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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
キヤノン | ||
CanoScan D1250U2F | ||
USB 2.0対応の透過原稿ユニット搭載フラットベッドスキャナ | ||
TEXT:藪田織也 Oliya Yabuta |
本体手前には、ワンプッシュでスキャニングやコピー、メールへの画像添付を行なうことのできる3EZボタンを備えている |
D1250U2の特徴は大きく分けて2つ。まず、主走査部に6ライン型カラーCCDイメージセンサー方式を採用する、CCDタイプのスキャナとしてはCISタイプに迫るほどのコンパクトなデザインに仕上がっている点と、インターフェイスにUSB 2.0を採用している点だ。さらに今回紹介する同シリーズの上位モデルD1250U2Fは、上記に加えて透過原稿ユニットを標準装備している。
まずUSB 2.0接続の効果だが、実際にPentium III 750MHz、メインメモリ容量 512MBのマシンにアダプテックのUSB 2.0インターフェイスカード、AUA-5100を装着し、このカードに本機を接続して試用してみたところ、実に快適なスキャンができた。A4フルサイズの原稿をスキャンした場合、ランプの調光時間約15秒を除くと、600dpiでスキャン時間に30秒、1,200dpiで2分10秒というスピードなのだ。
インターフェイスはUSB 2.0および1.1。USB 2.0インターフェイスカードの価格もこなれてきたので、本機の性能を活かし切るのは難しいことではない |
なお、本製品にはUSB 2.0インターフェイスカードは添付されないため、USB 2.0インターフェイスを標準搭載したマシンがほぼ存在しない現状で本機の性能をフルに引き出すためには、AUA-5100のようなカードを増設することになる。
もう1つの特徴であるボディサイズに関しては、主走査部にLEDを使うCISタイプほどではないが、蛍光管やレンズを使うCCDタイプの中では、平均的な製品と比べて約30mm薄くなっている。これは、キャリッジ内の2つのミラーの高低差を直線上に近付けたことによる効果だと言う。かと言って、幅や奥行きは従来とそれほど変わらないので、薄くなったことによるメリットはあまり感じない。NECのMR1201Uなどのように、使わないときに立てかけておくことのできる、縦置き用のスタンドが欲しかった。
原稿押さえには透過原稿ユニットを内蔵しているので、35mmのネガ、ポジフィルムの読み取りにも対応する。家庭で手軽にDPEを楽しみたい場合に重宝するだろう | ヒンジには可動部が2カ所あるため、写真のようにかなりの厚みがある原稿も安定して押さえることができる |
本機で反射原稿をスキャニングしたサンプル。付属のTWAINドライバは暗部がややつぶれ気味の標準設定となっているため、少々持ち上げてやると美しくなる |
また、D1250U2Fは35mmフィルム読み取りに対応した透過原稿ユニットをビルトインしており、圧板部にあるPhotoボタンを押すだけで、同梱の画像レイアウトソフト「CanonPhotoRecord」へとリンクしてスキャンできる。下位機種であるD1250U2は透過原稿ユニットを追加することができないため、フィルムスキャンをするユーザーは、D1250U2Fを迷わず選ぶべきだ。
D1250U2は、スキャニング画像の明るさや精細さに多少見劣りするところもあるが、26,800円という価格で反射、透過両タイプの原稿に対応している点は魅力だ。さまざまな素材を手軽にスキャンしたいユーザーにお勧めのスキャナと言える。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□キヤノンのホームページ
http://canon.jp/
□製品情報
http://www.canon-sales.co.jp/Product/CanoScan/d1250u2f/index-j.html
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