日本メーカーの逆襲!? ソニーが米国でパソコン発表

●ソニーの今後の展開に注目が集まる

 日本の電機メーカーが大挙して、米国のパソコン市場に襲いかかって来る……米国勢優勢の今のパソコン業界の状況からすれば、いささかパラノイア気味に思える、こんな内容の記事がLos Angeles Timesなどのニュースサイトに登場した。
 もちろん、こうした記事が出たのは、ここ1~2週間の日本メーカーの動向を受けての話だ。先週のPC EXPOでは,ソニーが初めての米国市場向けパソコンを発表。東芝も、年末までにDVD-ROMドライブ搭載デスクトップを発売することを明らかにした。また、その少し前には、ホームパソコン市場でシェアを持つ米Packard Bell社が、NECの海外パソコン事業と統合されると発表された。確かに、これだけ並べれば、日本メーカー来襲説が成り立ってもおかしくはない。

 とくに、ソニーの参入は、米国に大きなインパクトを与えたようだ。ソニーという企業の米国でのブランドイメージはきわめて高い。しかも、これまでソニーは米国では自社ブランドのパソコンを発売したことがなかった。そのソニーが、いよいよパソコン市場に参入するということで、注目を集めたわけだ。  もっとも、ソニーが今回発表したマシンそのものに対しては、それほど反響はない。確かに、質は高いし、新しいフィーチャもあるが、それでも既存のパソコンの枠からはみ出していないからだ。「いいマシンだけど、ソニーが出すにしては...」といった反応の方が多い。

 米国のアナリストたちが注目しているのは、ソニーのもう少し先の展開だ。たとえば、この5月にはNew York Timesのサイトで、ソニーが97年に、オーディオとビジュアルアプリケーション用の新しいOSを搭載したコンピュータを出すと報じられた。ソニーは、この内容を正確ではないとしているが、ソニーが何か仕掛けるのではという疑念と期待は、まだまだ根強く残っている。今回の発表を伝えるニュースのなかにも、ソニーがNetwork Computerを作る可能性があると報じている記事もある。

 かつて、米国の家電業界は、日本勢にメタメタにやられた。そして、これから先、パソコンが家電になって行くと、その悪夢が再現されるのではないかと米国では恐れているらしい。

【PC Watch】ソニーが、米国市場向けの新PCを発表
Los Angeles Timesの記事
ソニーの新PCの登場を報じるc|netの記事

('96/6/24)

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[Reported by 後藤 弘茂]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp