は、その他にも

PC750ロゴ
 Performa 5430を買ったのは3月のはじめなんだけど、2月にもマシンを1台買ってたのです(笑)。こちらはIBMPersonal Computer 750というマシン。ちょっと地味なマシンだけど、これはMicrosoft Windows NT Server4.0の勉強用として購入したもの。

 実は昨年あたりからNT Severマシンを物色してたんだけど、一ヶ谷兼乃講師と広野忠敏師範にお伺いを立てたところ、

  1. 常時、電源がONになるので、静かであること
  2. SCSIのみのシステムに移行した方が安定する
  3. WindowsNTの動作保証がされたマシンの方がベター
というアドバイスをいただいていた。

 そこで、手頃なメーカー製のマシンはないかと探したところ、毎度おなじみの新宿パソQで、PC750が158,000円で販売されているのを見つけ、購入したというわけだ。ただ、PC750って、発売時期によって、微妙に仕様が異なるため、IBMのホームページを参考にしたり、FAX情報サービスを利用したり、最後には一ヶ谷兼乃講師に再びお伺いを立てた上で決定した次第(毎度、お世話になります。 > 一ヶ谷講師)。製品仕様を見るとわかるけど、PC750はIDEインターフェイスにハードディスクとCD-ROMドライブがつながってる。これらをSCSIのものに換装すれば、アドバイスに合うマシンができあがるはずだ。

PC750  まず、SCSIインターフェイスは手元に余っていたAdaptecAHA-2920を利用。ハードディスクはIBM製の2GBのDORS-32160、CD-ROMはTEACCD-56Sを接続し、さらにこれまた我が家に余っていたIBMの3.5インチMO(もう生産中止になっちゃったんだよね)も本体に内蔵した。

 LANカードは付属のWake On LAN対応のものが今ひとつだそうなので、ウチに余っていたアイ・オー・データ機器LA2/T-PCIに交換。あとはメモリを増設し、キーボードを前回紹介したTrackPoint付きの5576-C01をつないで完成となった。

 無事にWindows NT Server 4.0のインストールも終わり、PC750は特に問題なく動いている。ただ、締切の嵐が来てしまったため、まだMacintoshサービスを入れておらず、プリンタの共有のテストなどもやってない。ま、この辺はじっくり時間を掛けて勉強するつもり。幸い、回りに先生も多いことだしね。



物欲できなかったものも……

 今月、物欲できなかったものもある。ちょっと気になる話なので、おまけとして書き加えておきたい。

 実は、アメリカに住む知人が日本に来たとき、富士通FMV-BIBLO NC(FMV-5100 NC/S)を購入した。現地で使っている内、オプションで提供されている増設バッテリーが必要になったため、アメリカに送って欲しいと言ってきた。早速、新宿や秋葉原のパソコンショップを回ってみたのだが、これがどこにもない。仕方なく、秋葉原の富士通プラザに出向いてみたのだが、これまたまったく在庫がないと言うのだ。

 FMV-BIBLO NCと言えば、本体に標準で内蔵されているバッテリーが取り外せないため、長時間運用するためには増設バッテリーが必須となる。すでに、最初の発売から4カ月が経とうとしているのに、未だに品切れって……。富士通プラザの人の話によれば、3月末に10本強入ってくるかどうかという状態で、すでに10本近い予約が入っているという。知人に聞いても、本体購入と同時に予約した増設バッテリーが、2カ月以上経った今でも手に入らないという。

 たしかに、ノートパソコンでは過去にもバッテリーや増設メモリなどのオプションがなかなか出荷されないという話は聞いたことがある。でも、さすがに4カ月は長くないだろうか。それに、FMV-BIBLO NCの場合、内蔵バッテリーが取り外せないという特殊な構造(この件は発表会でも指摘したんだけど……)のため、増設バッテリーがないということはユーザーの利用環境を大幅にスポイルすることになる。それが品切れってんじゃ、買った人はたまったもんじゃない。

 早速、富士通の広報部に電話をしてみたところ、やはりFMV-BIBLO NC用の増設バッテリーは不足しているそうだ。同社では急遽、増産する体制を整え、早ければ3月20日頃にも追加出荷分がショップなどに出回る予定だそうだ。増設バッテリーが欲しいユーザーは、ショップなどに確認してみるといいだろう。

 たまごっちや出荷直後のMN128のときもそうだったけど、こういう品切れって話を聞くと、いつもメーカーの良心を疑いたくなる。理由を聞くと「予想外の反響だった」「販売予測を見誤った」なんてお決まりのセリフしか返ってこない。結局、ユーザーは黙って待つしかなく、不自由を強いられる。
 せめて、どれくらい生産してるとか、どこに流す予定だとか、いつ頃品不足が解消するとか、そういった情報をいろいろな場所(たとえば、ホームページなど)でもっと公開すべきではないだろうか。どんなにいい製品を作ってもそれを支える体制をしっかりと整えないと、お客さんは逃げてしまいますぜ。>各社


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