【リレー連載 物欲道修行記】


リレー連載 物欲道修行記

第25講  テレコム道 家元:法林岳之

 法林家元の今回のお題はPilot。最近ひそかに流行っているUSRのPDAです。購入されてけっこう気に入ったというお話は伺っていたのですが、こんなにPilotグッズを蒐集されていたとは編集部でも存じ上げませんでした。グッズの説明がデパートの販売員になってるあたり、すっかりはまっておられるようです。
 今年はWindows CE機、PIAFS対応PHS端末、28.8kbps対応携帯端末など、こもの系でいろいろ注目の製品が出てくるので、こもの派(& SONYコレクター)の広野師範はもとより、物欲講師のみなさまの修行生活にこものがどう関わってくるのかも注目していきたいところです。(編集部)

Pilotに注目だ!!

U.S.Robotics Pilot Logo

たまる物欲

 西川さん山田先生まで乱入しちゃったから、1カ月も間が空いてしまった。もう、おかげで、だいぶ物欲がたまるのなんのって(うそ)。いや、実は先月、みんなで編集部に集まったとき、毎月、物欲するのはしんどいから、他の人にも書いてもらいましょうって話したから決まったんだけどね。それにしても、いろんな人の物欲を見るのは楽しいよね。

 さて、今回はたまった物欲を2つほど紹介しましょう。え? そんなことしたら、次回のネタがなくなるって? 大丈夫、大丈夫。そのときは担当のKさんもいるし、Y編集長も自宅をISDN化するらしいし。たまには大ボスのIさんに書いていただくのもいいかもしんない。


アメリカに行ってまいりました

 前回のリレー連載が掲載されたとき、やっとお休みがとれたみたいなことを書いてたけど、実はロサンゼルスに遊びに行ってたのでした。やっぱ、1年に1回くらいは家族サービスしておかないとね。

 ロサンゼルスではいわゆる観光名所もいくつか回ったんだけど、やっぱりお楽しみは巨大なPCショップ。日本もLAOX THE COMPUTER館みたいにビル丸ごとのPCショップがあるけど、アメリカは平屋でデカい。縦じゃなくて、横にデカいんですね。今回は現地の知人に案内してもらったおかげで、ピンポイントで効率よくPCショップを回ることができました(その節はお世話になりました。 > Nさん)。

U.S.Robotics Pilot5000  実はアメリカに行く前から、ちょっと気になってて、もし安かったら買おうかなって考えてたのがU.S.RoboticsPilotというPDA。「あのモデムのU.S.RoboticsのPDA?」って思うかもしれないけど、実は数年前にU.S.Roboticsが小型PDAを開発していた会社を買収したため、U.S.Roboticsから販売されることになったわけ。余談だけど、U.S.Roboticsって、モデムやターミナルアダプタ以外にも会議室用の電話システムなども売ってたりする。せっかく日本法人もできたんだから、こういうものも国内で売ってくれればいいのに……。

 なぜボクがこのPilotを買う気になったか。やっぱり、モデムで慣れ親しんだU.S.Roboticsの製品だったことと、すでに日本語化を実現した人が居たからだ。HP 200LXのときもそうだけど、日本人の熱意ってスゴいっすよねぇ。

 日本語化は山田達司さんという方が個人的におやりになったそうで、氏のホームページにはPilotの日本語化に関する情報や各種ツール類の情報が数多く掲載されている。ボクもこのページで随分と勉強させてもらいました。ちなみに、すでにその筋では日本語化だけにとどまらず、日本向けのアプリケーションが開発されていたりして、とっても盛り上がっているとか。

 Pilotには128KBのメモリを搭載したPilot1000と512KBのメモリを搭載したPilot5000が販売されている。ボクが購入したのはPilot5000で、お値段は279ドルでした(約3万円強ってところでしょうか)。オプション類も豊富で、標準搭載のメモリを外して取り付ける1MBのメモリモジュールも販売されている。日本語化して、いろいろなアプリケーションを使う人は、Pilot1000と1MBのメモリモジュールを買って、128KBのメモリは処分するのがいいそうな。このメモリモジュールってノートパソコンなどに使われているスモールDIMMにそっくりなんだけど、残念ながらノートパソコン用は流用できないみたい。結構、みんな4MBとか8MBとか余ってるのにねぇ……。



Pilotは小さい、速い、面白い

手のひらサイズのPilot  Pilotが優れているのは、大きさ速さ、そしてパソコンとの連動アプリケーションの追加ができるという点だ。

 ボディは日本人の手のひらにもすっぽり収まるほどで、ワイシャツのポケットにも入れられるサイズ。ちょっと前の電子手帳なんかとほぼ同じサイズというわけだ。ちなみに、写真の手は女性です。

 次に、速さ。なんと言っても反応速度が速い。PDAって、やっぱり使いたいときにすぐ動くことが重要でしょ。パッとポケットから出して、サッと使って、ヒョイとしまう。これができないとPDAとは呼べないよね。普段はHP 200LXを使ってるんだけど、起動こそ速いものの、スクロールとかがねぇ……。倍速化すりゃいいって話もあるけど、どうも勇気も金もないのでした(笑)。Pilotは電源スイッチを押せば、すぐに起動するし、アプリケーションの切替も速い。いや、ほんとにヒュンヒュン動くって感じ。
Pilot Cradle  第三のメリットはパソコンとの連動がよく考えられている点だ。パッケージにはPilotを置くためのPilot Cradleというドッキングユニットが添付されていて、パソコンのRS-232Cで接続できるようになっている。パソコン側のPilot DeskTopというアプリケーションソフトで情報を更新しておき、Pilot CradleのHotSyncボタンを押せば、双方のデータの同期を取ってくれる。もちろん、どちらのデータを優先するのかは自由にカスタマイズすることができる。

 ちなみに、パソコン側のアプリケーションソフトは英語版なので日本語が入力できないけど、Emigrant(伊澤伸氏によるフリーソフトウェア)というソフトを使えば、ちゃんと日本語も入力できるようになる(EmigrantはNIFTY-ServeのMSAフォーラムで入手可能)。

 そして、最も気に入ったのは、仕様が公開され、個人が作った優秀なアプリケーションソフトが数多くあるという点だ。日本人にとっては、やはり山田氏が開発した日本語環境が最もうれしいんだけど、その他にも真面目なビジネスソフトから気軽に遊べるカードゲームまでいろいろなものが公開されている。ちなみに、こうしたアプリケーションソフトはAdam's USR Pilot Software Archiveからダウンロードすることができる。

 気に入らない点もいくつかあるんだけど、やっぱりバッテリーがなくなるとデータが消えてしまうことが一番不便。ザウルスや電子手帳みたいにデータを別の電池でバックアップしてるわけじゃないから、バッテリーがなくなると、パソコン側からデータを再ロードしなきゃいけない。ボクなんて、調子にのって、あちこちでバッテリーやメモリーカードを外してたもんだから、買ってしばらくは工場出荷値のままだった(笑)。マジで使うんなら、ときどきバッテリー残量はチェックした方が良さそう。電源は単四電池2本で、約2~3週間は持つようだ(ヘビーに使えば、もっと短いだろうけど)。

 また、Pilotについては、新型が出るとか日本語版は今春発売とか、いろんな噂が飛び交っている。でも、とにかく値段の割には楽しめるPDAであることは確かだ。この他にも、Pilotに関するノウハウとかTipsはまだまだたくさんあるようだけど、ボクもまだ勉強中だし、前述の山田氏のホームページにはFAQも掲載されているから、そちらを参考にしてもらうとしましょう。



ハマると広がる物欲魂

Slim Leather Case  Pilotに関する話をあちこちで聞いてる内に、秋葉原のIKESHOPのMac PLAZAでPilot関連のグッズを売っているという情報を得た。何はともあれ見てみようとばかりに出かけてみたら、これが結構いろいろあって楽しい。純正オプションからあやしい関連グッズまで、いろいろ取り揃えている。店員さんもノリのいい人ばかりで、結構、いろいろ買込んでしまった。

Gold Pen  まず、最初のお勧めは、やはりケースでしょう。標準添付のケースはビニール製で今ひとつ高級感がありません。そこで、革製のものをいくつかご用意いたしました。個人的にお勧めしたいのは、3,580円とお手頃な純正品のSlim Leather Carrying Case(写真左)です。使い込めば使い込むほど味の出てくるスルメのようなレザーがたまりません。

Light Pen  お次は、ペンにこだわってみてはいかがでしょう。Pilotはザウルスと同じように、付属のペンで操作しますが、標準添付品はプラスチック製で軽い上、どうも安いっぽいのがいけません。そこで、やや重めの金属製のペンをご用意いたしました。ひとつはブラックボディのシブいデザイン、もうひとつゴージャスな24金メッキ(写真右)でございます。もちろん、Pilot用に作られておりますので、本体にちゃんと格納することができます。ともにお値段は2,980円とお安くなっております。これでアナタのPilotもステイタスシンボルですね。

 さて、暗いところでもお使いになりたい方には、ライト内蔵のペンをご用意いたしました。こちらもいくつか種類がございまして、最もインパクトが強いのがMoon Writer(写真左)です。ちょっとサイズは大きめですが、キャップを開けて後ろにつけると、ほーら、こんなに明るい。明るすぎて、もうPilotが光り輝いて見えます。一見、シェーファーのボールペン風のデザインもイケてます。これさえあれば、災害時も安心ですね。ペンだけ持って、ボタンを押せば、ウルトラマンになることもできます。お値段は2,280円とペンにしては高めですが、買って損のない逸品と言えましょう。

Lighting Unit  もっと全体的に明るいライトが欲しいようでしたら、Mini PCL Lighting Unit(写真右)はいかがでしょうか。Pilot本体よりもちょっと小さめのボディですが、本体とマジックテープでドッキングさせることもできます。お値段の方も1,980円と格段にお安くなっておりますので、お気軽にご購入いただけます。Pilotユーザーならずとも、西川さんのようにオールナイトな人には必携のツールと言えますね。

 おい、なんか口調がヘンだぞ。というわけで、この他にもスクリーン保護シート、ベルトループ付きポーチ、液晶クリーニングキットなどなどなど、とにかくいろんな商品があって、PDAな人はかなり楽しめるお店です。マジな話、ライト付きペンなどはいくつか種類があるんで、ザウルスユーザーにもお勧めかもしれません。

 ちなみに、IKESHOPではPilotユーザーのためのホームページも用意しているので、気になる人はぜひ一度ご覧になるとよろしいかと存じます(やっぱ、口調がヘンだ)。



最後におまけ

 なんか、いろんな物欲の話を書くはずだったのに、なぜかPilotの話だけで結構長くなってしまった。これ以上書いちゃうと、電子メール版の担当者に怒られちゃうかもしんない。ごめんよぉ。

Track Point付きキーボード  さて、最後にちょっとおまけの話。IBMThinkPadシリーズにTrack Pointというポインティングデバイスが使われてるのは、読者のみなさんも知ってるでしょ。そう、例の赤いポッチです。結構、好き嫌いがあるみたいだけど、ボクはThinkPad 230CsThinkPad 560と来たもんだから、やっぱりTrack Pointがノートに最適と考えてる。

Track Point  そんなTrack Pointファンにお勧めなのがこのキーボード。そう、泣く児も黙るIBM純正のTrack Point付きキーボードだ。パソコン本体のキーボードコネクタとPS/2マウスポートに接続すれば、いつものあの感覚で使えるというわけ。Track Pointファンはもちろんのこと、複数のパソコンを置いてて、マウスの置き場所なんかに困っている人にも便利じゃないかな。秋葉原の実売価格は約2万円とちと高いんだけど、今回は新宿西口のパソQ9,700円という破格で売られていたものをゲットした。パソQは以前、一ヶ谷兼乃氏が新宿のパソコンショップ事情をレポートしたときにも紹介された知る人ぞ知るお買得ショップ。ときどきとんでもなく安いものが売られているので、ボクは新宿西口に行く度に足を運んでいる。

 ちなみに、このキーボードを最初に見つけたときは5つ在庫があったんだけど、PC DECO編集部のM氏、DOS/V PowerReport編集部のO氏もとボクの3人がまとめて買っちゃったもんだから、もう在庫が残り少ない。と思っていたら、その後の情報によれば、今週中にも再入荷するとか。欲しい人はすぐに新宿西口に走ろう。

[Text by 法林岳之]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp